
「キッチンはリフォームで移動だけできるの?」「新品交換するべき?」という疑問をお持ちではありませんか?
この記事では、キッチンを移動するリフォームをお考えの方に向けて、これらの疑問にお答えするとともに注意点や費用・工期についてご紹介します。
キッチンを移動してみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.キッチンはリフォームで移動することができる
キッチンの場所を移動したり、向きを変えたりすることは、リフォームで実現可能です。
基本的に、排水管・排気ダクトの経路を確保できれば、キッチンは移動できます。
ただし、費用は高額になる傾向があり、建築上の条件によっては移動できない場合もあるので注意が必要です。


マンションは移動に制限がでる場合が多い
マンションの場合、キッチンの向きや位置を変えることは難しい場合があります。キッチンを移動できるか否かは、排水管や排気ダクトの経路が影響するため、リフォーム会社に確認してもらいましょう。
排水管においては、床スラブに埋め込まれているケースがあり、その場合はシンク位置をずらすことが難しいケースが多いでしょう。また、移動できる場合でも、排水管の勾配(傾斜)をとれる範囲での移動となります。
排気ダクトにおいても、マンションには梁があるため、ダクトの経路を思うように変えられない可能性があります。
また、管理規約によって水回りの位置変更が禁止されているケースも少なくありません。まずは、リフォーム会社に現地調査を依頼しましょう。


2.今あるキッチンをそのまま使える?新品交換するべき?
今お使いのシステムキッチンを取り外して、別の場所に取り付けすることは可能です。しかし、破損や故障のリスク、移設後の寿命などを考慮すると、できるだけ新品交換したほうが良いでしょう。
キッチンを移動する場合のシステムキッチン本体の再利用には以下のようなリスクがあります。
- 新品のキッチンにはあるメーカー保証がなく、トラブルが起きた際に実費対応となる
- 取り外しの際にキャビネットの破損や設備機器が故障する恐れがある
- 故障なく取り付けできても、数年で寿命を迎える可能性がある
キッチン本体の再利用は、まだ新しいキッチンである場合や、どうしてもリフォーム費用を抑えたいという場合のみ検討しましょう。
3.キッチン移動リフォームの費用相場・工期
キッチンの移動リフォームにはいくつかのパターンがあります。それぞれの費用相場と工期をご紹介します。
パターン①既存キッチンの位置を変えるリフォーム
既存のシステムキッチンを取り外して、別の部屋や別の壁面に移動する費用は20~70万円が目安になります。
一般的なキッチンリフォームの場合、工期は一週間が目安になりますが、キッチンを移動するリフォームの場合は、配管の移設やキッチンを撤去した箇所の内装復旧工事が必要です。そのため、工期は10~14日程度はみておきましょう。
パターン②既存キッチンの向きを変えて対面キッチンにする
既存のシステムキッチンを再利用して、対面キッチン(カウンターキッチン)にリフォームする費用は42~152万円が目安です。
対面キッチンとして新たにレイアウトするためには、腰壁や対面カウンターの新設費用が必要になります。そのため、システムキッチンを再利用するものの、パターン①と比べて費用がかかる傾向にあります。
工期は、配管の移設や壁の新設が必要になるため、3~4週間程度みておきましょう。
パターン③壁付けキッチンを対面キッチンにリフォームする(新品交換含む)
対面キッチンにはいくつか種類がありますが、キッチンの周囲に腰壁を造作する対面キッチンと、アイランドキッチンについてご紹介します。
壁付けキッチンを腰壁カウンターの対面キッチンにする
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出典:https://www.artreform.com/example/4336/
壁付けキッチンを腰壁カウンターの対面キッチンにリフォームする費用は、140~250万円が目安になります(既存キッチン処分費用・新品のシステムキッチン本体費用を含みます)。
パターン②と同様に、配管の移設や壁の新設が必要です。工期は3~4週間程度が目安になります。
壁付けキッチンをアイランドキッチンにリフォームする
出典:https://www.anabuki-renovation.com/results/reform/871/
壁付けキッチンからアイランドキッチンへのリフォームは、150~300万円が費用の目安です。アイランドキッチンの工期も、3~4週間程度みておくことをおすすめします。
また、アイランドキッチンの場合は、キッチンカウンターやレンジフードがアイランドキッチン専用の部材となるため、既存キッチンの再利用は基本的にできないものと考えておきましょう。
パターン④階をまたいでキッチンを移動する(1階から2階など)
キッチンを1階から2階のように設置階を移動する場合は、かなり大掛かりな工事となるため、費用の目安は250万円〜になります。それぞれの家の状況によって工事内容が異なるため、概算を知るには現場調査が必須です。
工期もケースバイケースとなりますが、1~2か月程度はみておきましょう。
また、建築上の条件によっては、階をまたいだキッチンの移動ができない場合もあります。まずは現場調査を依頼し、キッチンを移動できるか否かを確認しましょう。


