築50年の住宅はリフォームか建て替えか?費用や判断ポイントで比較

築50年リフォームか建て替えか

築50年ともなると家のあちこちに不具合や傷みが目立ちます。
「リフォームするとしたらどのくらい費用がかかるのか」「リフォーム後は何年くらい住めるのか」「安全面も考えると建て替えたほうがよいのだろうか」など、悩みは尽きません。

この記事では、リフォームと建て替えのどちらを選ぶかを判断するためのチェックポイントを紹介し、それぞれのメリット・デメリットや費用相場について解説します。快適な住まいを手に入れるために役立ててください。


【4つの判断ポイント】築50年の家はリフォームか?建て替えか?

リフォームと建て替えのどちらがいいかはケースバイケースです。
築50年を経た家は劣化が進んでいるため、リフォームをする場合も大規模な工事になることが予想されます。家の状態や予算はもちろん、将来のライフプランも見据えて慎重に検討する必要があるでしょう。

以下に紹介する4つの観点から、どちらが適しているかを判断してみてください。

[1]将来のライフプラン・家族構成

まず、現在の家にあと何年くらい住むのかを考えましょう。

例えば「子どもが独立して夫婦二人の生活になったら、コンパクトな間取りのマンションに住み替えたい」といった希望がある場合、住み替えまでの期間が10~20年程度であればリフォームのほうが費用を抑えられます。建物の傷み具合にもよりますが、屋根や柱などの状態が良ければ、内装と水回り設備のフルリフォームで随分と暮らしやすい家になるはずです。水回り設備の寿命は15年前後なので、その頃を目安に住み替えの検討ができます。

反対に「老後も現在の家に住み続けたい」「子世帯と暮らせる二世帯住宅に住みたい」といった場合は、バリアフリー住宅や二世帯住宅に建て替えたほうがよいでしょう。家がまるごと新しくなるので、リフォームするよりも長く住み続けられます。

この先長く住む想定なら住み替え、住み替える予定があるならリフォームがおすすめです。
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[2]建物の状態

築50年を経た家では、雨漏りやシロアリ被害で木部がボロボロになっていたり、給排水管にサビが出ていたりと、外からは見えないところに問題があるケースが珍しくありません。
そのため、リフォームでは「スケルトンリフォーム」を行うケースが多くなります。スケルトンリフォームでは屋根・柱・基礎などの主要構造部を残して解体し、柱や土台の状態を入念にチェックします。傷んだ部分があれば補強したり部材を交換したりするため、隠れていた問題はすべて解決できます。

ただし、あまりに傷みが激しく修繕で対応しきれない場合は、建て替えたほうが安心です。まずは建物診断の専門家に調査を依頼し、家の状態を正確に把握してからリフォームか建て替えかを選択しましょう。

建物の傷みが激しい場合は、建て替えがおすすめです。
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[3]耐震性

築50年の家は1981年以降の「新耐震基準」に適合していない可能性が高いでしょう。
リフォームか建て替えかを決める前に、専門家の耐震診断を受けることをおすすめします。リフォームと同時に耐震補強工事を行うのも方法ですが、費用は高額です。建て替えたほうがコストを抑えられる可能性もあるので、まずは確認してみましょう。

築50年の住宅は、耐震性に問題がある場合が多く、リフォーム時には耐震補強工事も必要になることが。建て替えてしまったほうがコストがかからないかもしれません。
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[4]費用

基本的には建て替えよりもリフォームのほうが費用を抑えられます。ただし、築50年の家は補修すべき箇所が多く、建て替えのほうが安くつくこともあります。
業者に見積もりを依頼するときはリフォーム・建て替え両方のプランを出してもらい、比較検討するようにしましょう。

築50年の家の場合、リフォームと建て替えでどちらが安くなるかは判断しづらいところです。
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[参考]リフォームを選ばざるをえない場合

建物が現行の建築基準法に適合していない「再建築不可」の建物の場合、広さなどが同じ条件の建物に建て替えしようとすると建築確認申請が通らないため、リフォームで対応することになります。例えば、敷地が幅4m以上の道路に2m以上接していない「接道義務違反」の建物などが「再建築不可物件」にあたります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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ただし、2025年に予定されている建築基準法の改正により、一般的な木造2階建ての住居で大規模なリフォームをするときにも建築確認申請が必要になります。再建築不可物件に当たる物件でリフォームしたい場合は、改正前に済ませてしまうのがおすすめです。

