
築30年の家に住んでいると、天井のシミや浴室のカビなど、これまで気にならなかったところに目がいくようになります。
「雨漏りや家の構造は大丈夫?」「あと何年住めるの?」と不安になったり、「リフォームで十分なのか、建て替えたほうがいい?」と、悩んだりする方も多いでしょう。
築30年の家は修繕箇所は多くなるものの、基本的にはリフォームで対応できます。
本記事のポイント
- 築30年の家に必要なリフォームと、あと何年住めるかの判断基準と劣化チェック
- 築30年で優先したいリフォームと、部位別・予算別の費用相場
- 費用を抑える方法や実際のリフォーム事例、失敗しない業者の選び方
「自宅のどこをリフォームすればいい?」「リフォームと建て替えのどちらがいいか、わからない」と迷っている方は、リフォームガイドをご活用ください。
複数のリフォーム会社で工事内容や費用を比較できるので、自宅の状態に合ったリフォーム方法を知るヒントにもなります。
1.築30年の家にリフォームは必要?何年住めるかの目安と劣化チェック・建て替えの判断基準
築30年の家は、建て替えが必要なほど傷んでいるケースは多くありません。
適切にメンテナンスすれば、リフォーム後さらに30〜40年住み続けられる可能性があります。
一方で、屋根・外壁、耐震性などは住宅寿命にかかわる部分なので、入念な確認が必要です。
築30年の住宅で起こりうる課題は、下の図のとおり「配管の腐食による漏水リスク」「外装の傷み」「基礎や柱の腐食」「断熱材が入っていない」「間取りが今の暮らしに合わない」などです。

出典:http://www.8044.co.jp/gallery/447(右上)/http://www.8044.co.jp/gallery/372(中)/https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=71(右下)
ここでは、リフォームの必要性や劣化状況、建て替えを検討する目安を解説します。
1-1.適切にリフォームすれば30〜40年住める|家の状態と暮らしの変化で判断しよう
築30年といえば、法定耐用年数を過ぎて、建物の価値も大きく下がっている時期。
しかし、「法定耐用年数=建物の寿命」ではありません。
構造部分の状態を確認して必要な補修を行い、その後も適切なメンテナンスを続ければ、リフォーム後さらに30〜40年住み続けることも可能です。
リフォームが必要かどうかは、建物の状態や性能・暮らしの変化で判断しましょう。
- 屋根・外壁・給排水管の劣化・寿命
- 耐震基準・断熱性に関する不安
- 子どもの独立・親との同居・老後の暮らしと間取りのずれ
築30年という年数だけで判断せず、家の状態とこれからの暮らしに合わせて必要なリフォームを組み合わせることで、長く住み続けられる住まいを目指せます。
なお、マンションは専有部分のみのリフォームとなるため、戸建てとは工事の考え方が変わってきます。
マンションの築30年リフォームについては、以下の記事をご覧ください。


