古民家リフォームであなただけの空間に!事例・費用など丸ごと解説

「古民家をリフォームして住みたいけれど、費用はどれくらいかかるの?」
「古民家をリフォームしたらどれくらい変わるのか気になる」
このようにお考えではありませんか?
古民家のリフォームには、
- 日本家屋独特の趣のある空間に住める
- 物件自体は安く購入できる
- 固定資産税の軽減ができる
というようなメリットがあります。
反対に、古民家をリフォームすることならではのデメリットも存在します。
この記事では、古民家リフォームの魅力や実際に行われた工事事例、箇所別にかかるリフォーム費用、古民家リフォームの流れまで丸ごと解説いたします。
最後まで記事をじっくり読むことで、古民家リフォームに関する基礎的な知識が身に付き、古民家リフォームに向けてご自身の要望をより具体化できるようになります。
古民家リフォームを成功させるために、ぜひご一読ください。
目次
1.プロが厳選した古民家リフォーム事例6選をご紹介
ここでは、実際に古民家をリフォームした事例を6つご紹介いたします。
古民家リフォームは、一般的なリフォームに比べて大規模になることが多いです。
また、一般住宅と異なる構造の物件が多く施工後の見た目も非常にインパクトのあるものになります。
ご自身のリフォームプランの参考にしてください。
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1-1 古民家リフォーム事例その①
施工費 | 2000万円 |
築年数 | 約80年 |
工期 | 4カ月 |
施工箇所 | 家全体 |
<リビング>
仕切りが多く日の光が入りにくいのがお悩みでしたが、広々とし大きな窓のあるリビングになりました。天井梁を生かし現代的な雰囲気を演出できています。
<浴室>
冷たい印象の強かった在来浴室は保温性、清掃性を備えたユニットバスになりました。浴室換気乾燥暖房機も設置されており雨の日の洗濯もラクラクです。
<収納>
もともと収納のための部屋はありませんでしたが、一部屋をウォークインクローゼットにリフォームしました。物が部屋に散らばることがなくなるほか、棚付きで収納もしやすくなっています。
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=1853
1-2 古民家リフォーム事例その②
施工費 | 2200万円 |
築年数 | 30年以上 |
工期 | 約3カ月 |
施工箇所 | 全改修 |
<外装>
全体的な改修により、日本家屋の迫力を取り戻すことができました。また、家の周りに新たに柵を設置しています。
<内装>
古くなった畳をフローリングに一新しました。現在の生活スタイルを取り入れつつも、古民家らしさを残した仕上がりになっています。
<玄関>
劣化の大きかった引き戸は現代的な玄関ドアに一新しました、周りの外壁や柱とともに濃いブラウンに塗装され、シックな雰囲気に仕上がっています。
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=461
1-3 古民家リフォーム事例その③
施工費 | 1000~2000万円 |
築年数 | 約60年 |
工期 | 3カ月 |
間取り | 8LDK→4LDK+書斎 |
施工箇所 | フルリノベーション(間取り変更あり) |
<リビング>
床は古民家の雰囲気と合うように木目のある素材にしました。仕切りの多かった昔の内装から、現代のスペースを十分に生かしたくつろぎの空間に仕上がっています。
<キッチン>
窮屈感のあったキッチンは、対面式に変更することで人と会話をしながら料理ができるようになりました。床材・キッチンの表面・天井は全てウッドテイストな素材に統一されています。
<廊下>
リビング後ろの廊下は吹き抜けにし、柱のみ残すことで開放感を生み出すことができました。通常のカーテンからブラインドカーテンに変更し、日の光を取り入れやすくなっています。
<外装>
経年劣化の見られた外装も補修し、威厳のある立派な見た目になりました。外壁が暗い色になったことにより、シックな雰囲気に仕上がっています。
出典:https://www.artreform.com/example/detail.php?id=249&c1=1&c2=4,5&c3=19
