「アクリル塗料を使うメリットは?」
「アクリル塗料の費用相場を知りたい」
こういった疑問を持っている人もいるでしょう。この記事では、アクリル塗料の特徴やデメリットなどを紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
- アクリル塗料の特徴
- アクリル塗料のメリットとデメリット
- アクリル塗料の費用相場と耐用年数
- 使う際の注意点と業者の選びかた
この記事を読むことでアクリル塗料が自分に適しているかどうかを判断できるようになるでしょう。
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目次
1.アクリル塗料の特徴
アクリル塗料とは、外壁塗装で使う仕上げ塗料としてはもっともグレードが低い材料のことです。
アクリル樹脂を主原料としています。1950年ごろから販売している古い塗料で、70年以上の歴史があります。
現在はアクリル塗料を使う業者はほとんどいません。しかし、DIYで塗装をする場合は人気の塗料でもあります。
なぜ業者はアクリル塗料を使わなくなったのか、メリット・デメリットと一緒にチェックしていきましょう。
2.アクリル塗料のメリットとデメリット
アクリル塗料のメリットとデメリットを紹介します。
両方を把握しておけば目的によって塗料の使い分けができるようになるでしょう。
2-1.メリット
アクリル塗料のメリットは2つあります。
- 材料費がもっとも安い
- カラーバリエーションや商品が豊富
それぞれ詳しく解説していきましょう。
2-1-1.材料費がもっとも安い
アクリル塗料は、外壁塗装で使う主な塗料のなかで材料費がもっとも安いです。
詳しい金額は後述しますが、一般的に使用するシリコン塗料に比べると7割程度の材料費ですみます。
工事にかかる費用が安くなるのは大きなメリットと言えるでしょう。
2-1-2.カラーバリエーションや商品が豊富
発色がよいため他の塗料と比較して色の種類が多いメリットがあります。
また、歴史が長い塗料のため商品数が豊富といった特徴もあるでしょう。
2-2.デメリット
アクリル塗料には以下の3つのデメリットがあります。
- 耐用年数が極端に短い
- ひび割れしやすい
- 劣化が早い
詳しくチェックしてみましょう。
2-2-1.耐用年数が極端に短い
アクリル塗料の耐用年数は後述しますが、他の塗料に比べて最大で14年程度の差があります。そのため長期的に考えると塗装回数が多くなり、メンテナンスコストが高くなるでしょう。
初期費用こそ安いですが、長い目で見ると割高な塗料と言えます。
2-2-2.ひび割れしやすい
アクリル塗料は塗膜(塗装の膜)が硬いため、ひび割れしやすいデメリットがあります。ひび割れすると、外壁の下地が露出してカビの発生や雨漏りにつながるため、塗り替えが必要となるでしょう。
2-2-3.劣化が早い
劣化しやすいため3年もすれば光沢が徐々に失われていきます。
外壁や屋根の美しさを長く保ちたい人には向いていない塗料と言えるでしょう。
2-3.アクリル塗料が適しているのはどんな場面?
