
アイランドキッチンは明るく開放的で、見た目もおしゃれ。キッチンをぐるりと回遊でき、使い勝手にも優れています。
その存在感で空間全体をおしゃれに演出することもでき、憧れている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、アイランドキッチンのメリット・デメリット、リフォームの費用相場や施工事例を解説します。
他にも、アイランドキッチンがおすすめの方やリフォーム時の注意点も紹介しているので、ぜひリフォームの検討材料にしてください。
目次
1.アイランドキッチンとは?メリット・デメリット
出典:https://www.anabuki-renovation.com/results/reform/873/
アイランドキッチンとは、島(=アイランド)のように配置された対面キッチンのこと。キッチンの四方のすべてが壁に接しておらず、回遊性に優れているのが特徴です。
なお、対面キッチンで左右どちらかが壁に接したものは「ペニンシュラ(=半島)キッチン」と呼ばれます。
アイランドキッチン以外のレイアウトについて知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。


1-1.アイランドキッチンのメリット
四方を壁から離して設けられるアイランドキッチンは、部屋の中央近くに配置されるのが特徴。この配置のおかげで、使い勝手やデザイン面において以下のようなメリットがあります。
・コミュニケーションが取れる
アイランドキッチンをはじめとする対面キッチンの大きな魅力が、リビングにいる家族や友人とコミュニケーションを取りながら家事ができること。調理や皿洗いをしながらテレビを見たり会話をしたりできるので、疎外感を感じにくいでしょう。目の前を遮るものがないので、子供が遊んだり勉強したりする様子を見守りながらの家事もできます。
・キッチンに入ってくる人と動線が被りにくい
そして他の対面キッチンにはないアイランドキッチンならではのメリットが、複数人でキッチンに立ちやすいこと。2方向から出入りができるため、冷蔵庫へ飲み物を取りに来た家族とも動線がかぶりません。
一方、片方が壁と接しているキッチンは1方向からしか出入りができないため、他の人と動線がぶつかりやすいです。
・インテリアの主役にできる
アイランドキッチンを部屋の真ん中に配置すると、自然と目を惹くインテリアの主役になります。ハイグレードでデザイン性に優れた商品も多いので、お客様にも「おしゃれな家」という印象を与えることができるはずです。
1-2.アイランドキッチンのデメリットと対処法
アイランドキッチンならではのデメリットもあります。ここではデメリットと一緒に対処法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
・広い設置スペースが必要
アイランドキッチンのデメリットのひとつが、広いスペースが必要なことです。キッチンの両脇に人が通るための80cmの空間を確保すると、キッチンスペースの幅は少なくとも3.6m以上ほしいところ。キッチンスペースの奥行きは2.4m以上が目安です。
これ以上狭いと使い勝手が悪く、アイランドキッチンの導入が難しくなるかもしれません。
<対処法>
・幅の狭いアイランドキッチンを採用する
通常より幅の狭いアイランドキッチンを採用することで、間口の狭い空間でも両脇の通路が確保できます。
・ペニンシュラキッチンを採用する
幅の短いキッチンは作業スペースが狭くなります。作業スペースの狭さが許容できない場合は、無理をせず似たような見た目のペニンシュラキッチンを採用するのもおすすめです。
・臭いが広がりやすい
目の前にリビング・ダイニングが配置されるアイランドキッチンでは、調理中の臭いが広がりやすいというデメリットもあります。壁付けタイプより換気扇の効率が悪くなるのも、臭いが広がりやすい原因です。
<対処法>
・強力な換気扇を設置する
壁がないアイランドキッチンは換気扇の効率が悪くなるため、強力な換気扇を設置すると臭いが広がりにくいでしょう。ただし、音がうるさく感じることもあるようです。
・空気清浄機を置く
キッチンの近辺に空気清浄機を置くのもひとつの手段です。強力な換気扇を設置すると作動音が気になる場合にもおすすめ。
・水や油はねが気になりやすい
アイランドキッチンは天板がフラットなので、リビング側に調理中の汚れが飛び散りやすい点も、人によっては気になるかもしれません。
<対処法>
・ガスコンロではなくIHクッキングヒーターを採用する
ガスコンロよりもIHクッキングヒーターのほうが上昇気流が発生しにくく、油はねが遠くに飛びにくくなります。
・ガラスパネルを設置する
コンロの前にガラスパネルを設置すると、視界を遮ることなく油はねを防げます。ただし、パネルの掃除が必要です。
・キッチンマットを敷く
水や油で床が汚れるのを防ぐには、キッチンマットを敷くのもよいでしょう。
・キッチン周辺は掃除しやすい床材に変える
タイルなどの汚れに強い床材をキッチン周辺に用いるのもおすすめです。
・キッチンが丸見えになる
キッチンにいながらリビングの様子が見えるアイランドキッチンは、裏を返せばリビングからキッチンの様子が丸見えになるということ。キッチンが汚れたり散らかったりしていると、LDK全体が雑然とした印象になってしまうので注意が必要です。
<対処法>
・リビング・ダイニング側に腰壁を設ける
腰壁(腰から胸のあたりまで立ち上がった壁)を設けると、キッチンの散らかりや調理中の手元を隠すことができます。開放感はそのままに、キッチンの生活感を隠したいときにおすすめの対処法です。
1-3.アイランドキッチンはこんな人におすすめ
上記のメリット・デメリットを踏まえると、アイランドキッチンは以下のような方におすすめのキッチンと言えます。
アイランドキッチンがおすすめな人
- インテリア性を重視したい
- 複数人で調理することがある
- 来客が多い
- 整理整頓・こまめな掃除が苦にならない
アイランドキッチンの魅力は、なんといってもデザイン性に優れているという点。採用するだけで「おしゃれな家」という印象を与えることができるので、インテリア性を重視したいという方には特におすすめのキッチンです。
また四方から作業できるアイランドキッチンは、家族や仲間と一緒に調理がしたいという方にもおすすめ。人と動線が被りにくいので、複数人でもストレスなく作業ができます。大人数の調理や配膳、片付けも楽にできるので、来客が多いご家庭やホームパーティーを頻繁に開くというご家庭にも最適なキッチンと言えます。
整理整頓やこまめな掃除が苦にならない方なら、リビング・ダイニングからキッチンが丸見えになるというデメリットもクリアできるでしょう。