※1-4~1-6は情報が一部不足していますが、デザインのイメージをつかむための一例としてご参照ください。
1-4 古民家リフォーム事例その④
施工費 | 約1680万円 |
工期 | 4カ月半 |
施工箇所 | ダイニングキッチン、リビング・応接室、廊下、勝手口、玄関 |
<ダイニングキッチン>
天井裏に隠れていた梁を生かし、空間をデザインしました。丸いペンダントはレール上を自由に移動でき、照明の数を増やすこともできます。
<リビング・応接室>
間仕切りを取り払ったことにより、部屋の見通しが格段に良くなりました。白木の建具や縦格子などはすべて職人さんの手作りで、独特の雰囲気を演出しています。
<廊下>
一度土間に降りて部屋を行き来する必要がありましたが、床を一続きにしたことで、移動が楽になりました。白い壁と明度の高い床材が開放感を強調しています。
<勝手口>
玄関とは別に勝手口に靴の収納スペースを設けました。玄関先に靴が散らばることがなく、大人数の訪問にも対応できるようになりました。
<玄関>
外見はそのままの造りを生かし、劣化していた部分の補修や扉の交換のみ行いました。日本家屋独特の雰囲気でどこか懐かしく思える仕上がりになっています。
出典:https://www.artreform.com/example/detail.php?id=70&c1=1&c2=4,5&c3=19
1-5 古民家リフォーム事例その⑤
築年数 | 70年 |
施工箇所 | フルリフォーム(間取り変更あり) |
<リビング>
閉塞感の原因だった仕切りを取り払い、広々とくつろげるリビングになりました。天井の梁が古民家の雰囲気を残しつつも、現代的な仕上がりになっています。
<玄関>
昔ながらの玄関から清潔感と大きな靴箱のある玄関に仕上がりました。迫力のある天井梁が出迎えてくれ、訪問する人との会話のきっかけにもなりそうです。
<浴室>
浴槽は狭く窮屈感のある浴室でしたが、水回り設備の一新・スペースの拡張により大きなユニットバスを導入することができました。足を伸ばせ、くつろぎの空間になりそうです。
<間取り図>
出典:https://freshhouse.co.jp/case/15278/?costed=&author=&purposed%5B%5D=reinforcement
1-6 古民家リフォーム事例その⑥
施工費 | 500万円 |
築年数 | 70年 |
施工箇所 | リビング、キッチン、サッシ、浴室、洗面台、給湯器 |
<リビング>
畳をフローリングに張り替え、和室から洋室に変更しました。構造上抜くことのできない柱は残し、塗装しなおしました。
<キッチン>
壁付けキッチンを新たに設置しました。全体的な清潔感が上がっただけでなく、最新のIHヒーターになり、お掃除もラクラクです。
<サッシ>
もともとあったサッシは再利用できなかったため、新しいサッシを入れました。窓枠も新調し、以前より格段に強度の高い仕上がりになっています。
<浴室>
浴槽は在来工法からユニットバスに変更しました。限られたスペースを最大限に生かしゆったりとお湯に浸かれそうな広さになりました。
<洗面台>
劣化の激しかった洗面台は、最新のコンパクトな製品に交換しました。両手が使えなくても水を出せる蛇口になったほか、洗面器下には収納スペースもついています。
<給湯器>
給湯器はエコキュートに変更しました。環境にやさしく最新の機能を備えた設備で住まいをより快適にしてくれそうです。
2.古民家リフォームがしたくなる!3つの魅力
ここからは、古民家をリフォームする魅力について3つの観点から解説していきます。
古民家のリフォームは一般住宅のリフォームに比べて行われることが少ないですが、その分古民家ならではの住み心地や風情を感じることができます。
「古民家に住むことに憧れがある」「一般住宅もいいけど、古民家リフォームも気になっていて…」という方は、ぜひ参考にしてください。
2-1 日本家屋独特の趣のある空間に住める
古民家に住まう最大の魅力は、なんといっても趣のある日本家屋の空間を楽しむことができる点です。
迫力のある柱や梁、欄間、土間など現代の住宅にない良さがたくさんあるのはもちろんのこと、リフォームの仕方を工夫することにより、梁をあえてむき出しにしたり、土間を残しつつ設備は最新のものに交換したりなど、快適で住みやすい家を実現することができます。
