
今住んでいるマンションや住み替えによる間取り変更リノベーションを検討するときには、漠然と考えていてはなかなか形になりません。壁紙や床材は、あとからでも変更できますが、一度間取りを変更するとやり直すことは難しいので、慎重に考えたいですよね。
そんなときには、すでにリノベーションした人たちの事例を見るのがおすすめです。目的ごとに考え抜かれた間取りを見ることで、自分たちにあった間取りのヒントがみつかりますよ。
今回は、マンションの間取り変更リノベーションの成功事例をご紹介します。間取りを変更するときの注意点、リノベーションを依頼する業者の選び方もあわせて解説しますので、ぜひご参考にしてください。
1.事例から読み解く!マンションリノベーションでおすすめの間取り変更
マンションリノベーションを検討するときには、目的にあわせて間取りを考えるのがおすすめです。今回は、マンションでの10個の目的別に間取り変更リノベーションの事例を紹介します。間取りを検討する際の、ご参考にしてください。
1-1.一部屋無くし、リビングを広くする間取り変更
「和室は使わない」「子どもが独立した」などの理由で、リビングの横にある部屋との間仕切りを撤去し、リビングを広くする間取り変更は、マンションでは比較的よく行われるリノベーションです。リビングを広くする間取り変更の事例を2つ紹介します。
【事例1】和室を取り込み広々リビングへ!配置する家具にあわせてコーディネート
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/340
・間取り:3LDK→2LDK
・リフォーム面積:38.3㎡
20年前に新築で購入したマンションを、模様替えするのにあわせて使い勝手の向上を目指しリノベーションを実施。仕切り壁で独立していた和室を取り込む形で、広々としたLDを実現しました。リノベーション後に配置する家具にあわせ、仕上げ材をコーディネートすることで、一体感のある仕上がりになっています。
【事例2】和室の段差もあわせて撤去!一人暮らしでも安心な広々としたバリアフリーリビングへ
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/403
・間取り:3LDK→2LDK
・リフォーム面積:67㎡
老後も安心して過ごせるよう、リノベーションを前提に中古マンションを購入。ケアマネージャーでもある娘様のご協力のもと、バリアフリーを取り入れたリノベーションを実施しました。和室とリビングの間仕切りを撤去して高さをそろえることで、開放的なバリアフリーのリビングへと生まれ変わっています。


1-2.キッチン前の壁を撤去し開放的な対面キッチンにする間取り変更
キッチンとリビングの間に壁がある場合は、撤去することで視線が広がり開放的な空間へと生まれ変わります。ここではキッチン前の壁を撤去し、明るく開放的な対面キッチンへとリノベーションした事例を2つ紹介します。
【事例3】キッチン前の壁を撤去で間取りを変えずに広く見える住まいを実現
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/73
・間取り:4LDK
・リフォーム面積:115㎡
バリアフリーを目的にリノベーション。大きな間取り変更をすることなく、視線の広がりだけで開放的な空間を演出できるよう、キッチンとリビングの間の壁を撤去しました。暗くて閉鎖的だったキッチンが明るくなり、リビング側からもキッチンの奥まで見通せるようになったことで、ぐっと広く感じられます。
【事例4】閉鎖的な空間から大変身!壁と吊り戸棚撤去で明るい対面キッチンへ
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/743
・間取り:2LDK→1LDK
・リフォーム面積:54.5㎡
中古物件の購入にあわせ、細かく区切られ暗くなっていた部屋の間取り変更リノベーションを行いました。リビングとの間に壁があるため閉鎖的な空間となっていたキッチンは、壁や吊り戸棚を撤去することでフルオープンの明るい対面キッチンへ。吊り戸棚をなくした分の収納は、キッチンを少しダイニング側に移動し、背面収納を取りつけることで補いました。


1-3.キッチンやLDK空間にこだわった間取り変更
キッチンを含むLDKは、一家団欒の時間を過ごす大切な空間です。LDKを居心地の良いお気に入りの空間にすることにこだわった、間取り変更リノベーションの事例を2つ紹介します。
【事例5】料理中もコミュニケーションOK!アイランドキッチン中心の明るいリビングへ
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/988
・間取り:4LDK→3LDK
・リフォーム面積:100㎡
リタイアを機に、生活スタイルが変わるのにあわせてリノベーションを決断しました。ほぼ独立していたキッチンは、アイランド型にしてLDKの中心に配置。料理中もコミュニケーションを取れるようになりました。キッチン裏にパントリーを設け、生活感の見えるものをすべて収納することで、すっきりした空間を保つ工夫も施されています。
【事例6】ホームパーティーも楽しめる!こだわりのロフトと開放的なキッチンのあるLDK
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/278
・間取り:3LDK→2LDK
・リフォーム面積:106.25㎡
自分たちでこだわって選定した内装や設備に囲まれ、充実した生活空間へと変容させることを目的に、スケルトンリノベーションを行いました。リビングに隣接した和室を取り払い、広々としたリビングを実現。ホームパーティーをするときにコミュニケーションを楽しめるよう、キッチンにはアイランド型を採用しました。


