庭の段差を解消する方法・費用を事例付きで解説!スロープやステップなど

玄関前や庭には、意外と多くの段差があります。
思わぬ事故を防ぐためにも「危ないな」と感じたときに、できるだけ早く段差を解消しておいたほうがよいでしょう。

そこで本記事では、下記2種類の段差をなくす方法や費用を、事例も交えて解説します。

  • 庭に出入りするときの段差(リビングや部屋の掃き出し窓、縁側などと庭の段差)
  • 玄関まわりや駐車場まわりの段差

本記事を参考に、自宅の庭にはどの方法が合っているのかを考えてみてください。


1.庭に出入りするときの段差を解消する方法・費用

一戸建て住宅には、基礎の関係で地面と床に45〜60cmほどの段差があるのが一般的です。

足腰に問題がなければ何なく跨げる高さですが、高齢になったりケガをしたりしたときには転倒のリスクが出てくるため、対策を考えたほうがよいでしょう。

まずは、リビングや部屋の掃き出し窓と庭の段差を解消する方法と費用相場を、事例とともに紹介します。

1-1.簡易のステップを設置する

勝手口から庭に下りる場所に設置された簡易のステップ

もっとも簡単かつ費用を抑えられるのが、簡易ステップや縁台(ベンチタイプ)を設置する方法です。段差は完全になくならないものの、転倒のリスクは軽減できるでしょう。

簡易ステップは安価なのはもちろん、素材やカラーバリエーションが多く、外観や外構に合わせてデザインを選べるのも魅力。ホームセンターやネット通販で手軽に購入できます。

費用

簡易ステップの費用相場は、1〜10万円ほどです。

プラスチック製のシンプルなものであれば1万円前後、木製のものやデザイン性に優れているものでも3〜10万円ほどで購入できます。置くだけで設置できるので、施工費用がかからないのもポイントです。

1-2.沓脱(くつぬぎ)石や階段をつくる

縁側の沓脱石

古民家や和風住宅、神社、寺などで掃き出し窓下によく置かれている平らな石を、『沓脱(くつぬぎ)』といいます。外構に重厚感を出したい方や、和風住宅におすすめです。

また、外観と庭に統一感を出したいのなら、階段をつくる方法も。コンクリートやモルタルで住宅と階段を完全に固定するため、耐久性が高く、庭に一体感が出ます。

費用

沓脱と階段を設置するときの、費用相場を見てみましょう。

種類 費用相場
沓脱 5万円~
階段(1㎡あたり) ・コンクリート:8,000円~1.5万円
・レンガ:1.2~3万円
・敷石:1.5~3.5万円
・タイル:2~4万円
手すり(1mあたり) 2~10万円

沓脱石の費用相場は石の種類や大きさによって大きく異なり、安価なものでも5万円〜が相場。希少性が高いものだと、100万円を超えることもあります。

階段も同様に、素材や施工範囲(階段のサイズ)によって費用が異なります。モルタルだと比較的安価に済ませられますが、敷石やタイルは高額になりやすく、さらに手すりを付けると1mあたり2〜10万円ほどの追加費用が必要です。

事例

掃き出し窓の前の庭に階段を作った事例

※横にスクロールできます

出典:https://freshhouse.co.jp/case/22963/

掃き出し窓の前に、階段と土留めをつくった事例を紹介します。
この事例では階段の延長に土留めをつくったので、花壇を別で設けるよりも庭に統一感があるのがポイントです。地面まで降りることなく水やりができるので、足腰に負担がかかる心配もありません。

1-3.ウッドデッキやタイルデッキを設置する

掃き出し窓の高さに設置されたウッドデッキ

掃き出し窓の前に広さがあるのなら、ウッドデッキやタイルデッキを設置する選択肢もあります。段差を解消できるのはもちろん、洗濯物を干したりBBQやプールをしたり、多目的スペースとして活用できるのが魅力です。

費用

ウッドデッキとタイルデッキの費用相場は以下のとおりです。

種類(施工費含む) 費用相場(1㎡あたり)
ウッドデッキ ・天然木:1~3万円
・人工木:2.5~3.5万円
タイルデッキ 1.5~2万円
デッキの上に設置する屋根 10~50万円

