「床暖房が欲しいけれど、自分の家には設置できるの?」
「床暖房って、いくらで設置できるのか知りたい」
このようにお考えではありませんか?
床暖房リフォームは、基本的に戸建て・マンション関係なく設置が可能です。ただし、特にマンションでは例外もあります。
この記事では、床暖房を後付けする場合の費用、床暖房を設置するメリットデメリット、注意点、リフォームが難しい例外などを解説します。
目次
1.床暖房の設置リフォームにかかる費用
ここでは、床暖房リフォームにかかる費用について解説します。床暖房リフォームにかかる費用は、設置する床の面積や設置方法、床暖房の種類などによって異なります。
下記では床面積と床暖房の種類をもとにした床暖房リフォームの費用をまとめています。
部屋の面積 |
電気式の設置価格 | 温水式(電気/ガス)の設置価格 |
6畳 | 30~55万円 | 33~65万円 |
8畳 |
32~71.5万円 | 40~93.5万円 |
10畳 | 37~80万円 | 49.5~100万円 |
12畳 | 50~84万円 | 65~110万円 |
20畳 | 70~110万円 | 76~160万円 |
電気式の床暖房の方が、温水式の床暖房よりも設置が簡単なので安価に抑えることが出来ます。また、電気式は熱源機が必要ないことも安価な理由の一つです。
【床暖房リフォームの費用を抑えるには?】
ここでは、床暖房リフォームの費用を抑えるための方法について紹介していきます。直前に紹介したように、床暖房の実施には初期費用が多くかかります。「床暖房のリフォームはしたいけれど、予算オーバーにならないか不安…」と感じている方も、以下の方法を活用してお得にリフォームできるようにしましょう。
1. 床暖房を部分的に設置する
床暖房を設置する面積を小さくすることによって、床暖房設置にかかる費用を抑えることができます。ベッドやソファーなど大きな家具の下には床暖房は不要な場合があります。また原則として、床面積の5~7割に床暖房があれば、部屋全体に対する暖房効果が得られます。
床暖房が必要な箇所・不要な箇所を考え、設置する箇所を絞りましょう。
2.張替えではなく重ね張りにする
床暖房の設置方法には2通りのやり方があります。
- 既存の床の上に重ねて床暖房を設置する方法
- 既存の床を撤去し、床暖房を設置する方法
「床の上に重ねて床暖房を設置する方法」では、既存の床を撤去する工程がないため、張替えよりも費用を抑えることができます。
具体的には、10畳程度の床を張り替えて床暖房にする際は、床暖房設置費用とは別に約10万~15万円の解体・撤去費用がかかってしまいます。
ただし床暖房を上から貼る工法を行う際、一部に床暖房を設置しようとすると段差ができてしまうリスクがあります。
見積もりを取る際にリフォーム会社に予算を伝えて、見た目との兼ね合いを踏まえて最適なプランを考えてもらうようにしましょう。
3.補助金制度を活用する
床暖房のリフォームに対する補助金を給付してくれる自治体も地域によって存在します。
また断熱工事など、エコに繋がる工事をすることで対象になる補助金もあります。お子様が居る家庭のリフォームも対象になるものもありますので、調べておくようにしましょう。
補助金に関して、以下の記事で詳しく解説していますので合わせて確認してください。
2.床暖房にするメリット・デメリット
ここでは、床暖房を設置するメリットとデメリットについて紹介していきます。
床暖房には、暖房や電気カーペットなど他の暖房機器とは異なる特性が様々あります。「コストをかけて床暖房を入れて後悔しない…?」と考えている方、ぜひ床暖房の設置を検討する際に参考にしてください。
床暖房のメリット
床暖房には以下の3つのメリットがあります。
- 足元からまんべんなく部屋を温めることが可能
- 空気が汚れず乾燥しにくい
- 基本的にメンテナンスが不要
他の暖房器具よりも主にこの点が優れているため、人気の高いリフォームです。それぞれ詳しく解説していきます。
足元からまんべんなく部屋を温めることが可能
床暖房の最も大きなメリットとして、足元が温められることが挙げられます。エアコンやヒーターでは温風が足元に届きにくく、温まるのに時間がかかりますが、床暖房は床全体を同時に温めることができます。
「冷え性で冬は足が冷えやすい」「ストーブだと顔がほてってボーっとしてしまう…」という方は床暖房を使用することでお悩みが解消できるかもしれません。
空気が汚れず乾燥しにくい