1-4.収納スペースを増やす間取り変更
収納スペースが不足すると、ものがあふれて室内が乱雑に見えてしまいます。複数の家具があることで、空間が狭く見えてしまうマイナス効果も。ここではそんな課題を解消するために、収納スペースを増やす間取り変更をした事例を紹介します。
【事例7】壁付け収納を造作してリビング広々!スタイリッシュ空間へ
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/1221
・間取り:3LDK→1LDK
・リフォーム面積:63㎡
新しいマンションに住み替えるのにあわせて、たっぷりの収納を用意しすっきりと片づく空間へのリノベーションを行いました。2部屋分の間仕切りを撤去して広々と生まれ変わったLDKには、壁面収納を造作したことで、床には最低限のものを置けばよくなりました。LDKと寝室の間には、両開きのWICを設置。どちらからでもものが取り出せるので、使い勝手も抜群です。
1-5.書斎や仕事部屋を設けた間取り変更
コロナ禍でリモートワークを導入する企業が増えたこともあり、自宅に書斎や仕事部屋を設置する間取り変更リノベーションを希望する人が増えています。ここでは書斎や仕事部屋を設けたリノベーション事例を紹介します。
【事例8】シンプルなLDKから仕事部屋と区別したメリハリのあるLDKへ改築
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/389
・間取り:3LDK→2LDK
・リフォーム面積:69.26㎡
リフォームを前提に購入した築5年のマンションをリノベーション。LDKに隣接していた和室の仕切り壁を撤去し、書斎コーナーへと改築しました。書斎部分はフローリングの色を変え、視覚的な区分け効果を意識しました。
【事例9】趣味を楽しむ、新しいライフスタイルに向けてのフルリフォーム
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/988
・間取り:4LDK→3LDK
・リフォーム面積:100㎡
リタイア後の生活を思う存分楽しむために、よりライフスタイルにあった部屋へとリノベーションを実施。趣味が高じて居室スペースを圧迫していた書籍を、WICの奥に隠れ家のように設置した書斎に移しました。窓から差す自然光のなか、静かに読書を楽しめます。
1-6. 小さな子どもがいる場合の間取り変更
小さな子どもがいるご家庭では、リビングを広くして見通しを良くし、子どもの様子を見ながら家事ができる間取りにリノベーションするのがおすすめです。子どもがいると荷物が増えることから、あわせて余裕のある収納スペースを確保する工夫も施しましょう。
【事例10】和室の間仕切り壁を仕切り戸に変更!個室にもできる可変性のある空間へ
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/1222
・間取り:3LDK→可変3LDK
・リフォーム面積:98㎡
小さな子どもが安心して遊べるように畳は残したいとのご希望から、LDKと和室を一体化する間取り変更をしました。壁を撤去し、代わりに間仕切り戸を設置。普段は開け放して子どもを見守りながら家事ができ、来客時には間仕切り戸を閉めて個室として使えます。畳スペースの隣にはクローゼットを新設したので、遊び道具の収納場所にも困りません。
1-7.子どもが大きくなったときに部屋を分割できる間取り変更
子どもが大きくなると、それぞれに個室を欲しがるようになります。そうなったときに簡単に部屋を分割できるような、可変性のある間取りにしておくと、のちのち大きな工事をしなくて済むのでおすすめです。子どもの成長を見据えた間取りにリノベーションした事例を紹介します。
【事例11】将来を見据えライフスタイルにあわせた住まいへ
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/401
子どもが生まれたのをきっかけに中古物件を購入。細かく分割された間取りを改善し、広々としたLDKを実現しました。子どもが成長したら部屋を分けられるよう、間仕切り壁を後付けできる仕様に仕上げてあります。


