
タイトル画像出典元:https://www.anabuki-renovation.com/results/reform/855/
マンション購入時からある和室を「活用できていない」とリフォームを望まれる方は、実は少なくありません。
リフォームするなら、そのまま和室としておしゃれにする方法もあれば、洋室に変更したり、間取りを大きく変えてリビングを広く使ったりする方法もあります。
今回はマンションの和室のリフォームについて、メリットや注意点・費用などを解説します。
おしゃれにリフォームした実例や費用の目安もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
【パターン別】リフォームでマンション和室を活用するメリット
マンションの和室にはさまざまな活用アイデアがありますが、大きく分類すると次の4つです。
- 和室を洋室に変える
- 部屋をつなげてリビングを広くする
- 和室のままモダンな雰囲気に変える
- クローゼットに変える
[1]和室を洋室に変える
出典:https://www.artreform.com/example/889/
メリット
- お手入れが楽
- ベッドなど洋風家具が馴染みやすい
- LDKなどほかの部屋との統一感が出る
和室を洋室に変えると「和室を子ども部屋として使いたい」「畳のお手入れが面倒だからフローリングにしたい」など、希望のライフスタイルを実現でき生活の利便性も大幅に向上します。
例えば、フローリングに変更すると掃除が楽になり、ほこりやダニも発生しにくくアレルギー対策や衛生面での安心感も得られるでしょう。マンションの場合、ほかの部屋がフローリングであることが多いため、家全体に統一感も生まれ洗練された印象になります。
家具やインテリアの選択肢が広がるメリットもあります。カーペットなどさまざまな床材を敷いても馴染みやすく、自分好みのスタイリッシュな空間を演出できます。
[2]部屋をつなげてリビングを広くする
出典:https://www.artreform.com/example/8438/
メリット
- 隣接するLDKや個室が広くなる
- 中和室の採光やエアコン問題を解決する
リビングや寝室などを広くしたい場合、和室と一体化させるリフォームがおすすめです。例えば、和室の畳をフローリングに変え、下がり壁や間仕切りなどを壊し、隣接する部屋とつなげることで、広々とした空間を作れます。
限られたスペースを最大限に活用できるため、家族が集まるリビングの快適性を高めたいときや、家具の配置にゆとりを持たせたいときに効果的です。
またマンションには、リビングの一角に窓のない「中和室」と呼ばれる和室が、設けられていることがあります。光が入りにくい構造で日中でも薄暗くなりがちで、エアコンも効きにくいため、活用方法に困ることは少なくありません。

この中和室をLDKとつなげることで、明るく開放的な空間になり、エアコンによる温湿度調整もできます。無駄なスペースがなくなることで、間取りや動線計画がシンプルになることも多く、より使い勝手の良い居住空間となるでしょう。
[3]和室のままモダンな雰囲気に変える
出典:https://www.artreform.com/example/7425/
メリット
- 横になるスぺースができる
- 子どもの遊び場や昼寝スペースになる
- 客間として使える
和室をそのまま生かすことで、横になって休憩したり、客間として利用したり、落ち着いたくつろぎスペースとして活用できます。畳はフローリングに比べて衝撃を吸収しやすいため、小さな子どもが安全に遊べるスペースに活用することも可能です。
そのような和室の魅力を維持しながらリフォームを加えることで、さらに機能性やデザイン性を高めることもできます。
例えば、以下のようなリフォームアイデアがあります。
出典:https://www.artreform.com/example/4422/ https://www.artreform.com/example/3354/ https://www.artreform.com/example/1687/ https://www.artreform.com/example/862/
- 畳やクロスを新しくする
畳の表替えやクロスを新しくするだけでも、部屋全体に清潔感が出て明るい印象に変わります。比較的コストも低く、短期間でリフォームが可能です。 - 琉球畳でモダンな和室に変える
縁のない正方形の琉球畳は、和室にモダンな雰囲気を加えられます。現代的な家具にもマッチするため、伝統的な要素を残しつつも新鮮さを感じられるでしょう。 - ふすまを洋風建具に変える
従来のふすまは、引き戸や折れ戸などの洋風建具にすることで和洋折衷のデザインが楽しめます。開閉がスムーズになり、使い勝手も良くなります。 - 小上がりスペースに変える
和室を一段高い小上がりにすると、下部を収納スペースとして有効活用が可能です。段差部分は腰掛けとしても利用でき、リビングと和室の間にアクセントを加えられます。


[4]和室をクローゼットに変える
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出典:https://freshhouse.co.jp/case/8494/
メリット
- 活用できていないスペースを収納に変えられる
- マンションでもウォークインクローゼットを設けられる
和室としての使い道がないときは、1部屋丸ごとクローゼットにするアイデアも人気です。フローリングに変えた上で棚やハンガーパイプを設置すれば、大容量の収納スペースが産まれます。