4.キッチン移動リフォームの注意点
キッチンの移動リフォームには、さまざまな注意点があります。後悔しないためにも事前に確認しておきましょう。
キッチンを撤去した場所の内装復旧工事も必要
キッチンを撤去すると、壁のクロスが貼られていなかったり、排気ダクトや電源コードが露出していたりします。そのため移動をともなうキッチンリフォームでは壁・床・天井の補修や、電気配線やダクトの適切な処理など、広範囲に及ぶ内装工事が必要です。
通常のキッチン交換リフォームと比較して、工期も費用も多くかかるため、余裕を持って準備しましょう。
マンションは工事スケジュールに注意
先に解説した通り、マンションの水回りは移動に制限がでる場合があります。建物構造や管理規約上の問題がないか、リフォーム会社に確認してもらいましょう。
問題がなければリフォームプランを検討し、プランが決まったら管理組合に工事申請を行います。申請には、工程表や設計図など管理規約に基づく書類の提出が必要です。リフォーム会社に用意してもらいましょう。
工事申請から承認までの期間は、2週間程度の場合もありますが、1か月近くかかる場合も少なくありません。承認がなければ着工ができないため、余裕をもってスケジュールを組むことが大切です。


レイアウト変更の場合はスペースが十分かどうか確認する
壁付けキッチンと対面キッチンでは、対面キッチンのほうが面積を多く必要とします。
壁付けキッチンから対面キッチンにレイアウト変更する場合は、通路幅が狭くなりすぎないか、リビングダイニングの空間が圧迫されないか、よく確認しましょう。
特にアイランドキッチンの場合は、キッチンの周囲4方向にスペースが必要になるので注意が必要です。
また、キッチンだけでなく、冷蔵庫や食器棚を含めて使いやすいレイアウトになっているか、十分に検討しましょう。


工期が長くなるため、生活への配慮が必要
キッチンの交換工事の工期は1週間程度ですが、移動を伴うキッチンリフォームは、工事内容によって2週間から2か月程度と長期間にわたる工事が必要です。
キッチンを長く使えないと、生活にも支障が出ます。家族の人数が多いほど食事の問題は切実になるでしょう。カセットコンロで調理したり、使い捨ての食器を使ったりといった工夫が必要です。
また、住みながらのリフォームにはメリットもありますが、解体に伴い発生する粉塵やホコリ、騒音などのストレスもかかります。工事内容や工期によっては、仮住まいを検討したほうが良い場合もあります。
5.キッチン移動リフォームを依頼する業者の選び方
キッチンの移動リフォームは、非常に難易度の高い工事です。リノベーションや大規模リフォームの実績が多い業者を選ぶことが成功の鍵となります。
キッチンのリフォーム実績の多い会社は、システムキッチンを安く仕入れるルートがあることもポイント。キッチン本体にかかる費用を抑えることができます。
また、配管移設を伴うキッチンの移動リフォームには、少なからず漏水のリスクがあります。万が一の際の工事保証やアフターサービスについても必ず確認しておきましょう。
キッチンリフォームの会社選びについては、以下の記事も参考にしてください。


6.まとめ
キッチンを移動すると、家族とコミュニケーションを取りやすい対面キッチンにできたり、使いやすい間取りや動線に改善したりすることができます。
ただし、キッチンの移動はリフォーム費用が高額になりやすく、工期も長くかかることが難点です。費用を少しでも抑え、工事をスムーズに進めるためには、キッチンリフォームを得意とする業者を選ぶことがポイントになります。
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