
窓の断熱リフォームには、工事費用を一部補助してもらえる補助金制度を利用できる場合があります。しかし、補助金制度の種類が多い、要件がわかりにくいという理由から、利用を躊躇している方も多いのではないでしょうか。
今回は窓の断熱リフォームに使える補助金制度の種類と、それぞれの内容を分かりやすく解説します。
申請期間や適用要件など、利用にあたって注意したいポイントもお伝えしますので、窓の断熱リフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 窓リフォームで利用できる補助金・助成金制度
まずは、窓の断熱リフォームに使える補助金(助成金)制度の一覧を見てみましょう。
補助金名 | 補助金額 | 申請期間 |
---|---|---|
先進的窓リノベ2025事業 | 一戸あたり5万円から最大200万円まで | 2025年3月31日~遅くとも2025年12月31日 |
子育てグリーン住宅支援事業 | 一戸あたり60万円まで ※条件によって変動 |
2025年3月31日~遅くとも2025年12月31日 |
既存住宅における 断熱リフォーム支援事業 |
戸建住宅:120万円/戸 集合住宅:15万円/戸(玄関ドアも改修する場合は上限20万円/戸) |
令和7年3月24日(月)~令和7年6月13日(金) (工事完了報告は令和8年1月30日(金)) |
長期優良住宅化 リフォーム推進事業 |
補助率:1/3 上限額:評価基準型80万円/戸・認定長期優良住宅型160万円/戸 ※最大50万円の加算要件あり |
通年申請タイプ:2024年5月13日~2024年12月23日 事前採択タイプ:2024年7月中旬~2024年12月23日 |
次世代省エネ建材の実証支援事業 | ①補助率1/2以内、上限:400万円 ②補助率1/2以内、上限:戸建200万円/戸、集合125万円/戸 ③補助率1/2以内、上限:150万円/戸(窓・玄関ドアと任意製品併用の場合は200万円/戸) |
・一次公募期間…5月7日~8月30日 ・二次応募期間…9月9日~11月29日 ※2024年10月7日受信分で予算額が上限に達したため、2024年10月4日17:00をもって、二次公募の受付は終了。 |
以降でそれぞれの補助金制度の内容を解説します。より詳細な内容は、以下のページでも解説していますので、ぜひ併せてご参照ください。
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1-1.先進的窓リノベ2025事業(住宅省エネ2025キャンペーン)
先進的窓リノベ2025事業は、国土交通省・経済産業省・環境省の連携により実施されている「住宅省エネ2025キャンペーン」の1つです。
断熱窓へのリフォームを促進するために、窓ガラス・サッシ・玄関ドアといった開口部の断熱リフォームにかかる費用の一部を補助してもらえます。
補助要件 |
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対象者 | リフォーム工事をする住宅の所有者、または管理組合、管理組合法人 |
対象工事 |
|
補助金額 | 5万円~200万円/戸 |
申請期間 | 2025年3月31日~予算上限に達するまで (遅くとも2025年12月31日まで) |
申請者 | 事業者登録を行っている「窓リノベ事業者」 |


1-2.子育てグリーン住宅支援事業(住宅省エネ2025キャンペーン)
「住宅省エネ2025キャンペーン」には、「子育てグリーン住宅支援事業」という補助金制度もあります。
補助要件 | グリーン住宅支援事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をすること |
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対象者 | リフォーム工事をする住宅の所有者、または管理組合、管理組合法人 |
対象工事 |
※①~③のいずれか必須、④~⑧は①~③のいずれかと同時に行う場合のみ補助対象 |
補助金額 | 必須工事3種類のうちすべてを実施:上限60万円/戸 必須工事3種類のうち2種類を実施:上限40万円/戸 |
申請期間 | 2025年3月31日~遅くとも2025年12月31日 ※予算上限に達し次第終了 |
申請者 | 事業者登録を行っている「グリーン住宅支援事業者」 |


1-3.既存住宅の断熱リフォーム支援事業
北海道環境財団が主体となって行う「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」では、省エネ効果の高い建材を用いた以下2つのリフォームが支援対象です。
「居間だけ断熱」…リビングにある窓すべてを断熱改修する
「トータル断熱」…家の大部分を断熱改修する(リビング含む)
補助要件 |
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対象者 | リフォーム工事をする住宅の所有者、または管理組合、管理組合法人 |
対象工事 | 高性能建材(ガラス・窓・断熱材、玄関ドア)のうち、対象製品を使用した改修工事 |
補助金額 | 戸建住宅:120万円/戸 集合住宅:15万円/戸(玄関ドアも改修する場合は上限20万円/戸) |
申請期間 | 令和7年3月24日(月)~令和7年6月13日(金) |
申請者 | リフォーム工事をする住宅の所有者、または管理組合、管理組合法人 |
先に紹介した「先進的窓リノベ2025事業」や「子育てグリーン住宅支援事業」と異なり、本事業は物件の所有者自身が申請を行う必要があります。


1-4.長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅を長寿命化・省エネ化するためのリフォームに対しての補助金制度で、国土交通省が主体となり進められています。
本事業は、随時交付申請を行う「通年申請タイプ」と、事前に公募・採択を行い交付申請する「事前採択タイプ」があります。
補助要件 |
|
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対象者 | リフォーム工事をする住宅の所有者、または管理組合、管理組合法人 |
対象工事 |
|
補助金額 | 補助率:1/3 上限額:評価基準型80万円/戸(終了)・認定長期優良住宅型160万円/戸 ※最大50万円の加算要件あり |
申請期間 | 通年申請タイプ:2024年5月13日~2024年12月23日 事前採択タイプ:2024年7月中旬~2024年12月23日 ※住宅登録期間(2024年4月15日~2024年12月13日)内に住宅登録が必要 |
申請者 | 事業者登録を行っているリフォーム工事の施工業者又は買取再販業者 |
※通年申請タイプの申請期間が、2025年1月31日(金)17:00まで、または予算上限に達するまでに延長されました。
※住宅登録期間は2025年1月21日(火)17:00まで
交付申請前に有資格者によるインスペクション(住宅診断)を実施し、リフォーム内容を決める必要があるという点が、他の補助金制度とは異なります。


