
家の劣化が気になるとき、「費用は限られているけれど、どうしてもリフォームしたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
リフォーム費用は、ちょっとした工夫で抑えられます。しかし「やってもいい方法」と「できればやらないほうがいい方法」があるので、自分たちの予算や希望などから判断することが大切です。
そこで本記事では、格安でリフォームする方法と、その際の注意点を説明します。
できるだけ費用を抑えたいとお考えの方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
1.格安でリフォームする10個の方法
さっそく、格安でリフォームするコツを説明します。
方法と注意点を比較しながら、自分たちの希望に合うのかを考えてみてください。
1-1.まだ使える設備は再利用する

リフォーム費用をできるだけ抑えたいときには、使える設備を再利用するのがおすすめです。
たとえばキッチンなら、不備がある設備・機器類だけを交換することで費用を大きく抑えられます。
システムキッチン本体の耐用年数は15~20年ほどなので、面材の剥がれやワークトップの割れなどがないなら、部分的な交換を検討するとよいでしょう。


ユニットバスもキッチンと同様に、部分的な交換が可能です。
設置から数年で水栓や給湯器などが故障したなら、部分的なリフォームにすれば費用を抑えられます。ただし、壁や床、浴槽は一体化しているため、部分的な交換はできません。


また、トイレや洗面台に関しても、部分的な交換が場合によっては可能です。
このように、まだ使えそうな部分は残し、劣化や不具合がある部分だけを交換すれば、リフォーム費用を抑えられます。




1-2.シンプルな設備や材料を選ぶ

設備や建材類は、デザイン性や機能性が高いものほど価格も高くなる傾向がありますので、費用を抑えたい場合はシンプルなものを選びましょう。
とくにキッチンや浴室には商品ごとにグレードがあり、ミドルグレードからハイグレードになるだけでも価格がぐっと上がります。選べるオプション仕様やオプション品も多くはなりますが、費用を抑えたいなら、グレードはミドルまたはローを選ぶことをおすすめします。
デザイン性や機能性はシンプルにはなりますが、最新の設備は標準グレードでも機能性に優れているものも多く、耐用年数や基本的な使い勝手に大きな違いはありません。




また、壁紙なら『スタンダードクロス(量産型クロス)』を選ぶのがコツ。
シンプルな白色なら『ハイグレードクロス(1000番台クロス)』と見た目の違いはほぼわかりませんが、費用面は大きく変わってきます。
張り替え単価の目安はスタンダードクロスが1㎡あたり1,000~1,200円なのに対して、ハイグレードクロスは1,400~1,600円。たとえば16畳(施工面積75㎡)のLDKの壁紙を貼り替えるときには、グレードの違いで最大4万円前後の差が出る計算になります。
「どうしてもデザイン性にもこだわりたい」という方は、アクセント部分だけを1000番台クロスにするのがおすすめです。


床材に関しても、複合フローリングの中でも安価な『化粧シート』を選べば、費用を抑えられます。
ただし、床材は家の中でももっとも肌が触れる時間が長い場所なので、価格だけではなく、機能面も比較することをおすすめします。


1-3.施主支給でリフォームする

自分で設備や材料を購入し、リフォーム会社に工事だけ依頼する方法を『施主支給』といいます。
業者の中間マージンを削減できる点や、アウトレット品など商品の選択肢が広がる点がメリットです。
しかし、リフォーム会社によっては、大量仕入れ品や展示品などは安価に購入できることが多く、施主支給より費用を抑えられるケースも少なくありません。
施主支給はトラブルになりやすい!
施主支給では商品を自分たちで購入するため、次のようなトラブルが起こりがちです。
- 商品のサイズが合わない
- 納品が施工日に間に合わない
- トラブル時の責任の所在が不明確になりやすい
- 不具合が起こったときにリフォーム会社の保証を受けられない
これらのリスクもあらかじめ理解したうえで、よく検討しましょう。
1-4.重ね張り工法を検討する

床や外壁、屋根などには『張り替え』ではなく『重ね張り(カバー工法)』を選ぶのもコツです。
既存の床や外壁などの解体・処分費用がかからない分、費用を抑えられます。
既存素材の上から新しい素材を重ねるので、工期の短縮につながるのもメリットです。
ただし、重ね張りは下地の状態を確認できないため、シロアリの食害や雨漏りなどの何かしらの不安要素があるときや、築年数が古い家にはおすすめできません。屋根と外壁に関しては、素材が2重になることで耐震性が低下する恐れもあります。
それらの点も含めて、まずは施工可能かどうかをリフォーム会社に相談してみましょう。




