
「改築って具体的にどういうこと?」
「改修やリノベーションとは違うの?」
という方がいらっしゃるのではないでしょうか。
新築、増築、改修、リノベーション、リフォームなどの言葉を聞いているうちに、そもそも「改築」とは何か?と疑問に思うこともあると思います。
実は「改築」の建築基準法上での定義と、一般的に使われている意味とでは違いがあります。工務店とのやり取りで改築という言葉が出てきたら、どちらの意味なのかを確認しないと誤解が生まれてしまう恐れがあります。
この記事では、改築の定義や意味、改築する場合の費用、事例、流れまで全て解説していきます。
記事を読んでいただくことで、改築を正しく理解した上であなたの家の維持やリフォームに役立てられるはずです。
目次
1.改築とは?
1-1.一般的な使われ方
一般的に「改築」は、
- 間取りから大幅に変える
- 二世帯住宅にする、車庫を部屋にするなど用途を変更して建て直す
などのような意味で使われています。リノベーションや間取りや見た目を大きく変えるリフォームと同じような意味で使われることも多いです。
しかし、法律上の定義を見ると、一般的に使われる意味とは少し異なります。
具体的な定義はどうなっているのか見ていきましょう。
1-2.建築基準法上の「改築」の定義
建築基準法で、改築は次のように定義されています。
つまり、建物を全部もしくは一部を解体し、今までと同じような建物を建てることを「改築」と言います。
一般的にイメージしているような「間取りや見た目をまったく新しくする」という意味や「別の用途として建て直す」という意味とは異なります。
定義上の改築では、災害などで破損した部分を復元させるための工事などが当てはまります。
1-3.「新築」「増築」「改修」との違い
下の表に、改築・新築・増築・改修の違いについて、新しい建物の状態と既存の建物を壊すかどうかで示しました。
新しい建物の状態 | 既存建物を壊すか | |
---|---|---|
改築 | 前とほぼ同じ | 壊す |
新築 | 前と大きく異なる | 壊す |
増築 | 床面積を増やす | 増築方法による※ |
改修 | 一部が変わる | 壊さない |
※既存部分を一部解体して増築部分と繋げる場合は「壊す」が、同じ敷地に離れを作る場合や、既存部分を解体せずにエクスパンションジョイントで接合する場合は「壊さない」
「新築」の場合には、建物を取り壊し、前とは全く異なるものを建設することが多く、床面積を変更することもあります。
「増築」の場合には、建物は取り壊さずに床面積を増やすための工事のことを言います。
「改修」工事は、建物全体を壊すことはせず、一部の撤去および新設を言います。例えば、マンションなどの一室を全て撤去し、壁紙なども全て張り替えるなどを行う場合なども改修工事と言います。
2.実際に家を改築した事例
ここでは、広い意味での改築として、間取り変更などの比較的大規模の工事をおこなった事例についてご紹介いたします。
2-1.古民家の改築
- 内容:築60年以上の住宅を8LDKから4LDK+書斎へと改築
- 費用:1,500万円程度
- 工期:3ヶ月
出典:https://www.artreform.com/example/882/
築60年の住宅を8LDKから4LDK+書斎へと改築した事例です。老朽化が激しく、屋根外壁、内装のほとんどを一新し、間取りも変更することで現代の住みやすい住宅へと変わりました。
昔の住宅の造り方ですが、味のある柱や梁をあえて見せる内装にし、吹き抜けなども採用しました。これにより古民家の風合いを残しながら、おしゃれに仕上げることができました。建て替えよりも費用を抑えつつ、工期は3ヶ月程度と比較的短く、生活に支障も少なく工事を終えることができました。
2-2.自宅で料理教室ができるよう改築
- 内容:生活導線も考慮し家全体(外装含む)を改築
- 費用:820万円
- 工期:2カ月
出典:https://www.artreform.com/example/872/
主にリビングをこだわって改築し、将来的に料理教室もできるような間取りにしました。キッチンは壁際にありますが、作業台をキッチンの対面に造作することで作業スペースを広く取りました。家事動線にも気を配り、キッチンとサニタリールームまでを一直線になるようにしました。
2-3.マンションのフルリノベーションでリッチな印象に
- 内容:3LDKのマンションを 2LDK+WIC・書斎にフルリノベーション
- 費用:1460万円
- 工期:2か月
出典:https://www.artreform.com/example/886/
リビングに畳、和室、押し入れがあるといった一昔前のマンションの間取りを、モダンでより住みやすいものへとフルリノベーションした事例です。
押し入れなどを無くし、ウォークインクローゼットのスペースに作り替え、和室も全てフローリングにしました。設備一式を最新のデザインのものへと交換しました。
照明器具を全て間接照明とすることで、おしゃれでスタイリッシュな空間にすることができています。
3.改築リフォームする際の手順
改築リフォームを行う手順についてご紹介いたします。
※リノベーションのような工事の場合でも、定義上の改築を指す工事でも、手順に違いはありません。
① 施工業者を探し、見積もりを取る
施工業者は、以下のように決めていきます。
1:地元の工務店をインターネットなどで探す
2:2~3社に相談、見積もりを取る
3:見積もりや対応、会社の実績などを総合的に判断して1社に絞る
