換気扇やレンジフードの耐用年数は、約10年と言われています。
故障しない限り使い続けることはできますが、落としきれない油汚れによって次第に排気能力が下がることが問題です。
また、調理によって発生する油煙は、壁や天井が汚れる原因でもあり、適切な換気は部屋をきれいに保つためにも欠かせません。
今回は、キッチンの排気を担う換気扇やレンジフードの交換・リフォームについて解説。換気扇の交換、換気扇からレンジフードへのリフォームなど、それぞれの費用相場を工事費込みで紹介します。
目次
1.換気扇・レンジフードの交換費用・事例
換気扇・レンジフードの交換費用は、現状の設備の納まりや必要とされる工事内容によって変わります。まずは予備知識として、換気扇とレンジフードの違いを知っておきましょう。
換気扇とレンジフードの違い
換気扇とレンジフードは混同されることがありますが、その構造は大きく異なるものです。
換気扇とは、いわゆるプロペラファンのことで、プロペラの回転によって排気を行います。屋外に接している必要があり、外気の影響を受けやすいことが難点です。
一方、レンジフードは格子状の細かい羽が付いたシロッコファンを搭載し、排気ダクトを介して外へ排気する仕組みです。シロッコファンは外気の影響を受けにくく、マンションのように気密性の高い建物にも設置できます。屋外に接している必要はなく、設置場所を選びません。
1-1.レンジフードの交換費用
レンジフードの交換費用は、商品代と工事費込みのトータルで9~14万円が目安となります。自動洗浄(お掃除機能)の付いた上位機種になると、22~25万円程かかることも。機能性の有無で本体費用には幅があります。
既存レンジフード取り外し・処分費用 | 1万円 |
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レンジフード本体 | 5~10万円 |
工事費用 | 3万円 |
合計 | 9~14万円 |
別途費用としては、レンジフード横がオープン(吊戸棚や壁がない)の場合は、「横幕板」というオプション部材が必要になります。価格は機種によって異なりますが、5000円~1万円程が目安です。
レンジフードを交換した事例(9.5万円)
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出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=1705
レンジフードをブーツ型からスリム型に交換した事例です。ブーツ型はフィルターのお手入れが大変ですが、整流板(レンジフードを見上げた時に見えるフラットな板)の付いたスリム型に交換したことで、お手入れがグンと楽に。レンジフードの色もブラックからシルバーに変わり、キッチンが明るい印象に変わりました。
リフォーム費用 | 9.5万円 |
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工事期間 | 0.5日 |
建物形態 | 戸建て |
築年数 | 20年 |
1-2.換気扇からレンジフードへの交換費用
換気扇(プロペラファン)からレンジフードに交換する場合は、13~17万円ほどです。前述の費用に加えて、専用部材でプロペラファンの開口穴をふさぎ、レンジフードを設置できる状態に整える費用がかかります。
また、換気扇を覆うフードカバーがない(換気扇が露出している)場合は、新たなレンジフードを取り付けるための下地設置工事の費用も必要です。
既存換気扇取り外し・処分費用 | 1万円 |
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プロペラ換気扇取り替え部材・工事費用 | 2~3万円 |
下地設置工事(下地があれば不要) | 1万円 |
レンジフード本体 | 6~9万円 |
工事費用 | 3万円 |
合計 | 13~17万円 |
1-3.換気扇のみの交換費用
換気扇(プロペラファン)だけを交換することもできます。その場合は、既存換気扇処分費用と新しい換気扇の商品代がかかり、工事費込みで3.2~4.8万円程が相場です。
既存換気扇取り外し・処分費用 | 0.5~1万円 |
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金属換気扇※ | 1万円~1.5万円 |
フィルター(フィルター無しは不要) | 0.2~0.3万円 |
工事費用 | 1.5~2万円 |
合計 | 3.2~4.8万円 |
※消防法により、キッチンに設置する換気扇は金属製に限られます。
レンジフードの修理はできる?
レンジフードのモーターの調子が悪い、断線でスイッチが入らないなど、修理や部品交換を検討することもあるかもしれません。メーカーが交換部品を保有している期間は、修理することも可能です。
しかし、レンジフードを含む多くの家電製品は、製造中止から数年で修理部品の保持期間も終了します。部品の在庫がなくなった時点でレンジフードの修理はできなくなり、本体交換が必要になります。
2.換気扇・レンジフード交換の依頼先は?
換気扇やレンジフードの交換・取り替えをしたい場合は、どこに依頼すればいいのでしょうか。換気扇・レンジフードの交換の依頼先をご紹介します。
依頼先 | 特徴 | 交換費用相場 |
---|---|---|
ガス会社 | 大手ならではの安心感がメリット。工事費込みの総額は高い傾向にある | 高 |
リフォーム会社 | 機器交換からキッチン全体のリフォームまで対応可能。相談から施工まで一貫して行う | 中 |
ホームセンター・家電量販店 | 店頭で実物を見られ、ポイントが貯まることがメリット。専門的な相談は難しく、工事は外注される | 中 |
レンジフード製造メーカー | 修理対応が主体。一部の製造メーカーでは、交換工事をしている場合もある | 中 |
住宅設備施工業者 | 住宅設備の取り替えに特化した業者。費用は安い傾向にあるが、交換工事のみに対応。建築工事がからむ場合は対応できないことが多い | 低 |
3.新しいレンジフードの選び方
レンジフードには多くの種類があります。壁付けタイプの中から一般的なレンジフードをご紹介します。
掃除の楽さ・高性能重視なら「スリム型」
壁付けタイプのレンジフードで、現在主流となっているのが「スリム型」です。整流板があることによってファンの汚れを防ぎ、効率良く油煙を排気します。
お手入れ簡単で、スッキリとしたデザイン性も魅力です。自動洗浄機能を搭載したタイプもあります。
価格重視なら「ブーツ型」
現在と見た目や使い勝手を変えたくない、少しでも安いほうが良い場合は、ブーツ型からブーツ型に交換するのもひとつの選択肢です。
ただし、メリットはあまりなく、油で汚れたフィルターやファンを清掃する手間がかかります。特別な理由がなければ、スリム型への交換がおすすめです。
低い位置に取り付けられる「ファルコン型」
ファルコン型は、曲線的な形状で低い位置に取り付け可能なレンジフードです。お手入れがしやすく、上昇気流の弱いIHヒーターの排気を効率良く行えるとして、普及した時期がありました。
ただし、圧迫感を受けることも多く、ファルコン型からスリム型にリフォームするケースも見られます。スリム型に交換する場合は、レンジフードの高さが上がる分、内装工事が伴うことも多いでしょう。少しでも費用を抑えたい場合には、同じファルコン型にしたほうが良いケースもあります。
現在が浅型なら「浅型」
キッチンの天井高が低い、キッチンに梁があるなど、レンジフードの設置条件が厳しい場合に使われるのが「浅型」です。平型、フラット型と呼ばれることもあります。
浅型のレンジフードの場合は、排気位置を変えることが難しいため、交換時にも同じ位置に排気できる後継機種の浅型を選ぶことが基本になります。
4.まとめ
換気扇やレンジフードの交換依頼先は多くありますが、換気扇からレンジフードへの交換や建築工事が伴う場合は、対応できない業者も少なくありません。また、相談窓口と工事業者が異なる場合は、連絡不備も起こりやすくなります。
そういった懸念がないのが、キッチンの施工実績が多いリフォーム会社です。相談から工事まで一貫して任せられる安心感もあります。
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