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マンションのフルリフォームによる理想のイメージはあっても、500万円でどこまでできるかいまいち掴めないという方も多いのではないでしょうか。
500万円あれば、全体的な内装や設備変更などのリフォームは十分可能です。
今回は、500万円のマンションフルリフォームでできることや予算配分のポイントを紹介します。実際に500万円でフルリフォームを叶えた実例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
1.500万円でできるマンションのリフォーム
500万円の予算でできるマンションリフォームには、以下のようなものがあります。
- 水回り設備の全入れ替え
- 壁紙クロスの張り替え
- 床の張り替え
- 間取りの変更(壁の撤去)
- 和室から洋室への変更
一般的に、全体的な設備や内装など、見た目を変えたり性能を上げたりするマンションリフォームに500万円は、十分な予算と言えるでしょう。
また、大幅な間取り変更はできませんが、壁を撤去して間取りを広くする程度であれば、500万円でも可能なケースもあります。
500万円でマンションのフルリフォームを行う際は、どの部分にお金をかけるか、予算配分をしっかりと決めておくことが大切です。
2.【2つの視点で見る】マンションリフォームの予算配分のポイント
500万円のマンションフルリフォームといっても、どこに予算をかけるのかは、それぞれの物件の状態や、どういった家にしたいのかによって変わります。
ここでは築年数別・目的別の2つの視点から、どこにどう予算を使えばいいのかを解説します。
今の住まいの築年数ごとに必要になるリフォームとご自身のやりたいリフォームを照らし合わせて、リフォームプランを立てていきましょう。
①築年数:予算配分の目安を把握する
まずは、マンションの築年数から考えられる劣化具合やよくある間取りから、おすすめのリフォームと予算配分を解説します。
おすすめ予算配分
築10年|水まわり4:内装間取り5:断熱1
築20年|水まわり5:内装間取り3:断熱2
築30年|水まわり4:内装間取り3:断熱3
築年数 | 劣化具合 よくある間取り |
おすすめのリフォーム |
---|---|---|
10年 | ・水まわり設備が若干古い型 ・床はまだ使えそう |
・内装の模様替え ・最新性能の水まわりに |
20年 | ・水まわり設備の劣化 ・壁・天井などの汚れが目立つ ・和室が1室ある ・窓が1枚サッシ |
・水まわり設備の全入れ替え ・床や壁の張替え ・和室リフォーム ・内窓の設置 |
30年 | ・タイル貼りの在来浴室 ・壁に面したキッチン ・壁・天井の汚れが我慢できないレベルに ・全部屋和室のような、現在のライフスタイルに合わない間取り ・窓が1枚サッシ |
・水まわり設備の全入れ替え(配管から一新) ・キッチンを移動し対面式に ・床・壁・天井の張替え ・和室を解体し広いLDKに ・内窓の設置 |
40年 | ・配管の漏水リスクが高い | ・スケルトンリフォーム (一から作り直し配管も一新) |
②目的:目的に応じて予算を配分する
築年数別の予算配分はベースとして考え、次に「どんな家にしたいのか」という目的から、予算をかけるところを決めていきましょう。
こんな家にしたい | おすすめのリフォーム |
---|---|
冬や夏の気温に左右されず快適に過ごしたい! | 断熱を重視したリフォーム 【費用をかけるところ】 ・断熱窓にリフォーム ・ユニットバスは高断熱浴槽に ・調湿機能のある壁材を取り入れる ・床に無垢材フローリングを使う |
家族が集まる広いリビングにしたい! | LDK中心のリフォーム 【費用をかけるところ】 ・キッチンを対面型に ・隣の部屋をリビングに取り込む |
安心して子育てをしたい! | 自然素材を用いたリフォーム 【費用をかけるところ】 ・珪藻土やエコカラットなど自然素材の壁材を取り入れる ・床に無垢材フローリングを使う |
高齢の父母と暮らせるようバリアフリーにしたい! | 高断熱・バリアフリーリフォーム 【費用をかけるところ】 ・廊下を広げる ・段差の解消 ・開き戸を引き戸に変更 ・温度差の少ない高断熱浴室にリフォーム ・断熱窓にし、家の断熱性を上げる ・フローリングを無垢材にし冬場のヒヤッを防ぐ |
予算配分の見当が大体ついたところで、ここからは細かい費用ついて見ていきます。
3.マンションのリフォーム箇所別の費用内訳
ここではマンションのリフォーム箇所別の費用相場と、実際に500万円でマンションをフルリフォームをした見積もり例を解説します。
箇所別の費用相場
リフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|
水まわり | |
キッチン交換 | 72~135万円 |
ユニットバス交換 | 79~111万円 |
洗面台交換 | 23~40万円 |
トイレ交換 | 24~47万円 |
給湯器交換 | 13~23万円 |
水まわり全入れ替え | 200万円前後 |
キッチンの移動工事 | 30~50万円 |
内装 | |
壁・床張り替え(1居室)※1 | 16~25万円 (壁:4~5万円) (床:12~20万円) |
壁・床張り替え (リビング)※2 |
30~49万円 (壁:7~11万円) (床:23~38万円) |
壁・床張り替え(全面)※3 | 120~150万円 |
和室から洋室にリフォーム | 40~90万円 |
間取り変更 | |
壁の撤去 | 5~10万円 |
