災害から住宅を守る防災リフォーム|工事内容や事例・補助金制度を解説

防災リフォーム

近年、台風や豪雨などによる被害報告が増えており、自然災害への備えの重要性を感じている方も多いでしょう。地震をはじめ、台風や洪水、火災といったトラブルから住宅を守るためには、不具合を解消して耐性を高められる防災リフォームが効果的です。

本記事では、防災リフォームの工事内容や事例について解説します。補助金・助成金制度についても紹介しますので、災害に備えた住宅リフォームを検討している方はぜひご覧ください。


1.防災リフォームとは

防災リフォームは地震や台風などの自然災害に備え、住宅を補修・補強するリフォームのことです。見た目や使い勝手を整える一般的なリフォームと違い、自然災害による被害を少なくし、建物や住民の安全を確保することを目的とします。

防災リフォームの対象である災害やトラブルは、強風や落雷、火災、停電、断水、ガスの遮断などです。近年は規模の大きな自然災害が増えており、住宅の立地環境や設備などと照らし合わせて必要なリフォームを検討することが大切です。


2.防災リフォームの内容

防災リフォームでは、具体的にどのような工事をおこなうのでしょうか。ここでは、防災リフォームの主な内容を「地震対策」「暴風対策」「火災対策」「ライフライン対策」の4つに分けて紹介します。

2-1.地震対策

住宅の耐震性を高める地震対策工事は、「耐震リフォーム」や「耐震補強リフォーム」とも呼ばれます。地震対策としての建物の補強では、壁や屋根を中心に以下のような工事をおこなうのが特徴です。

  • 制震装置の設置
  • 耐力壁や耐震壁の取り付け
  • 屋根の軽量化
  • 柱や梁、土台および金物の補強・交換

外構では、地震や強風などでブロック塀が倒壊することを避けるために、ブロック塀の交換や補強、高さを低くするなどの対策が有用です。

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2-2.暴風対策

台風や竜巻などによる暴風対策のリフォームには、以下のような工事があります。

  • 窓ガラスの強化(防災用ガラス、飛散防止フィルムなど)
  • 雨戸やシャッターの導入
  • 雨どいの設置

災害時にガラスが飛散するリスクを避けるために、防犯・防災用のガラスや飛散防止フィルムを用いて強化しておきましょう。また、雨戸やシャッターは1階だけでなく、2・3階にも導入すると安心です。雨どいは、建物が雨で傷むのを防止する役割があります。

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2-3.火災対策

近隣で火災が発生した際に住宅を守るためには、建物の外回りの耐火性を上げる以下のような工事が必要です。

  • 屋根の強化:スレートや金属系など耐火性の高い素材の屋根に替える
  • 外壁の強化:耐火性の高い壁を取り付ける
  • 開口部の強化(玄関・窓):防火扉や耐火ガラス、シャッターを導入する

屋根や外壁に施工する耐火性の高い材質は種類が多いため、施工方法とあわせてリフォーム業者に相談することをおすすめします。

2-4.ライフライン(停電・断水)対策

災害時に電気や水道などのライフラインが遮断されてしまうことを考慮し、以下のような対策が役立ちます。

  • 太陽光発電や家庭用蓄電池の導入:電力の確保
  • 水道配管内タンクや雨水タンクの設置:水の確保

電力確保では、太陽光発電だけでは不十分である可能性も考慮して、蓄電池があると安心です。大容量のポータブル電源であればスマートフォンの充電を353回のフル充電、小型冷蔵庫の稼働時間は66~125時間と、無充電でも3~5日間程度の自宅待機に耐えられる性能を備えています(「EcoFlow DELTA Pro 3」の場合)。

出典:キャンプ、車中泊、災害時に役立つ—EcoFlowポータブル電源(Ecoflow Japan)

スマートフォン・ノートパソコンの充電だけでなく、電子レンジやIH調理器、炊飯器などの調理家電、照明器具やエアコン、冷蔵庫などの生活家電にも接続できるタイプを選べば、停電時でも普段と変わらない生活を続けることができます。

水の確保では、水道配管の途中にタンクを設置することで、溜まった水を飲用できます。雨水タンクの雨水は飲用できませんが、トイレや洗濯などに役立ちます。

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3.防災リフォーム事例

ここからは、実際に防災リフォームをおこなった住宅の事例を紹介します。屋根や外壁の補強、窓のシャッター取り付け、太陽光発電の導入工事など、自宅での防災リフォームを検討するうえでぜひ参考にしてください。