また、マンションの間取りでは押し入れの背後に洋室のクローゼットが配置されているケースも多く存在します。元々のクローゼットと押し入れをつなげ、どちら側の部屋からもアクセスできるウォークスルークローゼットへの間取り変更が可能です。
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出典:https://freshhouse.co.jp/case/8494/
マンションの和室リフォームの注意すべきポイント
マンションの和室をリフォームする際には、いくつかの注意ポイントがあることも知っておきましょう。ここでは以下の3つのポイントを紹介します。
- 防音規定を確認する
- 押し入れとクローゼットの寸法の違いを確認する
- 下地の状態によっては修復費用がかかることを認識しておく
[1]防音規定を確認する
マンションで和室を洋室にリフォームする際は、防音性に注意しましょう。畳は音を吸収する特性がありますが、洋室のフローリングなどはその特性が少なく音が響きやすくなるためです。
多くの集合住宅では、管理規約として、階下への騒音被害を防ぐ防音規定や遮音等級が定められています。遮音性の基準であるL値がフローリング材ごとに異なるため、管理規約の基準値に適合した床材を選びましょう。


[2]押し入れとクローゼットの寸法の違いを確認する
押し入れをクローゼットにするリフォームをするなら、サイズの違いに注意してください。押し入れは主に布団の収納が目的であるため奥行きが800mm前後であるのに対し、クローゼットは服をハンガーにかけて収納できるよう奥行き600mm前後が一般的です。
押し入れからクローゼットにした場合は奥行きが深くなるため、デッドスペースにならないようにしましょう。ハンガーパイプを手前側と奥側にそれぞれ1本ずつ設置する工夫なども効果的です。
その他の、押入れからクローゼットにリフォームする際の注意点はこちらの記事を参考にしてください。


[3]下地の状態によっては修復費用がかかることを認識しておく
マンションのリフォームで、下地の床や壁が劣化によってひび割れ・剥離などが生じている場合は、下地補修工事が必要になることがあります。内装リフォームの費用以外にこうした補修費用が必要になるため、余裕のある予算計画が大事です。
リフォーム業者に現地確認してもらう際に、内装以外に補修費用が発生する可能性がないか見てもらうと良いでしょう。
マンションの和室リフォームの費用目安
マンションの和室をリフォームするのには、どのくらいの費用がかかるのでしょう。
ここでは、主なリフォームパターンと、その費用相場を紹介します。
リフォームパターン | 費用相場 |
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畳をフローリングへ変更 | 9万円〜20万円台前後 |
畳を張替え | 7万円〜12万円台前後 |
床・壁・天井を張替えて洋室へリフォーム | 25万円〜40万円台前後 |
和室全体を解体して洋室へリフォーム | 75万円〜100万円台前後 |
和室を隣接するLDと一体化させるリフォーム | 30万円〜120万円台前後 |
押入れをクローゼットへリフォーム | 20万円〜25万円台前後 |
出典:https://www.reform-guide.jp/topics/washitsuyoushitsu-hiyou/
床面のみ・押し入れのみといった部分的なリフォームなら、数十万円で可能です。他の部屋とつなげる大掛かりなリフォームになると、100万円を超えることもあります。
ご予算からどこまでの範囲にするか検討する材料にしてください。
マンションの和室リフォームの実例
活用方法を具体的にイメージするためにも、マンションの和室リフォームの実例を見ていきましょう。またどれくらいの費用が必要なのか、施工にかかった目安の金額もお伝えします。
[1]畳やクロスをきれいにする【約65万円】
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築年数 | 15年 |
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施工箇所 | 畳の表替え、ふすまからクローゼット扉へ交換、壁紙張り替え |
リフォーム費用 | 約65万円 |
畳をモダンな琉球畳に慎重、扉も洋室の引き戸へ変更しました。床の間の奥のみ濃いグレーの壁紙に変更することで、洋室にもマッチするおしゃれな和室に生まれ変わっています。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/458
[2]間仕切りを洋風建具に【約47万円】
築年数 | 17年 |
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施工箇所 | 和室の壁撤去、押入れの撤去、間仕切り戸設置、壁紙張替え、畳の入れ替え、クローゼット設置 |
リフォーム費用 | 47万円※建具工事は含まれません |
小さなお子様が安心して遊べる和室はそのまま残しておきたいというご要望。和室の壁を撤去して、壁にすべて収められるタイプの間仕切り戸で仕切りました。戸をすべて開けると、LDKと和室をつなげて使うことができます。子どもが昼寝するときなどは閉めて個室として使うこともできる、フレキシブルな和室になりました。
モダンな琉球畳に変更したことで、ホテルライクなLDKとも馴染むように。元々あった押入れを撤去し、洋風のクローゼットを設けました。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/1222
