
「子ども部屋を分割したい」「書斎がほしい」などの希望は、部屋に壁を作るリフォームで解決できます。シンプルな固定壁なら、費用は10万円前後が目安です。
ただし、ドアや窓の追加、防音工事の有無によって、費用は大きく変わります。
そこで本記事では、部屋に壁を作るときにかかる費用目安をはじめ、必要な追加工事、注意点などをわかりやすく解説します。
事例や費用を抑えるポイントなども説明しますので、ぜひ参考にしてください。
今回の記事に記載の費用相場は、一級建築士事務所クローバーホーム社のご協力のもと算出したデータを元にしております。
目次
1. 【工法別】リフォームで部屋に壁を作る費用の相場
| 工事内容 | 費用目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
造作壁![]() |
10~15万円 |
|
可動式間仕切り![]() |
5~50万円 |
|
垂れ壁・格子![]() |
5〜15万円 |
|
部屋を仕切る方法は、大きく分けて上記の3つです。
どの方法が適しているかは部屋をどのように使いたいかによって異なり、費用も変わります。
まずは方法別の費用目安と、向いているケースを見てみましょう。
1-1.造作壁(固定の壁)で完全に空間を分ける場合|10万~15万円程度より

部屋を分けるリフォームでもっとも一般的なのが、造作壁を作る方法です。
下地や石膏ボードを使って壁を新設して、空間を完全に仕切ります。
家の新築時やリノベーション時から、将来的に2部屋に分けることを想定してドアや窓を2つずつ設けている部屋なら、比較的スムーズに工事できます。
工期は4日〜6日ほどが目安です。
造作壁が向いているケース
- プライベート空間を確保したい
- 生活や就寝空間を分けたい
- テレワークや集中して仕事ができる環境にしたい
費用目安は10万〜15万円程度ですが、これはあくまで「壁を作るだけ」の費用感。
追加工事が必要になると、費用はもう少し高くなります。
追加工事にかかる費用については、次章で詳しく解説します。
1-2.可動式間仕切り(引き戸・折れ戸)で仕切る場合|5~50万円程度より

場面に応じて部屋を仕切りたいときには、可動式の間仕切りがおすすめです。
必要なときだけ空間を分けられるため、主に次のようなケースで採用されています。
可動式間仕切りが向いているケース
- 来客時だけ空間を仕切りたい
- リビングの一角をワークスペースにしたい
- 子どもの独立後に元の広さへ戻したい
可動式間仕切りにかかる費用は、選ぶ建具の種類やグレード、仕切る範囲によって大きく変わります。
| 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 扉(引き戸、折れ戸、吊り戸など) | 40~50万円 |
| アコーディオンカーテン | 10~20万円前後 |
| ロールスクリーン、カーテン | 5~10万円前後 |
もっとも選ばれているのは、引き戸や折れ戸などを使った方法です。
音やにおいが漏れにくく、プライバシーを確保しながらも、場面に応じて開閉ができるのがメリット。
個室のように使いたいなら、戸を使った間仕切りがおすすめです。
ただし、戸は壁に引き込みスペースが必要になるため、費用は造作壁よりも高く、40万〜50万円が目安。
工期は2日〜3日ほどかかります。
一方、視線を遮るための簡易的な仕切りでよければ、アコーディオンカーテンやロールスクリーン、カーテンを使う方法もあります。
これらは簡単に設置できるので、工期は半日から1日が目安。
費用も5万円からと、他の方法より抑えられます。
完全な個室にはなりませんが、「費用をできるだけ抑えたい」「目隠しができればいい」という方にはおすすめです。
1-3.垂れ壁・格子間仕切りなどでゾーニングする場合|5〜15万円程度より

空間をゆるやかに区切りたいときには、垂れ壁や格子間仕切りを使ったゾーニングがおすすめです。
視線が適度に抜けるため、圧迫感を抑えながら空間を分けられます。
たとえば次のようなケースでは、壁や建具で完全に仕切る方法よりもゾーニングが向いています。
垂れ壁や格子間仕切りでのゾーニングが向いているケース
- LDKの一角にワークスペースや勉強スペースを作りたい
- キッチンの手元や作業スペースを見えにくくしたい
- 圧迫感を出さずに空間を分けたい
ゾーニングでは格子や半透明のパネルなどを使うことが多く、閉鎖感が出にくいのがメリット。デザインによっては、通風や採光に影響することなく設置できます。