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【比較】築50年リフォーム・建て替えのメリット・デメリット

リフォームと建て替えには、それぞれメリット・デメリットがあります。ここでは、築50年の家のリフォームあるいは建て替えに、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。

築50年リフォームのメリット・デメリット

メリット デメリット
  • 費用を抑えやすい
  • 建て替えよりも工期が短い
  • もともとの間取りがあるためプランを考えやすい
  • 思い出を残せる
  • 廃材が少なく環境負荷や廃材処理費を抑えられる
  • 構造によっては間取りを自由に変更できない
  • 追加費用が発生する可能性がある

古い建物には現在では手に入りづらい建材が使用されていることがあります。
自然の姿をそのまま残した柱や梁、繊細な細工の組子障子などを再利用できれば、リフォーム費用を抑えられるだけでなく、アンティークな魅力を持つ家に仕上がるでしょう。子どもの頃から住んでいた家なら、柱のキズや壁の落書きにも愛着がある方も多いかと思います。そうした思い出を残せるのも、リフォームのメリットです。

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現代のニーズに合わない使いにくい間取りは、リフォームで改善することができます。
ただし、2×4工法のように壁で建物を支える構造の場合は一定の制限があり、自由に間取りを変えることができません。
また、雨漏りやシロアリ被害など見えない部分に劣化が発見されたときは、追加工事が発生し、その分の費用が加算されます。

築50年建て替えのメリット・デメリット

メリット デメリット
  • 間取りやデザインの自由度が高い
  • 最新の住宅性能を持つ家になる
  • 建物の資産価値が高まる
  • 解体費用などのコストが増える
  • 工期が長く、仮住まいの費用が比較的多くかかってしまう
  • 思い出を残せない
  • 固定資産税・都市計画税が高くなる

リフォームと違って家をまるごとつくりかえるため、間取りやデザインを自由に選べるのは大きなメリットでしょう。長期優良住宅の認定を受ければ、住宅ローンの金利引き下げや地震保険料の割引なども受けられます。

一方、リフォームよりも工期が長くなるため、賃貸住宅で仮住まいをする場合はその分の家賃がかかることに注意しましょう。また、建物が新しくなって資産価値が高まることにより、固定資産税・都市計画税の負担が増える可能性があります。


【比較】築50年リフォーム・建て替えの費用

リフォームや建て替えにかかる費用は、家の規模や工事内容、設備や建材のグレードなどによって大きく変動します。築50年の家ではどのくらいの費用がかかるのか、相場を押さえておきましょう。

築50年リフォームの費用相場

以下にまとめたのは、木造軸組み工法の家でスケルトンリフォームを行う場合の費用相場です。

延床面積 費用相場
20坪(66㎡) 1,200~1,600万円
25坪(82.5㎡) 1,500~2,000万円
30坪(99.9㎡) 1,800~2,400万円
40坪(132㎡) 2,400~3,200万円
50坪(165㎡) 3,000~4,000万円

劣化の度合によっては追加工事が発生する可能性があります。予算は多めにとっておくとよいでしょう。

築50年建て替えの費用相場

国土交通省の調査によると、2022年度の建て替え費用の全国平均は4,487万円でした。自己資金率は46.7%で、自己資金平均は2,093万円、借入金平均は2,394万円となります。これはあくまで平均値であり、築50年の家の建て替えにかかった費用ではありません。しかしながら、リフォームよりも高額になるのは確かです。ローンを組む場合は無理のない返済ができるよう、事前に返済シミュレーションを行ってから借入額を決めるようにしてください。

出典:令和4年度 住宅市場動向調査|国土交通省


まとめ

リフォームと建て替え、どちらにもメリット・デメリットがあります。いずれにしても築50年となると高額な費用がかかる可能性があるため、まずはリフォーム・建て替え両方に対応できる業者に相談してみましょう。

リフォームガイドでは、各社の得意不得意をよく知る専門のコンシェルジュが、建て替えにも対応できる優良リフォーム会社を選んでご紹介することができます。業者選びにお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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