【2024年度】古民家再生リフォームで使える補助金・助成金制度

古民家リフォーム補助金_アイキャッチ

「古民家に住みたい」と思ったときに、リフォーム費用が気になる人も多いでしょう。古民家に明確な定義はありませんが、築50年を超える木造住宅を指すのが一般的です。古い家なので、住み続けるにはリフォームが必要になるケースが少なくありません。

そんなとき、補助金を活用すると費用を抑えられる可能性があります。この記事では、古民家のリフォームで使える補助金制度や、リフォーム後に適用される可能性がある減税制度などを紹介します。


1. 古民家のリフォームで使える補助金

古民家のリフォームで使える補助金制度を、

  • 耐震
  • 省エネ
  • バリアフリー

の3つの目的に分けて紹介します。

1-1.耐震

築後50年たった家を古民家とするなら、すべての古民家は新耐震基準(1981年6月1日施行)ではなく、旧耐震基準で建てられていることになります。

旧耐震基準は「震度5程度で倒壊・崩壊しない」とされており、震度6以上の地震が想定されていません。耐震性に不安があるため、耐震リフォームを検討する人が多くなります。

まずは耐震リフォームで使える補助金制度を確認しましょう。

自治体の補助事業

住宅の耐震性は地域の安全に深く関わるので、多くの自治体が補助金・助成金制度を設けています。

たとえば静岡県静岡市では、「木造住宅耐震事業」をおこなっています。これは1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた旧耐震基準の木造住宅について、最大115万円を上限として補強計画(設計)と補強工事にかかる費用を補助する制度です。

旧耐震基準で建てられた古民家は、自治体の耐震リフォーム事業の対象になるケースがほとんどと考えられます。対象の自治体に必ず確認しましょう。

【2024年度版】耐震リフォームに使える補助金は?条件や申請の流れを確認
【2024年度版】耐震リフォームに使える補助金は?条件や申請の流れを確認
【2024年度版】耐震リフォームに使える補助金は?条件や申請の流れを確認
記事を読む

長期優良住宅化リフォーム推進事業(2024年度分未定)

長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、住宅の性能を向上させるリフォームに対する補助事業です。
古民家の耐震性を高めるために、耐力壁を増設したり、屋根瓦を軽い金属屋根にして軽量化を図ったりする工事などに対して補助金をもらえる可能性があります。

事業名 長期優良住宅化リフォーム推進事業
内容 耐震性の向上を含む、住宅性能を高めるリフォームに対する補助金事業
補助率 3分の1
補助限度額 長期優良住宅(増改築)認定を取得しないものの、一定の性能向上が認められる場合 100万円/戸(150万円/戸)※
長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合 200万円/戸(250万円/戸)※

※( )内は、三世代同居対応改修工事を実施する場合、若者・子育て世帯または既存住宅の購入者が改修工事を実施する場合、一次エネルギー消費量を基準比▲20%(太陽光発電による削減量は反映しない)とする場合

なお長期優良住宅化リフォーム推進事業では、リフォーム後に耐震性だけでなく、躯体構造などの劣化対策や省エネルギー対策についても評価されます。それらすべてで一定の性能基準を満たさないと補助金は交付されません。そのためとくに古民家の場合、大がかりなリフォームになりがちで、ハードルはかなり高めです。

またリフォームに際しては、事前に既存住宅状況調査技術者によるインスペクション(住宅診断)を受ける必要もあります。

1-2.断熱・省エネ

カーボンニュートラルを目指し、近年国が省エネに力を入れていることから、断熱・省エネリフォームに対する補助金事業は充実しています。古民家のリフォームでも使える主な事業を紹介しましょう。

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業」は、中古住宅に対する断熱リフォームに対する国の支援事業で、2つの事業が展開されています。