改築は建築の一種ですので、建築業のプロである工務店、またはリノベーション会社、総合リフォーム会社を探しましょう。
ホームページで施工事例を載せている会社も多いですので、参考にすると得意な工事が分かります。
注意すべき点は、地元の何でも屋さんのようなリフォーム会社では、建築一式工事と呼ばれる大規模な工事ができないことがあります。改築は建物の構造を触る工事になりますので、「建築一式工事」を請け負う資格のある建設業許可を取得している会社に依頼するようにしましょう。新築を扱っている工務店や、リノベーション会社では問題ないでしょう。
リフォームガイドでは、全国の優良工務店からあなたの改築やリフォームにあった会社をご紹介しています。お気軽にご相談ください。
② 詳細プランの打ち合わせ
契約した施工業者と、プランの詳細を打ち合わせます。
③ 建築確認申請
増築・改築には建築確認申請が必要です。詳しくは5-1で解説します。
④ 仮住まいを用意する
改築期間中に、施工物件に住むことができない場合は、仮住まいを用意しておく必要があります。
改築することが決まり、業者とプランを練り始めたら、いつから工事が開始するかを早めに決め、仮住まいを探し始めましょう。
⑤ 工事完了・完了検査、引き渡し
確認申請の許可が下りたのちに工事開始となります。
⑥ 登記
工事完了後、1か月以内に登記を行う必要があります。
登記は自分で行うこともできますが専門的な知識が必要になるため、土地家屋調査士というプロに代行を依頼するのが一般的です。詳しくは5-2で解説します。
4.改築にかかる期間
改築にかかる期間は、おおよそ3ヶ月〜1年程度と幅があります。
というのも、
- 打ち合わせ
- 工事期間
の2つにより変わるためです。
打ち合わせ期間
打ち合わせに関しては、デザイン設計から依頼する場合には、お客さまが納得するまで続きますので最短で1ヶ月程度、長いと半年程度かかることもあります。間取りや住宅性能といった構造部分だけでなく、内装・設備などの商品を1つ1つ決めていくため時間がかかります。
工事期間
工事期間は、ワンフロアのみの改築であれば1〜2ヶ月程度、住宅全体(外装も含む)の改築は2〜3ヶ月程度かかります。デザイン設計の期間を足すと、3ヶ月〜6ヶ月程度かかります。
以上から、改築にかかる期間は、トータルでおおよそ3ヶ月〜1年程度だと考えておくと良いです。
5.改築する際の注意点
ここでは、改築する上で注意するべき点を解説します。
5-1.建築確認申請が必要な場合がある
改築する際は、施工業者を通して「建築確認申請」を自治体に行う必要がある場合があります。
「建築確認申請」は、建築基準法など法令に適合しているかどうかを審査するもので、確認申請を行うことも建築基準法で定められています。
■確認申請が必要な場合
- 床面積が10㎡以上増える場合
- 準防火地域、防火地域で増築する場合
- 4号建築物(※1)に該当しない住宅で大規模修繕する場合(※2)
※1一般的な木造2階建ては「4号建築物」に分類されますが、3階建てや200㎡以上の鉄骨住宅など「4号建築物」に該当しない住宅に関しては、建築確認申請が必要な場合があります。
(4号建築物とは)
・「木造建築物」で2階建て以下、かつ延床面積500㎡以下、かつ高さ13m以下・軒の高さ9m以下
・「非木造建築物」で平屋建て、かつ延床面積200㎡以下
※2主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2 超)にわたって「修繕」もしくは「模様替え」する場合。
上記に当てはまる場合には、施工業者に確認申請を行う必要があるかどうか確認しましょう。確認申請は、施工業者が行ってくれますので難しい手続きは必要ありません。
5-2.登記が必要な場合がある
改築により、床面積の変更、屋根の種類が変わる、車庫や倉庫を新設した場合などには、「建物表題変更登記」が必要になります。
工事完了後1か月以内に行う必要があります。
■登記が必要な場合の例
- 床面積の変更
- 用途の変更、住宅から店舗にしたなど
- 土地に定着した車庫や倉庫など
登記が必要な場合にもかかわらず未登記のままにした場合、過料が処せられますので注意しましょう。
上記に当てはまる場合には、施工業者に登記手続きの必要があるか確認しましょう。登記手続きについては、通常施工業者が提携している土地家屋調査士が行います。
5-3.固定資産税について
改築工事により、建物の評価額が上がった場合には固定資産税が上がることがあります。
工事完了後、自治体による調査によって評価額が算出されます。この評価額に基づいて税額が決まります。
6.まとめ
改築は、建築基準法による定義において、厳密には「建物を全部もしくは一部を解体し、今までと同じような建物を建てること」ですが、一般的には改修やリノベーションなどと同じような意味で使われていることがほとんどです。
改築にかかる期間や費用は、工事の規模によって変わります。1室のみの改築であれば、工事期間は1週間程度で、費用は20~40万円程度となります。フルリノベーションなどの場合には、デザイン設計から工事完了まで3ヶ月〜6ヶ月程度かかります。
改築を依頼する業者は、大規模なリノベーションなどを多く手がけており、デザイン設計や工事の際の気配りなどが行き届いている会社を選ぶようしましょう。
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