アクリル塗料が適している場面は、数年で塗り替えや取り壊しが決まっている建物を塗る事情があるときです。
塗装は長持ちしませんが、その後は塗り替えをしない建物であれば問題ないでしょう。
また、天候の影響を受けない室内で使う場合もアクリル塗料の利用を推奨しています。
雨や風の影響を受けないため耐用年数が長くなるためです。
メリットとデメリットを以下にまとめたので、アクリル塗料を検討している場合は参考にしてみてください。
3.アクリル塗料の費用相場と耐用年数
アクリル塗料の費用相場と耐用年数を以下では解説していきます。
3-1.アクリル塗料の費用相場
アクリル塗料の材料費は、1平方メートルあたり1,420〜1,960円程度です。
30坪の住宅だと外壁のみで50〜80万円、屋根だけだと30〜50万円程度かかるでしょう。外壁と屋根を同時に塗装するのなら70〜120万円程度が目安です。
費用は外壁や屋根の面積のほか、模様付けをするかどうかなどで変わります。
3-2.アクリル塗料の耐用年数
アクリル塗料の耐用年数は外壁で6〜8年です。屋根では耐用年数が5年を下回ります。
一般的なシリコン塗料であれば外壁で10〜15年はもつため、半分程度の耐用年数しかありません。
塗り替えまでの期間が短すぎてコストパフォーマンスが悪いといった理由で、業者はアクリル塗料を屋根に使いません。
また、大手塗料メーカーは屋根用のアクリル塗料をほとんど扱っていません。
DIY向けの塗料であれば屋根用のアクリル塗料がありますが、費用対効果が悪いためおすすめできる塗料とは言えないでしょう。
4.アクリル塗料を使う際の注意点と業者の選びかた
アクリル塗料を使う際は以下の3つの注意点と業者の選びかたを意識しておきましょう。知らずに工事をはじめると塗装に失敗して無駄な費用がかかります。
4-1.外壁塗装で利用するのはおすすめしない
アクリル塗料は耐用年数が短すぎるため、外壁塗装での利用はおすすめしていません。
20年や30年の長期で考えた場合に、シリコン塗装とくらべてコストパフォーマンスが非常に悪いです。
なお、紫外線や雨風を受けない「室内塗装」で使う場合は、耐用年数が長くなるためアクリル塗料の利用を推奨しています。
4-2.自社施工をしている業者に依頼する
自社で職人を抱えて工事を直接おこなう方法が自社施工です。
工事の際に自社施工をしている業者に依頼するだけで費用が安くなるでしょう。
ゼネコンやハウスメーカー、工務店などの自社施工をしていない業者は、依頼だけを受けて作業は外注しています。
このため中間マージンが発生してしまい、費用が2〜4割ほど高くなるのです。
自社施工をしている会社は、ホームページで職人の紹介がしてあるかどうかでチェックしてみましょう。
ひとりひとり職人を紹介しているのなら自社施工をしている可能性が高いです。
4-3.見積もりを複数の会社からとる
工事の見積もりは複数の会社からとることをおすすめします。
理由は、1社だけに依存すると価格や工事内容が正しいか判断できないからです。
同じ工事でも業者によって価格は異なるため、見積もりを複数とるだけで費用が安くなる場合もあります。
見積もりをとる会社は手間と効果のバランスを考えて3社程度がおすすめです。
見積もりを複数とる場合のチェックポイントは3つあります。
- 塗料の商品やメーカーは記載してあるか
- 面積は細かく記載してあるか
- 適切に3回塗りをしているか
具体的にチェックしていきましょう。
4-3-1.塗料の商品やメーカーは記載してあるか
見積書に塗料名が記載されていない業者は信用性が低いです。なぜなら、どのような塗料を使うかがわからないためにいくらでも偽装できるからです。
大手塗料メーカーの商品なら安心ですが、ほとんど知名度がない塗料会社の製品だと価格に対して性能が低いおそれがあります。
4-3-2.面積は細かく記載してあるか
外壁や屋根の主な塗装面積が「一式」となっている会社は信用できません。
一般的には外壁や屋根の塗装面積は「平方メートル」で記載します。細かい部分は「メートル」となることもあるでしょう。
シーリング補修や付帯部塗装(破風や雨樋などの塗装)は優良業者でも一式と表記する場合があります。
あくまで外壁面積や屋根面積が一式となっていないかで判断しましょう。
4-3-3.適切に3回塗りをしているか
塗料は下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本です。
悪徳業者は下塗りや中塗りをしないで利益を大きくしようとする場合があります。
見積書の段階で、下塗りと中塗り、上塗りが記載されているか確認しましょう。また、業者には作業ごとに写真撮影してもらい、すべての工程が適切に行われているかチェックすることをおすすめします。
5.まとめ
アクリル塗料は外壁塗装で使う塗料ではもっとも材料費が安いです。
30坪程度の住宅であれば外壁で50〜80万円、屋根で30〜50万円程度の工事費ですむでしょう。
ただし、耐用年数が短いため20〜30年単位で考えるとコストパフォーマンスが悪いデメリットがあります。
自宅がサイディング外壁の場合は、『もし「サイディング塗装の費用はいくら?実際の見積もり」でシミュレーションしてみたら』もご覧ください。
アクリル塗料以外を使った塗装の費用を具体的に解説しています。
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