フローリングの種類を徹底解説|自分好みのフローリングを選ぼう!

フローリング種類

「フローリングにはどんな種類があるの?」

「それぞれの特徴や違いを知ったうえでフローリングを選びたい」

新築やリフォームに際して、このようにお悩みではないでしょうか?

フローリング材は大きく分けて無垢フローリングと合板(複合)フローリングの2種類があります。さらに木材の種類や幅、張り方などによって、仕上がりの印象が大きく変わることが特徴です。

フローリングは、一度張り替えると長期間そのまま過ごすことになります。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、種類や特徴をできるだけ詳しく把握し、納得したうえで選びたいですよね。

そこで今回は、自分好みのフローリングを選べるようになるために、フローリング材の種類について、材質や使用される木材の種類、選び方などさまざまな観点から詳しく解説していきます。フローリングのリフォームにかかる費用の目安もご紹介しますので、ご参考にしてください。


1.フローリングの種類によって印象はこんなに変わる! 

フローリングは以下の要素ごとにいろいろな種類があり、どれを選ぶかで印象が大きく変わります。

  •  材質
  •  幅
  •  木材(色・木目)
  •  張り方

それぞれどのような見た目になるのか見てみましょう。

1-1.「材質」の種類 

フローリングは使われている材質により、「無垢フローリング」と「合板フローリング」の2種類に分かれます。無垢フローリングは、無垢材を板状に加工したものです。天然木100%でできているので、ナチュラルで暖かな雰囲気を演出できます。

▼無垢フローリング

無垢フローリング

無垢フローリング

一方合板フローリングは、合板や集成材などを基材とした上に、薄くスライスした天然木や木目が印刷されたシートを化粧材として張り合わせて作られます。

▼合板フローリング

合板フローリング

合板フローリング

写真からも分かるように、とくに天然木を化粧材にしているタイプは、見た目的には無垢材と変わらないものも少なくありません。シートタイプについても、近年の印刷技術の向上で、天然木を使用したタイプと並べても遜色ないものが増えています。ただし製品によっては、若干見劣りするものもあります。

無垢フローリングと合板フローリングの特徴や違いは、次章で詳しくご紹介します。

1-2.「幅」の種類 

フローリング材の幅も時代とともに変化を続け、最近は以前より幅が広いフローリングが出てきています。

無垢フローリングでは60mm〜110mm、合板フローリングなら75mm〜303mmと、さまざまな幅の選択肢があります。一般的な幅は、75mm〜90mmといわれています。

▼フローリングの幅による印象の違い  

 幅の広いフローリング

幅の細いフローリング

引用:https://www.lixil.co.jp

基本的には幅が広いフローリング材を使用すると部屋が広く見え、幅が狭いとお部屋も狭く見えます。

1-3.「木材(色・木目)」の種類

無垢フローリングや化粧材に天然木を使用したタイプの合板フローリングは、使用されている木材の種類によって部屋の印象が大きく変わります。  

木材を使用したフローリング

木材を使用したフローリング

木材を使用したフローリング

フローリングに使用される木材の種類や特徴は、後ほど詳しくご紹介します。

1-4.「張り方」の種類  

フローリングは、張り方によっても印象が大きく変わります。  

ヘリボーン張りのフローリング

乱尺張りのフローリング

乱尺張り

さまざまな長さのフローリング材を使い、つなぎ目がランダムになるように張る方法で、もっともよく採用される張り方です。

りゃんこ張り

同じ寸法のフローリング材を、一定の幅でずらしながら張る方法です。木目のつなぎ目がそろうので、整然とした印象になります。

斜め張り

フローリング材を壁に対して斜めに張っていく方法です。部屋に動きが出て、床の印象が強くなります。

すだれ張り

同じ長さのフローリング材を、つなぎ目をそろえて張る方法です。つなぎ目が一直線にそろい、整然とした印象を与えます。

市松張り

木片を組み合わせて市松模様に仕上げる張り方です。和風レトロな印象を与えます。

ヘリボーン張り

フローリング材で直角を作るように斜めに張っていく方法です。西洋風のレトロな雰囲気を演出できます。


2.フローリング材は「無垢」と「合板(複合)」2種類 

フローリング材は、使われている材質により「無垢フローリング」と「合板(複合)フローリング」の2種類があります。さらに合板フローリングは、構造によって「挽き板タイプ」「突き板タイプ」「シートタイプ」に分かれます。

