マンションは住みながらリフォームできる?メリット・デメリットや生活への影響は?

マンションのリフォームを検討するときには、できれば住みながらリフォームしたいと考える方も多いでしょう。リフォームの規模や内容によっては、住みながら工事を進められる場合もありますが、仮住まいが必要になるケースも少なくありません。

この記事では、どのようなリフォームであれば住みながらできるのか、あるいはできないのかを紹介します。さらにマンションに住みながらリフォームするメリットやデメリット工事中の生活への影響について気になる点などを解説します。マンションのリフォームを検討する際に、ぜひ参考にしてください。

戸建ての場合も、考え方は同じですので、こちらの記事を参考にしてください。
ただし戸建てのほうが、2階建て以上の戸建てであれば1階ずつリフォームできたり、平屋であれば裏口などを使ってリフォーム箇所と生活拠点を分けやすいため、住みながらのリフォームがしやすいでしょう。


1.マンションのリフォームは住みながらできる?

マンションのリフォームは、主に改修規模によって、住みながらできる場合と仮住まいが必要になるケースに分かれます。具体的に解説します。

1-1.住みながらできる場合

マンションに住みながらのリフォームができるのは、工事範囲が限定的で、ほかの部屋の使用に影響が少ないケースです。具体的には、次のようなリフォームが該当します。

  • 水回り設備(キッチン・ユニットバス・洗面台・トイレ)の交換
  • 部分的な壁紙や床の張り替え
  • 小規模な収納の造作
  • 小規模な間取り変更(1部屋を2部屋に分けるなど)

洗面台・トイレについては、交換だけであれば1日で終わるのが一般的です。キッチンは最低2日、ユニットバスについては3〜6日かかりますが、食事や入浴を外で済ませられるのであれば仮住まいは不要でしょう。

部分的な壁紙や床の張り替え、小規模な収納の造作や間取り変更についても、対象の部屋以外は使えるため、住みながらのリフォームが可能です。

1-2.住みながらできない場合

一方、工事範囲が広い場合には、マンションに住みながらのリフォームは難しくなります。具体的には、次のようなケースです。

  • スケルトンリフォーム(躯体コンクリートが見えるまで解体し、つくり直すリフォーム)
  • 大規模な間取り変更リフォーム
  • すべての部屋の壁紙や床材などの張り替え

スケルトンリフォームとは、マンションの内装をすべて撤去して、ゼロから新たにつくり直すリフォームです。部屋自体がなくなるため、住みながらのリフォームはできません。

一方、間取り変更や単なる壁紙や床材の張り替えであれば、多少大がかりであっても「一部屋ずつやれば、住みながらできるのでは?」と感じる方も多いようです。

しかし実際の工事では一部屋ずつおこなわず、すべての部屋を同時に進行するケースがほとんどです。それは、床を張り直す大工、壁紙を貼り直す内装職人と、職人は分業で作業するため、すべての部屋を一度に済ませたほうが効率的であるためです。

部屋ごとにおこなうとなると職人の手間が多くなり、また荷物の移動などにも時間がかかります。そのため、基本的には仮住まいが必要になるのが一般的です。

なお、どうしてもマンションに住みながらリフォームしたい場合は、見積もり時にリフォーム会社に相談すると、住みながらできるプランを考えてくれることもあります。やむを得ない事情がある場合は相談してみるとよいでしょう。
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2.住みながらリフォームするメリット

マンションに住みながらリフォームすることには、どのようなメリットがあるのかを紹介します。

2-1.住み慣れた環境を変えずにすむ

住みながらマンションをリフォームの大きなメリットの一つは、住み慣れた環境を変えずにすむことです。自宅に住み続ければ、通勤・通学や買い物など、これまでどおりの日常生活を送れます。

とくに子どもやペットがいる家庭では、環境の変化が大きなストレスになることもありますが、住みながらリフォームすればその心配がありません。

2-2.仮住まいを探し引っ越す手間が省ける

仮住まいを探す場合、今までとできるだけ環境を変えたくないと考え、同じエリア内で探すケースが少なくありません。その結果、希望の条件に合う物件を見つけるのに時間がかかり、なかなかリフォームをスタートできないこともあります。

また、引越しには荷造りや荷解きなど、多くの手間が必要です。マンションに住みながらのリフォームなら、これらの手間がかかりません。

2-3.仮住まいや家具の一時保管などのコストがかからない

リフォーム中の仮住まいとして賃貸住宅を借りる場合、家賃だけでなく、敷金・礼金などの初期費用、引越し費用がかかることもあります。また家具を保管するためにトランクルームを借りる場合、保管料や運搬費用も必要です。これらのコストは、リフォーム費用とは別に考えなければなりません。

