必見!!トイレの介護リフォームまるわかり

トイレの介護リフォーム

介護のために家のリフォームを考えている方はたくさんいらっしゃると思います。介護する側も、される側も双方が快適な生活を送れる家にしたいものです。ここでは、介護トイレのリフォームで考えるべきポイントをお伝えします。


1.それぞれの身体状況に合ったトイレスペースを検討する

介護のために適当なスペースを確保することはとても大切です。身体状況に応じて、3パターンに分けて解説します。また、スペース確保が難しい方に向けた解決策も紹介します。

1-1.なんとか歩いて行ける方(杖や介助者の支えあり)

Ⅰ.なんとか歩いて行かれる方(杖や介助者の支えあり) 

  • 便座前方を60cm以上
  • 便座側方を50cm以上
    (側面で介助可能なサイズ)
  • 出入口のサイズ 75cm以上
    (介助に必要な最小のサイズ)
  • 全体で約0.4坪(80×125cm)〜
         0.5坪(80×165cm)

1-2.車椅子で自力走行できる方

Ⅱ.車椅子で自力走行できる方

  • 便座前方を85cm以上
  • 便座側方を70cm以上
  • 出入口を80cm以上
    (車椅子が通る最低サイズ)
  • 全体で約0.75坪(165×125cm)

1-3.車椅子で介助者の補助が必要な方

車椅子で介助者の補助が必要な方

  • 便座前方を85cm以上
  • 便座側方を100cm以上
    (70cm以上あると車椅子使用者を前方から介助しやすい)
  • 出入口を80cm以上
  • 全体で約1坪(165×165cm)

2.トイレをバリアフリーにする為の具体的な機能を検討する 

次に、トイレの場所別にみた便利な機能を紹介します。ストレスを感じないトイレにする為にどのような工夫が出来るのか、以下を参考にしてみて下さい。

2-1.出入口

2-1.出入口

廊下とトイレの境目である出入口を障害なく通れるようにリフォームしましょう。

  • ドアはスライドしやすい引き戸にする(特に車椅子の場合)
  • 段差のない出入口にする
  • 外からも鍵が開けられるようにする
  • 出入口の位置を便座後方か便座横にする

〜便座後方の出入口の場合~

〜便座後方の出入口の場合〜

移動距離が最短で、横移動だけで便座にたどり着くことが出来きます。

〜便座横の出入口の場合〜

〜便座横の出入口の場合〜

便座への移動がスムーズに出来る。車椅子でも完全に中に入ることが出来る。

2-2.手すり

手すりは体を支えるためにとても重要な役割を果たします。用途に合わせて、しっかり検討しましょう。以下、3つ程例を挙げます。

ドアの開閉の際に身体を支えるための手すり(縦のもの)にする

ドアの開閉の際に身体を支えるための手すり(縦のもの)にする

トイレの中の移動のための手すりにする
(つたい歩き、つかまり立ちのための手すり)

