予算1000万円でできる古民家リフォームとは?プロ提案の予算配分も

予算1000万円の古民家リフォームは、可能な工事が限られてしまいます。

古民家リフォームは通常、1500〜2000万円の出費を前提に計画されることが多いからです。

しかし今回は、限られた予算の中で古民家リフォームを実現させたいという方のために、予算1000万円でどのようなリフォームが可能なのか解説していきます。

ぜひ最後までお読みいただき、予算内でできる古民家に適切な工事を知り、満足度の高いプランを計画できるようにしましょう。

[関連記事:予算1,000万円で戸建てをどこまでリフォームできる?]


1.1000万でどこまでリフォームできるのか?

ここでは、予算1000万円で古民家をどこまでリフォームすることができるのか、解説します。

1-1.1000万円でできる3つの工事

予算1000万円の古民家リフォームでは、以下の3つの工事が可能です。

  • 雨漏り対策
  • 構造躯体の劣化対策
  • 耐震工事

予算が限られている中での古民家リフォームについて、注文住宅やリフォームに多く携わり、古民家リフォームも数多く手がけた経験のあるあなぶき・きなりの家の谷口さんに詳しいお話を伺いました。

古民家リフォームの場合、以上の3つの工事で費用1000万円に達してしまうことが多いです。築年数が古い物件の場合、建物の安全性を高める工事が最優先となります。以下でそれぞれの工事の内容について詳しく解説します。
谷口さんアイコンあなぶき・きなりの家
谷口さん

雨漏り対策

古民家リフォームでは、雨漏りを防ぐための屋根・外壁工事が必要です。古民家で雨漏りが発生する原因として、屋根や外壁のひび割れ・隙間などが考えられます。雨漏りを放置しておくと水が建物内部に侵入し、腐食に繋がりますので必ず工事を行いましょう。

古民家の屋根・外壁工事にかかる費用は以下の通りです。

古民家の屋根・外壁工事にかかる費用
屋根
葺き替え 284~320万円(参考:18000円/㎡)
外壁 ※劣化状況に応じていずれか適切な工事を選択
塗装 60~180万円
重ね張り 130~230万円
張り替え 150~400万円

雨漏り対策についてもっと詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

雨漏りの原因を特定する方法から発生した際の対策までを解説
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構造躯体の劣化対策

古民家リフォームでは、構造躯体の劣化に対する基礎の補強も必須の工事です。築年数の古い建物の場合、基礎が弱っていると災害時の危険性が高まるほか、住宅の重みに耐えられず倒壊に繋がる恐れもあります。

なお、古民家の基礎補強の費用は基礎に石またはコンクリートどちらが用いられているかによって変動します。

古民家の基礎補強にかかる費用
玉石基礎(石を用いた基礎) 100万円~
コンクリートブロック基礎 50~100万円

耐震工事

古民家をリフォームする際は耐震工事も行うべき工事です。築年数の古い建物の場合、現在の建築基準法に合わせる必要があるほか、耐震工事を怠ると地震発生時倒壊の恐れがあります。

以下では、築40年以上の木造住宅の耐震工事にかかる平均費用をまとめています。

床面積別 築40年以上の木造住宅の耐震工事平均額
1階床面積 補強工事平均額
60㎡未満 130万238円
60~80㎡未満 200万7500円
80㎡以上 253万6765円

出典:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合

1-2.古民家リフォームの費用相場は1400万円~

一般的に古民家リフォームをする際、かかる費用は1400万円~となります。

古民家をリノベーションする際にかかる費用相場

古民家のリノベーションは、柱と基礎以外を壊して一から作り直すスケルトンリフォームと呼ばれる工法で行うことが多いです。スケルトンリフォームを行うことにより、建物の表面的な改修だけでなく、耐震や断熱などの機能性も新築レベルまで高めることができます。ただし、スケルトンリフォームは大規模工事のため、費用は高額になりがちです。また、延坪が大きければ大きいほど費用は高くなります。

