屋根に使う断熱材の種類や費用、施工方法、注意点を解説!

「屋根の断熱材って何を使えばいいの?」
「屋根断熱と天井断熱って何が違うの?」
上記のような疑問を持っている人は多いでしょう。

この記事では以下のポイントを解説しています。

  • 屋根に使う断熱材の種類
  • 断熱材の選びかた
  • 屋根断熱と天井断熱の違い
  • 屋根に使う断熱材の費用相場
  • 屋根に断熱材を施工する手順
  • 屋根に断熱材を取り付ける際の注意点

内容を把握することであなたの家に適した断熱方法を選べるようになり、コスト削減や快適性の向上に役立つでしょう。


1.屋根に使う断熱材の種類と選びかた

屋根の断熱を考える際にポイントとなるのは、以下の2つです。

  1. 断熱方法
  2. 断熱材

断熱方法や断熱材によって効果に大きな違いがあるため、必ずチェックしておきましょう。

1-1.屋根の断熱方法の違い

屋根材の断熱方法は主に3種類あります。

  1. 屋根断熱
  2. 天井断熱
  3. 塗装で断熱

以下では、それぞれの断熱方法を詳しく解説していきます。

屋根断熱

屋根断熱

断熱材を取りつける場所が屋根の場合は、屋根断熱と呼びます。一般的には屋根の室内側の面に断熱材を取り付けます。

メリットは、屋根部分で断熱をするため屋根裏部屋が暖かくなり、スペースを有効活用できることでしょう。夏場でも熱が屋根裏にこもりにくく、暑さ対策としては天井断熱より有効です。

デメリットは、天井断熱よりも費用が高い点です。断熱材を取り付ける範囲が広いため、天井断熱よりも工事費が1〜3割ほど高額となるでしょう。天井断熱に比べると冷暖房機を使う場合に室温を調整する範囲が広くなってしまうため、冷暖房費用が高くなる欠点もあります。

他にも、屋根断熱では取り付けられる断熱材の厚みが屋根や建築材より厚くできないという問題があるため、断熱効果に限度があります。

屋根断熱は、屋根裏部屋を使う予定がある場合に適しているでしょう。

天井断熱

天井断熱

天井に断熱材を取り付ける方法を、天井断熱と呼びます。

メリットは、断熱材の厚さに制限がなく、断熱性能が高いことです。また、屋根断熱にくらべて断熱する範囲が狭いため工事費用が安いことも魅力です。冷暖房で調節する空間が屋根断熱よりも狭いため、効率的に室温を調節できるメリットもあります。

デメリットは、屋根裏空間を利用できなくなることです。屋根裏は天井より外側にあるため、天井断熱の場合は保温ができません。また、天井は屋根にくらべて工事の際に邪魔となる建築材が多く、天井断熱には高い技術が求められます。腕が悪い業者に依頼すると断熱効果は低下するでしょう。

天井断熱は、屋根裏を使わない場合に適しています。

塗装で断熱

塗装で断熱

断熱効果がある塗料で屋根を塗装する方法です。

メリットは、屋根の外側の補修を同時に行えることです。屋根の外側は、10年に1度は補修が必要です。屋根断熱や天井断熱では屋根の外側の補修はできません。

デメリットは、断熱効果が低いことです。断熱効果は素材の厚さに比例します。塗装は厚さ1ミリメートルにも満たないため、屋根断熱や天井断熱に比べるとほとんど効果はありません。

