
「断熱リフォームをしたいけれども負担が大きい」
「補助金を活用したいけれども種類が多くて違いが分からない」
このように悩んではいませんか?
家を断熱リフォームすると、家の中の温度を適温に保ちやすくなる、光熱費を削減できるなど多くのメリットがあります。しかし断熱リフォームは大がかりになる傾向があり、費用も高額になりがちです。
そんなときに活用したいのが、国や自治体が提供している補助金や助成金です。今回は、断熱リフォームに活用できる補助金を5種類ご紹介しますので、希望するリフォームに適したものを見つけてくださいね。
なお、本記事内で紹介しているのは、2023年2月時点の内容です。補助金事業は年度ごとに情報が新しくなります。応募期間が決まっているものもあり、タイミングをあわせてリフォームする必要があるため、必ず公式サイトで最新情報を確認するようにしてください。
1.断熱リフォームで使える補助金は5種類!
断熱リフォームで使える補助金には以下の5種類があり、それぞれ目的や内容が異なります。
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業(旧呼称「断熱リノベ」)
- 次世代省エネ建材の実証支援事業
- こどもエコすまい支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 地方自治体独自の補助金・助成金制度
マイホームの断熱リフォームにどの補助金を活用するかの検討材料とするために、それぞれの対象リフォームと申請条件を紹介します。
1-1.既存住宅における断熱リフォーム支援事業(旧呼称「断熱リノベ」)
断熱性能の高い建材を使用して、省エネ効果が見込める断熱リフォームを行った場合に、費用の一部が助成される事業です。
■補助金名
既存住宅における断熱リフォーム支援事業(公式サイト)
■対象リフォーム内容
補助の対象となるのは、15%以上の省エネ効果が見込まれる改修率を満たす高性能建材(断熱材、窓、ガラス)を使用した既存住宅のトータル断熱リフォーム、または居間(生活する時間が最も長い居室)に高性能建材(窓)を用いた断熱リフォームです。
■補助額(上限)
補助額は、戸建住宅と集合住宅によって以下のように定められています。
<戸建住宅の場合> |
---|
1住戸あたり120万円を上限額とし、補助対象費用の3分の1以内が補助されます。 ※断熱改修と同時に以下の設備を導入した場合、記載した金額を上限に補助対象とされます。 |
<集合住宅の場合> |
1住戸あたり15万円を上限額とし、補助対象費用の3分の1以内が補助されます。 ※断熱改修と同時に熱交換型換気設備などを導入した場合、5万円を上限に補助されます。(個別改修に限る) |
■申請条件
申請条件は、以下のとおりです。
<戸建住宅・集合住宅(個別)> |
---|
|
<集合住宅(全体)> |
|
>>「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」の申請方法はこちら
1-2.次世代省エネ建材の実証支援事業
マイホームに省エネ促進・工期短縮が期待できる高性能断熱材や、快適性向上に役立つ蓄熱・調湿など「次世代省エネ建材」を使用してリフォームする際に、費用の一部が助成される事業です。
■補助金名
住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金
次世代省エネ建材の実証支援事業(公式サイト)
■対象リフォーム内容
補助の対象になるのは、以下の2種類の住宅リフォームです。
<外張り断熱(外張り断熱工法などでの改修)> |
---|
外張り断熱工法などで住宅の外壁などを改修し、住宅全体の断熱性能を向上させるリフォーム |
<内張り断熱(断熱パネルなどでの改修)> |
施工性を向上させるために断熱材と下地材などが一体となった断熱パネルや、快適性向上に役立つ潜熱蓄熱建材を導入するリフォーム |
<窓断熱> |
全ての窓をSグレードの外窓(防火・防風・防犯仕様)にてリフォーム |
■補助額
<外張り断熱> |
---|
戸建住宅1住戸あたり1~4地域では400 万円、5~8地域では300万円を上限とし、補助対象経費の2分の1以内が補助されます。 ※地域区分 |
<内張り断熱> |
|
<窓断熱> |
戸建住宅1住戸あたり150万円を上限とし、補助対象経費の2分の1以内が補助されます。必須製品である外窓以外の「任意製品」も併用して改修する場合は200万円が上限となります。 ※任意製品:断熱パネル、潜熱蓄熱建材、断熱材、内窓、玄関ドア、調湿建材 |
■申請条件
次世代省エネ建材の実証支援事業の申請条件は、外張り断熱と内張り断熱で以下のように異なります。
<外張り断熱> |
---|
外張り断熱で補助対象となるのは、以下のすべての条件を満たした場合に限ります。 ①補助対象となる住宅
②補助対象となる申請者
※本人確認書類の写しに示された住宅と同じでなければいけません。
※申請後に所有を予定している場合は、実績報告書提出時に対象の住宅を所有し、登記事項証明書の写しを提出することを条件に申請が認められます。 |
<内張り断熱> |
内張り断熱で補助対象となるには、以下の①または②のいずれかの条件を満たす必要があります。 ①戸建住宅または集合住宅の居住者
※本人確認書類の写しに示された住宅と同じでなければいけません。
※申請後に所有を予定している場合は、実績報告書提出時に対象の住宅を所有し、登記事項証明書の写しを提出することを条件に申請が認められます。
※店舗併用住宅を申請する場合には、すでに電気・ガスなどのエネルギーを別々のメーターで分けて管理していて、断熱工事でも壁などで区分されている必要があります。(店舗・居住部それぞれの電気・ガスメーターの写真の提出が必要です。) ②賃貸住宅の所有者(個人・法人どちらでも可) 申請者が対象の建物1棟をすべて所有していること ※集合住宅の場合、改修箇所は1戸からでも認められます。 |