住みながらのリフォームなら、仮住まいや家具の一時保管にかかる費用が不要になり、その資金をリフォームに回せます。

2-4.工事の進行状況を毎日確認できる

マンションに住みながらリフォームする大きなメリットの一つは、作業の進行状況を毎日自分の目で確認できることです。工事の過程を見たいときにいつでも見られることで、安心感が得られるでしょう。

また何か疑問や不安があるときも直接職人に質問できますし、現場で職人さんとコミュニケーションを取るのはいい仕事をしてもらうためにも効果的です。なにより、毎日少しずつ完成に近づいていく様子を間近で見られるので、リフォームそのものを楽しむこともできるでしょう。


3.住みながらリフォームするデメリット

マンションに住みながらリフォームすることには、デメリットもあります。紹介するデメリットを理解したうえで、よく考えて決めましょう。

3-1.工事中は騒音や振動がでる

マンションに住みながらリフォームするもっとも大きなデメリットは、工事中には騒音や振動がでることです。

たとえば壁の解体や床の張り替えなどをするときには、大きな音や振動が発生します。とくにインパクトドライバーでネジを締めたり、フローリング材を電動ノコギリで適切なサイズにカットするなど電動工具を使うケースでは、騒音レベルが高くなります。工事時間帯も家で過ごす場合には、快適な暮らしはできない可能性が高いでしょう。

日中は外で働いていて工事が終わる頃に家に戻るのであればまだしも、工事をしている時間帯も家にいる場合はストレスになるかもしれません

3-2.ホコリやゴミが舞う

マンションに住みながらリフォームのもう一つのデメリットは、工事中には大量のホコリやゴミがでることです。とくに壁や床を解体したり、建材を切断したりするときは、大量のホコリや細かなゴミが発生します。

住みながらのリフォームの場合、リフォーム会社はホコリ対策として念入りに養生してくれますが、飛散を完璧に防ぐことはできません。ホコリやゴミが家具や家電、衣類などに付着すると、清掃するのが大変です。アレルギー体質の家族がいると、体調が悪くなる可能性もあるでしょう。

3-3.住みながらのリフォームは割高になることも

住みながらのリフォームは、一部屋ずつ工事をおこなうなど工事の手順や範囲に制限がでるため、工期が長くなる傾向があります。その結果、人件費が高くなり、リフォームの総コストが割高になりがちです。

ただし仮住まいや引越し、家財の移動・保管にかかる費用を考えると、トータルでは割安になるケースもあります。リフォームの内容や予定期間、家族の事情、全体のコストなどを総合的に比較して、検討することが重要です。

3-4.居住スペースが制限される

住みながらリフォームでは、工事に必要な資材や工具、移動した家具などが部屋を占拠するため、居住スペースが大幅に制限されます。部屋の一部や水回りが使用できなくなるため、家族全員が限られたスペースで生活しなければなりません。

子どもやペットがいる家庭では、安全面での配慮も必要です。家族間のプライバシーを確保することも難しくなるので、ストレスを感じやすくなるでしょう。


4.住みながらリフォームの生活についてQ&A

マンションに住みながらリフォームするときの生活について、よくある質問とその回答を紹介します。

4-1.工事の時間帯や期間は?

マンションの場合、リフォーム工事をおこなうには管理組合の許可が必要です。そのため工事できる時間帯も、管理組合の許可が下りる範囲に限られます

一般的には工事可能な時間は午前9時から午後5時までとされ、土日祝はNGとなることが多いようです。工事可能な時間帯については管理組合に確認し、リフォーム会社に伝えておきましょう。

工事期間は、工事の内容や規模によって異なります。大まかな目安は次のとおりです。

場所・内容 工事期間の目安
トイレ交換 1日程度
洗面台交換 1日程度
システムキッチン交換 2日程度
ユニットバス交換 3〜6日程度
床の張り替え(8畳間程度) 4日程度
壁紙の張り替え(8畳間程度) 2日程度
間取り変更 1週間~3週間程度
スケルトンリフォーム 1.5〜4カ月程度

※マンション管理者への許可申請や、見積書作成などの準備期間は含んでいません

参照元:積算資料リフォーム編2023年(建築工事研究会)/ マンションリフォームにかかる期間を徹底解説!(リフォームガイド)/ マンションのスケルトンリフォームとは?間取り事例やメリットを解説(リフォームガイド)

上記はあくまで目安です。実際に必要となる工事期間はリフォーム範囲によって大きく異なるため、リフォーム会社に確認しましょう。

4-2.水回りは使える?

