
「親世帯に言われて仕方なく」
「共働きで子供の面倒を見てもらいたいから」
「家を建てる費用の負担を減らしたい」
二世帯住宅を考える理由は様々だと思います。せっかく2つの家庭が一緒に住むなら、お互いが気持ちよく住める家がいいですよね。みんなが満足できる家になれば、二世帯の関係もより良いものになると思います。
また、2015年から二世帯住宅は相続の際の評価額が80%減額されることになりました。費用の面からみても二世帯住宅は魅力的ですね。
今回は二世帯住宅を絶対に失敗しないために過去の失敗例と対策をご紹介します。この記事を読んでストレスのない二世帯住宅にしましょう。
目次
1.共有場所別にみる二世帯住宅の失敗例とその対策
二世帯住宅は以下の3つの種類があります。
- 完全分離型
- 一部共有型
- すべて共有型
一番失敗が少ないのは完全分離型ですが、「費用や敷地の問題で、どこかを共用にしないと無理だな」「せっかく二世帯住宅にするならどこかのスペースは共有したい」などとお考えの方もいらっしゃると思います。
そこで今回は共有場所別に失敗例をご紹介します。
どこを共有にするべきか・共有する場所によってどんなことに注意すればよいのかご家庭の状況に当てはめながらお考えください。
1-1.玄関を共用にしたことによる失敗例
- ちょっと買い物に行くときも行き先と帰宅時間を聞かれストレスがたまる
- 夜遅くに帰宅する日が続くと何かを言われそうで気を遣う
- 子供の靴で下駄箱を占領されてしまい、自分たちの靴を置く場所がない
- 自分の友達などを家に呼びづらい
他の場所は別々だけど玄関だけは一緒にする例もたくさんありますが、玄関を一緒にすると日々の外出や夜遅くの帰宅などで気を遣わなければなりません。
ライフスタイルが異なる二世帯の場合は特に玄関についてよく考えましょう。
対策
- お互いの外出などには干渉にしないように事前に決めておく
- 下駄箱などの収納は広めに確保し、利用スペースを分けておく
▼玄関を増築する方法もあります。くわしくはこちらの記事を参考にしてください。


1-2.リビングを共用にしたことによる失敗例
- 観たいテレビが見られない
- 人を招きづらい
- くつろぐことができない
- 家族のみでコミュニケーションをとる場がなくなった
リビングは家族が団欒する場所であるため、不満があると家庭内の雰囲気も悪くなってしまいます。
また、リビングを共用にしてしまうと2つの家庭の境界線があいまいになり、別々にしてある他のスペースにも勝手に出入りされてしまう状況になりかねません。
対策
- 小さめのキッチンがあるサブリビングを作る
- 一人きりになれる書斎や趣味のスペースを設ける
1-3.キッチンを共有にしたことによる失敗例
- 娘に合うような高さにしたためお義母さんが使いづらい
- 冷蔵庫も共有なため、スペースが少なく自分が買ってきたものが入らない
- 母と娘二人で使えるようにと広めのキッチンにしたが、実際は二人で利用することは少なく、一人で使うには広すぎて使いづらい
キッチンを主に使う人は誰なのかしっかりと考えましょう。そして2つの家庭のライフスタイルの違いなどを考慮しましょう。キッチンが使いづらいと日々のストレスにつながり、二世帯間の関係も悪くなってしまいますので、事前にしっかりと検討しましょう。
また、人それぞれ使い方・やり方が違うので、収納の仕方や冷蔵庫の使い方などのルールを決めておくと良いでしょう。
対策
- 主に使う人にキッチンの高さを合わせる
- 冷蔵庫は大き目のものを設置し、収納も広めにとる
- 事前に使う人同士でルールを決めておく
▼キッチンを増設することも検討してみてはいかがでしょうか。くわしくはこちらの記事をご覧ください。