3-1.屋根・外壁工事で耐震補強

外観のイメージは保ちつつ耐震補強

耐震補強リフォーム事例

耐震強度に不安があるとのご要望を受け、屋根工事を実施しました。重い瓦屋根は地震で倒壊するリスクがあるため、より軽い金属瓦に葺き替えています。見た目も綺麗になり、満足度の高いリフォームが実現しています。

建物種別 戸建て
費用 800万円以上

出典:https://freshhouse.co.jp/case/17450/

家の屋根を軽量瓦に葺き替える耐震リフォーム

※横にスクロールできます

事例2-1
事例2-2

耐震工事を含めた大規模リフォームの一貫として、瓦葺きから軽量瓦への葺き替えにより、軽量化を実現しました。自治体の耐震補助金を利用し、シックな外観に生まれ変わっています。

建物種別 戸建て(築49年)
費用 985万円※自治体の耐震補助金を利用

出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=1778

3-2.シャッター取り付けによる暴風対策

※横にスクロールできます

事例3-1
事例3-2

台風などの際に、強風によって飛散物がぶつかり飛散してしまうことを避けるため、2階の窓に電動の後付けシャッターを設置しました。電動タイプなので簡単に操作でき、開け閉めの際に誤って落下するリスクも軽減されています。

シャッターを締めることでプライバシーにも配慮できるというメリットがあります。工事は足場なしで、約半日程度で完了しました。

建物種別 戸建て(築3年)
費用 40万円

出典:http://cube-renovation.co.jp/works/21958/

3-3.太陽光発電を屋根に設置し節電・停電対策に

太陽光発電施工事例

屋根と外壁工事で足場を作ったついでに太陽光発電と蓄電池システムを導入。高騰する電気代の削減を狙った工事でしたが、災害時にライフラインが止まってしまったときにも普段と変わらない生活を送ることができます。

建物種別 戸建て
費用 約400万円

出典:https://freshhouse.co.jp/case/refo300502/


4.【対策別】防災リフォームの補助金制度

防災リフォームでは、国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。要件を満たしている場合、補助金によって費用負担を軽減できるため、積極的に活用したいものです。防災リフォームに関連する主な補助金制度を以下で紹介していきます。

4-1.地震対策の補助金制度

国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、戸建て住宅や集合住宅において、耐震性や省エネ性のある長持ちしやすい住宅へのリフォームを推進しています。地震災害に備えて、制震装置の設置工事や瓦交換工事などをおこなう際に補助が受けられる可能性があります。

そのほか、各自治体にて耐震化助成制度などを実施している場合があるので、お住まいの地域の役所に問い合わせるか、地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイトにて確認してみましょう。

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4-2.暴風対策の補助金制度

暴風対策として瓦交換や雨戸・シャッターの設置の際には、前述の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」のほかに「住宅・建築物安全ストック形成事業」が利用できる場合があります。

お住まいの自治体で補助金制度があるかどうかは、役所の建築計画室や建築指導室に尋ねるか、上記検索サイトで確認してみてください。

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4-3.火災対策の補助金制度

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、火災に備えた工事で補助が受けられる場合があります。外壁開口部の防火性能向上によるサッシの交換や、火災対策の感震ブレーカー付き分電盤の設置、トラッキングコンセントの設置などです。

加えて、お住まいの自治体で提供されている防火リフォーム補助金も利用できることがあります。申請要件や補助金額などの詳細については、各市町村の建築都市局などの窓口へ問い合わせるか、上の検索サイトで確認してみましょう。

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4-4.ライフライン対策の補助金制度

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」には、災害時の生活に備えて安全性を確保するレジリエンス性の向上改修工事も含まれます。電力確保のための自家発電設備設置工事や、水確保のための貯水タンクの設置工事などが対象です。

また、太陽光発電システムとあわせて蓄電池などを導入する際に補助が出る「ZEH支援事業」なども用意されています。自治体によっては雨水タンク設置補助制度などもあるので、お住まいの自治体の環境政策課や上で紹介した検索サイトなどで確認してみましょう。

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リフォームの補助金については、こちらの記事で総合的に解説しています。合わせて参考にしてください。
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5.まとめ

防災リフォームは、自然災害やトラブルから家と人を守るために重要です。リフォーム範囲や施工方法を含め、利用できる補助金制度があるかどうかは施工業者に相談しましょう。

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