<窓断熱> |
① 戸建住宅の居住者
※交付申請時に居住しておらず、改修後に居住予定の場合は、実績報告書提出時に当該住宅に居住し、住民票の写しを提出することを条件に申請が認められます。
※交付申請時に所有しておらず、申請後に所有予定の場合は、実績報告書提出時に当該住宅を所有し、登記事項証明書の写しを提出することを条件に申請が認められます。
※店舗部等と居住部が同一の建物を申請する場合、既にエネルギー(電気・ガス)を分けて管理できており、断熱工事においても躯体(壁等)で区分されていれば申請可能です。 ② 賃貸住宅の所有者(戸建住宅で一住戸に限る)(個人・法人どちらでも可) ※法人所有の場合、登記事項証明書において家屋の用途(種類)が居宅であることが条件です。 |
1-3.こどもエコすまい支援事業【予算終了】
こどもエコすまい支援事業は、予算上限(100%)に達したため、2023年9月28日を持ちまして、交付申請(予約含む)の受付を終了しました。
省エネ改修や子育て・若者夫婦世帯のリフォームを補助する制度です。
■事業名
こどもエコすまい支援事業(公式サイト)
■対象リフォーム内容
<必須工事>※いずれか必須
・開口部の断熱改修
・外壁、屋根・天井または床の断熱改修
・エコ住宅設備の設置
<必須工事と同時におこなわれた場合補助対象となるもの>
・子育て対応改修(食洗器・宅配ボックス・対面キッチンへのリフォームなど)
・防災性向上改修
・バリアフリー向上改修
・空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
・リフォーム瑕疵保険などへの加入
■補助額
原則1戸あたり30万円(工事の内容や属性に応じて最大60万円)です。
以下の①②に該当する場合は③の通り補助上限が引き上げらます。
① 子育て世帯または若者夫婦世帯が、自ら居住する住宅に行うリフォーム工事である
② 工事発注者が、自ら居住するために購入した既存住宅に行うリフォーム工事である
③ ①②に応じた補助上限の引き上げ
<子育て世帯または若者夫婦世帯>
・既存住宅を購入した場合:60万円
・上記以外:45万円
<一般世帯>
・既存住宅(安心R住宅に限る)を購入した場合:45万円
・上記以外:30万円
■申請条件
対象者は①②の両方を満たす方です。
①こどもエコすまい事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする
②リフォームする住宅の所有者等であること
1-4.長期優良住宅化リフォーム推進事業
良質な住宅ストックの形成や、子育てしやすい生活環境を整備するために、既存住宅の長寿命化や省エネ化などに役立つ性能向上リフォームや、子育て世帯向けに改修するリフォームを支援する事業です。
■事業名
長期優良住宅化リフォーム推進事業(公式サイト)
■対象リフォーム内容
長期優良化リフォームで補助対象となるのは、以下のような費用です。
①長期優良住宅化リフォーム工事に要する費用(断熱リフォームを含む)
②三世代同居対応改修工事に要する費用
③子育て世帯向け改修工事に要する費用
④防災性・レジリエンス性の向上修工事に要する費用
⑤インスペクションなどに要する費用
■補助額
補助対象リフォーム工事費などの合計のうち、3分の1の額が補助されます。なお、リフォーム後の住宅性能に応じて、以下の3つの補助限度額が設定されています。
リフォーム後の住宅性能 | 補助限度額 | |
---|---|---|
① | 長期優良住宅(増改築)認定を取得しないものの、一定の性能向上が認められる場合 | 100万円/戸(150万円/戸) |
② | 長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合 | 200万円/戸(250万円/戸) |
③ | ②のうち、さらに省エネルギー性能を高めた場 | 250万円/戸(300万円/戸) |
※( )内は、三世代同居対応改修工事を実施する場合、若者・子育て世帯または既存住宅の購入者が改修工事を実施する場合の上限額です。
■申請条件
申込みは、住宅の所有者ではなく、リフォーム工事の施工業者または買取再販事業者が行います。既存の戸建住宅、共同住宅いずれも対象となります。事務所や店舗などの住宅以外の建物は対象外です。なお、リフォーム工事前にはインスペクションの実施が求められます。
1-5.先進的窓リノベ事業の概要
既存住宅の断熱性能を高めるために、窓のリフォームに対して補助金を支給する事業です。
■事業名
先進的窓リノベ事業の概要(公式サイト)
■対象リフォーム内容・補助額
1戸あたりの補助上限額は、200万円です。
工事内容 | 工事詳細 | 1箇所あたりの補助上限額* | |
---|---|---|---|
ガラス交換 | 既存サッシはそのままで、複層ガラスなどに交換 | 48,000円 | |
内窓設置 | 既存窓の内側に、新しい内窓を新設または交換 | 124,000円 | |
外窓交換 | カバー工法 | 既存窓のガラスを外し、既存窓枠の上から新しい窓枠を被せ、複層ガラスなどに交換 | 221,000円 |
はつり工法 | 既存窓のガラスおよび窓枠を外し、新たな窓枠を取り付け、複層ガラスなどに交換 | 221,000円 |
*住宅の建て方、窓の性能、サイズによって補助額が変わります
■申請条件
以下条件を満たす方が対象となります。
①「窓リノベ事業者と工事請負契約を締結」し窓リフォームをする
②工事をする既存住宅の「所有者」である
③補助額が5万円以上となる窓リフォームをする
地方自治体独自の補助金・助成金制度もあわせて確認しよう!
断熱リフォームに対しては、地方自治体が独自に補助金や助成金制度を設けている場合も少なくありません。
お住まいの地域で補助金や助成金制度があるかは、以下のサイトから調べられます。断熱リフォームに対する補助金を調べるときには、支援分類で「③省エネルギー化」にチェックを入れて検索しましょう。