1-5.次世代省エネ建材の実証支援事業
※2025年度の公募情報は未発表です(下記は2024年の情報)。
次世代省エネ建材の実証支援事業は、経済産業省が主体の補助金制度です。
高性能断熱材や蓄熱・調湿材などの「次世代省エネ建材」を使用するリフォームが補助対象で、以下3つの区分の中から改修方法を選択します。
- 外張り断熱(外断) …住宅の外壁などを外張り断熱工法などで回収する方法
- 内張り断熱(内断) …断熱パネル・潜熱蓄熱建材などで室内側から改修する方法
- 窓断熱(窓断) …窓や玄関ドアなどの開口部を改修する方法
補助要件 | [外断][窓断]…戸建住宅であること [内断]…戸建住宅又は集合住宅であること いずれも専用住宅であること |
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対象者 | [外断]…住宅の居住者かつ所有者である個人(法人は対象外) [内断][窓断]…上記に加え、賃貸住宅の所有者である個人又は法人 |
対象工事 | 事業に登録されている製品を使用した改修工事 |
補助金額 |
|
申請期間 |
・一次公募期間…5月7日~8月30日 |
申請者 | 補助対象者に同じ |
対象となる住宅種別や補助要件など、それぞれ内容が異なるため注意しましょう。


1-6.自治体の補助金事業
ここまでは国による補助金事業をご紹介しましたが、自治体によっては独自の補助金制度を設けている場合もあります。
例えば東京都には、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という補助金制度があります。
この制度は、断熱性の高い窓やドアへの改修費用を補助することにより、高い省エネ性能だけでなく、災害に強く、住む人の健康維持にも繋がる住宅の普及拡大を目的としています。
2024年度に補助内容の拡充が予定されており、詳細は5月中旬頃の公開が予定されています。ここでは2023年度の要項をご紹介します。
補助要件 |
|
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対象者 | リフォーム工事をする住宅の所有者、または管理組合、管理組合法人 |
対象工事 | 高断熱窓、高断熱ドア、断熱材のいずれかを設置する改修工事 |
補助金額 | 補助率:1/3以内 上限額:
|
申請期間 | 以下いずれかの早い方
|
申請者 | リフォーム工事をする住宅の所有者、または管理組合、管理組合法人 |
東京都による補助金制度は、上記のような断熱改修工事だけでなく、太陽光発電設備などの設置も対象になる場合があります。
補助金額や対象となる改修工事は自治体によりさまざまです。各自治体への問い合わせや、インターネットでの検索などで調べてみてください。
▼内窓(二重窓)のリフォームで使える補助金については下記の記事でまとめています。


2.窓のリフォームにおける補助金・助成金の申請方法
窓のリフォーム時に補助金制度を利用するための申請方法は、制度ごとに異なるため注意が必要です。
ここでは例として、「先進的窓リノベ2025事業」の申請の流れを簡単にご紹介します。
- 先進的窓リノベ事業者を探す
- 窓リノベ事業者と契約を結ぶ
- 着工
- 工事完了後、事業者が交付申請を行う
- 補助金を受け取る
先進的窓リノベ2025事業は、リフォームを発注する本人ではなく、事業に登録している施工業者が申請・手続きを行う必要があります。
まずは事業者登録している施工業者を探し、リフォームを依頼して工事請負契約を締結します。その際に別途「共同事業実施規約」というものを締結し、施工業者に補助金事業利用にかかわる業務を委託します。
実際に補助金の申請を行うのは、リフォーム工事が完了したあとです。申請後に事務局による審査で補助金額が確定し、事業者が補助金の還元を受け、最終的に発注者本人に振り込まれるという流れです。










3.補助金を申請する際の注意点
国や自治体による補助金制度は、申請するにあたって注意すべきポイントがあります。
- 期間内でも受付終了する場合がある
- 条件や必要書類は補助金によって異なる
- 着工前の申請が必要な場合がある
特に注意したいのが、各補助金制度にはそれぞれ予算があり、交付申請期間内であっても予算上限に達した段階で受付終了になる場合があるという点です。
前章で解説した「先進的窓リノベ2025事業」のように、工事完了後に交付申請を行う補助金制度では、当初予定していたよりも交付申請までに期間がかかってしまうことも少なくありません。
利用したい補助金制度が決まっている場合は、早めにリフォーム会社に相談し、計画的に進めましょう。
また、適用要件や利用方法、必要書類も制度によってバラバラです。中にはリフォーム工事着工前に「事前申請」という形で申し出をしなければならないものもあります。
確実に補助金制度を利用するためには、必ず各補助金の要項をしっかりと確認し、スケジュールにも余裕をもって進めましょう。
4.まとめ
窓の断熱リフォームを対象にした補助金制度には、代表的な国の6事業に加えて、自治体の制度も加えるとさまざまな種類があります。
それぞれ対象となるリフォームや適用要件も異なり、提出書類の作成や工事スケジュールの調整なども必要なため、実績豊富なリフォーム会社に依頼しましょう。
補助金申請に詳しいリフォーム会社探しは、リフォーム会社それぞれの特徴をよく知る「リフォームガイド」にご相談ください。