壁の撤去+引き戸の取り付け | 20~29万円 |
間仕切り壁の造作 | 13~15万円 |
間仕切り壁の造作+扉の取り付け | 24~40万円 |
水回り設備の交換や内装の張り替えは選ぶ素材やグレードによって費用が変わります。
また、壁を撤去・造作する間取り変更は、コンセントなどの電気工事がある場合や、壁を取り払った後に床をフラットにする工事などがあると費用が高くなります。
詳しい費用は以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。








500万円でマンションのフルリフォームをした見積もり例
キッチンにこだわったマンションフルリフォーム
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/839
内容 | 費用 |
---|---|
仮設工事 | 90,000円 |
ハウスクリーニング | 80,000円 |
LD/間取り変更工事 | 1,210,000円 |
キッチン/器具交換、タイル施工工事 | 1,420,000円 |
ユニットバス交換工事 | 970,000円 |
洗面室/建具交換、内装、水栓交換工事 | 140,000円 |
トイレ/建具交換、器具交換、内装工事 | 340,000円 |
玄関・廊下/クロス張り替え、エコカラット施工工事 | 190,000円 |
洋室①/建具交換、クロス・カーペット張り替え工事 | 200,000円 |
洋室②/建具交換、クロス張り替え工事 | 160,000円 |
給湯器交換 | 180,000円 |
総額 | 4,980,000円 |
1番予算をかけているのがキッチンです。
標準グレードのキッチンに交換し、モザイクタイルを贅沢に施工、背面収納も充実させています。
タイルの施工というのは、タイルのグレードにもよりますが、材料費で約1万~/㎡、さらに工事費は1枚1枚貼っていく手間のかかる作業なため、約1万/㎡と意外とかかります。キッチン周りの施工で4㎡とすると、10万円近くかかります。
LDの間取り変更は、リビングに隣接していた和室を一部だけ残し、残りのスペースをLDに取り込みました。床をフラットにしてからフローリングを張っているため、解体工事費や床の大工工事費で費用が高額になっています。
4.【実例】500万円以内のマンションフルリフォーム
ここでは、500万円以内でマンションをフルリフォームした実例をご紹介します。
どんなリフォームが500万円でできるのか、具体的なイメージをつかみましょう。
①劣化が激しい築20年の中古マンションをフルリフォーム
内装・水回り
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間取り
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/350
築年数 |
築20年 |
---|---|
間取り |
3LDK→2LDKへ(80㎡) |
リフォーム箇所 |
・LD ・キッチン ・浴室 ・洗面所 ・トイレ ・洋室 ・廊下 ・玄関 |
工期 |
1ヶ月 |
費用 |
総額:463万円 |
<内訳> 解体工事:27万8,000円 仮設工事:9万円 木工事:42万円 建具表具サッシ工事:32万5,000円 内装工事:109万1,000円 電気工事:31万9,000円 衛生設備工事:69万3,000円 住宅設備工事:141万4,000円 |
|
リフォームのポイント |
・リビングに隣接した和室を撤去し2LDKに ・キッチンの余分な壁や収納を取り外し、オープンキッチンに ・お風呂は在来工法の浴室からユニットバスへ ・和室にあった押入はウォークインクローゼットへ改築 |
②間取りを変更してオープンで明るい空間にフルリフォーム
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出典:https://www.8044.co.jp/gallery/351
築年数 |
築10年 |
---|---|
間取り |
3LDK(75㎡) |
リフォーム箇所 |
・LD ・キッチン ・浴室 ・洗面所 ・トイレ ・和室 ・廊下 |
工期 |
1ヶ月 |
費用 |
総額:444万円 |
<内訳> 解体工事:42万円 仮設工事:17万円 木工事:23万円 タイル工事:32万円 建具表具サッシ工事:30万円 内装工事:90万円 電気工事:26万円 衛生設備工事:85万円 住宅設備工事:99万円 |
|
リフォームのポイント |
・リビングにあった柱と収納棚を撤去して開放感のある空間へ ・キッチンの吊戸棚も外し、室内からも眺望を楽しめる ・温かみのある無垢材の床材を採用 ・和室を洋室に改装、統一感のある仕上がりへ |
③3LDKマンションをバリアフリーな2LDKに
リビング
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キッチン・お風呂
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間取り
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/403
築年数 |
築20年 |
---|---|
間取り |
3LDK→2LDK(67㎡) |
リフォーム箇所 |
・LD ・キッチン ・浴室 ・洗面所 ・トイレ ・和室 |
工期 |
1ヶ月 |
費用 |
総額:471万円 |
