
ライフスタイルの変化などにより、「住宅の間取り変更をしたい」という場面は、ときどき出てきます。
そして間取り変更については、「DIYでやりたい」と考えている人も多いはず。
たしかに、自力で間取り変更すればリフォーム費用もグッとおさえられます。しかし、間取り変更なんて、DIYでやれるものなのでしょうか?
本記事では、間取り変更とDIYについて、詳しく解説します。
目次
1.DIYで間取り変更することは基本できない
結論から言うと、DIYで間取り変更するのは、かなり難しい部分があります。なぜなら間取りを変更するというのは大変難しく、そして時間がかかる作業であるからです。特に、壁や天井を一度崩すようなDIYでの間取り変更は、まず不可能だと言えます。
例えば、「壁を取り去って、部屋と部屋をつなげる」ケースについて考えてみましょう。
この場合、
- 今ある壁を崩し、部屋と部屋をつなげる
- 壁の周辺を補修する
- 壁の内部での配線をつなげる
- 崩した壁を、市区町村ごとで定めたルールにしたがい、廃棄する
など、想像するだけでたいへんなDIYとなるわけです。
また、以下のようなリスクもあります。
- 壁の中にある、構造上重要な柱を傷つけてしまう
- そもそも、取り去ってはいけない壁に穴を開けてしまう
- 壁の中にある配線を引きちぎってしまう
どう考えても、DIYで間取り変更するのは、基本的には非常に難しいと考えておきましょう。
ただし、ネットでは「DIYして、間取りを変更した」という事例も、一応は存在します。非常に大掛かりかつ大変な作業ですが、絶対にムリだというわけではありません。
相当なDIYの知識やスキルがあれば、間取り変更のDIYはなんとか実施できることもあります。
ですが、本記事では基本的におすすめはしません。
2. だけど、カンタンな間取り変更のDIYもできる!費用はいくらかかる?
とはいえ、知識やスキルがなけれえば、DIYでは何一つ間取り変更できないわけではありません。
以下のような間取り変更であれば、DIYでも可能です。
合わせて費用についても解説するので、参考にしてください。
DIYの内容 | 費用 |
---|---|
アコーディオンドアをつける | 5,000円〜25,000円 |
ロールスクリーンをつける | 5,000円〜25,000円 |
ドアを取り付ける | 20,000円〜50,000円 |
部屋の一部分を木材で囲んで個室にする | 50,000円〜100,000円 |
後ほど詳しく解説しますが、「今ある何かを壊す間取り変更」は、DIYでは現実的ではありません。
しかし、上記のような「今ある何かはそのままに、何か付け足す間取り変更」は、DIYの段階でも実施可能です。
例えばアコーディオンドアを取り付けるだけなら、何も壊す必要はありません。
設置するだけで部屋と部屋が区切られ、間取りが変更された状態となります。
ドアあたりも、採寸や取り付けは大変ですが、やってできないことはないでしょう。
ただ、「何も壊さないで間取り変更する」というDIYでは、あまり多くのことはできません。
上記のように、基本的には「何かで仕切って、空間を分ける」といった範囲にとどまります。
3.間取り変更のDIY、業者依頼どっちがいい?
間取り変更を考える際、
- DIYでなんとかするか
- 無難に業者へ依頼するか
という部分で悩む人も多いでしょう。
ここでは、業者にリフォームを依頼すべきケースと、DIYしてもよいケースについて解説します。
判断がむずかしいと感じている人は、ぜひ参考にしてください。
3−1.業者にリフォームを依頼すべきケース
以下のようなケースは、間取り変更をDIYで実施せず、リフォーム業者へ依頼しましょう。
- 何かを壊す、取り去る必要があり、大掛かりな間取り変更をしたいケース
- 材料や道具を揃えるのがめんどうなケース
第一に、何かを壊す、取り去る必要がある間取り変更は、業者へ依頼しましょう。これは、上記してきたとおりです。
また、アコーディオンドアやロールスクリーンによる仕切りでは物足りない場合も、リフォーム業者へ依頼しましょう。
第二に、材料や道具を揃えるのがめんどうな場合もDIYはおすすめできません。
カンタンな間取り変更のDIYでも、ドライバーやマスキングテープなど、細かいアイテムがいろいろと必要で、さらには費用もかかります。
こういったことを考えれば、業者のほうが総費用は高くても、コスパはよいかもしれません。
3−2.自分でDIYしてもよいケース
いっぽうで、以下のようなケースでは、間取り変更をDIYで実施してもよいでしょう。
- 間取り変更とはいえ、カンタンなものでかまわない
- 大掛かりなリフォームを依頼する予算がない
何かを取り付けるだけの、カンタンなDIYならトライしてもよいでしょう。
先ほど触れたような「アコーディオンドアをつける」といったことであれば、無理なく間取り変更を実施できます。
