「アスファルトシングルを使いたいけれどどんなメリットがあるのか」
「屋根にアスファルトシングルを取り付ける工事費用を知りたい」
こういった疑問を持っている人は多いでしょう。
アスファルトシングルとは、薄いシート状で主に石粒が付着している屋根材を指します。
この記事では、屋根にアスファルトシングルを使うメリットや費用相場を紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
- 屋根にアスファルトシングルを使うメリットとデメリット
- アスファルトシングルと他の屋根材の違い
- アスファルトシングル屋根にする場合の費用相場
- 屋根にアスファルトシングルを使う場合の注意点
- アスファルトシングル屋根のメンテナンス方法
アスファルトシングルのメリットとデメリットを把握せずに利用すると思わぬトラブルによってストレスがたまります。費用相場と一緒にチェックしてみましょう。
目次
1.屋根にアスファルトシングルを使うメリットとデメリット
アスファルトシングルには軽量というメリットがある一方で、風で吹き飛びやすいデメリットもあります。
メリットとデメリットの両方を把握して、自宅に最適な素材かどうかを判別しましょう。
1-1.メリット
屋根にアスファルトシングルを利用するメリットは以下の4つです。
- デザイン性に優れている
- 割れにくい
- 錆びない
- 軽量で耐震性が高い
具体的に解説していきます。
1-1-1.デザイン性に優れている
アスファルトシングル材はシート状で加工しやすいためさまざまなデザインが存在します。
石粒も付着しているため凹凸が多く、デザイン性が高い屋根材だと言えるでしょう。
1-1-2.割れにくい
シート状の素材のため、アスファルトシングルはひび割れの心配がありません。
瓦やスレート材ではひび割れが発生して雨漏りを引き起こすこともあるでしょう。
また、スレートや金属屋根だと仕上げ材を固定するためにビス打ちをします。
ビスの部分が劣化してひび割れを引き起こすこともあるでしょう。
その点、アスファルトシングルにはビスがないため割れる心配がありません。
1-1-3.錆びない
一般的な金属屋根では錆が発生します。
錆が発生すると雨が侵入して雨漏りを引き起こしたり、屋根内部を腐食させてしまったりするでしょう。
アスファルトシングルなら、金属素材ではないため錆びる心配がありません。
1-1-4.軽量で耐震性が高い
アスファルトシングルは、シート状のため屋根材の中でも特に軽量です。
屋根が軽いほど住宅全体への負担が少なく、耐震性が高まります。
軽量な素材のため既存屋根の上から新しい屋根材をかぶせる「カバー工法」にも適しています。
1-2.デメリット
アスファルトシングルを屋根材として使う場合、4つのデメリットがあります。
- 風で吹き飛びやすい
- 耐久性が低い
- カビが生えやすい
- 施工業者が少ない
メリットばかりに気を取られて失敗しないようぜひチェックしてみましょう。
1-2-1.風で吹き飛びやすい
軽量なアスファルトシングルは、風で吹き飛びやすいデメリットがあります。
屋根に貼り付けられているため簡単に吹き飛ぶことはありませんが、暴風や台風が来た場合は剥がれるおそれがあるでしょう。
1-2-2.耐久性が低い
アスファルトシングルは薄いシート状の素材のため耐久性が低いです。
屋根材の耐久性は厚さに比例する傾向があるため、スレートや金属よりも劣化しやすいでしょう。
1-2-3.カビが生えやすい
表面に石粒が付着していて凹凸が多いため、アスファルトシングルは湿気が溜まる性質があります。
隙間に水滴が付着しやすいため、カビが発生しやすいのです。
他の屋根材に比べてカビが生える頻度が高く、定期的なメンテナンスが求められます。
1-2-4.施工業者が少ない
アスファルトシングル材は日本では利用頻度が低いため、取り扱っている業者が少ないです。
業者探しで時間をかけたくない人には向いていない屋根材と言えるでしょう。
一方で、業者探しの手間を惜しまない人には、施工会社が少ないというデメリットは気にならないでしょう。
以下ではメリットとデメリットをまとめています。
参考にしてみてください。
アスファルトシングルはデザイン性や耐震性を重視している人に適しているでしょう。
2.アスファルトシングルと他の屋根材の違い
屋根材には、アスファルトシングル以外に以下の種類があります
- スレート
- ガルバリウム鋼板
- 瓦
それぞれの屋根材とアスファルトシングルの違いは何でしょうか。
詳しくチェックしていきましょう。
2-1.アスファルトシングルとスレートの違い
スレート材とは、セメントに繊維素材を混ぜ合わせて板状に加工した屋根材です。
アスファルトシングルと比べて以下の特徴があります。
安価な屋根素材を求める人にはスレート屋根が向いています。
2-2.アスファルトシングルとガルバリウム鋼板の違い
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛、シリコンから構成される亜鉛メッキ合板です。
