トイレの増設にかかる費用は?設置場所のアイデアや注意点も紹介

「子供が成長し、仕事や学校に行く前のトイレが混雑する…」
「高齢の親と同居することになり、使用するタイミングに気を遣う…」

このような家族の生活の変化による悩みが生じて、トイレがもう1つ欲しいと考えているご家庭にはトイレの増設がおすすめです。

ここでは、トイレの増設に必要な工事や費用相場、設置場所、注意点などを詳しく解説します。
施工事例も合わせて紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。


1.トイレ増設の費用と工期

〈トイレ増設工事費用〉
増築の有無 費用
増築なし 40~100万円
増築あり 70~200万円

トイレを増設するために必要な工事には、トイレ本体の取り付け工事、電気配線工事、給排水の管接続工事、壁の解体・設置工事、内装工事などがあります。

工事期間は工事内容によっても異なりますが、3~7日程度。費用は上の表でわかるように、部屋の一部や収納をトイレスペースにする場合(増築なし)と、新たにスペースを確保する場合(増築あり)で費用が大きく異なります。そのほか、設備のグレードや配管の位置によっても費用に差がでます。

費用を抑える方法は「4.トイレ増設の費用を抑える方法」で解説します。


2.トイレが増設できる場所

トイレを増設する際は、最低でも約1畳分ほどのスペースが必要。家の中でトイレの増設に適した、おすすめの場所をご紹介します。

①収納スペースや空きスペース

元々壁で仕切られている収納スペースなどは、トイレの設置がしやすい場所の一つです。高齢の家族のためにトイレを増設する場合、トイレに行きやすい寝室の収納スペースを活用するのがおすすめ。

また、階段下などの空きスペースを利用して、トイレを設置するケースも多くあります。

②2階の空きスペース

寝室が2階にある場合、トイレも2階にあると1階まで下りずに済むため、夜中のトイレが楽になります。階段を降りる際に転落するなどの危険を防止できるメリットも。

また、2階にトイレがあると来客時も気兼ねなく使えることや、家族間のトイレの待ち時間を減らすこともできるでしょう。

2階のトイレ増設で特におすすめな場所は、1階トイレの真上です。既存の給排水管が真下にあることで増設する給排水管の距離を短くすることができ、配管工事費用が安く抑えられます。

▼関連記事

2階にトイレを増設する費用・設置場所を完全解説|補助金情報も
2階にトイレを増設する費用・設置場所を完全解説|補助金情報も
2階にトイレを増設する費用・設置場所を完全解説|補助金情報も
記事を読む

③新たな空間(増築)

空いているスペースが狭かったり、間取りの都合上増設が不可能だったりする場合には、増築でスペースを広げてトイレを設置することもできます。
費用は高くなりますが、希望する場所にトイレを設置できると便利になるでしょう。

増築を伴うトイレの設置には、建築確認申請が必要な場合もあるため注意が必要です。増築に詳しいリフォーム業者に相談しましょう。


3.トイレ増設の注意点

トイレの増設にはいくつかの注意点があります。以下の点を押さえて、リフォームの計画を立てましょう。

①寝室近くは音や臭いに気をつける

トイレの給排水管が寝室の近くにあると、トイレの使用音が気になる可能性があります。

収納スペースや1階トイレの上など設置場所を考慮することや、壁の防音処理をすることが大切です。

また、臭い対策も必要になります。消臭機能のある壁紙や床材、トイレ本体を採用したり、常時換気機能付きの換気扇にしたりして、臭いが外に漏れないように対策をしましょう。

②2階に増設するときは階段付近を避ける

階段横の空間はトイレを増設しやすいスペースです。

しかし、夜にトイレを利用する際、ドアの向きや階段との距離によっては足を踏み外して階段から転落してしまうリスクもあります。

そのため、2階にトイレを増設する場合はなるべく階段付近は避け、日常生活でトイレを利用するタイミングを考えながら安全な場所に設置することを検討してください。

どうしても階段付近にしかスペースがないという場合は、足元に人感センサー付き照明を設置するなど、事故を防ぐ対策を取り入れましょう。

③電気代・水道代が増える

トイレの電気代は年間で約1,500~6,800円、水道代は約5,000~6,300円かかると言われています。トイレを増やすと電気代・水道代が増えることも考えておかなければなりません。