1-8.バリアフリーにこだわった間取り変更
バリアフリーを意識した間取り変更では、段差をなくすのが基本です。さらに将来車イスを使う可能性を考慮して、ゆったりとした動線を確保すること、開閉しやすいドアを選ぶことも大切です。バリアフリーにこだわった間取り変更リノベーションの事例を紹介します。
【事例12】マンションの段差を解消してバリアフリー住宅を実現
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/1273
・間取り:3LDK→2LDK
・リフォーム面積:68㎡
和室やキッチンの壁を取り除き、車イスになっても楽に動ける広々としたLDKへとリノベーション。天井裏のスペースや配管スペースを調査し工夫することで、最大10cmほどもあった家全体の段差の解消を実現しました。
1-9.定年後の夫婦二人暮らしの間取り変更
定年後の夫婦2人暮らしのリノベーションでは、何か異変があったときにすぐ気づけるよう、お互いの存在を感じられる間取りにすることをおすすめします。足腰が悪くなったときに備え、寝室とトイレを隣接させることも検討しましょう。
【事例13】寝室とトイレを隣接させた将来的な介護を意識したリノベーション
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/1189
・間取り:3LDK→2SLDK
・リフォーム面積:76㎡
ご夫婦両人が定年を迎えるのにあわせ、自宅に滞在する時間が増えることを想定し、住み替えリフォームを計画しました。これまで離れていたベッドルームを、間取り変更でキッチンから見える場所へ移動。料理しながらでもご主人の様子をうかがえるようになりました。広々としたキッチンで、一緒に料理するなど夫婦で過ごす時間がより豊かなものに。もちろんトイレもベッドルームと隣接させ、将来の介護の負担を軽減できる工夫をしています。
1-10.ペットがのびのび暮らせる間取り変更
ペットがのびのび暮らせるような間取り変更リノベーションでは、空間を広くとると同時に、ペットの脚に負担がない床材を選びましょう。ペットがのびのび暮らせるよう、間取り変更した事例をご紹介します。
【事例14】収納不足を改善し愛犬が駆けまわれる広々としたLDKを実現
▼間取り図before
▼間取り図after
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/421
・間取り:2LDK+S→1LDK+S
・リフォーム面積:33㎡
ものがあふれて収納が足りなくなったのを機に、間取り変更リノベーションを行いました。ワンちゃんがのびのびと遊べるよう、リビングと和室を一体化して広々としたスペースに。壁面いっぱいに収納を造作したことで、床にものが散らばらず、部屋全体がすっきり広く見えるようになりました。フローリングは、ワンちゃんの脚がすべらず、傷がつきにくい素材のものを採用しています。天井と床の下地には防音材を敷き、隣家への配慮も万全です。
2.マンションリノベーションの間取り変更での注意点
マンションで間取り変更リノベーションをするときに、知っておくべき注意点を3つ紹介します。
2-1.売却時の資産価値が下がる場合がある
マンションをリノベーションして間取り変更した場合、資産価値が下がる可能性がある点には注意が必要です。
マンションが分譲されるときには、多くの人に広く受け入れられる無難な間取りやデザインで仕上げられています。しかしリノベーションは、個人の好みを自由に反映できるため、かなり個性的な仕上がりになるケースも少なくありません。
そうなると、売却時に買い手を見つけるのに苦戦して、値を下げないと売れなくなってしまう可能性があるのです。
2-2.マンションによっては、理想の間取りに変更できない場合もある
マンションの構造によっては、理想の間取りに変更できない場合もあります。
マンションのなかには、柱や梁(はり)といった骨組みの代わりに、壁という「面」で支える「壁式構造」になっているものがあります。壁式構造では、耐力壁と呼ばれる壁が建物を支えていますが、部屋のなかに耐力壁がある場合、その壁は撤去できません。
そのため「リビングと和室を1部屋にしたい」と思っても、間にある壁が耐力壁であった場合には希望をかなえられないのです。
どの壁を撤去していいのかは、プロでなければ判断するのは困難です。リノベーションを検討するときには、対応可能な範囲を専門業者に見てもらいましょう。
▼マンションリフォームでできること・できないことを、こちらの記事で解説しています。


2-3.配管の関係で対面キッチンにするなど水回りの移動が難しい場合もある
マンションの構造によっては、水回りの移動が難しい場合がある点にも注意しましょう。
とくに築年数が古いマンションでは、床スラブと呼ばれるコンクリートの構造床の上に、直接フローリングを張る「直床」となっている場合があります。直床では、床下に給排水管を通すスペースがなく、コンクリート内部に管が埋められている、または階下の住戸の天井に配管が通っているのが一般的です。
そのようなケースでは、水回りの移動が難しく、あきらめざるを得ない可能性があります。この判断も、個人で行うのは困難なので、あらかじめリフォーム業者に見てもらうことをおすすめします。
▼マンションのキッチンリフォームに関しては以下の記事で詳しく解説しています。


3.マンションリノベーションが得意な業者の探し方
リノベーションと一口にいっても、戸建てとマンションでは内容が大きく異なります。多くのリノベーション業者は両方に対応していますが、業者によってはどちらか片方を得意としているケースも少なくありません。
マンションをリノベーションするのであれば、マンションリノベーションの経験が豊富な業者を選ぶことがとても大切です。なぜなら「2.マンションリノベーションの間取り変更での注意点」でもお伝えしたように、マンションをリフォーム・リノベーションするには構造上の制限が多く、それらを理解したうえで適切な提案やアドバイスをしてくれるかどうかが重要だからです。
また、マンションには個人で勝手にリフォームをしていいわけではなく、管理組合への許可取りが必要です。そういった知識やマナーの面でも、マンションに慣れている業者が安心できます。
『リフォームガイドマンションリノベ』では、全国に数百数千とあるリフォーム・リノベーション会社の中から、マンションのリノベーションに豊富な実績を持つリノベーション会社を厳選。あなたに合ったリノベーション会社をご紹介しています。
中古マンションを購入してリノベーションするという方は、下記の記事もあわせてご覧ください。物件購入と同時にリノベーションする場合は、計画的に段取りを進めることで家賃の二重払いを防ぐことができます。


4.まとめ
マンションの間取りは、一度変更するとそう簡単には変えられません。そのためリノベーションに際しては、これからのライフスタイルの変化を予測したうえで、慎重に検討する必要があります。
また、複雑な行程を踏む必要があるマンションリノベーションは、業者選びが重要です。今回の記事をご参考に、複数の業者に見積もりを依頼して、自分たちの理想をかなえてくれる会社を見つけてくださいね。
なお、マンションリノベーションにかかる費用を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。


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