1-2.劣化チェック表|3つの視点で見るポイントと放置した場合のリスク
築30年の家に必要なリフォームを考えるときには、まずは「自宅で劣化している部分」を確認するところからはじめましょう。
目で見てわかる症状からチェックしていくのがポイントです。
築30年の家の劣化チェック表
| チェックするポイント | こんな症状はない? | 放置するとどうなる? |
|---|---|---|
| ・屋根 ・外壁 ・基礎 |
・天井にシミがある ・屋根材のずれやコケが目立つ ・外壁にひび割れやチョーキングがある ・基礎にひび割れがある ・床が傾いている ・室内で羽アリを見かける ・床を歩くとふかふかする |
・雨水が内部に侵入し、構造材などにダメージを与える ・シロアリ被害につながる ・修繕範囲が広がり、高額な費用がかかる |
| ・水まわり ・給排水管 ・給湯器 |
・設備を20年以上使っている ・排水が詰まりやすい ・水漏れがある ・給湯器を10年以上使っている |
・水漏れによって床や壁にカビが生えたり、腐朽したりする ・設備が突然故障して使えなくなる |
| ・耐震 ・気密 ・断熱 |
・2000年5月以前に建てた(建築確認申請を受けた) ・冬に結露する ・窓際がとくに冷える ・夏になると2階がとくに暑い |
・地震発生時に損壊または倒壊のリスクが高まる ・寒暖差によってヒートショックを起こしやすくなる |
まずは上記に当てはまる部分から、リフォームを検討していくことになります。
ただし、見た目の症状が当てはまらないからといって、劣化していないとは言い切れないのがリフォームの難しいところです。
たとえば、外壁の小さなひび割れから入り込んだ雨水が住宅内部の構造材を傷めていても、室内側からは見て判断できません。
床下にある給排水管も同様に、現地調査を行った結果、下地の修繕まで必要になるケースもよくみられます。
セルフチェックはあくまで「気になる箇所を見つけるため」のものです。
最終的には、リフォーム会社の現地調査で状態を確認しましょう。
より詳細に建物の状態を知りたいときは、「ホームインスペクション」を受けるのも一案です。
費用は5万〜10万円ほどかかりますが、専門業者が3時間ほどかけて建物の劣化状況や欠陥の有無、修繕すべき箇所やその時期、おおよその費用までを算出してくれます。
「自宅がどの程度傷んでいるかわからない」という場合は、まずはリフォーム会社に相談して、現地調査を実施しましょう。
リフォームガイドなら、見積もり作成前に現地調査を行う業者を複数社ご紹介します。
1-3.築30年なら基本はリフォーム|見積額・劣化状況などによっては建て替えを要検討
築30年の住宅は、基本的にはリフォームで対応できます。
ただし、現地調査や見積もり結果によっては、建て替えも視野に入れたほうがよいケースもあります。
とくに次のようなケースは、建て替えも含めて比較しましょう。
- リフォーム費用が建て替え費用の7割を超える
- 柱や梁、基礎など構造部分の劣化が広範囲におよんでいる
- 増築や減築など、間取りや延床面積を大きく変えたい
- ツーバイフォー工法など、スケルトンリフォームに不向きな構造である
判断材料の1つになるのが、リフォーム費用と建て替え費用の差です。
たとえば30坪の住宅を建て替えるときの費用は、2,670万〜2,760万円が目安です。
その7割にあたる1,900万円を超えるなら、建て替えも視野に入れたほうがよいでしょう。
リフォームと建て替えの判断基準を詳しく知りたい方は、以下の記事の診断シートもご活用ください。


「リフォームと建て替えのどちらが自宅に合うのか、専門家に相談しながら決めたい」という方は、まずは複数のリフォーム会社に相談してみましょう。
リフォームガイドなら、リフォームと建て替えのどちらにも対応している優良業者を紹介し、相見積もりまでサポートいたします。
2.築30年で必要なリフォームはどれ?優先順位の付け方
築30年の家をリフォームするときは、予算に合わせて優先順位を決めることが大切です。
まずは住宅の寿命や安全性にかかわる部分を確認し、そのうえで快適性や将来の暮らしにかかわる工事を検討しましょう。
築30年リフォームの優先順位
| 優先度 | 工事内容 | 優先すべき理由 |
|---|---|---|
| 最優先 | ・屋根 ・外壁 ・給排水管 ・耐震 |
・雨漏りや漏水を放置すると、構造材の腐朽につながる ・耐震性は安全性に直結する |
| 次に | ・気密・断熱 ・省エネ化 ・水まわり設備 |
・使い勝手がよくなる ・寒さや暑さ、光熱費などの暮らしの不満解消につながる |
| 余裕があれば | ・間取り変更 ・バリアフリー |
・ライフスタイルに合わせて住みやすさを整えるため |
2-1.【最優先】雨漏り・構造などの劣化を止める工事|屋根・外壁・給排水管・耐震
築30年の家で最初に確認したいのが、「屋根」「外壁」「給排水管」「耐震性」です。
見た目をきれいにする工事よりも、放置すると家そのものへのダメージにつながる部分を優先しましょう。
劣化を止める工事の内容
| リフォーム箇所 | 工事内容 |
|---|---|
| 屋根・外壁 | 劣化が軽ければ塗装、下地や重量に問題がなければカバー工法、下地まで傷んでいる、または重量で耐震性に影響するときは葺き替えや張り替えを検討する ※瓦はカバー工法不可 |
| 給排水管 | 水まわり設備の交換とあわせて状態を確認し、必要に応じて配管を更新する |
| 耐震性 | 建物の状態に応じて柱や耐震金物の設置、屋根の軽量化などの補強を行う(できれば耐震診断を受ける) |
※屋根や外壁の張り替えは、工事内容によって建築確認申請が必要になる可能性がある。
築30年経つと、屋根と外壁は張り替え時期に入り、給排水管は耐用年数を超えています。
劣化を放置すると、雨漏りや漏水によって構造材の腐朽につながる恐れがあるため、優先して修繕しましょう。