壁以外のもので空間を仕切るだけでは、「間取り変更」とは呼べないかもしれません。ですが、「とりあえず空間を仕切れたらそれでいい」など、目的によってはアコーディオンドアがあるとないでは感じ方が全く違うでしょう。
カンタンなDIYでも事足りるなら、チャレンジしても問題ありません。
また、大掛かりなリフォームを依頼する予算がない場合も、 DIYでの間取り変更を検討してもいいかもしれません。
それが無理なく実施できる内容であれば、チャレンジしてみましょう。
ただし大掛かりな作業になる場合は、十分な予算を確保してから、リフォーム業者へ依頼するのがおすすめです。
4.DIYで間取り変更する際の注意点
続いて、DIYで間取り変更する際の注意点について解説します。
カンタンなDIYを実施するケースも含め、間取り変更にはさまざまな注意点があるのです。
あとあとで後悔しないように、今のうちにきちんと注意点をおさえたうえで、実行に移しましょう。
4−1.基本的に、何かを取り去る間取り変更を、DIYでやるのはむずかしい
先ほども触れましたが、壁や天井などの一部分を取り去るような間取り変更は、実施しないのが基本です。
やはりリフォーム業者以外が、壁や天井を壊して再構築するのはむずかしいでしょう。
それに付け加えて、電気配線や水道なども、触ってはいけません。
間取り変更を自力でやるとなると、壁の中から電気配線や水道管が出てきたりしますが、これらは有資格者でなけれえばタッチできません。
最悪の場合、感電したり、崩れた壁に打ち付けられて負傷することも考えられます。
4−2.採寸をしっかり測って、買い間違いを避ける
DIYで共通して言えることは、「採寸をしっかりすること」です。
例えば、ロールスクリーンなどを購入して取り付ける場合、採寸を間違えていると、サイズが大きすぎたり小さすぎたりし、最悪の場合取り付けられず余計な出費につながります。
もったいないからと言って切り貼りしようとすると手間もかかります。
そして手間が増えれば増えるほど、余計なミスも出てきやすくなります。
採寸が命のDIYですので、材料を買う前は入念に採寸をするようにしましょう。
4−3.カラーリングが重要
何かを付け足す間取り変更する場合、カラーリングが重要となります。
アコーディオンドアやロールスクリーンを、はじめさまざまなアイテムがありますが、カラーリング次第で、住宅の空気感は大きく変化するもの。
たとえばホワイトなら、清潔感やシンプルさが光るDIYとなるでしょう。ブラックであれば、シックかつ落ち着いていて、なおかつ高級感あふれる仕上がりとなります。
このようにカラーリングひとつで、DIYによってさまざまな方向性を見出すことが可能です。
たったひとつのアイテムで、自宅にいるときの気分も大きく変化するでしょう。
住宅の現状や自分自身の希望を考慮し、ベストなカラーリングを見つけ出してください。
5.参考にしたい! DIYでおしゃれに間取り変更をした事例
「DIYで間取りの変更する」と言葉で言われても、完成形がイメージできない人も多いでしょう。
また、「おしゃれに仕上げる」といううえでは、最終的にどういった仕上がりになるのか思い浮かべておくことも重要です。
下記では、DIYで間取り変更した場合の事例について解説します。
DIYでの間取り変更を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
<DIYで、本格的な間取り変更を実施した事例>
出典:https://gbizcon.net/diy/diy_reform_06/
写真は収納スペースですが、この方は家全体の間取り変更をDIYでされています。木材を使ってリビングと個室の間に壁を作ったり、クローゼットがあった部分を広げるなど、非常に難易度が高いDIYになります。
時間はかかりますが、DIYのスキルと知識があれば、こういった間取り変更も可能になります。
DIYが好き、あるいは技術や知識に自信を持っているという人は、事例のようなDIYにもチャレンジしてみてもいいかもしれません。
6.まとめ
DIYは非常に奥深く、自分の腕次第ではさまざまな変化を、住宅にもたらすことが可能です。
ほんの少し手を加えるだけで、劇的な変化が得られることもあります。
とはいえ、やはり「間取り変更がともなうDIY」は、本格的なものだとさすがに無理があるでしょう。
根本的な壁や天井を壊す間取り変更は、個人でできるものではありません。
手間や難易度、あるいは安全性は法的な部分で、さまざまなハードルがあります。
知人にリフォーム業をやっている人がいるといった特別なケースでない限り、こういったことをDIYで実施するのは避けましょう。
間取り変更をDIYで実施するとれば、「何かを取り付けて仕切る」というのが基本となります。
これなら、さほど費用と手間をかけずに、間取り変更することが可能です。
どうしても間取り変更したいという人は、何も壊すことがない、カンタンなDIYに挑戦しましょう。
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