塗装断熱は、屋根の補修も同時に行う場合に適しています。

1-2.屋根に使う断熱材の種類

屋根に使う断熱材の例として、以下の4種類があります。

  1. 無機繊維
  2. 天然繊維
  3. 発泡プラスチック
  4. 断熱塗料

それぞれの特徴を詳しくチェックして、あなたに適した素材を探しましょう。

 無機繊維

 無機繊維断熱材

無機物を繊維状にした断熱材です。代表例としては、ガラス繊維の「グラスウール」や、鉱物由来の「ロックウール」があります。

メリットは防火性と防音性が高く、価格が安いことです。デメリットは、少量ですがホルムアルデヒドなどの有毒物質が含まれていることでしょう。 

敏感な体質の人だとシックハウス症候群を引き起こすおそれはありますが、アレルギーの心配がない人であればコストパフォーマンスに非常に優れた素材です。

無機繊維は工事費用を抑えたい人に適した素材です。

天然繊維

天然繊維断熱材

有機物を利用した断熱材です。代表例としては、羊毛繊維の「羊毛断熱材」や、木材由来の「セルロースファイバー」があります。

メリットは有害物質を含まないことと、防音や吸湿性に優れていることです。デメリットは価格が高く、防虫効果が低いことです。材料価格は無機繊維の2〜4倍程度です。

天然繊維は、無機繊維でアレルギー症状が心配な人におすすめの素材です。

発泡プラスチック

発泡プラスチック断熱材

プラスチックを発泡させることで気泡を作り出した断熱材です。代表例としては、「硬質ウレタンフォーム」があります。

メリットは湿気に強く、薄くて軽いために効率的な断熱が可能となることです。デメリットは無機繊維よりも価格がやや高いことでしょう。材料価格は無機繊維の2倍程度です。

断熱塗料

断熱塗料

断熱効果をもった塗料です。代表例としては「ガイナ」があります

メリットは屋根の補修も同時に行えることです。 他の断熱材は建築材の補修効果はなく、断熱性能が上がるだけです。このため建築材が劣化した場合は補修工事がさらに必要です。しかし、断熱塗料による工事は屋根メンテナンスも同時に行うため、補修工事を別でする必要がありません。

デメリットは他の断熱材よりも効果が低く、価格が高いことでしょう。材料価格は無機繊維の2〜5倍程度です。

1-3.屋根の断熱方法や断熱材はどう選ぶ?

屋根裏部屋を積極的に使う場合は「屋根断熱」が適しています。しかし、屋根裏部屋の利用がないのであれば費用が安くて断熱効果も高めやすい「天井断熱」が適しているでしょう。塗装による断熱は効果が低いため補助的な役割と考えてください。

断熱材の選びかたは、屋根断熱と天井断熱どちらを選ぶかで決めると良いでしょう。屋根断熱の場合は「グラスウール」や「ロックウール」のほか、「発泡プラスチック」を利用することもあります。

天井断熱の場合は「グラスウール」や「ロックウール」といった無機繊維を利用するケースが多いです。

安価で工事をしたいのなら無機繊維、防湿性を気にするのなら天然繊維が良いでしょう。発泡プラスチックは、屋根断熱で業者がすすめてくるような構造の場合にのみ利用してください。

以下ではそれぞれの断熱方法と断熱材のメリットやデメリットを表にしました。参考にしてみてください。

断熱方法別メリットとデメリット

断熱材別メリットとデメリット

 


2.屋根に使う断熱材の費用相場

屋根断熱にかかる費用相場は10〜70万円が目安です。

断熱の方法によって費用は変わります。

  • 天井断熱:1平方メートル4,000~8,000円。総工事費は10〜50万円
  • 屋根断熱:1平方メートル3,000~7,000円。総工事費は20〜60万円
  • 断熱塗装:1平方メートル3,000~6,000円。総工事費は30〜70万円

総工事費は30坪程度の住宅を想定しています。また、天井断熱と屋根断熱は無機素材を想定しています。

屋根断熱は、天井断熱よりも単価は安いですが施工範囲が広いため総工事費は高くなります。

断熱塗装は材料の単価こそ安いですが足場の設置が必要なため、最終的な工事費用は他の断熱方法よりも高額となります。

また、断熱材ごとの材料価格と総工事費用は以下をご覧ください。

断熱材別費用目安

 