ウッドデッキは天然木か、樹脂製の人工木かで費用が変わります。木ならではの温もりや経年変化を楽しみたい方は天然木、耐久性を求める方には人工木がおすすめです。

また、玄関アプローチがタイルの住宅ならば、タイルデッキを選べばエクステリアに統一感をもたせられます。ただしタイルは滑りやすいので、小さなお子さんや高齢者、足腰が不自由な方がいるご家庭では要注意。滑り止め加工が施されているものを選びましょう。

デッキに屋根をつける場合は、種類によって費用が大きく変わります。リフォーム会社と相談のうえ、デッキのデザインや予算に合うものを探してみてください。

事例①

※横にスクロールできます

掃き出し窓の前に設置された古いウッドデッキ
リフォーム後のウッドデッキ

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/307

腐食や損傷が目立つウッドデッキを交換した事例です。
もともとは人工木のウッドデッキでしたが、今回のリフォームではメンテナンス性を考慮して人工木を採用。段差を軽減するために階段を設置し、安全性にも配慮しています。

事例②

※横にスクロールできます

舗装されておらず土が見えている状態の庭。
掃き出し窓の前にタイルデッキを設置した後。屋根も付いている

出典:https://www.artreform.com/example/668/

庭に屋根付きのタイルデッキを設置した事例です。
掃き出し窓前の段差を解消するためにタイルデッキを設置し、屋根を取り付けて物干しスペースとしても活用できるようにしています。掃き出し窓とタイルデッキはほぼフラットなので、つまずいたり転倒したりする心配はありません。
庭全体を舗装したため庭の手入れも楽になり、安全性と実用性を兼ね備えたリフォームとなりました。

タイルデッキの費用相場|手間いらずで長持ち&高級感のあるデッキに
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1-4.リビングに直接入れるスロープをつくる

スロープといえば玄関前のイメージがありますが、リビング横のスロープが便利です。

廊下までの移動がなくなるので、外出時にスムーズ。さらに玄関前よりもスロープの長さを取りやすいことが多いので、設置計画を立てやすいのもポイントです。

リビング横から敷地の外まで、庭のスペースがあれば検討してみましょう。

費用

スロープを設置するときの費用相場は、以下のとおりです。

種類 費用相場
スロープ
(1㎡あたり)
・コンクリート:2万円前後
・タイル:4万円前後
・レンガ:4万円前後
手すり ・1mあたり:2万円前後
・支柱:1.5万円

スロープはコンクリートでつくるのが基本で、タイルやレンガなどで舗装すると追加費用がかかります。手すりの設置にも1mあたり2万円前後の追加費用がかかりますが、安全性を考えると付けておいたほうがよいでしょう。


2.庭や玄関まわり・駐車場まわりの段差を解消する方法・費用

庭にはほかにも、玄関まわりの段差、道路から敷地に入るときの段差など、あらゆる段差があります。
続いては、庭の段差や凸凹を解消する方法と費用を、事例を交えて見ていきましょう。

2-1.コンクリートで舗装する

コンクリートで舗装された庭

庭をフラットにしたい方におすすめなのが、コンクリートによる舗装です。凸凹が解消できるのはもちろん、6.0m×2.5m(約15㎡)ほどの広さがあるのなら、駐車場にすることもできます。雑草が生えなくなるので、庭の手入れがぐっと楽になるのもメリットです。

費用

庭をコンクリートで舗装するときの費用は、1㎡あたり1万円前後が相場です。石やレンガ、植栽などを撤去する場合は、別途追加費用がかかります。

なお、1㎡あたり1万円前後はコンクリートの強度を高めるために鉄筋やワイヤーメッシュを入れたときの相場です。駐車場にはせず、人が通るだけの場合は、コンクリートの強度を高める補強材が必要ないため、もう少し費用を抑えられるでしょう。

事例

※横にスクロールできます

植栽が植えられた庭。コンクリートブロックと柵で囲われている
コンクリート舗装で駐車場になった庭

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/98

土やレンガ仕上げになっていた庭を、駐車場へとリフォームした事例です。
劣化していたレンガや手入れが大変だった植栽などはすべて撤去して、庭全体をコンクリートで舗装。普通車1台をゆったりと停められる広さを確保でき、庭を有効活用できるようになりました。道路との段差もフラットになっています。