節電モードや便座温度を下げるなどの設定をしたり、流す際に「大」と「小」を使い分けたりして、電気代・水道代を節約するための対策をしましょう。

④給水配管・構造次第で工事が困難なことがある

建物の構造や既存の給排水管の位置によっては、希望の場所にトイレの増設ができないこともあります。

例えば、マンションの給排水管においては、「横枝管」は専有部、「立て管」は共有部と分けられており、共有部の「立て管」を個人でリフォームすることはできません

また、横枝管から立て管に排水するには一定の傾斜が必要なため、工事ができず十分な傾斜がとれない場合、トイレの設置は難しくなります。設置ができたとしても、希望の場所に設置できない可能性があるでしょう。

トイレの増設を検討する際は、希望の場所に希望の設備が設置できるかどうか必ずリフォーム会社に確認してください。

⑤タンクレストイレは設置できない場合がある

タンクレストイレは、タンクがなくすっきりとした見た目であることやトイレ自体のサイズが小さいため、狭いスペースへの設置におすすめな商品です。

しかし、水道の圧力で直接汚物を流す仕組みのため、低い圧力だと十分に流れないことがあります。2階以上で水圧が低いと、タンクレストイレを採用できない可能性もあるため注意しましょう。


4.トイレ増設の費用を抑える方法

ここでは、トイレの増設費用を抑える方法をご紹介します。少しでも費用を抑えたい方は、参考にしてみてください。

①トイレ本体のグレードを落とす

トイレ本体の価格を抑えることで、トイレ増設の費用を抑える方法があります。

トイレ本体は、主に4種類。デザインや機能によっても価格が大きく異なるため、本当に必要な機能は何か、予算に合っているかなどをよく検討して選びましょう。

それぞれの費用相場は以下の表をご覧ください。

<トイレの種類別|特徴と費用>
トイレの種類 特徴 費用相場
組み合わせトイレ
(分離型トイレ)
最も普及している種類のトイレです。
便器、タンク、便座を組み合わせて構成されます。
便器とタンクはセットで販売されることが多く、便座は別売りです。
9~18万円
一体型トイレ 便器、タンク、便座が一体型となっているトイレです。
手洗いがあるタイプとないタイプがあります。
10~25万円
タンクレストイレ 便器の後ろに貯水タンクがなく、水道が直接つながっているトイレです。
便器と便座がセットになっています。
13~30万円
システムトイレ 手洗器や収納などを組み合わせられるトイレです。
手洗器は既存の給排水管を利用できるため、大掛かりな給排水管の工事が不要で設置できます。
16~60万円

②既存トイレの近くや真上に増設

トイレの配管を1m伸ばすのにかかる費用は、約1万円。トイレを設置する際は、配管の距離をできるだけ短くすることで、配管工事費用を最小限に抑えることができます。

配管の距離だけでなく、配管を曲げる回数によっても差がでるため、設置場所をよく検討しましょう。

既存トイレの近くや真上のスペースに増設する場合、給排水管を増設する距離が比較的短くて済むため、費用を抑えることができます。

③補助金や減税制度を使う

少しでも費用を抑えるために、トイレの増設で使える国や自治体の補助金・減税制度を活用することもおすすめです。

省エネ目的・介護目的の工事の補助金制度、子育て世代向けの補助金制度、リフォーム減税などさまざまなものがあります。

それぞれの制度で、申請の時期や方法、条件などが異なるため、事前によく確認しておきましょう。

トイレのリフォームで使える補助金については以下の記事で詳しく解説しています。

【2025年の情報も】トイレリフォームで使える補助金は4種類!申請条件も解説
【2025年の情報も】トイレリフォームで使える補助金は4種類!申請条件も解説
【2025年の情報も】トイレリフォームで使える補助金は4種類!申請条件も解説
記事を読む