事業名 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
内容 トータル断熱 居間だけ断熱

15%以上の省エネ効果が見込まれる改修率を満たす高性能建材(断熱材・窓・ガラス・玄関ドア)を用いた断熱リフォーム

※玄関ドアは断熱材・窓・ガラスと同時に改修した場合のみ補助対象となる

日常生活の中心となり家族全員の在室時間がもっとも高い「居間」に高性能建材(窓)を用いた断熱リフォーム
補助率 補助対象経費の3分の1以内
補助上限額 120万円/戸
主な申請要件 常時使用する専用住宅であること 常時使用する専用住宅で、居間は必ず改修すること

次世代省エネ建材の実証支援事業(2024年度分未定)

次世代省エネ建材の実証支援事業」は、工期を短縮できる高性能な断熱材などを使用した断熱リフォームに対する支援事業です。古民家含む住宅の改修方法を、次の3つから選べます。

事業名 次世代省エネ建材の実証支援事業
内容 窓断熱(窓断) 内張り断熱(内断) 外張り断熱(外断)
すべての開口部を窓や玄関ドアを使って改修する 室内側から、断熱パネルや潜熱蓄熱建材などを使って改修する 外張り断熱工法などで、住宅の外壁などを改修する
補助率 補助対象経費の2分の1以内
補助上限額 150万円/戸
200万円/戸 1〜4地域:400万円/戸

5〜8地域:300万円/戸

主な要件 すべての開口部を窓(防火・防風・防犯)・玄関ドアを使って改修すること 断熱パネル、潜熱蓄熱建材いずれかを室内側から導入して断熱すること 外気に接する外壁すべてを外張り断熱工法などで改修すること

※窓(防火・防風・防犯)・玄関ドアと任意製品を併用しての改修は200万円/戸

子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業」は、住宅の所有者が、事業に登録した業者と契約してリフォームした場合に支援される事業です。断熱については、開口部、外壁、屋根、天井または床の断熱リフォームが対象になります。

事業名 子育てエコホーム支援事業
内容 開口部、外壁、屋根、天井または床の断熱リフォーム
補助上限額 20万円/戸
※子育て世帯・若者夫婦世帯は補助上限額が最大で60万円まで引き上げられる
主な要件 子育てエコホーム支援事業者と工事請負契約を結ぶこと

長期優良住宅化リフォーム推進事業

耐震改修と同じく、断熱改修においても「長期優良住宅化リフォーム推進事業」を活用できる可能性があります。詳細はこちらをご覧ください。

先進的窓リノベ事業

先進的窓リノベ事業」は、先進的な断熱性能がある窓への交換リフォームに対する補助事業です。古民家で今後暮らすうえで、断熱にもっとも効果がある窓だけでもリフォームしたいと思ったときに検討するとよいでしょう。

事業名 先進的窓リノベ事業
内容 ガラス交換、内窓設置、外窓交換(カバー工法)、内窓交換(はつり工法)などの窓リフォーム
補助上限額 200万円/戸
主な要件 窓リノベ事業者と工事請負契約を結びリフォーム工事をすること

ここまでに紹介した断熱リフォーム事業について詳しくは、以下のページをご覧ください。

断熱リフォームで使える補助金5種類をすべて解説!【2024年版】
断熱リフォームで使える補助金5種類をすべて解説!【2024年版】
断熱リフォームで使える補助金5種類をすべて解説!【2024年版】
記事を読む

1-3.バリアフリーリフォーム

築50年を超える住宅は、バリアフリーが意識されていないケースがほとんどです。今後暮らしていくうえでバリアフリーにリフォームしたいときに使える制度を紹介します。

介護保険の住宅改修費支給

これから古民家に暮らす人に要介護者などがいるときには、バリアフリーリフォームに対する介護保険による補助を受けられます。

介護保険でできるバリアフリーリフォーム内容 ・手すりの取り付け
・段差の解消
・滑りにくい床材などへの変更
・引き戸などへの扉の取り替え
・洋式便器などへの取り替え
支給上限額 18万円(支給限度基準額20万円の9割)