[3]小上がりスペースを作る【395万円※他の工事を含む】
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築年数 | 8年 |
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施工箇所 | 壁の撤去、押入れ撤去、畳をフローリングに変更、クロスの張替え、小上がり畳の設置 |
リフォーム費用 | 395万円※LDK・トイレ・和室の総費用 |
こちらは和室の位置を変更せず、小上がりの畳スぺースを新設した事例です。リビングの一角に小上がりの畳スぺースがあり、ベンチ代わりやちょっと休憩するときなどに使えます。
元の和室は日当たりが悪く暗い印象でしたが、採光側の壁を撤去してLDKと一体化したことで明るいスペースに。押入れを撤去しましたが、小上がりの下に引き出し収納がたっぷりあるので、収納場所にも困りません。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/202
[4]和室をモダンにリフォーム【819万円※他の工事を含む】
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築年数 | 25年 |
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施工箇所 | 畳の入替え、一部フローリング施工、クロス張替え、押入れのふすまの張替え |
リフォーム費用 | 819万円※リフォーム全体の工事費用 |
現代的なLDKと雰囲気をマッチさせるために、モダンな和室にリフォームした事例です。リビングのフローリングと同じ床材を和室周囲に施工し、中央に琉球畳を置くことで、和洋折衷な空間になりました。朱色の襖とダークトーンの襖・ドア枠の掛け合わせが、印象を格上げしています。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/73
[5]和室をウォークインクローゼットに【47万円】
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築年数 | 35年 |
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施工箇所 | 畳をフローリングに張替え、クロス張替え、壁増設 |
リフォーム費用 | 47万円 |
元々押入れだった部分と和室の一部を、広々としたウォークインクローゼットにリフォームした事例です。両サイドに枕棚とハンガーパイプを設けたⅡ型タイプで、衣類をたっぷり収納できます。
リビングに近い部分に出入口を設け、スムーズな動線も確保しました。引き戸を設置したので、使わないときや来客があるときは閉めておけます。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/868
[6]和室をリビングとつなげて大空間に【290万円※他の工事を含む】
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築年数 | 20年 |
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施工箇所 | 畳をフローリングに張替え、壁の撤去、クロス張替え |
リフォーム費用 | 290万円※キッチンの移動含むLDK全体の工事費用 |
窓のない中和室を撤去して、LDKとつなげたリフォーム事例です。6畳の和室の壁を取り払ってフローリング張りにすることで、21畳の広々としたLDKが実現できました。
やや薄暗い印象があった和室部分も、ふすまや下がり壁がなくなることで明るい空間に。LDKを広くすることでキッチンのスムーズな移動も叶い、明るくオープンな住まいになりました。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/468
[7]和室を洋室にリフォーム【718万円※他の工事を含む】
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築年数 | 44年 |
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施工箇所 | 畳をフローリングに張替え、クロス張替え、押入れの撤去、室内窓設置 |
リフォーム費用 | 718万円※リフォーム全体の工事費用 |
マンションのお部屋の全面リフォームにともない、元の和室を子ども部屋にした事例です。窓のない中和室に、リビングとつながる内窓をつけたことで光が入り、全体に明るく一体感のある部屋になりました。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/1097
まとめ
マンションの和室をリフォームするには、大きく分けて「和室を洋室に変える」「部屋をつなげてリビングを広くする」「和室のままモダンな雰囲気に変える」「クローゼットに変える」の4パターンがあります。
住む人のライフスタイルや好みによって適したリフォーム方法は変わるので、まずは和室をどう使いたいか考えてみましょう。
それぞれのリフォーム方法を詳しく見たい、あるいはもっと事例を見てみたい方は、リフォームガイドのほかの記事もぜひご覧ください。マンションリフォームならではの注意点もありますので、そちらも参考にしてください。