5.トイレ増設の実例

ここでは、トイレを増設した実例をご紹介します。

事例1:押入れスペースにトイレを増設

※横にスクロールできます

押入れスペースにトイレを増設した事例
押入れスペースにトイレを増設した事例

出典:https://www.yonekurasyouten.com/works/works-10272/

中古住宅購入後、入居前にリノベーション工事を行い、元々押入れだった場所にトイレを増設した事例です。すでに壁で仕切られた空間を上手く活用して、トイレを設置することができました。

既存のトイレは浄化槽を使った水洗であったため、下水の配管工事をして、下水道に繋がった水洗トイレに改修しました。

費用 859万円
工期 2か月
(水洗改修工事、トイレ増設、水まわり交換、内装工事、電気工事、ウッドデッキ工事を含む)

事例2:スケルトンリフォームでトイレを新設

※横にスクロールできます

スケルトンリフォームでトイレを新設した事例
スケルトンリフォームでトイレを新設した事例

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/96

2世帯合わせて6人で暮らせる間取りへとスケルトンリフォームした事例です。

親世帯では、新たに水回りの設備を新設し、ゾーニングをして、一箇所に集約しました。それに伴い、トイレも新設。(赤枠部分)

それぞれの世帯で使える専用のトイレがあると、気を遣うこともなく便利です。

費用 2,036万円
(親世帯トイレ工事のみ 36万円)
工期 3ヶ月半
(LDK工事、浴室工事、トイレ工事、洗面室工事、洋室工事、解体工事、間取り改築工事、その他工事を含む)

事例3:床の間を解体してトイレ付きの和室へ

※横にスクロールできます

床の間を解体してトイレ付きの和室へ改修した事例
床の間を解体してトイレ付きの和室へ改修した事例
床の間を解体してトイレ付きの和室へ改修した事例

和室を教室として貸し出すために、トイレを増設した事例です。

以前床の間があった場所を解体して、スペースを確保。入口や内装にこだわり、和の雰囲気によく合うトイレ空間になりました。

また、トイレ内に手洗い器を設置したことで、教室に来られた方が利用しやすくなる点もポイントです。

費用
工期 約2ヶ月
エリア 広島県
施工会社 株式会社マエダハウジング

6.まとめ

ここまで、トイレの増設に必要な工事内容や費用相場、設置場所、注意点などをご紹介しました。

トイレの増設は、増築の有無やトイレ本体の機能、設置場所による配管の長さなどによって費用が大きく変わるため、予算や目的を明確にして検討することが大切です。

そして、予算や目的に合ったリフォームを行うためには、業者選びが重要。豊富な経験から最適な提案ができる業者に依頼することが、リフォーム成功のカギとなるでしょう。

提案力のある業者を自分で探せる自信がない…という方は、リフォーム業者紹介サイト「リフォームガイド」の利用がおすすめ。経験豊富で優良な業者を複数紹介できるため、業者選びにお悩みの方はぜひお役立てください。

あなたにぴったりの会社を、
プロが無料で選定!

厳しい審査をくぐり抜けた優良リフォーム会社の中から、
プロのコンシェルジュがあなたにぴったりのリフォーム会社をご紹介!
有力候補・複数社の、お見積もりの手配を代行します!

  • リフォーム業界に精通したコンシェルジュが、各会社の
    得意分野や評判などを元にあなたに合ったリフォーム会社をご紹介します!
  • 豊富な対応実績から、見積もり後の会社選びの判断にもアドバイスできます!
  • 見積比較後、気に入るものが無ければ追加紹介も可能です!

厳しい審査をくぐり抜けた優良リフォーム会社の中から、プロのコンシェルジュがあなたにぴったりのリフォーム会社を選び、複数社のお見積もりの手配まで対応いたします!

  • リフォーム業界に精通したコンシェルジュが、各会社の得意分野や評判などを元にあなたに合ったリフォーム会社をご紹介します!
  • 豊富な対応実績から、見積もり後の
    会社選びの判断にもアドバイスできます!
  • 見積比較後、気に入るものが無ければ
    追加紹介も可能です!