フローリングの種類

それぞれの違いを比較できるよう、一覧にまとめました。

  無垢フローリング 合板(合板フローリング)
挽き板タイプ 突き板タイプ シートタイプ
構造
基材 天然木 合板 合板 合板
化粧材 化粧材は使用されていない
(100%無垢材)
2mm程度の厚み
に挽かれた天然木
0.3〜1mm程度の
厚さにスライス
された天然木
木目模様がプリ
ントされたシート
見た目 使用される木材
の種類により色
や質感が異なる
化粧材に使われ
る木材の種類に
より色や質感が
異なる。見た目
は無垢フローリ
ングと遜色ない。
化粧材に使われ
る木材の種類に
より色や質感が
異なる。見た目
は無垢フローリ
ングと遜色ない。
化粧材に使われ
るシートの質に
より印象が異な
る。印刷技術の
向上により天然
木に近い見た目
のものもある。
手触り 断熱性が高いた
め冬でも温かく
柔らかな手触り
硬質で冷やっとした手触り
メンテナンス 定期的にワック
スを塗る必要が
ある
無塗装なら定期
的にワックスを
塗る必要がある
ウレタン樹脂で塗装されているため
メンテナンスは基本的には不要
耐水性 × 無塗装のものは×
塗装されたものは〇
耐用年数 お手入れ次第で30年以上 約10〜20年
床暖房対応 対応できる製品もある 可能
価格の傾向 高価 やや高価 やや安価 安価

▼フローリング材による価格・木質感の違い

フローリング材による価格・木質感の違い


3.あなたはどのフローリング材を選ぶべき?  

フローリングには多くの種類があり、それぞれ特徴が異なることが分かりました。
しかし種類が多くて、どれを選べばいいのか余計に迷ってしまった人もいるのではないでしょうか?
ここではどのフローリングが、どんな人に向いているかをご紹介します。

無垢フローリングを選ぶとよい場合 

無垢フローリングは、ある程度のコストをかけてでも、天然木の持つ自然な温かさや経年による風合いの変化を楽しみたい人に向いています。また、無垢フローリングには接着剤が使用されていないので、シックハウスが気になる方や化学物質にアレルギーがある方におすすめです。

合板フローリング(挽き板)を選ぶとよい場合

挽き板タイプの合板フローリングは、コストは抑えつつ天然木がかもし出すナチュラルな雰囲気を楽しみたい人に向いています。ただし化粧板に使用されている木材の種類によっては、無垢フローリングよりも高くなる場合もあるので注意しましょう。

合板フローリング(突き板)を選ぶとよい場合

突き板タイプの合板フローリングは、さらにコストを抑えて天然木の持つ自然な雰囲気を演出したい人に向いています。突き板タイプに使用される化粧板は厚さが0.3〜1mm程度しかないので、はがれないよう塗装されています。ワックスでお手入れする必要がないので、メンテナンスに手間をかけたくない人にも適しています。

合板フローリング(シート)を選ぶとよい場合

シートタイプの合板フローリングは、天然木が使用されたタイプよりも安価であることが多いので、価格を抑えて施工したい人におすすめです。塗装されておりワックスがけが不要となるため、メンテナンスの手間をかけたくない人に向いています。