1-5.リフォームパックを使う

「予算は限られているけど、全体的にリフォームしたい」という方には、水まわりと内装リフォームが一式セットになった、『リフォームパック(定額プラン)』がおすすめです。
工事内容や費用が明確化されているので、予算オーバーを心配することなく、全体的なリフォームができます。
1-6.まとめてリフォームできるところは同時に行う

キッチン・浴室・洗面・トイレなどの水まわりや、外壁・屋根など足場が必要な工事は、まとめて行ったほうが、トータルコストを抑えられます。
理由は、施工や現場管理の人件費や足場代が1回分で済むからです。とくに足場代は1㎡あたり700~1,000円、合計で15〜20万円ほどかかるので、まとめてリフォームすれば足場代分の費用を抑えられます。
また、リフォーム会社によっては、水回り設備についてはメーカーを統一してまとめて発注することでセット割引をしてもらえる可能性があります。
トータルコストを抑えるためにも、劣化が目立つ箇所や耐用年数が近づいている場所については、まとめてリフォームを検討したほうがよいでしょう。


1-7.補助金や助成金を活用する

国や自治体は、省エネや耐震、防災、子育て環境の改善などを目的としたリフォームに対して、補助金を支給しています。
要件を満たせば数十万から数百万円が支給される制度もあるので、こうした制度を活用すれば、費用負担を大きく抑えられます。
たとえば2025年の『子育てグリーン住宅支援事業』では、リフォームに対する補助金は1戸あたり最大40〜60万円と、とても高額です。
他にも介護を目的としたリフォームなら最大18万円が支給されるなど、リフォームで利用できる補助金制度は意外と多くあります。
自分たちが希望する工事が対象となるのかも含めて、リフォーム会社に相談してみるとよいでしょう。
補助金制度は毎年変わる!
補助金制度は年度替わりのものがほとんどで、名称や要件、補助額などが毎年変わります。
「昨年度は対象だった工事が、今年度は対象外になった」というケースも少なくないので、必ず最新情報をチェックしましょう。
こちらの記事では、補助金の最新情報を詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
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1-8.リフォームする箇所を絞る

リフォーム時には「全体的にきれいにしたい」と思いがちですが、費用面を考えるなら、リフォーム箇所を厳選しましょう。
たとえば、使う頻度が低い部屋の内装材は交換しない、室内ドアはそのまま使うなど、予算が厳しいときには「リフォームしない箇所」をあらかじめ決めておくのがポイントです。
さらに優先したい箇所を決めておけば、その部分にしっかりと予算をあてられるので、リフォームの満足度が上がります。
まずは、リフォームの優先順位と妥協点を家族でよく話し合ってみてください。
自分ではうまく決められないという場合は、プロの力を借りてみるのもひとつの手でしょう。
1-9.希望のリフォームが得意な会社にお願いする

リフォーム会社によっても得意・不得意がありますので、費用を抑えたいなら希望するリフォームが得意な会社を探しましょう。
希望する工事の実績が豊富な会社に依頼すれば、資材の仕入れルートや施工ノウハウによって、他のリフォーム会社より費用を抑えられるかもしれません。
作業に慣れているので、効率よく工事を進めてもらえるのもメリットです。
また、自社施工をしている会社なら、下請けに出す中間マージンがかからない分、施工費用を抑えられる可能性がありますので、自社施工ができる会社かどうかに注目してみてもよいでしょう。

1-10.複数の会社から相見積もりをとる

同じ内容のリフォームを依頼しても、会社によって費用が異なるのがリフォーム。できるだけ費用を抑えたいなら、必ず複数社で相見積もりを取りましょう。
見積書を比較すればリフォーム費用の相場がわかってくるので、提示された料金が適正価格であるのかを判断できます。
また、見積書を受け取ったら、料金だけではなく、工事内容・項目ごとの料金・追加費用の有無などの詳細部分まで確認しましょう。
金額だけではなくプランも合わせて比べることで、予算内で納得のいく提案をしてくれる会社に出会いやすくなります。
相見積もりのポイントは以下の記事でも詳しく解説しています。合わせてご覧ください。