1-4.お風呂を共有にしたことによる失敗例
- 自分の好きな時間にお風呂に入れないから日々ストレスがたまる
- 脱衣所と洗面所が兼用になっているので、間違って脱衣中に義父が入ってきた
- 夜遅くに入浴したいときは音が響いてしまいそうで気を遣う
お風呂を共有にする事の一番の問題は入浴時間です。お風呂に入る時間はライフスタイルによって大きく異なりますので、しっかりとルールを決めておきましょう。また、お子様が大きくなり、一緒に入浴しなくなると人数が増え、さらに入浴時間の問題が深刻になります。将来のことも考えておきましょう。
対策
- 入浴時間のルールを決める
- お風呂と別にシャワールームなどを設ける
▼お風呂の増設・増築に関してはこちらを参考にしてください。


2.お金に関する二世帯住居の失敗と対策
続いては、お金に関する失敗例を紹介します。二世帯住宅は一世帯の費用負担が減り、嬉しい反面トラブルも増えます。失敗例を確認して事前にトラブルを回避しましょう。
2-1.水道光熱費に関する失敗例
日中家にいる親世帯と水道光熱費を折半していることに不満を感じてしまい、親世帯との関係がうまくいかなくなったという例があります。
共働きの世帯が増えていますので、このような不満があるご家庭も多いと思います。一方で、お子さんの面倒を見てもらっている場合はこのような不満を感じにくい傾向があります。親世帯に何かお願いすることが不満の軽減につながるかもしれません。
対策
- 親世帯に何かを依頼し不満を減らす
- 親世帯と相談して水道光熱費を多めに出してもらう
- 親世代にも水道光熱費を報告し節約を促す
2-2.生活スタイルの違いにより発生する水道光熱費による失敗
子世帯の入浴時間に合わせて夜遅くまでお風呂を温かくしていなければならないため光熱費がもったいないと感じイライラするという、親世帯からの不満もあります。
一世帯だと夕方頃から深夜までお風呂を温めておかなければならない状況はめったにありませんね。ライフスタイルの違う二世帯が同居している環境ならではの失敗です。
しかし、同居する前からライフスタイルの違いを把握していればそのような結果にならずにすみます。お互いが気持ちよく暮らせるように配慮しましょう。
対策
- 親世帯が入浴時間を遅らせる
- 土日などはみんなで短時間の間に入浴する
2-3.建設費用に関する失敗例
お金に関する失敗では、頭金を半分ずつ出し合うという約束が反故にされ二世帯住居の話がなくなったという例もあります。
せっかく話し合ったのにお金の問題で二世帯住居がなしになったら、その後の二世帯の関係も悪くなってしまいがちです。そのようなことにならないためにも事前に具体的な金額まで話し合っておく必要があります。
対策
- お互いに用意できる金額を具体的に話し合っておく
- 住み始めてからの生活費の分担も決めておく
3.二世帯住宅を成功させる3つのコツ
1.2.で紹介したような失敗は絶対にしたくありませんよね。こちらでは二世帯住宅を成功させるコツをご紹介します。
3-1.世帯ごとに業者との打ち合わせを行う機会を設ける
パートナーのご両親を目の前にすると、言いたいことも言えないですよね。
後から実はこんな風にしたかったのにと後悔しないためにも、親世帯・子世帯それぞれで業者と打ち合わせをするのがおすすめです。
業者の方に間に入ってもらってお互いの要望をすべて出し切りましょう。
3-2.共有スペースの使用・生活費のルールを決めておく
1.でも紹介したように共有スペースはトラブルが発生しやすい場所です。不満だらけで生活することにならないように事前にルールを決めておきましょう。
また、2.で紹介したようにお金のことで不満を感じる場合もあります。こちらも事前にルールを決めるとよいでしょう。
3-3.適度な距離を保つ
あまり干渉されすぎると息苦しくなってしまいます。声はかけるけれども、あまり深くは尋ねないようにするなどの工夫をしましょう。
また、日頃から感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。やってもらえることが当たり前と思わずにお互いが気持ちよく過ごせる関係を築きましょう。
4.まとめ
二世帯住宅で起きがちな問題と対策を解説しました。
二世帯住宅は費用を抑えられることや、子供の面倒をみてもらえること、家事を分担できることなどメリットがたくさんあります。ご家庭にあった二世帯住宅にすれば大人数の楽しさを実感しながら、楽しく過ごせる時間も増えそうですね。