一般的な古民家リフォームについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

古民家リノベーションで実現できる3つのこと!費用相場・事例とともに解説
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2.予算1000万で古民家リフォームをした事例

ここでは、予算1000万円で古民家をリフォームした事例をご紹介していきます。

2-1.補助金を活用した家全体の耐震工事

施工費

1155万円

耐震工事(屋根工事込)1271万円
​省エネ工事 114万円
– 耐震補助金 200万円
– 省エネ補助金 30万円
→実質負担額 1155万円

築年数 40年
工期 4カ月
施工箇所 全面(耐震)

こちらの事例では、地方自治体の補助金を活用し、200万円以上の費用を抑えて家全体の耐震工事+省エネ工事を行いました。1000万円を若干上回っていますが、地震に備えた安心の住まいになりました。

縁側天井

縁側天井

仕上げ材が張られているのみの天井でしたが、解体し、梁に沿ってスチールブレスを取り付け、強度を高めました。クロスで仕上げ、安全性のほか見た目もすっきりとしています。

出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=1158

2-2.「蔵」の雰囲気を再現しつつ現代の生活スタイルに合わせた空間へ

施工費 1052万円
築年数 40年
工期 3カ月
リフォーム箇所 全面(断熱・基礎工事含む)

こちらは購入した中古の古民家をリフォームした事例です。施主様からの「蔵のような和風の空間にしたい」というリクエストをしっかりと形にしつつ、快適な暮らしを実現できるよう断熱材や基礎更新などの設計を行いました。

玄関

玄関

玄関を拡張し、スペースにゆとりのある空間に仕上げました。焦げ茶の扉や柱がアクセントとなり、落ち着いた古民家の雰囲気を演出しています。

LDK

LDK

2つの和室を繋げ、広々としたLDKに変更しました。対面キッチンのため、家族と会話を楽しみながら料理をすることができます。

浴室

浴室

狭く圧迫感のある浴室でしたが、ユニットバスに変更し、ゆったりと入浴ができるようになりました。窓は半分残し、太陽の光を取り込めるようにしました。

洗面室

洗面室

洗面台は最新のものに交換し、大きな鏡と豊富な収納で利便性が格段にアップしました。床は洗面台の色に合わせスタイリッシュに仕上げました。

トイレ

トイレ

トイレは温水洗浄機能のあるものに交換し、使いにくさが改善されました。木目調の壁があたたかみを演出しています。

出費:​​http://www.8044.co.jp/gallery/2


3.古民家のリフォーム費用を抑える方法

ここからは、古民家リフォームの費用を抑える方法をご紹介します。
以下でご紹介する方法を活用することで、予算1000万円でも満足度の高いリフォームを実現することができます。ぜひ参考にしてください。

3-1.古民家リフォームの実績のある会社に依頼する

古民家リフォームの費用を抑えたい場合は、古民家リフォームの実績のある会社に依頼しましょう。実績のあるリフォーム会社に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

  • 古民家に関するノウハウが豊富なため工事が必要な箇所を正確に洗い出してくれる
  • 予算に合わせた最適なリフォームプランを提案してくれる
  • 着工後の追加工事により出費が重なる心配がない

全国数百社にのぼるリフォーム会社の中でも古民家リフォームの実績がある会社は数少なく、かつ質の高い工事ができる会社を自力で探すのは困難です。

「自分に合った会社を手早く探したい」「安心して工事をお任せできる優良会社に依頼したい」という方は、リフォームガイドのご利用をおすすめします。

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3-2.減税制度・補助金制度を活用する

古民家リフォームを行う場合、減税制度や補助金制度を活用し、費用を抑えることができます。

減税制度

古民家リフォームでは、減税制度を活用して費用を抑えることができます。ここでは、対象範囲が広く減税額が大きい所得税を例に挙げ解説します。

※耐震工事は昭和56年5月31日以前に建築されたものが対象
※バリアフリー・省エネは改修後の住宅の床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下のものが対象

