
トイレのタンクにひびが入っている、タンクに水が溜まるのが遅いなどの不具合が気になり、タンクのみ交換できないかと悩んでいませんか?毎日使うトイレは、水漏れなどのトラブルが発生する前にメンテナンスしておきたいものです。
今回は「トイレ丸ごと交換までは考えていないけれど、タンクだけ交換したい」と考えている方のために、タンクのみの交換についてや、かかる費用の目安も含めて紹介します。
また、タンクの交換はDIYでできるのか、交換すべきタイミングと業者を選ぶ際に確認すべきこと、費用を抑えるコツまで徹底解説しますので、ぜひご覧ください。
目次
1. トイレのタンクだけ交換できるのかは種類による
トイレのタンクのみ交換できるのかどうかは、トイレの種類や製造時期によって異なります。
トイレには組み合わせ型(分離型)・タンク一体型・タンクレスの3種類があり、便器・便座とタンクが別々に組み合わされているタイプであれば、基本的にタンクのみ交換できます。
しかし製造時期が古い場合、交換に必要な部品が残っていないケースもあります。最終的な判断は業者にしてもらいましょう。
業者に見てもらう前に、タンクのみ交換ができるのかを確認する方法としては、以下の方法があります。
- 便器とタンクが、ボルトで接続されているタイプ(組み合わせ型)かどうか目視で確認する
- トイレの取扱説明書で組み合わせ型トイレか確認する
- トイレのメーカーに問い合わせて確認する


2. トイレタンク交換にかかる費用
トイレタンクを交換するのにかかる費用の目安と、費用をなるべく抑えるコツを紹介します。
2-1. 費用目安
トイレタンクのみを交換する場合、平均的な費用として9万円以下が目安です。内訳は、トイレタンク本体が2〜6万円、交換工事費が2〜3万円、合計で4〜9万円が相場になります。
トイレの便器も含めてリフォームする場合は15〜20万円が相場なので、半分以下で交換できるのです。
しかし今後便器の交換も検討している場合は、一緒に交換することも視野に入れて検討することをおすすめします。
高機能のトイレにする、もしくは内装工事も一緒にする場合は、25~35万円かかることも少なくありません。予算に合わせて、どこまで工事するか考えましょう。
トイレのタンクのみ交換 | 便器・タンクを交換 | |
---|---|---|
工事費の目安 | 10万円前後 | 15~30万円 |
2-2. 費用を抑えるコツ
トイレのタンクを交換するだけでも、10万円前後かかります。急に発生した不具合であれば、想定していなかった出費に戸惑うこともあるでしょう。
そこで、なるべく費用を抑えるコツを3つ紹介します。
本当に必要な工事のみを依頼する
トイレタンクの交換のみを依頼した場合でも、クロスや床のクッションフロアの交換なども合わせて提案されることがあります。本当に必要な提案かどうか、予算と合わせて検討するようにしましょう。
相見積もりをする
1社のみに見積を依頼するのではなく、複数社に相談して金額を比較した上で決定するようにします。見積依頼する際は、金額の比較がしやすいよう、工事内容や機能のグレードをなるべくそろえるようにしましょう。
補助金を活用する
国や自治体では、省エネ(節水)やバリアフリー目的など工事をした場合に、活用できる補助金があります。トイレに関連するものは、節水トイレに交換する場合などに使えることがあります。ただし、タンクのみの交換だけで利用できる補助金はあまり多くありません。これを機にトイレをまるごと交換しようと考える人はチェックしてみましょう。活用できるかは、国や自治体のホームページや、担当窓口で確認してみてください。


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3. トイレタンクの交換は自分でもできる?