2.格安でリフォームするときの注意点
リフォーム費用を抑えられれば金銭的な負担は軽減できますが、いいことばかりではありません。
「格安」という言葉だけに気をとらわれず、次のような注意点にも目を向けてみてください。
2-1.格安・激安の商品は選択肢が限られることを理解する
安さを求めるときに知っておきたいのが、安価な商品は、基本的にデザイン性や機能性があまり高くないことです。もちろん選択肢も狭まります。
無理のない予算で工事することももちろん大切ですが、リフォーム後の満足度を下げないためにも、費用をかける部分とかけない部分、妥協点などは、工事前によく考えておきましょう。
2-2.見積もりを確認するときは「なぜ格安なのか」を確認しておく
相見積もりを取るなかで、他の会社より群を抜いて安い会社があることも珍しくありません。その場合「なぜ格安なのか」と、理由を必ず確認しておきましょう。
なぜなら、リフォーム会社の中には、すべての商品をローグレードで算出し、追加費用を加味せずに見積書を作成している会社もあるからです。
その部分を確認せず依頼すると、追加費用によって他の会社よりも高額になってしまう可能性があります。
その点、信頼できるリフォーム会社なら、費用を抑える方法を一緒に考えながら提案してくれるので安心です。
2-3.必ず工事費込みの金額で比較する
格安商品やアウトレット品を選ぶときには、その本体価格だけではなく、工事費用も必ず確認してください。
工事費用は内容や施工方法によって左右されるため、同じ工事であっても施工が難しい商品、または同じ商品であっても取り付けにくい構造の家などだと、そもそもの工事費用が高くなる可能性があるからです。
また、リフォームでは床や壁、屋根などの既存素材を剥がしてみて、劣化・腐朽・シロアリの食害などが見つかるケースも少なくありません。
その場合は追加工事が必要になり、別途補修費用もかかりますので、そういった追加工事の可能性やおおよその料金なども、事前に確認しておくと安心です。
2-4.保証やアフターサービスの有無を確認する
リフォームでは、工事後に不具合が起こるケースも珍しくありません。
その場合、保証やアフターサービスが一切ない会社だと、点検や修理に別途費用がかかってしまいます。
そういったリスクを防ぐためにも、必ず保証やアフターサービスの有無を確認し、それらのサービス体制が整っている会社に依頼しましょう。
2-5.契約を急かしてくる会社とは契約しない
リフォーム会社の中には相見積もりを防ぐために「今日契約してくれたら、さらに安くします」など、契約を急かす会社もありますが、こうした会社と契約するのはおすすめしません。
こうした手法は悪徳業者に多く見られますので、被害にあわないためにも目先の金額に惑わされず、一度自宅に持ち帰って他社と比較しながらよく検討しましょう。
見積書に署名・捺印をしない!
リフォーム会社の中には、まれに見積書への署名を契約とする悪徳業者が存在します。
本来見積書と契約書は別なので、見積書に署名や捺印を求められることはありません。
もし求められたとしても、絶対にサインしないように注意してください。
2-6.安さだけにとらわれすぎない
ここまで、リフォーム費用を抑える方法をいくつか紹介しました。ただし、これらの方法を使う際には、「本当に必要な部分まで削っていないか」という視点も忘れないでください。
リフォームは日々の暮らしの質や健康面に直結するものです。目先の費用だけを重視して必要最小限の工事にしてしまうと、かえって満足度が下がることもあります。
たとえばキッチンなら、「面材の剥がれやシンクの汚れは気になるけど、まだ使えるから」と不具合のある箇所だけを交換した結果、「新品の部分だけ浮いてしまっているのが気になる…」と後悔するケースもあります。
そうなると我慢して使い続けるか、場合によっては追加でリフォームをし直すことになり、結果的に費用も手間も余計にかかってしまいます。
思い切って全体を交換したほうが、長い目で見て満足度が高く、コストパフォーマンスも良かったかもしれません。
大切なのは、予算とリフォーム後の満足度のバランス。費用を抑えられる部分は賢く節約しながらも、暮らしの質を大きく左右する部分には適切な投資をする。そのメリハリが、満足度の高いリフォームにつながります。
無理のない予算で工事することはもちろん大切ですが、リフォームの目的や、その後何年使うのか、どんな暮らしを実現したいのかも一緒に考えてみてくださいね。
3.まとめ
本記事で紹介してきたような方法を取り入れれば、格安でリフォームすることができます。
とくにリフォーム箇所の厳選や設備の再利用などは、予算が厳しいときに効果的です。
ただし、安さだけを優先すると、満足のいくリフォームができない可能性も。
予算内で満足できるリフォームをするためには、リフォームの目的や理想の暮らしにも目を向けてみましょう。
プランニングや優先順位がうまく検討できない時は、希望や予算をもとに費用を抑えるための方法を寄り添って提案してくれる業者の力を借りることもひとつの方法です。
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