4.フローリングに使われる木材8種類と特徴 

無垢フローリングや挽き板・突き板タイプの合板フローリングにはどのような木材が使われているのでしょうか?使用される主な木材を9種類ご紹介します。  

木材の種類 特徴
ブナ
淡い色合いで板目に斑点状の模様が出る。控えめで優しい印象。
硬く弾力性がある。
ナラ(オーク)
くすんだ褐色でシブい印象になる。
耐水性が高く、キズもつきにくい。
カバ
ほんのりピンクがかった色合いで、滑らかな手触り。
衝撃の吸収性が良い。
アサダ
心材は紅褐色で、辺材は白っぽく、優しい雰囲気がある。
「鉄の木」と呼ばれるほど硬い。
カエデ(メープル)
ほんのりと優しいピンク色で部屋が明るくなる。
きめ細かくツルツルした肌触り。
硬く傷がつきにくい。
チーク
明るめから黒に近い茶色で高級感がある。
油分が多く水に強い。
しっとりとした肌触り。
ヒノキ
優しい赤みが上品な雰囲気をかもし出す。
独特の芳香と適度な強度があり、耐水性にも優れている。 
スギ
辺材部分は白く、心材は赤みがかっている。
柔らかで踏み心地がいいが傷つきやすい。

画像出典:https://www.muku-flooring.jp/wood_list.html


5. フローリング材の種類別、張り替えなどリフォーム費用  

ここからは、フローリング材の種類別に張り替えなどのリフォーム費用の目安をご紹介します。

5-1.現在の床がフローリングの場合 

現在の床がフローリングの場合、リフォームするときには「張り替え」と「重ね張り」の2つの方法があります。

「張り替え」は、既存のフローリングを撤去して新しいフローリング材を張る方法です。対して「重ね張り」は、既存のフローリングの上に新しいフローリング材を張っていきます。重ね張りは既存のフローリング材を撤去する工事や処分費がかからないので、張り替えよりも安く施工できます。

「張り替え」と「重ね張り」のリフォーム費用の目安は以下のとおりです。

床材の種類 張り方 防音 費用相場(万円)
4.5畳 6畳 8畳
合板フローリング 重ね張り なし 8.6〜10.2 10.1〜12.3 12.1〜15.0
あり 9.4〜11.5 11.2〜13.9 13.8〜17.1
張り替え なし 9.8〜12.7 11.7〜15.5 14.2〜19.3
あり 11.8〜13.4 14.3〜16.5 17.7〜20.6
無垢フローリング 重ね張り なし 9.0〜11.5 10.6〜13.9 12.8〜17.1
あり 12.6〜14.6 15.4〜18.1 19.1〜22.7
張り替え なし 12.8〜14.6 14.9〜18.1 18.4〜22.7
あり 13.0〜15.8 15.9〜19.7 19.9〜24.9

※マンションでは管理規約上、「防音あり」にする必要あり
※無垢フローリングはスギ材の前提
※防音ありは、マンション管理規約でよく定められているL-45の前提
※巾木の取付費、現場管理費込み、税込の前提

なお、重ね張りした場合には、6~15ミリ程度の段差ができてしまう、下地の補修はできないなどのデメリットがある点には注意が必要です。

5-2. 現在の床がクッションフロア・カーペットの場合

現在の床がクッションフロアやカーペットの場合、簡単にはがしてフローリングに張り替えられるため、工事費は比較的安価になります。張り替え費用の目安は以下のとおりです。

床材の種類 防音 費用相場(万円)
4.5畳 6畳 8畳
合板フローリング なし 7.2〜8.9 9.3〜10.4 9.6〜12.5
あり 10.5〜12.5 12.6〜15.3 15.4〜19.0
無垢フローリング なし 7.6〜10.1 8.8〜12.0 10.4〜14.7
あり 10.9〜13.7 13.1〜16.9 16.1〜21.2

※マンションでは管理規約上、「防音あり」にする必要あり
※無垢フローリングはスギ材の前提
※防音ありは、マンション管理規約でよく定められているL-45の前提
※巾木の取付費、現場管理費込み、税込の前提

5-3. 現在の床が畳の場合

現在の床が畳の場合は、高さをそろえるために下地の調整が必要になるため、張り替え費用は比較的高くなる傾向があります。畳からフローリングへの張り替え費用の目安は以下のとおりです。

床材の種類 防音 費用相場(万円)
4.5畳 6畳 8畳
合板フローリング なし 12.6〜14.2 15.4〜17.6 19.1〜22.0
あり 15.8〜17.8 19.7〜22.4 24.9〜28.5
無垢フローリング なし 13.0〜15.4 15.9〜19.2 19.9〜24.2
あり 16.2〜19.1 20.3〜24.0 25.6〜30.7

※マンションでは管理規約上、「防音あり」にする必要あり
※無垢フローリングはスギ材の前提
※防音ありは、マンション管理規約でよく定められているL-45の前提
※巾木の取付費、現場管理費込み、税込の前提


6.フローリングに似た「フロアタイル」と「クッションフロア」とは? 