<内訳> 解体工事:22万円 仮設工事:13万円 木工事:55万円 建具表具サッシ工事:17万円 内装工事:90万円 電気工事:30万円 衛生設備工事:76万円 住宅設備工事:110万円 その他費用:58万円 |
|
リフォームのポイント |
・リビングに隣接した和室をなくし広いLDKに ・キッチンの位置はそのまま、IHコンロのキッチンに交換 ・昇降機能付きの戸棚を設置 ・車いすでも使用できる広めの浴室に |
④間取りは変えず3LDKマンションの設備内装を一新
内装
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水回り
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出典:http://www.8044.co.jp/gallery/297
築年数 |
築19年 |
---|---|
間取り |
3LDK(68.35㎡) |
リフォーム箇所 |
・LD ・キッチン ・浴室 ・洗面室 ・トイレ ・和室 |
工期 |
1ヶ月 |
費用 |
総額:494万円 |
<内訳> LDK工事:110万円 浴室工事:77万円 洗面室工事:32万円 トイレ工事:28万円 和室→洋室工事:71万円 その他工事:176万円 |
|
リフォームのポイント |
・キッチンの吊戸を撤去、オープンなカウンターキッチンに ・LDに隣接した和室は洋室へ改築 ・将来的に寝室として使用できるように可動間仕切りを取り付け |
⑤120㎡の4LDKフルリフォーム
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出典:http://www.8044.co.jp/gallery/458
築年数 |
築15年 |
---|---|
間取り |
4LDK(120㎡) |
リフォーム箇所 |
・LD ・キッチン(施主支給) ・トイレ ・和室 |
工期 |
1ヶ月 |
費用 |
総額:468万円 |
<内訳> LDK工事:177万円 和室工事:65万円 トイレ工事:48万円 内装工事:53万円 その他工事:125万円 |
|
リフォームのポイント |
・キッチン周りの壁を撤去してアイランドキッチンへ変更 ・吊戸棚の代わりにカップボードを新設して収納力を維持 ・LDKと和室の間口を広く改築、畳は琉球畳へ |
5.予算500万円でリフォームする際の注意点
リフォームに関わる費用すべて込みで500万円以内に抑えたい場合は、以下の3点を念頭に置いておきましょう。
- 消費税や諸経費も考慮する
- 家具や家電を買い直す必要がないか確認する
- 仮住まいが必要になる場合がある
1つずつ解説します。
①消費税や諸経費も考慮する
予算500万円でマンションのフルリフォームをする場合、500万円すべてを工事費用に充てられるわけではありません。
リフォームの総額には、消費税や諸経費が含まれます。消費税や諸経費込みで500万円以内に抑えるとなると、工事費用は450万円までにとどめる必要があります。
必ず500万円以内に抑えたいのであれば、リフォーム会社にあらかじめその旨を伝えて見積もりをもらいましょう。
②家具や家電を買い直す必要がないか確認する
間取りを変更したり、内装を一新したり、部屋の雰囲気や広さが変わると合う家具や家電も変わってきます。
せっかくフルリフォームしたのだから、インテリアにもこだわりたいと思う方も多いでしょう。家具や家電は1つ1つの金額が決して安くないため、事前に何を買うか・買わないか決めておかないとあっという間に予算オーバーになってしまいます。
家具・家電を新調する必要がないか、プランニングの段階でよく確認しておきましょう。
③仮住まいが必要になる場合がある
実例で紹介したように、フルリフォームは1日では終わりません。水回り設備の入れ替えや間取り、内装の変更など住まいを全体的にリフォームする場合、工期は1ヶ月ほどかかります。
その間居住スペースが制限されるので、場合によってはマンスリーマンションやホテルなどの仮住まいが必要になることもあるでしょう。
リフォーム内容と照らし合わせて、仮住まいが必要か、もし必要ならどれくらいの期間かかるのか、確認しておきましょう。
6.リフォーム減税や補助金制度を検討しよう
リフォームをしたら受けられる減税制度はいくつかあります。
■省エネ・バリアフリーリフォームは減税対象
省エネリフォームやバリアフリーリフォームを行い申告をした場合、所得税や固定資産税が減税できます。
また、省エネやバリアフリーリフォームはリフォーム費用が補助される補助金制度も充実していますので、リフォームを検討する際には必ず事前にチェックしておきましょう。
■住宅ローンを組むなら「住宅ローン減税」
住宅ローン減税は、新築だけでなく中古住宅でも適用されます。
住宅ローンを組んでリフォームを行った場合、10年間で最大140万円の控除が受けられる魅力的な制度です。
マンションのリフォームで使える減税や補助金について詳しくはこちらで解説しています。


7.まとめ
この記事では、予算500万円でできるマンションフルリフォームについて解説しました。
マンションのフルリフォームの場合、500万円あれば設備交換や内装張替え、小規模の間取り変更が可能です。
リフォームプランは、住んでいるマンションの状態や、リフォームの目的などからどこを重点的にリフォームするのかを考えましょう。
プランに悩んだ場合はリフォーム会社に相談するのもひとつの手です。
リフォームガイドでは、希望のリフォームのイメージや予算を伺ったうえでお住いの地域のリフォーム会社を紹介しています。どの会社に相談すれば良いかわからない場合はリフォームガイドにご相談ください。