窓の結露がひどい!原因と対策を徹底解説|家の価値を守るメンテナンス術

窓の結露がひどい

冬になると、毎日のように起こる結露。
結露による水滴を放置するとカビやダニの発生につながり、家族の健康だけではなく住宅の資産価値まで損なってしまう恐れがあります。
度々結露が起こっているのなら、早めに対策を考えたほうがよいでしょう。

そこで本記事では、結露の原因やすぐにできる対策、根本から解決するリフォーム方法などを紹介します。ぜひ最後まで目を通してみてください。


1.窓の結露の原因は室内外の温度差。カビやダニ繁殖の要因に

そもそもなぜ結露が起こるのか、まずは発生原因と水滴を放置するリスクを説明します。

1-1.結露は室内外の温度差が引き起こす現象

窓の結露イメージ

もともと空気中には水蒸気が含まれていますが、空気が含める水分量は温度によって決まっており、温度が高くなるほど多くなり、温度が低くなると少なくなります。
そして温度の変化によって含みきれなくなった水分は、水滴になって現れます。
これが『結露』です。

室内の結露は、室内の暖かく湿った空気が冷えた窓や壁、天井などにぶつかることで発生します。加湿器が置かれた部屋、浴室、キッチン、部屋干しをしている部屋のように暖かく湿った場所は、とくに結露が起こりやすくなります。

1-2.窓の結露が及ぼす住まいと暮らしへの悪影響

結露は水滴なので、放置しても油汚れのようにベタつくわけではありません。
しかし結露自体に問題はなくとも、水滴がカビやダニの発生につながり、さまざまな健康被害や住宅被害を引き起こす原因になってしまうのです。

■カビやダニがアレルギーの原因に

結露でもっとも注意したいのが、カビやダニの発生です。
どちらも高温多湿の環境を好む性質があるため、水滴を放置すると、あっという間にカビとダニの温床になってしまいます。
カビが発生すると3週間ほどで部屋全体に胞子が広がってしまうので、窓だけではなく壁紙やフローリング、家具などにもカビが発生する恐れがあります。

カビは鼻炎や喘息、皮膚炎などのアレルギー症状を引き起こす要因になるため、小さな子どもやアレルギーをもつ方がいる家庭ではとくに注意が必要です。

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■家の耐久性や耐震性にも影響し、資産価値を下げることに

結露には2種類あり、1つが窓や壁の表面に水滴が現れる『表面結露』、もう1つが壁の内部や天井裏、床下に水滴が現れる『内部結露』です。表面結露は水滴が目に見えてわかるため、拭き取るなどの対策がすぐにできます。
一方で内部結露は壁内や床下の見えない場所で起こるため、拭き取りはもちろん、発生に気づくことすらできません。

日常的に内部結露が発生していると、構造材や断熱材が腐食してしまう恐れがあります。構造材が腐食してしまうと住宅寿命を縮めるだけではなく、耐震性に影響することも。結露の発生には断熱性と気密性が影響しているので、表面結露が起こりやすい住宅なら、内部結露も疑ったほうがよいでしょう。


2.今年の結露に対応したい!窓の結露を抑えるお手軽対策

結露が起こるメカニズムを説明したので、ここからは自宅で行える対策をお伝えします。
どれもすぐにできるものなので、まずはこちらを試してみるとよいでしょう。

2-1.こまめな換気で湿度をコントロール

換気イメージ

もっとも簡単かつすぐにできる対策が、換気です。
湿った空気を外へと逃がすことで室内の湿度を下げて、結露を防ぎます。換気の間隔は1時間おきに10分程度が目安。対角線上の窓を2か所開けて、空気の通り道をつくるのがポイントです。

ただし、換気時にはエアコン付近の窓は開けないように注意してください。急激に温度が下がると暖房負荷がかかり、電気代が上がる原因になってしまいます。

2-2.除湿機で湿度をコントロール

結露は湿った空気が原因で発生するため、除湿機で湿度を下げるのも効果的です。
除湿機には空気を冷やして湿度を下げる『コンプレッサー方式』と、機械内部の乾燥剤(ゼオライト)に水分を吸着させる『デシカント方式』があります。
室温が低くなりがちな冬場の結露対策には、デシカント方式の除湿機がおすすめです。