床材のなかには、フローリングに似せて木目が施されたものもあります。代表的なのは「クッションフロア」と「フロアタイル」です。それぞれの特徴や違いの比較を一覧にまとめたので確認してみましょう。

▼フローリング調のクッションフロア

フローリング フロアタイル クッションフロア
素材 無垢材や合板 硬質塩化ビニール 塩化ビニール
厚さ 12mm〜15mm 2.0mm〜3.0mm 1.8mm〜3.5mm
耐久性 ×
耐水性 無垢:×
合板:〇〜×
メンテナンス性 無垢:×
合板:〇〜×
クッション性 ×
施工方法 サネと呼ばれる凹凸を組み合わせながら張っていく タイルのようにピースごとに張っていく シートを広げて接着していく
価格の傾向 高価 中間 安価

フロアタイルもクッションフロアも塩化ビニール製であるため、とくに無垢材フローリングの天然木の質感は感じられません。しかし近年プリント技術が向上したおかげで、見た目は本物の木に近い製品が多く販売されています。

またフロアタイルもクッションフロアも厚さが薄く、手軽に施工できることがメリットです。フローリングの劣化が気になるけれども張り替えコストはかけたくないときには、フローリングを重ね張りするよりも安価に、そして薄く仕上がります。


7. フローリング材選びの注意点・ポイント

ここではフローリング材を選ぶときの注意点やポイントをご紹介します。

7-1. 広い面積の部屋は、面積効果に注意する

広い面積の部屋にフローリングを張るときには、面積効果に注意が必要です。

面積効果とは、同じ色でも面積が大きくなると彩度・明度ともに高く見える現象を指します。そのためカタログや見本などで見た色よりも、実際に床に張ったときのほうが明るく見えることを想定したうえで、フローリング材の色を選ぶことが大切です。

具体的には明るい色を選ぶときにはワントーン暗めのものを選ぶと、広い床に張ったときに「思ったより明るすぎた」といった失敗がありません。反対に暗めの色を選ぶときにはワントーン明るめのものを選ぶと、予想以上に暗くなりすぎるのを防げます。

7-2. マンションはフローリング材に規定がある場合がある 

マンションでは、使用できるフローリング材に遮音等級に関する規定を定めているのが一般的です。マンションは階下への騒音トラブルが多いことが理由です。

マンションでフローリングを張り替えるときには、管理組合に工事の許可申請をおこないますが、その際にフローリングの遮音等級が規定値を満たしていないと許可が下りません。フローリングのリフォームを検討するときには、マンションの管理規約や細則で規定値を確認しましょう。

7-3.リフォームだと、壁紙や家具など家の雰囲気も考えて選ぶ

新築であれば、床や壁の色にあわせて家具をそろえていけますが、リフォームではすでにある壁紙と家具から床色を決めると失敗を防ぎやすくなります。

たとえば既存の家具がビンテージ風の重厚感のあるものが多いなら、明るい色のフローリングよりもダーク系を選ぶほうが、違和感がありません。部屋全体のイメージを刷新したい場合は、思い切って壁紙もあわせてリフォームを検討するのがおすすめです。


8. まとめ

フローリングは大きく分けて無垢フローリングと合板フローリングに分かれますが、さらに使用される木材や張り方、幅などによって仕上がりが大きく違います。リフォームの場合は、既存の壁や家具と雰囲気を合わせることを意識して選ぶと「こんなはずじゃなかった」といった失敗を防げます。

今回の記事を、後悔のないフローリング材選びのご参考にしてください。

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