2.アイランドキッチンにリフォームした事例
ここからは、実際にアイランドキッチンにリフォームした施工事例を紹介します。
戸建てとマンション両方の事例を紹介するので、ぜひご自宅のキッチンリフォームのイメージを掴んでください。
2-1.【戸建て】カフェスタイルがオシャレなアイランドキッチン
※横にスクロールできます


自宅の全面改装を機に、独立型のキッチンから開放的なアイランドキッチンへとリフォームした事例です。腰壁を設けることで、調理中の手元を隠せます。さらにコンロ前に壁を設けることで、臭いや油はねなどのアイランドキッチンならではのデメリットも軽減しています。
※横にスクロールできます


キッチンの目の前にはリビング・ダイニングとプレイスペースがあり、料理や後片付けをしながら家族の様子を見守れるのもポイントです。
出典:https://www.artreform.com/example/6164/
2-2.【マンション】眺望を楽しめる開放的なアイランドキッチン
油はねを防ぐために、コンロ前にガラスパネルを設置。透明で視界を遮らないので、開放的な雰囲気はそのままに汚れの飛散を防ぐことができます。
キッチンの目の前にダイニングテーブルを設けているので、完成した料理を配膳するのも食べ終わった食器を片付けるのもスムーズ。部屋の中央に設けるアイランドキッチンにすることで、家族との距離もぐっと縮まるリフォームとなりました。
※横にスクロールできます


壁付けのⅠ型キッチンから、家族の顔を見ながら調理できるアイランドキッチンにリフォームした事例です。
出典:https://www.anabuki-renovation.com/results/reform/871/
2-3.【マンション】憧れの広々としたアイランドキッチン
独立タイプの壁付けキッチンをアイランドキッチンに変更したマンションの事例です。玄関から入るとまずキッチンが目に飛び込む、まさに“キッチンが主役”の空間になりました。キッチンの左右の通路幅は1mを確保しているので、大人2人でも楽々すれ違うことができます。
キッチンとリビングとの間に発生した段差を利用し、あえて床材を変えることで、「食事をする空間」と「くつろぐ空間」を緩やかにゾーニングできているのもポイント。キッチンとリビングの壁紙をグレー系で統一しているため、一体感も感じられます。
※横にスクロールできます


出典:https://www.anabuki-renovation.com/results/reform/873/
3.アイランドキッチンにリフォームする費用相場【100~200万円台】
アイランドキッチンにリフォームする費用(キッチン本体価格+基本施工費)は、100~200万円台が目安です。キッチン本体のグレードによって費用は大きく異なり、スタンダードなキッチンであれば100万円台でリフォームできますが、ワークトップにセラミックを使用するなどハイグレードなものになると200万円以上かかることもあります。
また、この基本費用にオプション価格は含まれていないので、食洗機やIHクッキングヒーターなどが欲しい場合は追加費用が必要です。
出典:TOTO
思ったより高く感じた場合は、アイランドキッチンよりも費用を抑えられるペニンシュラキッチンへのリフォームも検討してみてはいかがでしょうか。
両者のリフォーム費用の比較をしたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。


