
屋根の美観や耐久性を維持するためには、定期的に屋根を塗装する必要があります。しかし、「新築からどのくらいたったら塗装すればいいのか」「屋根塗装に適した季節や気候条件はあるのか」など、塗装の時期に関する疑問を持つ方は多いでしょう。
そこで今回は、屋根塗装の時期の見分け方や適した季節、費用を抑えるポイントなどについてご紹介します。コストを抑えながら適切なタイミングで屋根のメンテナンスをしたい方は、ぜひ参考にしてください。
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1.屋根の塗装が必要な時期の見分け方
屋根塗装の時期は、屋根の種類、屋根の劣化症状、前回塗装した塗料から判断するのがおすすめです。ここでは、屋根塗装の時期の見分け方を、詳しく解説していきます。
1-1.屋根材の種類から判断する
自宅の屋根材の種類から、塗装時期を見極めることができます。代表的な屋根材ごとの塗り替え時期や特徴は、以下の通りです。
屋根材 | 塗装目安時期 | 特徴 |
---|---|---|
スレート瓦 | 5~15年ごと |
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セメント瓦 | 5~15年ごと |
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ガルバリウム鋼板 | 10~25年ごと |
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アスファルトシングル | 10~15年ごと |
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日本瓦 | 塗り替え不要 |
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このように、耐久性の高い屋根材は塗り替えまでの年数が長めです。
また、日本瓦は基本的に屋根塗装をする必要がありません。価格が高く、重い屋根材なので建物に負担がかかりやすいことがデメリットですが、メンテナンスフリーであることは大きな魅力です。


1-2.屋根の劣化状況から判断する
屋根の劣化状況から塗装の時期を判断する方法もあります。年中日差しや雨にさらされている屋根は、環境によって劣化が早く進んでしまうことも珍しくありません。
劣化の進み具合によっては、塗料の耐用年数よりも早めに屋根を塗装する必要があります。ここでは、具体的に屋根の塗装が必要となる劣化状況を紹介します。
■雨漏り
室内で天井からの雨漏りが確認できた場合は屋根から侵入している可能性があります。雨漏りをしている場合は塗装だけでは不十分で、防水補修や加工をしなくては解決しません。
雨漏りや隙間風などは業者に見積もりを出してもらう段階で必ず伝えて補修してもらいましょう。
■色あせ・変色
塗装から数年が経過すると、屋根の色がくすんだり、色むらができたりします。色あせや変色は塗膜が劣化しているサインなので、屋根塗装が必要です。
色あせ・変色は劣化の初期段階となります。すぐに対応しなくても問題ありませんが、放置すれば屋根の劣化が進み、住宅の寿命を縮めることになるでしょう。できる限り早めに塗装を検討することをおすすめします。
■カビ・コケ
屋根の表面にカビやコケが発生している場合は、塗膜が劣化しているサインです。塗膜が劣化すると雨水などが屋根の表面に停滞してしまい、カビやコケに繋がります。
特に、築年数を経たスレート瓦やセメント瓦など、日当たりの悪い屋根に起きやすい劣化症状です。
カビやコケが発生した場合には、高圧洗浄で除去します。それでも除去できない場合は、屋根塗装をする必要があります。カビやコケは美観を損ねると同時に悪臭の原因となるので、見つけたら早めにメンテナンスを検討してください。
■塗膜のはがれ
塗膜のはがれとは、屋根の塗装がはがれた状態を指します。トタン・スレート・ガルバリウム鋼板・セメント瓦など、塗装を行う屋根材の全てで起きる可能性がある劣化症状です。主に経年劣化が原因ですが、塗装時の施工不良によって発生するケースもあります。