2-3.窓の結露防止グッズで対策

ホームセンターや100円均一などには、手軽に購入できる結露防止グッズが多くあります。その中でもとくに効果的なのが、この3つです。

  • 結露防止シート
  • 結露防止テープ
  • 結露防止スプレー

シートとテープは窓やサッシの表面に貼り付けることで、室内外の気温差を和らげて結露を防ぎます。貼るだけで簡単に結露対策できますが、シートやテープにカビが発生しやすいため、定期的な交換が必須です。

スプレーは窓表面をコーティングして水滴を吸収し、水垂れを防ぎます。効果の持続期間は2週間〜1か月程度なので、こちらも定期的に窓拭きとスプレーの吹き付けが必要です。

2-4.プチプチ・段ボールなどを窓に貼って断熱対策

窓にプチプチイメージ

結露防止シートやテープと同じ仕組みで、窓表面にプチプチ(気泡緩衝材)や段ボール、新聞紙などを貼る方法もあります。結露対策だけではなく寒さ対策にもなり、自宅にあるものでできる手軽さがメリットです。
しかしどの素材も窓表面に貼ると外が見えなくなり、素材自体が水分を吸収してカビやダニの温床になる心配もあります。こまめに掃除や交換をすれば問題ありませんが、あまりおすすめはできません。

2-5.室内の温度を上げすぎない

前述のように、室温が高くなると空気が含める水分量も増えます。そのため、室温を上げすぎないのも結露対策として有効です。
環境省が推奨している冬のエアコン稼働時の室温は20℃なので、暖房の設定温度を調整するのもひとつ。こたつやひざ掛け、電気毛布などと併用するのなら、寒さを感じることなく過ごせるでしょう。

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一方でエアコンのみの稼働での室温20℃は、少し肌寒く感じてしまうかもしれません。結露が発生しづらい22℃〜25℃を目安に、過ごしやすい設定温度に調整してみてください。
その設定温度でもまだ寒いと感じるのなら、次章で紹介する断熱リフォームで、家の断熱性を高めることをおすすめします。


3.窓のリフォームで根本的に結露対策しよう

前章で紹介した方法は結露対策としては有効ですが、結露しやすい環境を根本的に解決しているわけではありません。「対策をしても結露が起こる」「部屋が寒い」と感じているのなら、窓をリフォームして住宅の断熱性を高めることをおすすめします。

3-1.樹脂サッシへの交換

樹脂サッシイメージ

既存の窓サッシがアルミ製なら、樹脂サッシ(フレーム)へと交換するのが効果的です。
樹脂素材はアルミ素材の約1,400倍の断熱性をもっているため、結露対策としてだけではなく、断熱性の向上にもつながります。
全部屋の交換が難しい場合は、過ごす時間が長いリビングや出入りが多いベランダの窓、物干し部屋だけでも交換すれば、効果を感じられるでしょう。

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3-2.複層ガラスへの交換

複層ガラスイメージ

自宅の窓が単層(1枚)ガラスなら、複層ガラスへの交換も検討しましょう。
ガラスの間に空気層を挟んだ構造になっているため、結露、紫外線、防音、防犯などの住宅にありがちなさまざまな問題の対策として効果的です。

温暖な地域であれば2層の複層ガラスで十分ですが、寒冷地エリアの住宅や日当たりの悪さが気になる住宅には、より高い断熱性をもつトリプルガラスがおすすめです。
複層ガラスにはさまざまな種類があるので、今抱えている悩みや予算などから検討してみてください。

3-3.内窓の設置

二重窓イメージ

既存の窓の内側にもう1枚窓を設置するのも、結露対策に有効です。窓と窓の間に空気の層ができるため、仕組みや効果は複層ガラスと同じになります。
既存の窓を取り外すことなく設置できるので、撤去費用がかからないのが魅力です。窓やサッシの交換が原則禁止されているマンションでも、内窓ならば設置できます。

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3-4.調湿建材への交換

調湿建材イメージ

窓と同時に内装リフォームも検討しているのなら、調湿性が高い建材や壁紙の設置もおすすめです。湿気対策としても有効なので、冬だけではなく梅雨時期も快適に過ごせます。
ただし建材や壁紙が吸収できる水分量には限界があるため、それだけでは結露対策としてはやや不十分。他の対策とあわせて行いましょう

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4.窓の結露対策リフォームを行う際の注意点

ここまで結露対策やリフォーム方法を説明してきましたが、それらを検討する前に、いくつか知っておきたい注意点もあります。
失敗しないためにも、しっかりと目を通しておきましょう。