トイレの中の移動のための手すりにする

便座からの立ち座り、座った状態を安定させるための手すりにする

トイレの中の移動のための手すりにする

2-3.便座

なんなく用を足すために、便座自体を見直すことも必要です。以下のようなものを参考にしてみて下さい。

便座と便器の間に補高部材を挟む

トイレ 便座底上げ

  • 和式から洋式トイレにする
  • 便座をかさ上げする

出典:http://www.toto.co.jp/

座面が上がるトイレ

トイレ 便座上げ下げ

  • 専用の車椅子でそのまま用を足せるトイレにする
  • 温水洗浄便座に変更する

出典:http://www.toto.co.jp/

2-4.床

安全性のみならず、清潔さを維持するためにも床のリフォームは大切です。以下の項目を考慮すると、より快適なものになります。

  • スリッパが無くても不潔感や抵抗感を生まない材質や色の床にする
  • 水やアンモニアに強い材質にする
  • 濡れても滑りにくい材木にする

Ex) CFシート・クッションフロアシート・大型セラミックタイル

2-5.洗浄レバー・ボタン

2-5.洗浄レバー・ボタン

意外と見落としやすいポイントですが、ボタンが見えにくい、レバーまで手を伸ばしにくい、そのようなお悩みが解決します。

  • 大きな文字で、見やすく解りやすいものにする
  • 届きやすい位置に設置する
  • 自動洗浄や手をかざすタイプのものを導入する

2-6.ペーパーホルダー

2-6.ペーパーホルダー

力が弱くても楽に切れるホルダーはとても便利です。また、予備のペーパーもセットできるタイプは交換の手間を省けます。

  • 片手で楽にペーパーカットできる紙巻器にする
  • 2つ紙巻器の付いたものにする

2-7.洗面

2-7.洗面

トイレから洗面所まで行かずに済みます。介護の場面以外でも役立つ場面がたくさんあるでしょう。

  • トイレ内に手洗いコーナーを設置する

2-8.押入れトイレ

押入れ トイレ

トイレに十分なスペースがない場合、部屋の押入れをリフォームし、トイレを設置することができます。部屋からトイレが遠いといったご家庭にも向いています。

出典:http://jirei.re-model.jp/

2-9.ポータブルトイレ・ベッドサイドトイレ

ポータブル トイレ

ベッドのそばで用を足せるトイレです。ベッドからの移動さえ出来れば、1人で済ませることが出来ます。TOTOからは水洗式のポータブルトイレが出ており、後始末の容易さや衛生面などが評価されています。

出典:http://nobukenchiku.com/


3.介護のためのトイレリフォームの相場について

ここまでで、快適な介護トイレにする為にどのようなリフォームが出来るのか整理できたと思います。

そして、この章では気になる費用の相場を項目ごとに見ていきます。是非、リフォームを考える際の参考にしてみて下さい。(提示金額は工事費等すべてを含みます。)

トイレリフォームの一般的な相場

トイレリフォームの一般的な相場

上記で示した金額はあくまで一般的な相場です。そのため、ケースバイケースで上記の額を上回ったり、下回ったりすると思います。明確な金額を知りたい場合、リフォーム会社に見積もりを依頼することをお勧めします。

また、リフォーム内容や介護の状況によって介護保険住宅改修費や市区町村が独自に行っている住宅改修の助成金の支給を受けることが出来ます。次章では、そのことについて詳しくお伝えします。


4.介護保険を利用して住宅改修を行う

介護保険とは平成12年(2007年)4月から始まった制度です。40歳になると介護保険に加入し、介護保険料を毎月支払うことになっています。そして、この保険料を財源として介護保険サービスを市区町村が運営しています。

そのサービスの1つが介護のために住まいをリフォームする際に提供される助成金です。その条件や内容について詳しく見ていきます。

4-1.支給額

要介護度に関係なく費用20万円までで、その9割が支給されます。つまり、最高18万円が支給されます。従って、20万円までのリフォームを1割負担で出来ることになります。また、工事費用が20万円になるまで、複数回の利用が可能です。

さらに、ひとり生涯20万円までとされていますが、以下の場合は再度20万円の支給を受けることが出来ます。

  • 転居した場合
  • 要介護区分が重くなった場合(3段階上昇時)

4-2.対象条件

対象条件は以下の通りです。この3点すべてを満たす必要があります。

  • 要介護認定で「要支援」もしくは「要介護」の認定を受けた人
  • 福祉施設に入所しておらず、病院にも入院していないこと
  • 被保険者証の住所と改修する住宅の住所が同一であること

4-3.支給対象となる工事内容

工事内容は以下6点です。トイレの介護のためのリフォームが対象になることがわかると思います。(トイレ以外の箇所の工事でも支給対象です。)

  • 手すりの取り付け
  • 段差の解消
  • 滑り防止および移動の円滑化のための床材の変更
  • 引き戸への扉の取り替え
  • 洋式便器等への便器の取り替え
  • その他、上記の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

4-4.支給までの流れ

支給を受けるまでの手順は必ず知っておくべきです。着工前後に申請が必要な点に注意しましょう。

①介護認定を受ける
(市区町村から要介護または要支援の認定をうけること。)

②住宅改修についてケアマネージャー等に相談する

③申請書類等一部提出する(事前申請)
工事が始まる前に必ず市区町村に事前申請を行う。
保険者が保険給付として適当な改修かどうか確認する。
工事費の見積もり書などを提出する。

