
40坪の家の外壁塗装にかかる費用相場は、80~150万円です。使用する塗料・家の形・立地条件などにより費用は大きく変わります。
ここでは40坪の家の外壁塗装にかかる費用を、大まかな相場から、工事内容ごとの詳細費用まで解説します。
見積り例を使って、一見難しい専門用語も、工事内容からわかりやすくご紹介します。
以下のような方は、ぜひ読み進めてみてください。
- 外壁塗装を検討してるけど、いくらかかるの?
- 見積もりを既にもらったけど、妥当な金額なの?
相場や項目についての知識をつければ、信頼できる業者かを見抜くことができますので、ぜひ参考にしてください。


1.40坪の家の外壁塗装をする相場は80~150万円
塗料の種類 | 費用相場 |
---|---|
ウレタン塗料 | 80~100万円 |
シリコン塗料 | 95~120万円 |
フッ素塗料 | 110~140万円 |
無機塗料 | 120~150万円 |
外壁塗装は、耐久年数が高い塗料を選択すれば、塗り替え頻度は少なくなりますが、材料費が高いため、全体の工事費用が高くなります。
屋根塗装も同時に行うと105~185万円
塗料の種類 | 外壁+屋根の費用相場 |
---|---|
ウレタン塗料 | 105~135万円 |
シリコン塗料 | 120~155万円 |
フッ素塗料 | 135~175万円 |
無機塗料 | 145~185万円 |
屋根塗装も外壁塗装と同時に行った方が、コストパフォーマンスに優れています。屋根、外壁塗装工事を別々で行なってしまうと、足場代がそれぞれかかってしまうためです。
2.工事内容ごとの相場を知ろう
大体の費用相場が分かったところで、もう少し詳しく「工事内容ごとの費用」を見ていきましょう。
すでに塗装の見積もりを取っている場合、お手元の見積もり書と照らし合わせて見てみてください。高すぎる、または安すぎると疑問に感じた場合は、会社に詳しく聞いてみましょう。
※ただし、各社見積もりの書き方や計算の仕方は違うので、一例として参考にしてください。
【用語解説】
*1 コーキング打ち替え、増し打ち
コーキングは、サイディング壁に使われている防水材で、パネル間の隙間を埋める防水および緩衝材の役割を果たしています。「打ち替え」は、カッターで既存コーキングを撤去・新設する作業です。「増し打ち」は、サッシ周りなどのカッターを入れると中の防水紙を切ってしまう構造部において、既存コーキングの上にそのまま新しいコーキングを打つ作業です。
サイディング壁のみに行う工事で、モルタル壁の場合には必要のない工事です。
※コーキングの施工面積は住宅の形状等により変わります。
*2 破風、鼻隠し
破風、鼻隠しは、屋根の端にある面になった部分です。鼻隠しは、横どいの裏にある板がこの部分です。
*3 水切り
水切りは、土台と外壁の間にある鉄などでできた部材です。雨によって外壁が汚れないなどの役割を果たしています。
出典:https://home-life.co/2023/02/13/i%e6%a7%98%e5%a4%96%e8%a3%85%e6%96%bd%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e4%be%8b/
*4 下塗り
屋根・外壁塗装は、一般的な塗料で3回塗りとなります。1回目は下塗りと言って、外壁材や屋根材と塗料を接着する役割があります。ウレタン、シリコン、フッ素などの塗料の種類が異なっていても、下塗り材は共通であることがほとんどです。そのため、下塗り工程の単価は変わらず、中塗りと上塗りの単価だけが塗料のグレードによって変わります。
3.40坪の外壁塗装の見積もり例
ここでは、実際の40坪の外壁塗装の見積もりをした場合の例を、
- モルタル外壁
- サイディング外壁
に分けてご紹介します。
モルタル外壁40坪の場合の塗装見積もり例
サイディング外壁40坪の場合の塗装見積もり例
サイディングの場合、モルタル壁の塗装工事項目に加えて、コーキング工事が追加されます。
(安すぎる見積もりに注意!)
安すぎる見積りであっても注意が必要です。
【訪問営業で騙されるフレーズ】
- キャンペーン価格で30万円値引き!
- モニターを募集していて足場代金を無料にします!
- 補助金が降りるので工事費用が半額で済みます!