水回りについては、リフォーム工事中は使えません。トイレ・洗面台については、床材や壁紙の張り替えを含めても1日で終了するケースが多いため、その日は外出すると決めておけば問題はないでしょう。キッチンについても、工事中であっても冷蔵庫は使えるので、食事を外食や中食にしておけば、あまり困ることはないはずです。

水回りで困るのは、ユニットバスを入れ替える工事で3〜6日程度かかるお風呂でしょう。近くに銭湯など入浴施設があれば問題ありませんが、ない場合には浴室の工事期間中だけでもホテルや短期滞在型マンション(ウィークリーマンションなど)での仮住まいも検討しましょう。

4-3.家にいない時間帯の工事はどうする?

共働きのご家庭では、リフォーム工事中、マンションを留守にするケースも少なくありません。そのような場合は、カギを渡しておくのが一般的です。

カギを預けるときには、カギの管理責任者を書面で明確にしておきましょう。基本的にはリフォーム会社の担当者にカギの管理を依頼し、工事終了後は会社で保管してもらうと安心です。

4-4.どこまで片付ける?

リフォーム工事に際し、マンション室内をそこまで片づけておくかは、工事範囲によって異なります。

水回りの入れ替えであれば、洗剤や引き出しの中身をすべて出して片づけておくとよいでしょう。間取り変更がともなうような大がかりなリフォームの場合は、工事をする部屋は空っぽになっているのが理想です。そうすれば、すぐに工事にとりかかれるので、時間を短縮できるためです。

しかし大型家具など、ご自身で移動が難しいものもあるでしょう。その場合、職人に移動してもらうのが一般的です。移動にかかる費用は工事費に含まれるケースがほとんどですが、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。


5.【住みながら?仮住まい?】見積もりの段階で確認すべきこと

マンションに住みながらのリフォームができるのか、それとも仮住まいが必要なのかが気になるときには、見積もり時点で確認が必要です。具体的に確認すべき点を紹介します。

5-1.住みながらリフォームができるかどうか

まずは、希望するリフォームが住みながらできるのかどうかを確認しましょう。スケルトンリフォームは現実的に住みながら進めるのは無理ですが、そうでないなら工夫次第で住みながらのリフォームに対応してもらえることもあります。事情がある場合は伝えたうえで、検討の余地があるかを確認しましょう。

5-2.住みながらと仮住まい両方のケースの費用感

大規模なリフォームになると、住みながらリフォームができたとしても、作業効率が悪くなりコストアップになる場合があります。一部屋ごとに工事を進めるとなると段取りが悪くなり、さらに家具の移動などに時間を取られることから工期が長くなってしまうからです。

ただし、仮住まいするにも当然費用はかかります。そのため住みながら工事する場合と、仮住まいをして工事する場合の、両方の見積もりを出してもらって費用感を比較しましょう

なお、住みながらのリフォームは、快適な暮らしは難しい場合も少なくありません。工事にかかる日数も考慮して検討することが大切です。

5-3.仮住まいや家具等の一時保管場所の提案・提供をしてくれるかどうか

リフォーム会社によっては、仮住まいや家具などの一時保管場所の提案・提供をしてくれるところもあります。協力が得られる場合、仮住まい探しにかかる手間や時間を大きく省けるので、まずは相談してみましょう。

なおリフォームガイドでは、ご希望のリフォームを実現できるリフォーム会社をご紹介しています。リフォーム内容とあわせ、「住みながらリフォームしたい」「仮住まいを紹介してほしい」などご希望をお伝えいただければ、対応可能なリフォーム会社をご紹介いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

▼仮住まいをしながらマンションをリフォームされた方のリフォーム体験談はこちら

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6.まとめ

マンションのリフォームは、規模や内容によって住みながらできる場合があります。住みながらリフォームできれば、仮住まい探しの手間や費用を抑えやすくなるでしょう。

その一方、工事中の騒音やホコリ、居住スペースの制限など、快適な暮らしができない可能性もあります。マンションに住みながらのリフォームを検討するときには、リフォーム会社に可否を確認したうえで、快適さとコストのバランスを考えることが大切です。そのうえで、自分に合った方法を選ぶようにしてくださいね。

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