和式便器のままの古民家も多いのではないでしょうか。介護保険を使っての古民家のバリアフリーリフォームを検討するときには、まずはケアマネジャーに相談してみるとよいでしょう。

自治体の介護・バリアフリー改修に対する助成制度

自治体が独自で、介護やバリアフリー目的のリフォームに対して助成しているケースもあります。

たとえばさいたま市では、「介護予防高齢者住環境改善支援事業」を展開しています。この事業では、高齢者が転倒などによって要支援・要介護状態になるのを防ぐために、要介護1〜2の場合で上限15万円まで支援されます。

古民家のある自治体で、独自の支援がないかは必ず確認しましょう。

介護リフォームで使える補助金は2種類!どんな工事が対象?申請方法は?
介護リフォームで使える補助金は2種類!どんな工事が対象?申請方法は?
介護リフォームで使える補助金は2種類!どんな工事が対象?申請方法は?
記事を読む

それぞれの補助金は併用できる?

原則として、国からの補助金同士は併用不可とされています(一部併用可)。自治体の助成金との併用は、原資が国庫である場合は不可とされることが多いです。>>詳しくはこちら


2.地方自治体で「古民家再生」補助金・助成金が用意されている場合も!

自治体のなかには、古民家再生に対する補助金事業を展開しているところもあります。

とくに伝統的な木造建築技術を駆使して建てられたものについては、補助事業が用意されている可能性が高いです。対象自治体を確認してみましょう。

「空き家リフォーム」や「移住のための住宅リフォーム」を対象とする自治体の補助金もある

空き家を購入する費用や、空き家を活用するためのリフォーム費用などに補助金を用意している自治体もあります。

空き家のリフォームに対する補助金・助成金例

[例] 千葉県市原市|空き家バンク事業(リフォーム等補助)
対象工事:市原市空き家バンク登録物件購入後のリフォーム等工事の実施(補助額上限100万円)

[例] 茨木市日立市|日立市空き家利活用リフォーム補助金
対象工事:建物の機能・性能を維持向上させるための改修工事(補助額上限50万円)

移住・定住を促進のためのリフォームに対する補助金・助成金例

[例] 長野県飯山市|飯山市移住支援住宅建設促進事業(改修)
対象工事:市外から市内へ転入し、自ら居住する住宅の改築(補助額上限20万円)

その他、自治体によって、独自の目的に沿うリフォーム補助金・助成金が用意されている場合がありますので、自治体のホームページなどで調べてみましょう。

下記のサイトは全国の自治体の補助金・助成金情報についてまとまっています。

地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト


3.古民家リフォームで受けられる減税制度

古民家リフォームをしたときに利用できる可能性がある減税制度を紹介します。

3-1.耐震・バリアフリー・省エネなど特定リフォームによる減税

古民家に対して耐震やバリアフリー、省エネなど特定のリフォームをしたときには、所得税・固定資産税・贈与税の減税を受けられることがあります。

所得税の減税

所得税が控除される工事と控除対象限度額は以下のようになります。

対象となる工事 最大控除額
バリアフリー改修 20万円
三世代同居対応改修 25万円
省エネ改修 25万円(35万円)
耐震改修+耐久性向上改修 25万円(35万円)
省エネ改修+耐久性向上改修 25万円(35万円)
耐震改修+省エネ改修+耐久性向上改修 50万円(60万円)

※令和7年12月31日まで
※( )内の数字は、太陽光発電設備を設置する場合
※対象工事の限度額超過分およびその他増改築等工事についても一定の範囲まで5%控除される

なお令和6年1月1日〜令和7年12月31日までは、上記に加えて子育て改修についても25万円の控除を受けられます。

>>減税対象となる工事の種類

住宅ローンを組むと受けられる「住宅ローン減税」

古民家の購入もする場合は、住宅ローンを検討する場合もあるでしょう。住宅ローンを利用した場合には、住宅ローン減税を受けられます。住宅ローン控除とは、年末の借入残高の0.7%が所得税から控除される制度です。