悪徳業者の場合には、安い代わりに、塗料を適切な量を塗布しない、手抜き工事を行うことがあります。
また、お客様が相場について知らないことを利用していることもあります。オリジナル塗料と言って高い金額を提示し、値引きで適正価格を提示している場合もあります。
上記の見積り例を参考にし、お手元に見積りがある場合は見返してみてください。内訳がなく、詳細が分からない場合は、必ず詳細な見積りを出してもらってください。
また、相見積もりを行い、2~3社の間で比較すると、より安心です。
4.相場より高くなりがちな場合
「この見積もり高すぎない!?相場とかなり違う」と感じることがあるかもしれません。相場よりも高くなってしまった場合に考えられる要因について、いくつかご紹介いたします。
4-1.高級塗料を使う場合
フッ素塗料や無機塗料といった高級塗料、遮熱・断熱塗料などの高機能塗料は、一般的な塗料よりも材料費が高いです。また、耐久年数が高く、保証期間も長いため、アフターメンテナンスの費用も多めに含まれている傾向にあります。
4-2.塗装面積が大きい家の形の場合
建坪40坪と坪数が同じ住宅であっても、住宅の形によって塗装面積は大きく変わります。ベランダが大きく出ているなど凹凸が多い家、横に長い住宅の場合などは塗装面積が大きくなるため、その分費用も高くなります。(正方形のスクエア型より、長細い形のほうが外壁面積が大きくなります)
4-3.立地が悪く、コストや人件費がかかる場合
狭小地でトラックを横付けできない場合、足場材を運ぶために時間がかかります。このように工事に支障が出る立地は、工事費用がかさむ原因となります。
作業車の駐車スペースが確保できない場合には、駐車料金が余分にかかります。また、施工店から遠方にある場合には、遠方料金が加算される場合もあります。
4-4.3階建ての場合
3階建ては、足場の費用が割増になるため、工事費用も高くなります。
4-5.外壁がかなり傷んでいる場合
外壁が著しく傷んでいる場合には、外壁の一部を塗装ではなく張り替えなどを行うことがあります。また、塗料を多く吸ってしまうことが予想される場合、その分多い塗料缶を使用するため費用が高くなることがあります。
5.外壁塗装の費用を抑える方法
外壁塗装は、100万円以上することがほとんどで、家計への負担を何とか少なくしたいですよね。そこで、補助金の活用や、相見積もりといった、賢く費用を抑える方法についてご紹介いたします。
5-1.補助金を活用する
自治体の補助金制度を活用してみましょう。塗装工事にも補助金を出している地域は少ないのですが、省エネのための遮熱塗装に補助金制度を設けている地域があります。自治体ごとに制度の内容が異なりますので、自身のお住まいの地域に問い合わせてみましょう。


5-2.相見積もりをする
3社ほど相見積もりを取ることで、費用相場がわかると同時に、業者間で価格競争が起きます。気に入った塗装業者に、他社の値引き額に少しだけでも近づけてもらうといった交渉材料にできます。ただし、手抜き工事につながるほどの過度な値引き交渉はやめましょう。
5-3.社内に職人がいる外壁塗装専門業者に依頼する
自社で職人を抱えている外壁塗装専門業者は、下請けに流して中間マージンを取ることをしていないため、工事費用もリーズナブルに設定されています。工務店やハウスメーカーなどの下請けを使っているところではなく、直接、塗装専門業者に依頼することで費用を抑えることができます。
5-4.火災保険を利用する
台風などの災害で外壁が傷ついてしまった場合には、補修費用を火災保険で補うことができます。突風により飛来物が当たり破損した場合なども対象となることがありますので、保険証書を確認し活用してみましょう。
信頼できる塗装業者を見つける方法
相見積もりを取ってみると、説明の仕方・内容で、どこが信頼できそうか見当がついてくると思います。ただし、話し上手なだけの業者もいることは事実です。
信頼できる業者かどうか判断するために、
・建築業許可、塗装技能士の資格有無
・自社施工が可能な業者か
・地域での施工事例はあるか
など、チェックするポイントがありますので、こちらも確認してみましょう。
5.まとめ
40坪の外壁塗装工事の相場は、塗料のグレードによって異なり、おおよそ80~150万円の間に収まります。単価の相場と実際の見積もりと比較し、相場から大きく外れていないか確認してみましょう。
信頼できる業者かどうか判断するために、相場と大きく外れていないだけで安心材料になります。依頼側も適切な知識を持つことで、業者と信頼関係を築くことができ、工事を成功させることができます。工事内容と金額に納得した上で、実際に工事を依頼しましょう。