床暖房は空気を汚さず乾燥しにくい点もメリットとして挙げられます。エアコンを使用すると肌の乾燥やドライアイを引き起こす原因となるほか、石油ファンヒーターを使用する際には換気を怠ると頭痛や吐き気などの体調不良を伴います。
しかし、床暖房は空気の汚染もせず乾燥の心配もありません。体に優しく使いやすい暖房器具といえます。
お肌が乾燥しやすい方やお子様のいるご家庭には、床暖房の設置がおすすめです。
基本的にメンテナンスが不要
床暖房は、基本的な日頃のメンテナンスが不要です。エアコンやヒーターのように掃除や給油の手間はなく、時間の節約になります。
床暖房本体の寿命も30年以上と非常に耐久性の高い機器であるため、一度設置すれば長年使用できるというのも強みです。
床暖房のデメリット
床暖房のデメリットとしては、
- 初期費用がかかる
- 温まるのに時間がかかる
の2つが挙げられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
初期費用がかかる
床暖房の維持には大きな出費はありませんが、設置時に初期費用が多くかかります。
床暖房の設置の際には、まとまった出費が不可欠です。
温まるのに時間がかかる
また、床暖房の温まり具合は住まいの広さや地域によって異なりますが、おおむね一時間程度かかります。他の暖房機器に比べて、温まりきるのに時間がかかるのがデメリットといえます。
3.床暖房の種類「温水式」と「電気式」を比較
床暖房は電気式と温水式の2種類があります。それぞれの特徴やメリットデメリットを紹介しますので、どちらの床暖房がご自身の環境に適しているか比較してみてください。
電気式床暖房 | 温水式床暖房 | ||
イメージ | |||
特徴 | 床に電熱線などの初年帯を組み込んだパネルを設置して床を温める | 電気やガスによる熱源機で温めた水を、床下に通したチューブから床板パネルに循環させる | |
工事期間 |
上張り | 3~4日 | |
張り替え | 4~5日 | ||
メリット |
メンテナンスがほとんど不要 |
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デメリット |
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初期費用をなるべく抑えたいという人は電気式、コストはかかっても効果を十分に感じたい人は温水式がおすすめです。
また、電気式と温水式の床暖房について、リフォーム会社さんにさらに詳しくお聞きしました。
一般的にガス(温水式)のほうが部屋全体が温まり暖房効果を感じやすいですが、家の構造によっては費用が大幅に膨らむことも。
ご自宅の構造によって設置コストや仕上がりが大きく変わりますので、見積もりを取る際にリフォーム会社に相談されるといいと思います。
ガス(温水式)が高くなる理由は、専用の熱源機(給湯器)が必要なのと、電気式は大工が施工できますが、温水式は温水パネルを貼るメーカー(Rinnaiやノーリツなど)の施工が必要になるため、人件費も高くなるからです。
また、マンションの場合、ガス(温水式)だと外の給湯器から配管を設置するため床をすべて剥がすフルリフォームのような施工になり、かなり高額になります。電気の場合は、設置したい部屋のみ床を張り替えるだけで大丈夫です。
ただし、電気代が高騰している(2023年6月の取材日時点)ため、ランニングコストを考えて総合的なコストも考えるほうが良いです。
4.床暖房の後付けリフォームが難しい場合
床暖房リフォームは、基本的に戸建て・マンション関係なく設置が可能ですが、例外もあります。
床暖房が設置できない例外は、マンションによく発生します。「温水式」を設置する場合は配管を通す場所や給湯器を置く場所、「電気式」を設置する場合は電気容量など、マンションの構造的な制限によって後付けが難しい場合があります。
マンションの床暖房リフォームを検討している場合には、リフォーム会社等と相談し、工事が可能かどうか確かめましょう。
▼マンションの床暖房リフォームについては以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて確認してください。
5.床暖房設置リフォームで確認しておきたいポイント
最後に、床断熱リフォームをするにあたって確認しておきたいポイントについて解説します。
床断熱リフォームでは通常のリフォーム工事とは異なった確認項目も存在します。以下の5つはリフォームする前に必ず確認したうえでリフォームを進めましょう。