4.アイランドキッチンにリフォームする際の注意点
せっかく憧れのアイランドキッチンへリフォームするのであれば、注意点もしっかりと確認しておきましょう。注意点を押さえておくことで、使い勝手のいいアイランドキッチンを手に入れることができます。
4-1.間取りに無理がないか考える
前述の通り、アイランドキッチンには広い設置スペースが必要なため、そもそも間取りに無理がないかを考えましょう。狭い空間に無理やりアイランドキッチンを採用すると、リビングが狭くなってしまったり、かえって使い勝手が悪く感じたりする可能性もあります。
4-2.コンセントの位置を考える
アイランドキッチンのリフォームでは、コンセントの位置や数の検討もとても大切です。例えばミキサーを使う場合、手元にコンセントがないと壁のコンセントを使わなければなりません。アイランドキッチンの場合、壁のコンセントまで届かない場合もあり、調理家電が思うように使えない可能性もあります。
手元にコンセントを備えたアイランドキッチンのメーカーは限られているため、リフォーム時にサイドパネルにコンセントを作ってもらうのもよいでしょう。
4-3.マンションの場合は制約が多くなる
マンションでアイランドキッチンへのリフォームを検討する場合、戸建てに比べて制約が多いことを理解しておかなければなりません。特に注意したいのは、次のポイントです。
・移動範囲に制限が出やすい
マンションのキッチンから出る排水は、床下の排水管を通って「PS(パイプスペース)」の共用配管に流れていく仕組みです。PSの位置は変えられないため、排水管の中を水がスムーズに流れる勾配をとるために、キッチンの移動範囲に制限が出ることがあります。また、床下に大きなスペースがある「二重床」のマンションでは比較的移動しやすいですが、コンクリートに直接床が貼られた「直床」という構造だと移動のハードルが高めです。
・キッチンの段差ができたり天井が低くなる場合も
PSからの距離が遠い場合、キッチンの床の高さを上げることで十分な排水勾配が取れ、希望の位置に移動できる場合もあります。ただし、キッチンに段差が生まれたり、天井が低くなったりするので注意が必要です。段差を避けたい場合、部屋全体の床を上げる方法もありますが、かなり大掛かりな工事になってしまうので、コストや工期延長を考えなくてはなりません。
また、そもそもマンションの管理規約で水回りの移動が不可とされていることもありますので、管理規約も確認しておきましょう。
マンションのキッチンリフォームの注意点についてより詳しく知りたい方には、以下の記事がおすすめです。


5.費用と満足度を両立させるための業者の選び方
「費用を抑えつつも、アイランドキッチンのグレードにはこだわりたい」と思う方に向けて、ここでは最適な業者選びのポイントを解説します。
リフォーム会社を大きく分けると「地元のリフォーム会社」「中堅リフォーム会社」「大手リフォーム会社」の3種類があります。それぞれの得意とする工事や特色を知ったうえで、自分のニーズに一番合う会社を選びましょう。
「地元・中堅・大手」の中にもたくさんのリフォーム会社があるので、その中からどう選べばいいのか迷うかもしれません。会社のホームページや口コミサイトを参考にするのもいいですが、効率よく自分に合った優良業者を知りたい方には、紹介サイトの活用がおすすめです。
リフォーム会社紹介サイトのおすすめポイント
- 条件に合う業者を一括で案内してくれるため、自分に合う業者を比較して選べる
- リフォーム会社のホームページには載っていない、独自取材で得た情報を知ることができる


6.まとめ
アイランドキッチンは、開放感と使いやすさを兼ね備えた、とても魅力的なキッチンです。しかし設置するには広いスペースが必要で、臭いや油はねなどの対策も考えなければなりません。マンションの場合は、構造上の制約にも注意が必要です。
アイランドキッチンへのリフォームを検討する際には、信頼できるリフォーム会社に相談しながら、自宅の間取りや生活スタイルとの相性をよく考えてみましょう。
この記事を読んでアイランドキッチンのリフォームに前向きになった方は、ぜひリフォームガイドにご相談ください。お客様にぴったりな近隣のリフォーム会社をご紹介できるので、理想通りのリフォームを叶えるお手伝いができます。