また、長い年数が経ってできた材木の雰囲気にあわせて壁や床材を選ぶことで、和モダンな印象の空間を実現することができます。
【梁】
出典:築35年倉庫兼住居をフルリノベーション| 株式会社平松建工 (reformwing.jp)
【土間】
出典:K050 古民家再生 | 住宅 リフォームのアートリフォーム (artreform.com)
【欄間】
出典:木材を多用した落ち着きのあるリビング | リフォーム施工事例 | SOMPO フレッシュハウス (freshhouse.co.jp)
2-2 物件自体は安く購入できる
古民家リフォームの場合、一般住宅に比べて物件自体は安く購入することができます。
特に地方は空き家の古民家が多く、安く購入することでリフォームに予算を割くことが可能です。
全国の自治体が管理する空き家についてまとめたウェブサイトを利用することで、価格や物件の様子が詳しく確認できます。
2-3 固定資産税の軽減が可能
古民家の固定資産税は軽減が可能になります。
固定資産税は建物の素材や築年数の影響を受けるため、木造かつ築年数の古い古民家は新築に比べて固定資産税が大幅に安いです。
ただし、増築をした場合は新しい建物とみなされるため、評価が変わり、固定資産税は上がります。
3.古民家リフォームにはこんなデメリットもある
ここでは、古民家リフォームのデメリットについて紹介していきます。
古民家リフォームには様々な魅力がある反面、一般住宅のリフォームにはないデメリットも存在します。
古民家リフォームのデメリットも踏まえて、住宅購入やリフォームを検討することも大切です。
以下で4点解説します。
3-1 デメリットその① 一般的な戸建てリフォームより費用がかかる
古民家リフォームでは、設備の交換や内装の改修だけでなく、耐震・断熱工事や構造からの改修が必要な場合がほとんどのため、リフォーム費用が高額になりがちです。
昭和56年6月以前の建物は旧耐震基準のため、古民家と呼ばれる建物は耐震工事が必須となります。
また、古民家リフォームが可能な大工は限られており、一般住宅と比べて手間もかかるため、予算は高くなります。
古民家リフォームの際は余裕を持った予算を組むようにしましょう。
古民家リフォームにかかる具体的な費用は4.で解説しています。
3-2 デメリットその② 住み始めるまでに時間がかかる
古民家リフォームの工期は、一般住宅リフォームの工期に比べて長期にわたることが多いです。
リフォーム会社が見積りを作成する際、実際に建物を見て状態を確認する作業があり、古民家や古い一般住宅の場合では特に時間をかけて調査を行います。
また、一般住宅に比べて太さのある梁や柱、現在とは仕様が異なる建材がある影響で、一般住宅よりも工事に時間がかかることが多いです。
具体的には、一般的な戸建住宅のリフォームが2~3ヶ月の工期であるのに対し、古民家リフォームは4か月以上の工期が基本です。
住み始める時期に関しても、費用と同様余裕を持ったスケジュールを計画しておく必要があります。
3-3 デメリットその③ 工事可能な会社が限られる
古民家リフォームが可能な会社は限られています。
古民家は現代の住宅とは異なる構造のため、古民家リフォームに詳しい職人に工事を依頼する必要がありますが、ご自身で探しても地域によってはなかなか見つからないケースもあります。
リフォームガイドでは、全国の優良リフォーム会社をご紹介し、お客様のリフォーム成功のためのお手伝いをしています。
もちろん、古民家のリフォームに強い会社もご紹介可能ですので、「リフォーム会社選びに不安がある」「プロ一押しの会社にリフォームを依頼したい」というかたは、ぜひリフォームガイドの利用を検討してみてください。
3-4 火災保険が高くなりがち
火災保険料は燃えにくさ・壊れにくさに基づいて建物を種別する「構造級別」によって変動します。
構造級別は、
- M構造(マンションやアパートなど)
- T構造(鉄骨造の一戸建てなど)
- H構造(木造の一戸建てなど)
の3つに分類され、火災保険料の相場はM構造→T構造→H構造の順に上がっていきます。
古民家はH構造に分類されるため、火災保険料は高額になってしまいます。
4.古民家リフォームにかかる費用は?工事内容別に解説