■設置費用だけでなくランニングコストも一緒に検討する
床暖房を設置した後のランニングコストも、床暖房設置の際に検討しましょう。ランニングコストを踏まえた上で設置する床暖房の種類を検討することで、後悔のない床暖房リフォームが行えます。
特に電気代が高騰している時期は、電気式の床暖房の方が維持費がかかることがあります。長期的な目で見ると、設置費用が高い温水式の方がコストがかからない場合があります。
■電気容量を確認する(マンション・電気式の場合)
マンションの場合、電気式の床暖房を設置する場合には、住まいの電気容量が足りていないと床暖房が稼働できません。万が一電気容量が足りない場合は容量を増やすための工事が必要になります。
住まいの電気容量に余裕があるかどうか事前に確かめておきましょう。
■屋外に床暖房周辺器具のスペースが確保できるか確認する(温水式の場合)
温水式床暖房では、屋外に熱源を置いておくスペースが必要ですので、床暖房本体だけではなく周辺機器を含めたスペース確保ができるかどうか確かめましょう。
■家の断熱リフォームも検討する
住まいが全体的に寒いと感じている場合、家の断熱性能が低い可能性があります。
床暖房は設置した部屋しか温まりませんが、家の断熱性能を上げることで家全体の寒さを軽減することができます。また、外気温の影響を受けにくくなるため、冬の寒さだけでなく夏の暑さも緩和されます。
住みながら手軽に施工できる窓の断熱リフォームから検討することをおすすめします。
断熱リフォームに関してより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
■マンションでの床暖房リフォームは床材が限定される
床暖房を後付けで設置する際、床の張り替えが必要ですが、マンションの場合は床材に関して管理規約で規定があるため、選ぶことのできる床材が限られます。
お好みの色や質感の床材にできないこともあるので、床材にこだわりのある方はどんな床材が選べるのか、最初にリフォーム会社に確認することをおすすめします。
マンションのリフォームは、他にもマンションならではの注意点があります。詳しくは以下の記事で紹介していますので、あわせて確認してください。
6.まとめ
床暖房は基本的に戸建・マンション問わずどのような物件にも設置が可能です。ただし、マンションの管理規約によっては設置ができない場合がありますので、前もって確認が必要です。
床暖房の設置費用は、床暖房のタイプや設置方法、部屋の広さによって変動します。費用相場は以下の通りです。
部屋の面積 |
電気式の設置価格 | 温水式(電気/ガス)の設置価格 |
6畳 | 30~55万円 | 33~65万円 |
8畳 |
32~71.5万円 | 40~93.5万円 |
10畳 | 37~80万円 | 49.5~100万円 |
12畳 | 50~84万円 | 65~110万円 |
20畳 | 70~110万円 | 76~160万円 |
床暖房には床に電熱線などの発熱体を組み込んだパネルを設置して床を温める「電気式」と、電気やガスによる熱源機で温めた水を、床下に通したチューブから床板パネルに循環させる「温水式」の2種類があります。
電気式床暖房 | 温水式床暖房 | ||
イメージ | |||
特徴 | 床に電熱線などの初年帯を組み込んだパネルを設置して床を温める | 電気やガスによる熱源機で温めた水を、床下に通したチューブから床板パネルに循環させる | |
工事期間 |
上張り | 3~4日 | |
張り替え | 4~5日 | ||
メリット |
メンテナンスがほとんど不要 |
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デメリット |
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また、床暖房の設置費用を抑える方法として、
- 床暖房を部分的に設置する
- 張り替えではなく重ね張りにする
- 補助金を活用する
などが挙げられます。床暖房リフォームの際は、事前に
- 床材は床暖房に適した素材であるかどうか
- 電気容量は足りているかどうか
- 床団能周辺器具のスペースは確保できているかどうか(温水式の場合)
- 工事にどれくらい時間がかかるのか
の4点を把握しておくと良いでしょう。
床暖房を導入して、ぜひ快適であたたかな住まいを実現してみてください。