適用年度(入居した年) 2022年(令和4年)1月〜2025年(令和7年)12月末まで
借入限度額 認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅 3,000万円
上記以外 2,000万円
控除率 0.7%
控除期間 10年間

ただしほとんどの住宅ローンは新耐震基準に適合していることが条件とされるため、築古の建物を担保にすると審査に通らないケースもあります。住宅ローンや住宅ローン控除の利用を検討している場合は、あらかじめ金融機関に条件を確認しておきましょう。

3-2.固定資産税の減税

古民家を耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームしたときには、工事翌年の固定資産税の減額も受けられます。

リフォームの種類 減額割合
耐震リフォーム 2分の1
バリアフリーリフォーム 3分の1
省エネリフォーム 3分の1
長期優良住宅化リフォーム 3分の2

※令和8年3月31日まで

【2024年度版】リフォームの減税(控除)制度を分かりやすく解説!
【2024年度版】リフォームの減税(控除)制度を分かりやすく解説!
【2024年度版】リフォームの減税(控除)制度を分かりやすく解説!
記事を読む

4.補助金を使ったリフォームでは業者選びが重要!

補助金を使っての古民家リフォームに際しては、業者選びがとても重要になります。

それは、補助金事業のなかには、今回ご紹介した長期優良住宅化リフォーム推進事業や子育てエコホーム支援事業のように、登録事業者との請負工事契約を給付の条件とするケースが多いためです。

そうでなくとも、補助金を活用するときには、さまざまな書類の提出を求められます。そしてそれら書類を揃えるには、業者のサポートが欠かせません。そのため補助金を活用してのリフォームに慣れた業者選びが必要になるのです。

「補助金に対応している業者はどうやって探すの?」「自分で探すのは大変そう」と思ったときには、ぜひリフォームガイドにご相談ください。リフォームガイドでは、古民家があるエリア内で、補助金対応を得意とするリフォーム会社のご紹介が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。 
 
・リフォームガイドの登録フォーム 
・フリーダイヤル:0120-395-120 
(営業時間:午前10~午後7時) 


5.まとめ

古民家に長く住み続けるには、耐震性や快適性を向上させるリフォームがどうしても欠かせないものとなります。本記事を参考に、補助金制度を活用して、少しでもコストを抑えたリフォームができないかをぜひ検討してみてください。

また補助金を活用してのリフォームは、業者選びが成功のカギを握ります。リフォームガイドでは、対象エリア内で、補助金でのリフォームが得意な会社をご紹介いたします。まずはお気軽にお問い合わせくださいね。

あなたにぴったりの会社を、
プロが無料で選定!

厳しい審査をくぐり抜けた優良リフォーム会社の中から、
プロのコンシェルジュがあなたにぴったりのリフォーム会社をご紹介!
有力候補・複数社の、お見積もりの手配を代行します!

  • リフォーム業界に精通したコンシェルジュが、各会社の
    得意分野や評判などを元にあなたに合ったリフォーム会社をご紹介します!
  • 豊富な対応実績から、見積もり後の会社選びの判断にもアドバイスできます!
  • 見積比較後、気に入るものが無ければ追加紹介も可能です!

厳しい審査をくぐり抜けた優良リフォーム会社の中から、プロのコンシェルジュがあなたにぴったりのリフォーム会社を選び、複数社のお見積もりの手配まで対応いたします!

  • リフォーム業界に精通したコンシェルジュが、各会社の得意分野や評判などを元にあなたに合ったリフォーム会社をご紹介します!
  • 豊富な対応実績から、見積もり後の
    会社選びの判断にもアドバイスできます!
  • 見積比較後、気に入るものが無ければ
    追加紹介も可能です!