方法と施工範囲にもよりますが、費用は5万〜15万円、工期は2〜3日前後が目安です。
2.【要注意】造作壁を作るだけでは足りない?追加で必要な工事と費用
部屋や空間を分けるリフォームでは、造作壁の費用だけで済まないケースがほとんどです。
実際には、ドアや窓、エアコンの増設、防音工事などの追加工事が必要になることも多く、壁を作る費用だけで考えると予算オーバーになってしまう恐れがあります。

そこでここでは、追加工事が必要になるケースと費用目安を確認しておきましょう。
2-1.ドアや室内窓の新設費用|+10万円~
| 追加工事 | 費用目安 |
|---|---|
| 扉の増設 | 10~30万円 |
| 腰高窓の新設 | 30万円~ |
| 室内窓の新設 | 10~50万円 |
部屋を完全に分ける場合には、ドアや窓の新設が必要になる可能性があります。
とくに、もともと1部屋として設計されていた部屋では入口(扉)が1つしかないため、そのまま壁を作るだけでは片方の部屋へ出入りできなくなってしまいます。
そのため、もともと2つにわける予定で扉が2か所についている部屋以外では、扉の増設は必須工事です。
壁にドアをつける工事について、詳しくはこちらの記事をご確認ください。
また、窓の位置関係によっては、次のような方法で採光を確保する必要があります。
採光を確保する方法
- 外壁を解体して新たに窓を作る
- 室内窓を設置して、隣室から光を取り入れる
窓のない部屋は暗く、空気がこもりやすいので、採光と通風の方法は必ずプランに組み込んでおきましょう。
窓を新設する工事について詳しくは、こちらの記事をご確認ください。
2-2.コンセント・照明の増設・電気工事|+2万円~(本体費別)
部屋を分けるリフォームで見落としやすいのが、コンセントや照明の増設工事です。
もともと1部屋だった空間では、コンセントやスイッチが部屋の片側に偏っていることが多く、照明も1つしか設置されていません。
そのため、コンセントや照明の増設工事も、多くのケースで必要になります。
| 追加工事 | 費用目安 |
|---|---|
| コンセントの増設 | 1~3万円/箇所 |
| 照明の増設 | 5~15万円 |
コンセントは回路の増設有無や配線方法によって費用が若干異なりますが、1箇所(2口)あたり1万〜3万円が目安です。
1部屋につき2〜3箇所はコンセントがあるように、増設数を考えてみてください。
また、照明の増設費用は5万〜15万円が目安ですが、既存照明の移動が必要になる場合は、さらに移設費用がかかります。
2-3.エアコンの増設と専用回路の設置|+3万円~(本体費別)
部屋を分けると、エアコンが片方の部屋にしか効かなくなります。
そのためエアコン本体に加えて、専用の電気回路(配線)の新設工事も必要です。
| 追加工事 | 費用目安 |
|---|---|
| エアコン用コンセントの増設 | 2~5万円 |
| 専用回路の新設 | 5万円前後 |
エアコン用コンセントの設置自体は、高くとも5万円前後で済むケースがほとんどです。
ただし、ここに新しいエアコン本体の購入費と取り付け費用が加わる点には注意しましょう。
マンションにおけるエアコン増設の注意点は、注意点の章にて説明します。
2-4.防音性を高めるための追加工事(遮音シート・吸音材など)|+10万円~
造作壁を作れば、ある程度の生活音は軽減できます。
しかし、一般的な間仕切り壁だけは、防音性能はそれほど高くありません。
「プライベート空間をしっかり確保したい」「勉強や仕事に集中できる空間にしたい」などの希望がある場合は、防音工事も検討しましょう。
| 防音工事の内容 | 費用目安(6畳の場合) |
|---|---|
| 遮音シートを貼る | 10~20万円 |
| 遮音マットを敷く | 30~60万円 |
| 防音ドアにする | 10〜35万円/1箇所 |
防音性を高める方法はいくつかありますが、よく選ばれているのがシートの施工やマットの敷き詰め、防音ドアへの交換です。
費用は10万円からが目安ですが、高い防音レベルを求めるほど費用も高くなっていきます。
防音リフォームの方法や費用などの詳細は、こちらの記事を参考にしてください。
3.壁を作るリフォームの事例と実際にかかった費用
ここからは、実際に壁を作るリフォームを行った事例を紹介します。
同じように部屋を分けるリフォームでも、採用する工法や求める使い方によって費用や仕上がりは大きく変わります。
ここで紹介する事例も、ぜひ参考にしてみてください。
3-1.間仕切り壁で子ども部屋を2部屋に分けた事例(47万円)