ここからは、古民家のリフォームにかかる費用を「フルリフォーム」と「箇所別」に分けて解説していきます。
3-1で解説した通り、古民家のリフォームは一般住宅のリフォームに比べて費用が高額になります。古民家のリフォームを検討している場合には、どのようなリフォームをしたいか希望を明確にするとともに、かかる費用も把握する必要があります。
以下で詳しく費用相場について紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
4-1 フルリフォーム(スケルトンリフォーム)
古民家再生のフルリフォームにかかった費用を集計した参考情報は以下の通りです。
出典:https://sumai.panasonic.jp/sumai_create/hiyou/kominka/
グラフの通り、古民家のフルリフォームのおおよそ80%が1000万円を超えており、3000万円以上の事例も15%を占めていることから、古民家をフルリフォームするためには少なくとも1000万円、1500~2000万円ほどの出費を前提に計画するのが良いでしょう。
耐震・断熱工事の影響により費用が高額になっているのはもちろんですが、デザイン性の高い床材や壁紙、ハイグレードな設備等を導入すればするほど費用は高くなります。ご自身の予算にあわせて設備や内装に用いる材料は選ぶようにしましょう。
4-2 箇所別 リフォーム費用相場
古民家リフォームにかかる箇所別費用は以下の通りです。
水回り | |
キッチン | 約50~150万円 |
トイレ | 約20~50万円 |
浴室 | 約100~150万円 |
洗面所 | 約20~50万円 |
外装 | |
屋根 | 葺き替え(5000~8000円/㎡):106~135万円 |
外壁 | 部分補修:1~5万円/㎡ |
塗装:60~180万円 | |
重ね張り:130~230万円 | |
張替え:150~400万円 | |
窓 | 10~50万円 |
玄関 | ドア交換:17~38万円 |
玄関拡張・増築:25~45万円 | |
耐震・断熱 | |
耐震 | 300万円~ |
断熱 | 床下断熱+床材張替え…1~2万円/㎡ |
天井…0.8~1.4万円/㎡ | |
壁(大工施工)…0.5~1.1万円(施工面積150㎡) | |
内窓…6~15万円/箇所 | |
床暖房 | 約3~6万円/㎡※ |
薪ストーブ | 約30~60万円 |
その他 | |
間取り変更 | 18~70万円/箇所 |
手すり設置 | 約3~10万円/箇所 |
段差解消 | 約2~20万円/箇所 |
※温水式の場合は+約25~100万円で熱源機設置も必要(参考:床暖房リフォームで住まいを快適に!費用から注意点まで徹底解説)
箇所別の費用相場は、リフォームする箇所の優先順位を決める際に活用できます。
劣化が激しい部分の修繕や、現在の耐震基準を満たしていない住宅の耐震リフォームは必須ですが、リフォーム会社が建物の状態を直接見て確認する「現地調査」では、リフォームのプロが実際に建物を見て必要な工事を把握します。現地調査の結果をもとにより精密な費用が見積りとして提案されますので、リフォーム会社の担当者とも相談してリフォームプランを決定しましょう。
古民家リフォームするなら補助金の活用がおすすめ
工事しなければいけない箇所が多く、施工費も高額になりがちな古民家リフォームですが、活用できる補助金は様々あります。
「古民家に住みたいけど、費用がちょっと…」とお考えの方は、補助金の活用を検討してみましょう。
古民家リフォームで使える補助金は以下の4つです。
- 耐震補強に関するリフォーム補助金
- 省エネに関するリフォーム補助金※
- バリアフリーに関するリフォーム補助金
- その他各自治体の古民家再生に関する補助金
※「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」と「次世代省エネ建材支援事業」に分類される
補助金の対象になる条件やルールは自治体によって異なりますので、リフォームの前に必ず問い合わせるようにしましょう。
補助金についてもっと知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
5.古民家リフォームで失敗しないためのポイントは?