また、耐震性についても、築30年の住宅は耐震性が低下、または不足している可能性が高いので、必要に応じて現行の耐震基準に合わせた補強を行いましょう。
なお、屋根の葺き替えや外壁の張り替えは、建築確認申請が必要になる可能性があります。必要な手続きや費用については、事前にリフォーム会社へ確認しましょう。
築20年で済ませておくべきだった工事や、耐震補強・建築確認申請の詳細が気になる方は、以下の記事もご覧ください。
| 築20年で必要な工事 | 耐震補強の工事内容 |
| 増築の建築確認申請 |
「屋根と外壁、どちらを先に直すべき?」「耐震補強まで必要?」など、自分では判断しにくい場合は、リフォーム会社に現地調査を依頼してみましょう。
リフォームガイドなら、複数のリフォーム会社に相談・見積もりを依頼できます。
自宅に必要な工事を整理し、予算に合わせてリフォーム計画を立てたい方は、まずはご相談ください。
2-2.【次に】暮らしを快適にする工事|断熱・水まわり・省エネ設備
家の構造や劣化に関する問題を確認したら、次に考えたいのが、日々の暮らしを快適にするためのリフォームです。
暮らしを快適にする工事の内容
| リフォーム箇所 | 工事内容 |
|---|---|
| 気密・断熱 | 窓・床・天井・壁などの気密性と断熱性を高める。熱損失が大きい窓から優先して行う |
| 水まわり設備 | キッチン・浴室・トイレ・洗面台などの設備を交換する |
| 省エネ | 住宅の気密・断熱性を高めて冷暖房効率をよくしたうえで、高効率給湯器や節水トイレなどに交換する |
築30年の住宅では、「冬は寒くて、夏は暑い」「光熱費が高い」といった悩みが出やすくなります。
まずは熱の出入りが多い窓の交換や内窓の設置から行い、予算に余裕があれば、床や壁、天井などの断熱も行いましょう。
高気密・高断熱化は、省エネ化にもつながります。


水まわり設備や省エネ設備の工事内容の詳細や費用については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせて参考にしてください。


| 省エネ給湯器の費用 | 節水トイレの費用 |
2-3.【余裕があれば】将来に備える|間取り変更・バリアフリー
予算に余裕があれば、これからの暮らしに合わせて間取り変更やバリアフリーも検討しましょう。
将来に備える工事の内容
| リフォーム箇所 | 工事内容 |
|---|---|
| 間取り変更 | ・和室の洋室化、LDKの拡張、部屋を減らして生活を1階に集約する ・回遊動線を取り入れて、家事や生活動作の負担を軽くする |
| 快適さの向上 | ・引き戸やセンサー付き照明を取り入れるなど、移動や動作の負担を減らす ・家電や住宅設備をインターネットにつなぎ、スマホや音声で一括操作できるように「IoT化(スマートホーム化)」する |
| バリアフリー | 手すりの設置、段差の解消、滑りにくい床への変更など |
新築から30年も経つと、子どもの独立や定年などで家族構成や暮らし方が変わり、「使っていない部屋がある」「家事動線が悪い」といった不満が出てくることがあります。
予算が許すなら、今と老後のライフスタイルに合う間取りへと見直しましょう。
ただし、戸建て住宅は柱や耐力壁など取り除けない部分もあるため、構造確認が必須。
現地調査を行ったうえで、計画を進めましょう。


老後を見据えるなら、手すりの設置や段差の解消、1階への生活スペースの集約なども選択肢になります。
介護保険を利用した住宅改修などの補助制度については、後ほど「築30年リフォームの費用を抑える方法」で解説します。