アスファルトシングルと比べて以下の特徴があります。
メンテナンス頻度が低い軽量の屋根材を求める人にはガルバリウム鋼板が向いています。
2-3.アスファルトシングルと瓦の違い
瓦とは、粘土やセメントから作られる波形を中心とした厚みのある屋根材です。
以下では一般的な瓦である「粘土瓦」を解説します。
瓦にはアスファルトシングルと比べて以下の特徴があります。
3.アスファルトシングル屋根にする場合の費用相場
30坪程度の住宅の場合、アスファルトシングルの屋根に交換する場合の費用相場は140〜240万円程度です。
また、既存屋根に新しい屋根材をかぶせる「カバー工法」なら、120〜220万円程度で工事ができるでしょう。
このほか、アスファルトシングルの屋根を塗装するメンテナンスを行うのなら40〜80万円程度が必要となります。
上記の金額は、設計価格と呼ばれるメーカーが想定している金額の目安です。
設計価格は材料費や人件費を高めに設定しているため、実際の施工費用は10〜50万円ほど安くなるでしょう。
費用が変動する要素には以下があります。
- 材料の種類
- 下地の劣化状況
- 住宅構造や周辺環境による工事の難しさ
- 屋根の勾配(屋根足場の設置の有無に影響)
効果な材料を使ったり、屋根が勾配がきついほど費用は高くなるでしょう。
4.屋根にアスファルトシングルを使う場合の注意点
屋根材にアスファルトシングルを使う場合、2つの注意点があります。
- アスファルトシングルの施工実績が豊富な業者に依頼する
- 相見積もりで業者を比較する
具体的にチェックしてみましょう。
4-1.アスファルトシングルの施工実績が豊富な業者に依頼する
実績が少ない業者に依頼すると、工事後に施工不良といったトラブルが起こる危険があります。
しかし、アスファルトシングルの施工実績がある業者は少ないため、探すのは難しいでしょう。
インターネットで検索「アスファルトシングル 業者 〇〇市(地域名)」と検索すれば候補の業者がいくつか出てきます。
安価で信頼性が高い業者を見つけるためには、3社程度に見積もりを依頼して比較しながら選ぶことをおすすめします。
4-2.相見積もりで業者を比較する
業者を選定する際は相見積もりをしましょう。
相見積もりとは、同じ工事条件で複数の業者に見積り依頼をすることです。
相見積もりをする際は以下の2つのポイントをチェックしましょう。
4-2-1.平方メートル単位で面積が記載してあるか
施工面積が平方メートル単位で記載していない場合は信用できません。
優良な業者なら、塗装や張り付け面積を平方メートル単位で出してくれます。
「一式」と数量が表記されている業者の場合は計測をいい加減にしているおそれがあるため工事品質も期待できないでしょう。
4-2-2.自社施工をしているか
業者に依頼するのなら自社で職人を雇って工事をしている業者が望ましいです。
業者のなかには、受注した工事を下請け会社に丸投げするケースがあります。
下請け業者に依頼すると中間マージンが発生するため工事費が高くなるでしょう。
ホームページをチェックしてみて、職人の写真が掲載されている会社なら自社施工をしている可能性は高いでしょう。
下請け会社を使う業者の例には以下があります。
- ゼネコン
- ハウスメーカー
- ホームセンター
- 家電量販店のリフォーム事業
- 一部の工務店
地元の屋根修理業者に直接依頼するようにしましょう。
5.アスファルトシングル屋根のメンテナンス方法
アスファルトシングルは施工後10〜15年程度でメンテナンスが必要です。
アスファルトシングルの屋根には3つのメンテナンス方法があります。
- 塗装
- カバー工法
- 葺き替え
それぞれどのような工事なのかを解説していきます。
5-1.塗装
現在のアスファルトシングル屋根に塗装をする方法です。
工事価格は安いですが、屋根材自体が破損している場合は塗装だけでは対処できません。
5-2.カバー工法
現在のアスファルトシングル屋根の上に金属屋根などの軽量素材を重ねる工法です。
費用は塗装より高いですが、屋根材の軽度の劣化なら対処可能です。
ただし、屋根材より内側に劣化がある場合は対処が難しいでしょう。
5-3.葺き替え
現在のアスファルトシングル屋根を解体してから新しい屋根材を重ねる工法です。
費用は最も高いですが、塗装やカバー工法で対処できない重度の劣化も対処できるメリットがあります。
6.まとめ
アスファルトシングルの屋根は軽量で耐震性が高く、デザインが豊富なメリットがあります。
一方で、風で吹き飛びやすく、施工できる業者が少ないデメリットもあるでしょう。
他の屋根材と比較して、自宅に適しているかどうかを検討してみてください。
アスファルトシングル以外の屋根材を詳しく知りたいなら「屋根材の種類と特徴、あなたに適した商品の選びかたを知ろう」もチェックしてみましょう。
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