3.屋根に断熱材を施工する手順

屋根に断熱材を施工する手順を把握すれば悪徳業者に騙されにくくなります。 以下の手順を知っておき、見積もりの工事内容や業者の動きをチェックしてみましょう。

3-1.天井断熱の場合

まずは外気が入り込まないよう、隙間に詰め物をして気流止めをします。断熱材に切り込みを入れて、天井の吊り木まわりを柱の形に沿って取り付けします。すべてを隙間なく施工したら完成です。

見積もりの際に気流止めがない場合は手抜き工事が疑われるため業者に確認してみましょう。

3-2.屋根断熱の場合

まずは通気層が狭くならないよう、通気層スペーサーを設置します。次に、屋根を支える「垂木」の部分にボード状の断熱材を釘打ちしていきます。最後に、目地の隙間をテープで埋めて完成です。

見積もりに通気層について項目がなければ手抜き工事が疑われるため、業者に確認してください。

3-3.断熱塗装の場合

屋根にのぼる足場を設置し、まずは洗浄します。次に、下地を補修してから下塗り塗料を塗ります。断熱塗料を2回塗装してから乾燥させ、雨漏り防止のための「縁切り」という作業をして完了です。

見積もりに下塗り塗装がなければ手抜き工事が疑われるため、業者になぜ下塗りが無いのかを確認してみましょう。

 


4.屋根に断熱材を取り付ける際の注意点

屋根に断熱材を取り付ける際には3つの注意点があります。

  1. 相見積もりで適切な業者を選ぶ
  2. 小屋裏の換気をして断熱性能を上げる
  3. 効果的な断熱塗料を探す

詳しくチェックしてみましょう。

4-1.相見積もりをして適切な業者を選ぶ

屋根の断熱工事をする際は、複数の業者に見積もりを依頼する「相見積もり」をしてください。相見積もりをすることで工事内容や価格を比較でき、騙される心配が少なくなります。

相見積もりのポイントとしては、価格、工事内容の2つがあります。

他社よりも価格が大きく離れている業者は選ばないでください。高い場合はもちろんですが、安い業者でも手抜き工事のおそれがあります。

工事内容があいまいな業者も選んではいけません。断熱材の商品名が記載されていないとか、施工面積が「一式」と表記されている場合は要注意です。

4-2.換気扇なども設置して小屋裏の断熱性能を上げる

天井断熱の場合、夏場に小屋裏(屋根裏)の換気をするだけで断熱性能が上がります。なぜなら、屋根裏にこもった熱が天井を通して室内に流れ込んでくるからです。断熱工事をする際は、同時に換気扇をつけるよう魚巣屋に依頼するなど、小屋裏の換気を促すと断熱性能が高まりやすいでしょう。

4-3.効果的な断熱塗料を探す

塗装で断熱を考えている場合、効果的な塗料を探すことが重要です。なぜなら、断熱塗料は効果的な商品がほとんど存在しないからです。

おすすめは日進産業株式会社の「ガイナ」です。日本の宇宙ロケットの開発技術を応用して作られた塗 料で、他の業者の製品に比べて実績と信頼性が非常に高いです。

宇宙ロケットの表面は打ち上げ直後に非常に高温になるため、高性能な断熱塗料が求められます。

ガイナは、ロケットの打ち上げ時の高温にも耐えられるほどの断熱技術を活用しているため、住宅のためだけに作られた他の塗料とは一線を画した素材と言えるでしょう。

 


5.まとめ

屋根の断熱方法や使う材料は業者と相談することが重要です。住宅によって最適な施工方法は異なります。

最初から決め打ちするのではなく、業者の提案も考慮しながら慎重に工事内容を考えましょう。

断熱材だけではなく、屋根の遮熱・断熱塗料を比較したい人は「屋根の遮熱塗料を特徴や価格で比較して最適な商品を選ぼう」で紹介していますのでチェックしてみてください。

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