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| 目的 | 子ども部屋の分割 |
|---|---|
| 費用 | 47万円 |
子ども部屋を確保するために、洋室を2部屋に分けた事例です。
もともと収納スペースがない部屋だったので、壁の造作にあたってクローゼットも新設しました。
設計時から部屋の分割を想定して扉や窓が2つずつ設置されていたため、解体箇所は最小限に抑えられています。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/203
3-2.引き戸で間仕切り壁を作り、洋室を分割した事例(46万円)
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| 目的 | 洋室の分割 |
|---|---|
| 費用 | 46万円 |
| 建物の種類 | マンション(RC造) |
マンションの洋室を、引き戸を使って仕切った事例です。
部屋を広く使いたいときには戸を開け、個室として使いたいときには閉めるという、フレキシブルな使い方ができるようになりました。
出典:https://www.reform-guide.jp/topics/case/hokkaido-n-youshitsu/
3-3.パーテーションで子ども部屋をゾーン分けした事例
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| 目的 | 子ども部屋の分割 |
|---|---|
| 工期 | 2日 |
子ども部屋をパーテーションで仕切った事例です。
完全に個室にするのでなく、部分的に壁を作ってゾーニングしたため、扉や窓の増設は不要。
費用を抑えつつ、子どもたちのプライバシーを確保することができました。
4.壁を作るリフォーム前に確認すべき4つの注意点
部屋に壁を作るリフォームは部分的な工事のため、手軽にできると感じるかもしれません。
しかし実際には、リフォーム後に「採光や風通しが悪くなった」「コンセントが足りない」「圧迫感がある」などの後悔が出てくることもあります。
とくに子ども部屋の分割は、1度行うと数年単位で使うケースがほとんど。
そのためただ部屋を分けるのではなく、使い勝手まで考えて計画することが大切です。
4-1.採光・風通しがどうなるかをシミュレーションする
壁を作るリフォームでよくある失敗が、採光と風通しの問題です。
失敗を防ぐためには、次のようなポイントを意識しましょう。
採光・風通しを確保するチェックリスト
- 自然光が入る
- 通風または換気ができる
- ベッドや机を置いても圧迫感が少ない
- 収納スペースがある
これらを満たしたうえで、「個室として快適に使えるか」まで考えることが大切です。
もし、採光や風通しの確保が難しそうな場合は、完全に仕切るのではなく、パーテンションや可動式の間仕切りなど、場面に応じて開閉できる方法をおすすめします。
4-2.エアコンの設置スペースと室外機の置き場があるかを確認する
部屋を壁で完全に仕切ると、エアコンがない側の部屋は空調が効きません。
そのため、子ども部屋や仕事部屋として使う場合は、エアコンが設置できる環境であるかも確認しておく必要があります。
エアコンを増設可否のチェックリスト
- エアコン用のコンセントを設置できるか
- 室外機を置くスペースがあるか
エアコンを取り付けるためには、本体だけでなく、室外機を設置できるだけのスペースも必要です。
部屋の近くや庭、ベランダに室外機を置けるだけの余裕があるかも、必ず確認してください。
なお、マンションでは配管経路に制限があるケースが多く、設置スペースだけでなく、管理規約内の確認も欠かせません。
部屋の分割とエアコン計画は、必ずセットで考えましょう。
4-3.将来的に撤去する予定があるなら可動式間仕切りがおすすめ
壁は1度作ってしまうと、簡単には撤去できません。
次のような項目に当てはまるなら、可動式間仕切りも検討したほうがよいでしょう。
可動式間仕切りがおすすめなケース
- 将来的(10年以内)に1部屋に戻したい
- 売却の可能性がある(その際に広い部屋として見せたい)
- 撤去費用を抑えたい
- 定期的に部屋を模様替えがしたい
とくに売却の可能性がある場合は、部屋を分割して小さくすることで、買い手が見つかりにくくなる恐れがあります。
目先の目的だけでなく、将来的な使い方まで見据えて方法を選択しましょう。
4-4.マンションの場合は「管理規約」を必ず確認する