費用をなるべく抑えたいと考え、中には自分でトイレタンクの交換をしたいと思う方もいるかもしれません。
ホームセンターやオンラインショップなどでトイレタンクを購入し、必要な工具をそろえれば、物理的には交換可能です。しかし配管やタンクと便器の接続がうまくいかず、不具合が起こるリスクがあります。万が一水漏れしてしまうと床や床下までぬれてしまい、復旧に手間と費用がかかります。
また、トイレタンクは一般ごみと一緒に処分できず、粗大ごみとして回収してもらわなくてはなりません(自治体によって異なる)。
基本的には専門の業者へ相談し、交換工事を依頼することをおすすめします。
4. トイレタンクの交換すべき3つのタイミング
トイレタンクは、どのようなタイミングで交換したらよいのでしょうか。不具合が起きていなくても、見えない部分の劣化が進んでいることもあります。
これから紹介する3つのタイミングをぜひ参考にして、トイレタンクの交換を検討してみてください。
4-1. タンクにひび割れが入ったとき
1つ目は、トイレタンクにひび割れが入っているのを確認したタイミングです。トイレタンクは一見頑丈そうに見えます。しかし陶器製のため、ひび割れが生じてしまうと修理はできず、丸ごと交換しなければなりません。
現状は水漏れが発生していなくても、一度ひび割れてしまうと、ちょっとした衝撃でも割れる可能性があります。よろけた拍子に手を置いて割れ、水漏れが発生してしまったら大惨事です。タンクの交換だけでは済まず、床材の張り替えやクロスの張り替えも発生しないとも限りません。
4-2. タンク内の結露防止剤が膨張したとき
陶器製のタンクには、結露防止のために発泡スチロールの結露防止剤がはめ込まれています。長年使用していると結露防止剤とタンクの隙間に水が入り込み、結露防止剤が膨張してしまうことがあります。
タンクを開けてみた時に、この結露防止剤の膨張が見つかったら、タンクの点検や交換を検討してみてください。
結露防止剤の膨張により、部品がうまく作動しなくなり、故障を招くことがあります。
4-3. トイレの設置から10年以上経過したとき
トイレタンクの調子が悪いと感じたとき、トイレの設置から10年以上が経過していたら、修理ではなくタンクの交換を検討しましょう。
10年以上経過すると、タンク内部品の製造が終了していることがあり、修理ができないケースが多いためです。
現在では、既存の便器はそのままに、リフォーム用のタンクと便座のみを交換できるシャワートイレも発売されています。しかし、対応機種が限られる場合もあるため、まずは、タンクのみ交換できるのか、業者に調べてもらいましょう。
またこれを機に、新しい節水型のトイレにリフォームすることを検討してみてもいいかしれません。最新のトイレは節水や節電性能が高く、ランニングコストの削減になります。


5. トイレタンク交換の依頼先は3種類
トイレタンクの交換工事を依頼する場合、どこへ相談したらよいのでしょうか。
水漏れが発生していて、今すぐにでも工事を依頼しなければならない場合は、24時間営業しているような業者に依頼しましょう。もし猶予があるのなら、複数社に相談するのもおすすめです。
ここでは、3種類の依頼先を紹介します。
5-1. ホームセンター・家電量販店
身近な相談先として、ホームセンターや家電量販店が挙げられます。日頃から足を運ぶことがあれば場所も分かっているため、相談するまでのハードルも低いでしょう。
ホームセンターや家電量販店の規模によっては、実物が展示されている可能性もあり、商品選びもスムーズに進められます。
ただし、タンク交換工事自体は、提携している業者が行うことがほとんどです。店舗で詳細の打ち合わせまではできないことが多く、後日に現地調査が必要になります。
5-2. リフォーム店・工務店
トイレのタンク交換はもちろん、クロスや床の張り替えなど内装工事も含めて依頼しやすいのはリフォーム店や工務店です。トイレ以外の相談もできるため、他の箇所のメンテナンスも検討している場合はリフォーム店や工務店がおすすめです。
基本的に現地調査は必要ですが、担当者は工事について精通していることが多く、その場でいろいろな提案を受けられるでしょう。
5-3. 水道修理業者
すでに水漏れが発生している場合など、緊急性が高い場合は、水道修理業者に相談してください。しかし、その場で金額や工事内容を提案してもらい、すぐに決断しなければなりません。
どのような工事をするのか、追加の料金はかからないのかなど、よく確認した上で依頼するようにしましょう。
水道修理業者は修理や応急処置がメインであることも多く、選べる商品が少ない可能性があります。これを機に見た目や機能にもこだわってリフォームしたい方には向かないかもしれません。
6. トイレタンク交換業者を選ぶ際に確認すべきこと
トイレタンク交換を依頼する業者を選定する際に、どのような点に注意したらよいのでしょうか。
複数の候補が考えられる場合は、ここで紹介する5つの選定ポイントを参考にして、依頼先を見定めましょう。
6-1. 家からの距離
なるべく家から近い業者を選ぶようにしましょう。
一般的に、リフォーム業者の商圏は車で30分程度、遠くても1時間以内で行ける範囲です。営業所が近ければ、工事後に不具合があった場合でも迅速に対応してくれるため安心でもあります。
反対に、遠方から来る場合は交通費や出張費などがかかることもあるため、避けた方が無難です。
多くの場合、業者のホームページなどには「対応エリア」や「営業所一覧」が公表されています。自分の住んでいる地域は対応エリア内か、営業所の住所は近いかどうかを確認しておきましょう。
【ポイント】
- 業者の営業所は、自分の住んでいる地域の近くにあるか?