4-1.適切な断熱性能の商品を選ぶ

結露対策には、断熱性を高めることが有効だとお伝えしました。
しかし漠然と断熱性が高い建材を使うのではなく、地域の気候風土に合わせた断熱方法を考えることもとても重要です。
その際に指標のひとつになるのが、断熱性能を段階的に分けた『断熱等級』です。

断熱等等級

域に合わせたUA値をもとに等級が決まるため、その数値を目安にリフォーム内容や建材を決めるのがポイントです。
リフォーム会社への相談時には「断熱等級5相当にしたい」など希望する等級を伝えれば、具体的な提案を受けられるでしょう。

4-2.断熱目的の窓リフォームには補助金が出る場合も

住宅の断熱性を高めることは、省エネ性の向上にもつながります。
日本では2030年のカーボンニュートラルを目指して、年度ごとにさまざまな省エネ補助金を支給しています。

そのひとつが『先進的窓リノベ』です。断熱性が高い窓やサッシの交換、内窓の設置を行うと、最大200万円(改修費用の1/2相当)が支給される可能性があります。
ただし制度を利用するためには、商品の種類やサイズ、グレードなどに細かな指定があるため、まずは補助金制度の登録事業者となっているリフォーム会社に相談してみてください。

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5.窓の結露対策リフォームの事例

ここまで多くの結露対策を紹介したため、「結局どの方法がいいのかわからない」と感じた方も多いはずです。たしかに住宅の状況や地域によって最適な結露対策は異なりますが、実際にリフォームをした人がどのような工事をしたのかも、気になりますよね。
最後に、結露対策の窓リフォーム事例を3つ紹介します。

5-1.マンションの内窓を設置

※横にスクロールできます

事例1-1
事例1-2

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事例1-3
事例1-4
建物 マンション
築年数 30年
費用 27万円
工期 1日

マンションの掃き出し窓と引き違い窓に、内窓を設置した事例です。
管理規約の関係で窓本体とサッシの交換はできないため、LIXILの内窓『インプラス』を設置しました。
熱伝導率が低い樹脂素材で寒さを防ぎ、さらに窓が二重になったことで断熱性がアップ。リフォーム前の悩みだった、角部屋の寒さと結露を解消できるリフォームとなりました。

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/80

5-2.断熱性の高いアルミと樹脂の複合窓枠を採用

※横にスクロールできます

事例2-1
事例2-2
建物 戸建て
築年数 40年
費用
工期

築40年で断熱性が低かった住宅の窓を、高断熱窓枠へと交換した事例です。
戸建て住宅ならではの大きな掃き出し窓からの熱損失が大きく、結露も発生していたため、断熱性を考慮してアルミと樹脂の複合窓枠を設置しています。

複合窓枠は外側が耐候性の高いアルミ、内側が断熱性の高い樹脂になっているため、それぞれのいいとこどりをできるのがポイントです。断熱性の低さを根本から解決し、結露を防ぐリフォームとなりました。

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/844

5-3.内窓と調湿壁材の合わせ技で結露対策

事例3-1

事例3-2

建物 戸建て
築年数 25年
費用
工期

新築時からの悩みだった結露を、内窓と調湿壁材で解消した事例です。
外壁側のほとんどが掃き出し窓になっているリビングは、明るく開放感があるものの、冬場の結露がひどくカビの温床になっていました。そこでこのリフォームでは、断熱性の向上と湿気対策の2種類のリフォームを行っています。
窓にはLIXILの内窓『インプラス』を取り付けて断熱性を高め、さらに湿度を調整するために、外壁側の壁には調湿、脱臭、吸着効果のある内装建材『エコカラット』を採用。
結露が発生する原因を根本から解決できるよう、しっかりと対策を行いました。

出典:https://www.yutoriform.com/products/full/remodeling/case/20/19/


6.まとめ

本記事では結露対策としてさまざまな方法を紹介してきましたが、実際にどの方法が適しているのかは、住宅の状況や環境、暮らし方によって異なります。
それらを把握しないまま対策をすると、思うような効果が得られないかもしれません。
結露対策として確実なのは断熱リフォームですが、「何からすればいいのかわからない」「費用がどのくらいかかるのか不安」など、疑問や不安点が出てくると思います。

そのようなときには、ぜひリフォームガイドをご活用ください。
お客さまの悩みをもとに、専属のコンシェルジュが窓のリフォーム実績が豊富な優良リフォーム会社を複数ご紹介します。まずはお気軽にご相談ください。

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