屋根の修理・補修にかかる費用や注意点、業者の選び方を解説

屋根の一部がはがれていると業者に指摘された、屋根瓦が落ちているのを発見したなど、屋根の劣化に気づき、適切にメンテナンスしたいものの、「屋根って修理費用が高そう……」「どこに依頼すればいいか分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回は屋根の修理方法と費用相場について、詳しく解説します。また、屋根の修理をする際に気をつけるべき注意点や信頼できる業者の探し方も紹介しているので、屋根のひび割れや経年劣化に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。


1.屋根の修理方法と費用相場

屋根修理にかかる費用は、補修内容や補修範囲によって大きく変わります。小さな補修程度であれば数万円程度で済むケースがありますが、屋根全体の補修が必要な場合は100万円以上かかることも少なくありません。

屋根の補修費用の目安を表にまとめました。補修屋根の状況によって足場を組む必要があれば、追加で足場代がかかります。

補修内容 費用相場 単位
瓦のひび割れ補修 3〜5万円 カ所
瓦の交換 1〜5万円 カ所
スレート材のひび割れ補修 2〜5万円 カ所
スレート材の交換 1〜3万円 カ所
漆喰の補修 4〜20万円
棟板金の補修 4〜20万円

1-1.瓦の補修

瓦の補修

瓦の補修にかかる費用相場は以下のようになります。

瓦屋根の修理(補修)内容 費用相場
瓦のひび割れ補修 3〜5万円/カ所
瓦の交換 1〜5万円/カ所

瓦のひび割れや欠け、剥がれがある場合には、数枚程度瓦を交換する工事を行います。足場を設置する場合は追加費用がかかります。

1-2.スレート材の補修

スレート材

スレート材の補修にかかる費用相場は以下のようになります。

スレート屋根の修理(補修)内容 費用相場
スレート材のひび割れ補修 2〜5万円/カ所
スレート材の交換 1〜3万円/カ所

足場を設置する場合はさらに費用が高くなります。

1-3.漆喰の補修

漆喰の補修

漆喰の補修に必要な費用の相場は、1棟あたり4〜20万円が相場です。足場を設置する場合は、さらに費用がかかります。

漆喰とは、屋根の棟と呼ばれる一番高い部分の土台に使われている材料です。隙間を埋めて雨漏りなどを防止する役目を担っています。補修範囲が広い場合は相場が安くなる可能性があります。

1-4.棟板金の補修

棟板金の補修

棟板金の交換は、1棟あたり4〜20万円が相場です。この場合も、足場を設置する場合は費用が高くなります。

棟板金とは、屋根の面が交差する部分(棟)に取り付けられている金属板を指します。スレート屋根や金属屋根、アスファルトシングルの屋根で使われている材料です。価格は補修内容によって変動する可能性があります。

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2.部分修理より全面リフォームがいい場合も

部分修理は必要な部分だけを補修できるため、費用を抑えられる、全面補修に比べ工期が短い点などがメリットとして挙げられます。ただし、部分修理はあくまでも局所的な修理です。

全面リフォームを検討すべき場合

  • 修繕が必要な部分が何カ所もある
  • 屋根の劣化が進んでいる
  • 耐用年数を超えている など

上記に当てはまる場合には、損傷や劣化している部分を一度に修繕できる全面リフォームをした方が、結果的に建物の寿命を延ばすことにつながります。

全面リフォームの内容 費用相場 補修単位
全面塗装 50〜95万円 30坪(99.37㎡)の住宅
カバー工法 80〜250万円
葺き替え 70〜240万円

全面リフォームの場合は、使用する塗料や屋根材によって費用が大きく異なります。

2-1.屋根の全面塗装

全面塗装

屋根の全面塗装にかかる総工費は、30坪程度の住宅で50〜95万円程度です。幅があるのは、使う塗料によって費用や耐久性が異なるためです。

屋根修理の際、同時に塗装も行うことで、色あせなどの見た目も改善することができます。

また、屋根塗装に使われる塗料には、紫外線に強い、セルフクリーニング機能を兼ね備えているなど、さまざまな種類があります。
遮熱効果のある塗料を使えば、太陽光を反射して屋根に熱がこもるのを防ぎ、室内温度の上昇を抑制、冷暖房の効果を上げられることから、省エネ効果も期待できるでしょう。