間取り変更やバリアフリーの工事内容に迷ったら、リフォーム会社に相談してみましょう。リフォームガイドなら、複数の会社に相談・見積もりを依頼できます。
3.築30年リフォームの費用|部位別・家全体の相場と予算別に見るできること
築30年のリフォーム費用は、劣化した部分だけを直すのか、家全体をリフォームするのかなど、工事する範囲によって大きく変わります。
大幅な予算オーバーを防ぐためには、追加費用や仮住まい費用などの諸費用も考えておかなくてはなりません。
ここでは、部位別の費用相場から、フルリフォーム、予算別にできること、見落としやすい追加費用を順番に見ていきましょう。
3-1.部位別の費用相場|劣化対策・快適性・将来への備えの順に見る
劣化した部分だけを直す場合は、工事箇所ごとの費用を組み合わせる形で総費用が決まります。
まずは、工事箇所ごとの費用目安を確認しましょう。
部位別の費用相場
| 段階 | 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 劣化対策 | 屋根 | ・塗装:60万〜75万円 ・カバー工法:85万〜180万円 ・葺き替え:90万〜240万円 |
| 外壁 | ・塗装:70万〜140万円 ・カバー工法:150万〜220万円 ・張り替え:200万〜260万円 |
|
| 給排水管 | ・交換のみ:15万円〜 ・床や壁の解体復旧:+50万円〜 |
|
| 耐震補強 | ・家全体:100万〜200万円程度 | |
| 快適性 | 気密・断熱 | ・内窓:5万〜30万円(1箇所) ・床下:20万〜30万円 ・天井裏:15万〜50万円 ・壁の内側(内断熱):80万〜250万円 ・壁の外側(外断熱):250万〜400万円 |
| 水まわり設備 | ・キッチン(I型):62万〜210万円 ・浴室:60万〜150万円 ・洗面台:9.5万〜26万円 ・トイレ:25万〜60万円 ・4点まとめて:147万〜420万円 |
|
| 省エネ設備 | ・省エネ給湯器:35万〜280万円 | |
| 将来への備え | バリアフリー | ・手すり:1万円〜(1箇所) ・段差解消:1万〜25万円 ・滑りにくい床材:2万〜10万円(1部屋) ・バリアフリーユニットバス:80万〜150万円 |
※屋根・外壁は30坪前後、断熱は30坪前後の戸建てを想定。
※水まわりは設備のグレードなどによって変動。
屋根や外壁、耐震補強は建物の状態によって必要な工事が変わるため、上記はあくまで目安として考えてください。
水まわり設備はまとめて工事することで、個別にリフォームするよりトータルコストを抑えやすくなります。
また、気密・断熱施工は熱の出入りがとくに大きい窓から行うなど、優先順位をつけると予算を調整しやすくなります。
各工事の詳しい費用や内訳は、以下の記事をご覧ください。


| 外壁リフォーム費用 | 耐震補強の費用 |
| 断熱リフォーム費用 | 水まわりの費用 |
| バリアフリーの費用 |
3-2.築30年の家をフルリフォームするといくら?坪数別のスケルトン費用
築30年の住宅は内外装ともに劣化が進んでいることも多く、家全体をリフォームするケースも少なくありません。
その場合は、骨組みを残して内装や設備などをつくり直す、「スケルトンリフォーム」を行うのが一般的です。
費用目安は30坪で内装のみなら1,000万〜1,450万円、内外装まで行う場合は1,350万〜1,800万円が目安となります。

出典:http://www.8044.co.jp/gallery/381(外装・内装)
スケルトンリフォームは部分リフォームと比べて費用は高くなりますが、耐震・気密・断熱・配管・間取り変更などをまとめて見直せる点がメリットです。
20〜50坪の費用目安を見てみましょう。
坪数別のスケルトンリフォーム費用
| 延床面積 | 費用目安 | |
|---|---|---|
| 内部スケルトン(内装) | 内外部スケルトン(内装+外装) | |
| 20坪(66㎡) | 750万〜1,150万円 | 1,000万〜1,400万円 |
| 25坪(82.5㎡) | 900万〜1,300万円 | 1,200万〜1,600万円 |
| 30坪(99㎡) | 1,000万〜1,450万円 | 1,350万〜1,800万円 |
| 40坪(132㎡) | 1,200万〜1,700万円 | 1,600万〜2,100万円 |
| 50坪(165㎡) | 1,400万〜2,000万円 | 1,900万〜2,500万円 |
1坪あたりの施工費用(坪単価)は30万〜50万円程度が目安ですが、耐震・断熱などの工事を追加すると80万円を超えることもあります。
また、工期は3〜5か月程度かかるケースが多く、工事中は仮住まいが必要です。
スケルトンリフォームに不向きな構造に要注意!
ツーバイフォー工法や無筋基礎の住宅など、建物の条件によってはスケルトンリフォームが不向きなケースもあります。
実施できる工事の範囲は、事前にリフォーム会社に確認しましょう。
スケルトンリフォームの工事内容や費用、注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。


3-3.予算300万・500万・1,000万円でできること
築30年の家では、予算に応じてリフォームできる範囲が変わります。
予算ごとのリフォームの目安を見てみましょう。
予算別にできるリフォームの目安
| 予算 | リフォームの目安 |
|---|---|
| 300万円 | 水まわり3〜4点の交換(85万〜395万円/147万〜420万円)+内窓など部分的な断熱 |
| 500万円 | 水まわり4点+屋根または外壁の塗装(60万〜140万円)+断熱(窓・床で50万〜100万円) |
| 1,000万円 | 内装のみのスケルトンリフォーム(20坪750万〜1,150万円/30坪1,000万〜1,450万円) ※外装は塗装にとどめる |
※工事内容や建物の状態、設備グレードによって費用は変わる。
予算が300万〜500万円の場合は、水まわり設備の交換や断熱施工などの部分的なリフォームが中心。1,000万円になると、内装を解体してつくり直すスケルトンリフォームが視野に入ります。
一方で設備の劣化がとくに気になる場合は、修繕を最低限にして水まわりを優先するなど、自宅の状態と予算に合わせて調整しましょう。
築30年の住宅を940万円で内部スケルトンリフォームした事例や、1,000万円・1,500万円でできるリフォームの範囲については、以下の記事も参考にしてください。