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2-2.玄関までをスロープにする

玄関に設置されたスロープ

前述のように庭の凸凹や段差は、コンクリートによる舗装で解消できます。しかしそれが庭全体となると、費用や外観との調和が心配になる方も多いでしょう。

そんなときにおすすめなのが、道路から玄関までのスロープの設置です。安全性を高めつつもデザイン性を維持し、施工面積が小さければ費用も抑えられます。

費用

スロープを設置するときの費用相場は以下のとおりです。

種類 費用相場
スロープ
(1㎡あたり)
・コンクリート:2万円前後
・タイル:4万円前後
・レンガ:4万円前後
手すり ・1mあたり:2万円前後
・支柱:1.5万円

玄関にスロープをつくる場合も、費用自体は『1-4.リビングに直接入れるスロープをつくる』で紹介したものと同じです。しかし凸凹や少しの段差を解消する程度なら短いスロープで済むので、合計額は抑えられるでしょう。

事例

※横にスクロールできます

玄関ドアから伸びる飛び石のアプローチ。
コンクリートで舗装され、フラットなアプローチに

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/475

飛び石になっていたアプローチに、車いすで自走できるスロープを設けた事例です。
スロープの幅を確保するために、飛び石の撤去だけではなく、土を掘り起こして石や植栽の位置も若干調整しています。もともと傾斜がほぼなかったため、道路から玄関まで一直線に延びるスロープでも車いすで安全に自走できるようになりました。

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2-3.段差プレート(ゴムスロープ)を設置する

道路に出るコンクリートの段差に設置された段差プレート

5〜15cmほどの軽微な段差を解消したいのなら、段差プレート(ゴムスロープ)の設置がおすすめです。

置くだけで簡単に段差を解消でき、車やバイク、自転車、ベビーカーでの乗り入れがしやすくなります。ただし安定性はあまり高くないので、車いすの方は注意が必要です。

費用

段差プレート(ゴムスロープ)の費用は2,000円前後、コーナータイプは1,000円前後が相場です。

複数個を組み合わせても1万円前後で済ませられるので、手軽に段差を解消することができます。


3.庭の段差解消リフォームの注意点やポイント

庭の段差や凸凹を解消するときには、いくつか注意点があります。安全性にもかかわる部分なので、しっかりと目を通しておきましょう。

3-1.簡易ステップは強風で吹き飛ばされないものを選ぶ

簡易ステップはプラスチック製のものが多く、台風による強風で吹き飛ばされてしまう心配があります。とくに掃き出し窓の近くに置くのであれば、飛ばされた際に窓にぶつかる危険性も。

屋外用の商品ならば飛ばされない程度の重量があるものがほとんどですが、耐風性にも考慮して商品を選びましょう。

3-2.車いす用のスロープにするには傾斜角度が確保できるか確認

安全性を考慮するのなら、もっとも安心なのはスロープの設置です。

しかしスロープの長さは段差の高さにつき介助がある場合8倍以上、自走の場合は12倍以上は必要になります。たとえば60cmの段差にスロープをつくるのなら、介助有りで4.8m、自走で7.2m以上。折り返すにしても、庭にその長さが取れる分の広さがあることが前提になります。

庭に十分な広さがあるかを確認しましょう。

3-3.介護のためのリフォームであれば補助金が使える可能性も

要介護(支援)認定を受けている方が自宅にスロープを設置すると、介護保険から補助金が支給される可能性があります。

支給額は限度額20万円として、その9割である18万円が上限です。

介護保険以外にもバリアフリーリフォームの助成金を用意している自治体もあるので、ホームページや窓口などで相談してみるとよいでしょう。

参考:厚生労働省『介護保険における住宅改修

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4.まとめ

自宅での転倒事故はとても多く、小さなお子さんや高齢者、足腰が不自由な方は少しの段差や凸凹でつまずいてしまう可能性があります。不安に感じたときには、できるだけ早くバリアフリーリフォームをしたほうがよいでしょう。
しかし本記事で紹介してきたように、庭の段差や凸凹を解消する選択肢はいくつもあります。

もしどの方法がいいのか悩んだときには、エクステリアリフォームの専門知識や技術をもつ業者に相談するのが安心です。
リフォームガイドではお客さまの希望をもとに、コンシェルジュが優良会社のみをご紹介します。庭のリフォームをお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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