問題のある部分を修理した上で、屋根自体の色あせや劣化が気になる、屋根の機能性を高めたいという場合には、屋根の全面塗装も一緒に行うことをおすすめします。

※日本瓦には塗装は必要ありません。

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2-2.屋根のカバー工法

カバー工法

カバー工法とは、既存の屋根材の上から新しい材料を重ねる工法です。屋根が全体的に劣化し、全面的なリフォームが必要な場合に用いられます。屋根のカバー工法にかかる総工費は30坪程度の住宅で80〜250万円です。

カバー工法は、既存の屋根材を撤去する必要がないことから、廃材が出ません。そのため、処分にかかる費用を削減できます。

また、短い工期で施工でき、日常生活に与える影響や近所への迷惑を最小限に抑えられるなどのメリットがあります。費用を抑えてリフォームしたい、短期間でリフォームしたいと考える方に適しています。

ただし、今の屋根材が凹凸のある瓦屋根の場合、カバー工法では施工できません。瓦屋根の場合には、葺き替えを検討しましょう。

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2-3.屋根の葺き替え

葺き替え

葺き替え(ふきかえ)とは、既存の屋根材を撤去して新しい材料を張る工法です。葺き替え工事にかかる総工費は30坪程度の住宅で70〜240万円です。屋根材の種類によって価格は変動します。

屋根の葺き替えは屋根材だけでなく、屋根内部の状態も確認した上で、野地板や防水紙などの下地も新しく施工します。新築同様の新しい屋根になるため、補修やメンテナンスが必要だった部分を一掃し、屋根の耐久性も向上させることが可能です。

下地が腐食や劣化している、もしくは雨漏りをしている場合は、カバー工法ではなく、屋根の葺き替えが必要なことが多いです。

また、葺き替え工法であれば、日本瓦や重さや波がある屋根など、カバー工法では施工できない種類の屋根も可能です。さらに、既存の屋根材と全く違う素材やデザインのものを選べるため、外観をイメージチェンジしたい、リフレッシュしたいといったケースにも向いています。

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3.屋根を修理する際に気をつけるべき3つの注意点

屋根の修理をする際には3つの注意点があります。

  1. DIYではなく業者に修理を依頼する
  2. 部位や修理方法ごとに適した業者に依頼する
  3. 相見積もりをとる

それぞれ、詳しく解説していきます。

3-1.DIYではなく業者に修理を依頼する

屋根は、DIYで修理するのはおすすめしません。自分で修理しようとして、誤って別の箇所を壊してしまったり、高所に登って慣れない作業をすると、けがをする恐れもあります。

屋根補修は専門性が高い作業が多く、プロでも原因を判断するのが難しいものです。適切な補修を行わないと、雨漏りリスクがあるほか、危険も伴うため、屋根の修理は業者に依頼しましょう。

3-2.部位や修理方法ごとに適した業者に依頼する

屋根修理は補修方法や部位によって依頼する業者が異なります。依頼する業者としては以下が目安です。

  • 雨漏りが発生した場合は「雨漏り補修・防水業者」
  • 屋根塗装なら「塗装業者」
  • 棟板金の補修なら「板金業者」
  • 屋根の構造部分を補修するなら「大工」