塗膜のはがれが起きると屋根材が保護されず、劣化を早めてしまう恐れがあります。はがれた箇所は色が異なり、目視で確認できることも少なくありません。定期的に屋根をチェックして、はがれが見つかったときは速やかに屋根塗装を依頼しましょう。
■さび
トタンやガルバリウム鋼板など金属素材でできた屋根は、赤や茶色のさびが発生することがあります。金属が水分と空気に触れると劣化してさびてくるのです。
塗膜が劣化すると金属の屋根が保護されず、水や空気と触れやすくなることが原因です。さびが見つかったら、屋根塗装のベストな時期といえるでしょう。
■屋根材の破損
屋根材の一部が割れていたり落ちていたり破損しているときも、屋根塗装をするべき時期です。屋根が破損する原因は経年劣化だけではなく、飛来物が衝突することでも起こります。
破損を放置すれば、破損した箇所からの雨漏りや瓦の滑落などのリスクがあるでしょう。塗装からそれなりに年数が経過しているのであれば、破損の修理と併せて屋根塗装を行えば、別々に依頼するよりも総コストを抑えられるのでおすすめです。
■ひび割れ
経年劣化や地震などの衝撃で屋根表面にひび割れができる可能性があります。スレート瓦やセメント瓦、日本瓦などの屋根材に起きやすい劣化症状です。
ひび割れも塗膜の劣化の初期症状であり、放置するのは危険です。隙間から雨水が浸入して雨漏りの原因になるほか、屋根材が落ちてくる危険性もあります。
ひび割れの大きさによっては塗装では対処しきれず、屋根材の交換が必要になることもあるため、悪化する前に修理と塗装を検討しましょう。
1-3.塗料の耐用年数から判断する
屋根の塗装は、前回塗装した時期から10年程度が塗替えの目安です。以下は屋根に使用される一般的な塗料の耐用年数の一覧です。
塗料の種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル | 6~8年 |
ウレタン |
8~10年 |
シリコン |
10~15年 |
無機 | 20~25年 |
前回の屋根塗装が10年以上前の場合や、新築から一度もメンテナンスしていない場合は、何の塗料を使っているのかわからないこともあるかもしれません。
耐用年数はあくまで目安ですので、前回の塗装から10年程度がたったら調査してもらいましょう。
2.屋根を塗装するのに適した季節
屋根塗装には工事に適した季節があります。適切な季節に工事することで塗料の劣化を防げるため、可能なら以下の時期に業者に依頼しましょう。
2-1.雪が降る地域は夏
雪が降る地域は、気温が高くて塗料が乾きやすい夏が適しています。ただし工事中は窓を閉めることが多いので、気温が高い日は室内が暑くなるというデメリットがあります。
逆に避けるべきなのは雪が降る冬の季節です。塗料はメーカーの推奨する気温が5度以上とされているため、北海道など豪雪地域の塗装業者は真冬に住宅の外壁塗装をすることは多くありません。
2-2.雪が降らない地域は春と秋
基本的には春と秋は、屋根の塗装に最適な時期です。雪が降らない地域でも、夏や冬は、作業できる気温や時間帯が限られることも少なくありません。
冬は、朝には屋根が冷え切っていたり夕方に結露が発生したりするため、作業時間が限られてしまいます。また、屋根の温度が高くなりすぎる夏は、塗料が速く乾燥してしまい、作業しづらく仕上がりに影響が出ることもあります。そのため、雪が降らない地域は、春と夏が屋根塗装のベストシーズンといえるでしょう。
2-3.梅雨や台風が多い地域は春
梅雨が長い地域や台風が多い地域は、春が屋根塗装に適している時期です。梅雨が始まる前に塗装工事を終えられるとよいでしょう。
夏から秋の間は、台風の発生や長雨の影響で塗装工事のスケジュールが立てづらいためです。気候が安定している春に、屋根の塗装工事を計画しましょう。
3.屋根塗装の費用を抑えるポイント
屋根塗装にかかるコストを抑えて塗装を依頼したいという方は多いでしょう。ここで、屋根塗装の費用を抑えるポイントをご紹介します。
3-1.相見積もりをする
業者に依頼する前に、複数の業者から相見積もりを取りましょう。業者ごとに屋根塗装にかかる費用が異なるため、比較して相場感を掴むことが大切です。
数が多過ぎても比較しづらくなるため、3カ所ほどに絞り込んで見積もりを依頼しましょう。比較する際は金額だけではなく、費用の内訳が細かく書かれているかどうか、サービス内容や実績などもしっかりチェックしてください。