ここからは、古民家リフォームを成功させるために知っておきたいポイントを解説します。
古民家のリフォームは一般住宅に比べて工事自体がまれですが、成功のためのポイントをおさえることであなたの理想を実現することが可能です。
リフォーム会社に一任するよりもリフォームがスムーズに進み、仕上がりもより良いものになりますので、ぜひ参考にしてください。
5-1 リフォームの出費が抑えられそうな物件を選ぶ
古民家のリフォームは一般住宅に比べて多額の費用がかかるため、持ち家ではなくこれから古民家を探して購入するという方はなるべくリフォームの出費が抑えられそうな物件を選びましょう。
建物の土台や柱、梁の痛み、雨漏りの有無など劣化の度合いはもちろん、外観も物件購入の判断基準に入れる必要があります。
屋根の形を変えたり玄関を移動したりなど、大掛かりな工事が増えると費用もかさむため、リフォーム前の物件の外観や状態をみて、活かせる部分は変えずにリフォームすると費用を抑えることが可能です。
リフォームしやすいかどうかは、
- 屋根・家の形が気に入っている物件かどうか
- 定期的にメンテナンス・修繕をしていたかどうか
- 漏水の跡がないかどうか
- 図面があるかどうか
を基準に判断してみましょう。
5-2 耐震工事は怠らずに行う
リフォームプランを考える際には、耐震補強工事の必要があれば必ず行うようにしましょう。
建物の構造部分や耐震性に関する部分は、工事前にリフォーム会社が直接建物を見てどのような工事が必要か判断してくれます。
工事を怠ると、箇所によっては建物の倒壊につながるおそれがありますので、必要だと判断された耐震工事は必ず行うようにしましょう。
5-3 将来を見据えたバリアフリー工事も検討する
古民家には、バリアフリーを意識した設備が整っていないため、老後も住まうことを考えている場合には、バリアフリー工事も検討する必要があります。
古民家リフォームで行われるバリアフリー工事の例としては、「階段の手すりの設置」「水回り部分の段差解消」などです。
リフォーム前に危険な部分を確かめ、リフォーム会社に工事が可能か相談してみましょう。
5-4 古民家リフォームに強いリフォーム業者に依頼する
ご自身でリフォーム会社を探す際は、必ず古民家リフォームが可能かどうかを確認するようにしましょう。
3‐3で解説した通り、古民家のリフォームが可能な会社は限られています。古民家ならではの工事に強い会社に依頼することで、正確な見積りが受け取れるほか、仕上がりも満足度の高いものになります。
古民家リフォームに強い会社を一括で見つけたいという方は、リフォームガイドのご利用をおすすめします。
5-5 リフォームにかかる期間を確認する
古民家リフォームの際は、費用と同時に工期も確認しましょう。規模にもよりますが、3‐2で解説した通り古民家リフォームは通常リフォームより約1.5~2倍ほど時間がかかります。
引っ越しのタイミングや仮住まいが必要かどうかなど、ご自身のスケジュールに負担がかからないよう工事日程はリフォーム会社に確認するようにしましょう。
6.古民家リフォームの流れ
ここでは、古民家リフォームの流れを解説していきます。
「古民家に住みたい!」と思い立ってから入居までは、約半年前後かかります。その間にはお客様と不動産会社・リフォーム会社との様々なやり取りが必要となります。
以下では、古民家の物件探しからお引渡しまでの流れを順番に説明しています。
【古民家リフォームの流れ】
【事前準備】要望整理・予算配分
実際に古民家を探しに行く前に、「どんな古民家に住みたいか」「どれくらいの予算で物件購入・リフォームをするのか」を明確にしておきましょう。
古民家によっても大きさや立地は様々であるため、
可能な限りご自身の要望と予算を明確することで、スムーズに内見まで進むことができます。
すぐに物件探しに行きたくなってしまうところですが、まずはご自身の求める古民家についてじっくり考えてみましょう。
6-1 物件探し
要望・予算がまとまったら、不動産会社にて物件探しを始めましょう。
不動産会社と打ち合わせを行う際は、ご自身の要望を書きだし、優先順位も付けておくとスムーズに対応してくれます。
また、リフォームの完了時期に関しても相談しておくことで、古民家リフォームにあたっての全体的なスケジュールを確認できます。
6-2 内見
候補となる物件を見つけたら、内見に出かけてみましょう。
物件の外装・内装だけでなく、近隣のコミュニティやアクセスの良し悪しもわかるようになります。
物件そのものの良さはもちろん、住むことを意識して様々な視点から比較検討しましょう。
6-3 不動産会社紹介のリフォーム会社の見積もりを取る・リフォーム業者探し