④着工、支払い
事前申請の審査結果を受けてから着工する。
工事費は全額支払う。

⑤事後申請
工事完了後に再度申請する。

⑥住宅改修費支給

4-5.注意点

  • 介護保険住宅改修費は工事費の全額支払い後、給付されます
  • 申請の際に必要な「住宅改修理由書」の作成は居宅介護支援事業者等に所属する介護援専門員もしくは作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級以上などの資格保有者に限ります。

5.市区町村による住宅改修の助成金制度について

4章では介護保険住宅改修費について見てきました。この章では、介護保険とは別の、市区町村が独自に行う住宅改修費の支給制度についてお伝えします。各市区町村によって内容は異なりますので、参考程度にご覧ください。

5-1.支給される条件

 支給される条件はお住まいの市区町村によって異なります。ここでは、条件の項目として多かったものを挙げていきたいと思います。

  • 介護保険制度の要介護または要支援認定を受けていること。
  • 所得による制限。
  • 納税額(市民税、所得税等)による制限。
  • 市税の滞納がないこと。          
  • 家族全員の年齢規定。

などなど全体的に介護保険の住宅改修費制度に比べて、条件内容が厳しくなっています。また、納税や収入に関する項目が加わっている市区町村が多く見受けられます。

5-2.対象工事

市区町村によって、対象となる工事内容も異なります。介護保険の対象工事と被る部分も多い一方で、介護保険の対象工事に含まれていないものも対象に含む市区町村もあります。

対象工事一例

対象工事

5-3.支給内容

市区町村別の住宅改修費制度の支援内容は以下のようなものがあります。

  • 助成金の支給
  • 融資
  • 利子補給

介護保険制度は助成金のみでしたが、そうでないものもあります。これらすべての支援体制をとる地区もあれば、どれかひとつの地区もあります。金額については助成金支給の場合、その限度額は介護保険で支給される額(最高18万円)に近いもの、もしくはかなり多いところもあります。一方、融資の場合は無利子で高額の融資を受けることができる地区が多いです。

5-4.介護保険との併用はできるのか

4章で見た介護保険の助成金制度と併用して使えるところが多いです。対象工事の内容がどちらも被るものがありますが、基本的には介護保険の助成金制度を優先的に適用します。また、市区町村の住宅改修費制度は条件が厳しい傾向にあるので併用が難しいケースも十分に考えられます。各市区町村によって内容は異なりますので、お住まいの地域のHPや窓口でご確認下さい。

より詳しく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。
>>介護リフォームで使える補助金は2種類!どんな工事が対象?申請方法は?

6.介護トイレのリフォーム時の注意点

6-1.手すりの取り付けには要注意

6-1.手すりの取り付けには要注意

手すりのリフォームをする際には実際に使用する人の使い勝手を確かめながら選びましょう。従って、本人不在で手すりの種類や位置を決めないようにしましょう。

6-2.業者選びに注意  

リフォーム業者だからといって介護の専門的な知識を兼ね備えているとは限りません。そのため、手すりの設置等を何も考えずに行ってしまう業者もいます。

また、介護保険家改修費(20万円)以内でリフォームを賄おうとすると、手抜きやデタラメ工事をされる可能性もあります。そういった事を防ぐためにも見積もりを複数取ることをお勧めします。

福祉住環境コーディネーターなどが在籍していることや、介護のためのリフォーム施工実績が多い業者が好ましいでしょう。業者が介護リフォームの知識を豊富に持っているかを見極める事が重要です。

6-3.リフォーム期間の注意

トイレのリフォーム期間の目安は以下の通りです。

リフォーム期間の注意

 トイレ全体をリフォームするなどの場合、数日間自宅のトイレを使用できない場合があります。その際には仮設トイレを業者が用意してくれます。しかし、この仮説トイレは有料で、設置や撤去費用、レンタル代金もかかりますので注意してください。

また、介護状態のご家族がいる場合、ショートステイを利用することやポータブルトイレで代用することもできます。いずれの場合もケアマネージャーなどと十分相談して決める事をお勧めします。


7.まとめ

介護用にトイレをリフォームするために、考えるべきことはたくさんあります。

家族やケアマネージャー、専門知識をもつ業者などと十分相談することが大切です。そして、それぞれの状況に合った適切なリフォームをしましょう。

介護する側もされる側も快適なトイレにする為に、上記の内容を参考にしっかり吟味してみて下さい。

以下の記事にもトイレリフォームをする際に役立つ情報が満載ですので、是非ともご参考ください。

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