どんなに費用が安くても、サービスの質が悪かったり、実績が少なかったりすると、依頼した後に後悔する可能性があります。そのため、総合的に見て判断することが大切です。
3-2.自社施工の会社を選ぶ
屋根塗装は、自社施工で行っている会社がおすすめです。自社施工していない会社では下請け業者が施工を担当するため、仲介料が施工費用に含まれます。依頼する業者が大手ハウスメーカーやホームセンターの場合、自社施工に対応していないことが多いことを理解しておきたいものです。
業者のホームページで自社施工の場合は、職人の紹介ページを掲載していることがあります。業者の強みやどんな職人が対応してくれるのか、細かくチェックしてみましょう。
3-3.外壁塗装と屋根塗装の時期を合わせる
塗装費用を抑えたいなら、外壁と屋根は同じ時期に合わせて塗装するのがおすすめです。
どちらの塗装でも足場を組む必要があり、施工費用には足場代を含むため、外壁と屋根の塗装を別々に依頼した場合は足場代が2回分発生することになります。しかし、同時に行えば足場を組む回数が減るので、総合的に見ると塗装にかかる費用を抑えられます。
前回の塗り替えから長い年数が経過していたり、外壁に色あせやひび割れなどの劣化が起きていたりする場合は、屋根と併せて外壁塗装も検討してみてください。
4.屋根塗装の時期に関してよくある質問
屋根塗装をする時期を考える際によくある質問をチェックしてみましょう。
4-1.症状が現れているのに放置するとどうなる?
屋根が劣化しているのに、塗装しなければ次第に下地が侵食され、雨漏りや害虫の侵入を許してしまいます。劣化がさらに進めば補修や塗装では対処できなくなり、屋根材の張り替えが必要になることもあるでしょう。また、台風で、劣化した屋根が強風で吹き飛ばされる危険性もあります。
塗装や簡単な補修で対処ができるうちに、業者に依頼することをおすすめします。
3-2.塗装業者への依頼時期(繁忙期)で費用が変わる?
塗装業者の繁忙期には、人員が確保できないなどで費用が高くなることもあります。また、業者のスケジュールに空きがなく、予約が取れないこともあるでしょう。
費用を抑えたい場合は、夏や冬の閑散期を選ぶことで、キャンペーンや割引を受けられることもあります。
ただし、塗装に向かない夏や冬に依頼すると、天候・気候が合わず工期が長引くおそれもありますので、スケジュールには注意しましょう。
5.屋根の塗装時期を検討するときのポイント
屋根の塗装時期を決める際に重要となるのが業者選びです。また、屋根塗装を実施する際には注意しなくてはならない点があります。
5-1.少しでも気になることがあれば業者に見てもらう
雨漏りをしている場合はもちろんのこと、隙間風など小さなことでも気になることがあれば、業者に調査してもらいましょう。
屋根塗装は短くても10年ごとにしか点検しないため、工事するタイミングで問題箇所を補修するのがおすすめです。
何度も補修して修繕費用がかさむよりも、一度で終わったほうが総額のメンテナンス費用を抑えられるでしょう。
5-2.最適な時期に実施を提案してくれる業者を選ぶ
屋根塗装は地域によって最適な時期が異なります。
利益を重視する業者だと、雨が多い季節や真冬なのに「今すぐ塗装しましょう」とすすめてくるかもしれません。なぜ今の季節に塗装をするべきなのか、納得できるまで説明を求めましょう。
もし業者選びで迷うようならリフォームガイドで一括見積もり依頼することで、比較的安心して選ぶことができます。リフォームガイドは審査を通過した優良業者のみが登録されています。その中からお客様のお住まいや要望に合った業者をピックアップし、同時に複数社から見積もりを取ることができるので、ぜひ活用してみてください。
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6.まとめ
屋根塗装を行う時期は、使用する塗料の耐用年数や劣化状況、屋根材などの条件によって異なります。そのため、総合的に見て塗装を行うタイミングを見極めることが大切です。特に劣化が進んでいる場合は早急に補修が必要になるので、定期的に屋根の状態を確認してください。
また、屋根塗装には適した季節があり、地域によって異なります。お住まいの地域の環境を踏まえて、屋根塗装に適した季節に塗り替えを依頼しましょう。