購入する物件を決めたら、意思表示の前に不動産会社にリフォーム会社を紹介してもらい、見積りを取りましょう。
不動産会社の紹介するリフォーム会社はご自身でリフォーム会社に依頼する時に比べ費用が高くなることがありますが、見積りを取ることで古民家リフォームにかかる相場費用を知ることができます。
不動産会社からの見積りを確認し、ご自身の希望した予算と照らし合わせたうえで、他のリフォーム会社でのリフォームも検討しましょう。
6-4 契約日決定・現地調査・見積り
契約日が決定したら、ご自身で見つけたリフォーム会社に現地調査を依頼しましょう。現地調査とは、リフォーム会社が見積書を作成するために物件に直接伺い、劣化の度合いや設備の状況を確かめるものです。正確な見積書を受け取るために、必ず全社で実施するようにしましょう。
6-5 業者選定・契約
全ての見積書が揃ったら、依頼するリフォーム会社を決定しましょう。
リフォーム業者は、古民家リフォームができることのほか、
- 自分が希望する工事と同様の工事の実績がある
- 費用が極端に安くない
- アフター保証が充実している
- 要望に合わせた提案をしてくれている
- デメリットも説明している
- 家から近い
- 公式な許可を持っている※①
- プロからお墨付きを貰えている※②
※①建設業許可という500万円以上の専門工事、1500万円以上の建築一式工事を請け負う場合に必要な許可のこと。
※②リフォーム会社を紹介しているポータルサイトで紹介されている業者。リフォーム会社選びのプロが厳選した優良業者ばかりなので、リフォーム成功への最短ルートといえる
などの基準を満たしていると、優良業者である可能性が高いです。
リフォーム会社の選び方に関してもっと知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
>>失敗しないリフォーム会社を選びたい!選び方のポイント8つを完全解説
6-5 物件引き渡し・工事開始
物件が引き渡されたら、リフォーム会社による工事が開始となります。ここからお引渡しの期間までを逆算し、引っ越しや自治体での手続きがスムーズにいくように準備をしておきましょう。
古民家リフォームでローンを組む必要がある場合
古民家リフォームでローンを組みたい場合、住宅ローンではなくリフォームローンでのみ申請が受理されることがあります。
住宅ローンにおいて、古民家のように築古の建物を担保にすると審査に通らないケースもあるからです。(土地の担保評価が高ければ築古でも住宅ローンが通る場合があります)
古民家のリフォームは大規模かつ費用もかさむため、どちらのローンが使えるのか事前に確認しましょう。
7.まとめ
古民家リフォームには、
- 趣のある空間に住める
- 物件自体は安く購入できる
- 固定資産税の軽減が可能
などの魅力がある反面、
- 一般的な戸建リフォームより費用が高くなる
- 工期が長くなる場合が多い
- 工事可能な会社が限られる
- 火災保険が高くなりがち
というようなデメリットも存在します。
古民家のフルリフォームにかかる費用は最低でも1000万円、1500~2000万円がスタンダードです。
また、箇所別の古民家リフォームにかかる相場費用は以下の通りです。
水回り | |
キッチン | 約50~150万円 |
トイレ | 約20~50万円 |
浴室 | 約100~150万円 |
洗面所 | 約20~50万円 |
外装 | |
屋根 | 約50~350万円 |
外壁 | 約50~350万円 |
耐震・断熱 | |
耐震 | 約25~150万円 |
断熱 | 約0.4~3万円/㎡ |
床暖房 | 約3~6万円/㎡※ |
薪ストーブ | 約30~60万円 |
その他 | |
間取り変更 | 約20~350万円 |
手すり設置 | 約3~10万円/箇所 |
段差解消 | 約2~20万円/箇所 |
※温水式の場合は+約25~100万円で熱源機設置も必要
古民家リフォームを成功させるためには、
- リフォームしやすい物件を選ぶ
- 建物の状況に合った工事をする
- 将来を見据えたバリアフリー工事も検討する
- 古民家リフォームに強いリフォーム業者に依頼する
- リフォームにかかる期間を確認する
以上の5つのポイントを抑えることが重要です。
古民家リフォームの流れは以下の通りです。
あなたにピッタリの古民家を見つけて、理想のリフォームを成功させましょう。
■特別監修
あなぶきホーム株式会社 谷口兼一
注文住宅・分譲住宅・リフォームリノベーションまで、数々の住宅を手掛けるあなぶきホームのリノベーション企画課課長。一級建築士の資格を取得後、住宅のみならず病院・商業施設・工場などの設計・施工に25年以上たずさわる。古民家のリノベーション実績も豊富。