マンションのリフォームは管理規約によって制限されているため、戸建て住宅よりも事前の確認事項が多くなります。
とくに次の項目に当てはまる場合は、必ず管理会社に確認しましょう。
マンションの管理規約に抵触する恐れがある工事
- エアコンを増設したい
- 電気の専用回路を新設したい
- 既存壁を部分的に解体したい
- フローリングを張り替えたい
エアコンの注意点については前述のとおりですが、他にも確認すべき項目が多くあります。
たとえば、マンションでは構造や遮音規定に影響するリフォームや、共用部分として扱われる窓の増設なども基本的にはできません。
また、工事内容によっては事前申請や近隣への工事案内が必要になるケースもあるため、早めに確認しておくと安心です。
マンションリフォームでできること、できないことについての詳細は、こちらの記事をご覧ください。
5.間仕切り壁はDIYできる?DIYのリスクと費用を抑えるポイント
壁を作るリフォームは高額になりやすいので、「DIYにチャレンジしたい」と考える方もいるかもしれません。
実際、パーテーションを使った簡易的な方法なら、数万円程度でDIYできるケースもあります。
ただし、方法によっては安全性や使い勝手に問題が出ることもあるため、注意が必要です。
5-1.DIYで作るメリットと大きなデメリット
DIYする大きなメリットは、費用を抑えやすいことです。
材料費だけで済ませられるため、簡易的な間仕切りなら数万円に収まるケースもあります。
とくに次のような方法なら、DIYしやすいでしょう。
DIYしやすい部屋の間仕切り方法
- パーテーションの設置
- ロールスクリーンやアコーディオンカーテンの設置
- カーテンの取り付け
一方で、壁を新設する本格的なDIYは、おすすめできません。
施工不良によるぐらつきや、地震発生時に倒壊するリスクがあるからです。
とくに子ども部屋のような生活空間の基盤になる部屋の壁工事は、安全性の確保のためにもプロへの依頼をおすすめします。
5-2.壁を作るリフォームで補助金が使えるケースは少ない
リフォームにはさまざまな補助金制度がありますが、壁を作るリフォーム単体では利用できない場合がほとんどです。
補助金制度を活用したいなら、省エネや断熱リフォームも同時に行いましょう。
現状、補助金制度の多くは省エネリフォームを対象としており、その付帯工事として壁を作るリフォームを行えば、補助対象になる可能性があります。
ただし、補助金には細かい要件が定められているため、事前確認が欠かせません。
補助金が使える省エネリフォームについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
利用を検討している場合は、リフォーム会社と相談しながら工事内容を考えましょう。
5-3.費用を抑えて満足度の高いリフォームをするなら、業者選びが大事
壁を作るリフォームは、同じ内容で依頼しても、リフォーム会社によって提案内容や費用が異なります。
そのため、費用を抑えながら満足度の高いリフォームをするには、業者選びが重要です。

たとえば、「壁を作るだけ」「パーテーションを取り付けるだけ」などやりたいことがシンプルなら、地元のリフォーム会社への相談がおすすめ。
費用を抑えながら、希望をかなえることができます。
一方、提案力の高さやデザイン性を求めるなら、中堅リフォーム会社、または大手リフォーム会社への相談が安心です。
プランナーによる提案や、これまでの施工事例をいかしたプランニングを受けられるでしょう。
大切なのは、自分たちの希望と予算に合う会社を見つけることです。
とはいえ、さまざまな会社を探しながら比較するのは、時間も労力も要します。
できるだけ手間をかけず信頼できるリフォーム会社を探したいときには、リフォーム会社紹介サイトを利用しましょう。
1度の情報入力で、複数社を簡単に比較することができます。
6.まとめ|壁を作るリフォームは実現方法と追加工事で費用が変動する
壁を作るリフォームにはさまざまな方法があり、選ぶ工法によって費用も大きく変わります。
シンプルな固定壁なら10万円~15万円が目安ですが、引き戸を使った可動式間仕切りになると、50万円近くかかることも。
ドアや窓、コンセント、エアコンなどの増設が必要になると、費用はさらに高くなります。
費用を含め、自分たちに合うプランを考え、選ぶためには、パートナーとなるリフォーム会社選びも重要です。
会社選びで悩んだ際には、ぜひ「リフォームガイド」をご活用ください。
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