6-2. 料金の妥当性と追加工事の可能性
1社だけの見積もりでは、価格が妥当かどうかの判断ができません。緊急を要する場合でなければ、なるべく相見積もりを取りましょう。
商品や工事内容が異なると、比較が難しくなります。見積依頼する際は、内容を決めてから相談するようにしてください。
また、見積もり料金が高過ぎるときだけでなく、安過ぎる場合も注意が必要です。仕事を受注するために安く見積もりを提案し、後から追加工事費として請求される恐れがあります。
見積書を受け取ったら工事内容について説明してもらい、追加の費用が発生する可能性があるのかどうかも確認するようにしてください。
【ポイント】
- 他の業者の見積もりと比較して、安過ぎるもしくは高過ぎないか?
- 追加工事が発生する可能性があるのか?
6-3. 口コミや施工例
インターネット上に悪い評判がないか検索し、ホームページに口コミやユーザーレビューが掲載されている場合は、実際の声を参考にしましょう。
全てが信頼できる投稿とは限りませんが、悪い評判が多過ぎる場合は注意した方がよいかもしれません。
またホームページに施工例や、お客様のコメントが掲載されていることがあります。同じような工事の施工例があるかチェックして、実績が豊富かどうかで判断するのも1つの方法です。
【ポイント】
- 口コミに悪い評価はないか?
- 同じような工事の実績があるか?
6-4. 希望商品の取り扱いの有無
希望するメーカーや商品がある場合は、見積もりを依頼する前に、取り扱いがあるどうか確認してください。
例えばトイレを扱っているメーカーとしては、TOTOやリクシル、パナソニックが有名ですが、業者によっては取り扱うメーカーを限定していることがあります。
【ポイント】
- 希望するメーカーの商品を扱っているかどうか?
6-5. 保証内容
工事完了後に不具合が発生した場合に備えて、工事や商品に対して保証が付くのかチェックし、保証期間や内容も確認しておきましょう。商品自体にはメーカー保証があり、定められた期間内に不具合が発生した場合は、同等の商品と交換してもらえます。
工事については業者独自の保証になるため、工事不良が発覚した場合の対応についても確認し、業者が長く存続する会社なのかも含めて判断してください。
【ポイント】
- 工事や商品に保証はあるのか?期間や保証内容は?
7. まとめ
トイレのタンクにひび割れや異音、水漏れが生じたら、大きなトラブルになる前にタンクの交換を検討しましょう。
タンクのみの交換であれば10万円前後、トイレ本体の交換は15〜30万円が目安です。トイレ全体の劣化が進んでいる場合は、長い目で見ると部分的な交換や修理よりも、トイレ本体ごと交換した方がお得な場合もあります。
どこまでの工事を依頼するのかよく考え、相見積もりをして価格が妥当かどうか確認し、信頼できる業者を選んでください。
自治体によっては、省エネタイプのトイレに交換した場合、補助金を使えることがあります。今回紹介した費用を抑えるコツや、依頼先の選定ポイントをぜひ参考にして、トイレのリフォームを成功させましょう。