所得税のほか、リフォーム内容によっては固定資産税や贈与税でも減税措置を受けられる場合があります。

各種減税制度の詳細は以下の記事を参考にしてください。

【2024年度版】リフォームの減税(控除)制度を分かりやすく解説!
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補助金制度

減税制度と同様に、補助金制度でも耐震、省エネ、バリアフリーのリフォームで国や自治体の補助金を利用できる場合があります。

補助金制度の詳細や利用条件は各自治体に応じて異なります。まずは、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会のWebサイトで確認しましょう。

その他、全国共通のリフォームに関する補助金はこちらの記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

【2024年度】リフォームで使える補助金8種類!申請方法も解説
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予算を抑えて古民家のリフォームを行いたい場合は、リフォームの出費が抑えられそうな物件を選ぶのも1つの手です。
古民家の中でも築年数が比較的浅いもの・建物の基礎の劣化が軽いものなど、状態が良ければ必要な工事も少なくなる可能性があります。
リフォームする建物が決定していないという方は、立地や価格だけでなく建物の状態も確認しておきましょう。
回答

4.費用を抑えて古民家リフォームをする際の注意点

ここからは、費用を抑えて古民家リフォームをする際の注意点を解説していきます。

4-1.建物の安全に関わる工事は妥協NG

古民家のリフォームを行う際は、建物の安全に関わる工事は妥協せず行いましょう。
予算を抑えたいあまり必要な工事をせずリフォームしてしまうと、建物の腐食による倒壊に繋がるおそれがあります。
どのような工事が必須になるかはリフォーム業者に建物の状態を直接確認してもらい、説明を受けましょう。

4-2.仮住まいが必要であればその分の費用も必要

古民家リフォームの期間中、仮住まいが必要な場合はその分の費用も用意しておきましょう。

古民家リフォームは大規模リフォームとなることが多く、住みながらの工事ができません。

工期は3〜4ヶ月と長いため、仮住まいにかかる費用も予算の中に組み込んでおきましょう。

4-3.住宅ローン前提で資金調達を考えると危険

古民家リフォームのためにはまとまった資金の準備が必要ですが、住宅ローンが組めない場合もあります。住宅ローンにおいて、古民家のように築古の建物を担保にすると審査に通らないケースもあるからです。(土地の担保評価が高ければ築古でも住宅ローンが通る場合があります)

金利は住宅ローンに比べて高くなってしまいますが、リフォームローンと呼ばれる無担保で借りられ審査の通りやすいローンもあります。ローンを検討している場合はどちらのローンが使えるのかを事前に確認しましょう。

火災保険に入れないor保険金が高くなる場合がある

古民家の場合、火災保険に加入できないことがあることを知っておきましょう。

理由としては、以下の2つが挙げられます。

  • 築年数が古く、建物自体が老朽化しており、火災保険のリスクが高まるため
  • 耐震性能や防火性能が現代基準に比べて劣っている場合があるため

また、加入ができたとしても同様の理由で保険金が高額になることもあります。

保険契約を希望する場合には、複数の保険会社に相談し、料金や条件を比較したのち、自分に合ったプランを選ぶようにしましょう。


5.まとめ

予算1000万円の古民家リフォームでは、建物の安全性を高める工事が最優先となり、以下の3つの工事が可能です。

  • 雨漏り対策
  • 構造躯体の劣化対策
  • 耐震工事

デザインにこだわる・大幅に間取りを変えるなどの工事を取り入れる場合は予算1000万円を超える可能性が高いです。

リフォームの費用を抑える方法として、減税制度・補助金制度が活用できるほか、古民家リフォームの実績がある会社に依頼するのも有効です。

古民家リフォームの実績があるリフォーム会社は数が限られ、ご自身で探すのは難しいです。

リフォームガイドでは古民家リフォームに強い会社を多数ご紹介可能ですので、お気軽にご登録ください。

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