どこの業者を選べばよいのかよく分からない場合は、上記を一括で引き受けているリフォーム会社に依頼してください。

3-3.相見積もりをとる

相見積もりとは、複数の業者に見積もりを依頼することです。それぞれの作業内容やそれらにかかる費用を比較検討できるため、見積価格が妥当であるかどうかの判断がしやすくなります。
価格が相場よりも高過ぎたり、もしくは安過ぎたりしないか、作業内容は具体的に記載されているか、確認しましょう。

また、見積書の内容が簡易過ぎる場合、後から追加請求されることも少なくありません。トラブルに発展する恐れがあるので、相場から離れた価格を提示してくる業者には要注意です。

悪徳業者を選ばないためにも、屋根修理は施工実績の多い、信頼できる業者に依頼することが大切です。相見積もりを取り、複数の業者をしっかり見比べた上で、作業内容や単価を詳しく記載している業者を選んでください。

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4.火災保険や補助金制度が使えるかどうか確認する

屋根の修理費用を安くするには、2つの方法があります。

  1. 火災保険を利用する
  2. 補助金を利用する

それぞれの方法を、具体的に解説していきます。

4-1.火災保険を利用する

屋根の補修には住宅の火災保険が適用できる可能性があります。屋根補修で適用するのは「風災」という保険適用条件です。

風災は、台風による強風で瓦にひびやはがれがあるなど、屋根材が破損した場合に保険料が受け取れる項目です。火災保険で受け取れる保険料は状況によって異なります。

保険の適用実績がある業者に見積もりを依頼し、保険が適用できるかどうかを相談してみてください。保険の適用実績は、相見積もりの際に確認しましょう。

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4-2.補助金を利用する

屋根工事の内容が下記のどちらかに該当する場合、補助金や助成金を利用できます。

  • 耐震リフォーム
  • 省エネリフォーム

お住まいの地域の自治体のホームページなどを確認し、受け取れる補助金や助成金がないか確認しましょう。例えば、「耐震リフォーム」とは建物の補強に関するリフォームのことで、耐震性能の向上を目的に屋根リフォームをしたり、瓦屋根を別の屋根材に変えて屋根を軽くしたりする場合、助成金を受け取れる可能性があります。

一方「省エネリフォーム」とは、環境に優しいリフォームのことです。自治体によっては、断熱(遮熱)塗料を使った塗装や屋根材の下に断熱材を設置するなど住宅の省エネ性能を高める工事に対し、補助金や助成金を用意しています。

断熱目的によっては国の補助金事業を使える可能性もあるため、屋根をリフォームする際は、活用できる補助金や助成金がないか、調べてみることをおすすめします。

屋根工事で利用できる補助金・助成金の条件や自治体例を紹介
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5.屋根修理の業者の探し方

屋根修理業者を探すには、インターネットを活用する、新聞の折込チラシや近隣で屋根工事をした方の業者情報(口コミ)を参考にするなどの方法があります。

屋根の修理はリフォーム会社をはじめ、屋根修理の専門業者、板金工事会社などに依頼できますが、業者や職人によって得意や対応できる範囲が異なります。

信頼できる業者を見つけるためにも、屋根修理を依頼する際は、必ず複数の業者に見積もりを依頼し、作業内容や単価、価格などを比較検討した上で決めるようにしましょう。

もし「住んでいる地域にどんな業者があるか分からない」「どうやって探せばいいか分からない」など、ご自身で見つけるのが難しい場合は、リフォームガイドを活用してください。無料でリフォーム会社に一括見積もりを依頼できます。


6.まとめ

屋根の修理方法にはいくつか種類があり、症状や補修が必要な範囲によって適した方法は異なります。一見自分で修理できるように思えても、誤った対処法により、症状を悪化させてしまう恐れがあるため注意が必要です。

場合によっては雨漏りを引き起こす危険もあるので、屋根修理は専門の業者に依頼しましょう。補修方法や部位に合った業者を選ぶことが大切です。

具体的な修理費用が知りたい、信頼できる業者に依頼したいと思う方は、複数の業者に相見積もりを依頼しましょう。

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