限られた予算の中でどの工事を優先すればよいか迷ったときには、リフォーム会社に相談してみましょう。
リフォームガイドなら、希望や予算に合うリフォーム会社に相談できます。
3-4.見積もり時に見落としがちな費用|予備費・仮住まい
リフォーム予算を考えるときには、工事費用とは別に、追加工事や仮住まいなどの費用も見込んでおきましょう。
見積もり時に見落としがちな費用
| 費用項目 | 目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 予備費 | 工事費の5〜10% | 解体後に見つかった劣化など、追加工事に備えるための費用 |
| 仮住まい | 65万〜100万円程度 | 賃貸物件への初期費用や家賃、引っ越し2回分の費用、荷物の保管料など |
※仮住まいの家賃は月15万円前後で換算。
築30年の住宅では、床下や壁の内部、屋根裏など解体しはじめて劣化が見つかるケースも多いので、予備費を確保しておくと安心です。
目安は工事費の5〜10%程度、見積金額が500万円なら、25万〜50万円程度を加味しておくと、追加費用による予算オーバーを防ぎやすくなります。
また、スケルトンリフォームでは住みながらの施工が難しいので、仮住まい費用も必要です。
工事費だけで予算を使い切らず、諸費用も含めて資金計画を立てましょう。
詳しくは「6.築30年の家をリフォームする際の業者選びのポイント!見積もりの比較方法」をご覧ください。
追加工事や諸費用まで含めて予算を考えたい方は、まずはリフォーム会社に現地調査を依頼し、必要な工事内容を確認しておきましょう。
リフォームガイドなら、複数のリフォーム会社に同条件で見積もりを依頼できます。
「予算内で必要な工事をまとめたい」という方は、ぜひご相談ください。
4.築30年リフォームの費用を抑える方法|補助金・減税・まとめて工事
築30年のリフォームで使える可能性がある制度は、工事の種類によって変わります。
使いたい制度は、見積もりを依頼する段階でリフォーム会社に伝えましょう。
工事内容別に使える可能性がある制度
| 工事内容 | 使える制度 | 対応時期 |
|---|---|---|
| 耐震補強 | 自治体の助成(対象の建築時期は自治体による) | 耐震診断を受けてから申請 |
| 内窓・窓の交換 | 先進的窓リノベ2026事業 | 契約前に登録事業者か確認 |
| 壁・床・天井の断熱 | みらいエコ住宅2026事業(ほかの省エネ工事との組み合わせが条件)/既存住宅における断熱リフォーム支援事業 | 契約前に登録事業者か確認/着工前に申請 |
| 給湯器の交換 | 給湯省エネ2026事業 | 契約前に登録事業者か確認 |
| 手すり・段差解消 | 介護保険の住宅改修(要支援・要介護の認定が必要)/自治体の助成 | 着工前に申請 |
| 省エネ・バリアフリーなどの改修 | 住宅ローン減税(10年以上のローンを組む場合)/リフォーム促進減税 | 工事後に確定申告 |
※制度の内容や受付期間は、年度や自治体ごとに異なる。
※登録事業者は、補助金の事業に登録しているリフォーム会社。
ただし、補助金制度の多くは着工前申請が必要です。
また、国の補助金同士は併用ができない可能性があるなど、注意点も多くあるため、対象となる工事や申請時期は事前に確認しましょう。
使える補助金の制度名や補助額が気になる方は、以下の記事をご覧ください。
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減税制度の内容や申請方法については、以下の記事で解説しています。


制度の対象にならない工事でも、まとめて行えばトータルコストを抑えやすくなります。
たとえば屋根と外壁を同時に行えば、足場の設営が一度で済みます。
「自宅の工事で使える制度がわからない」「まとめられる工事があるか知りたい」という方は、リフォームガイドをご利用ください。
制度に詳しいリフォーム会社を複数紹介し、相見積もりまでサポートいたします。
5.築30年以上の家のリフォーム事例|工事の違いで費用はどう変わる?ビフォーアフターで確認
同じ築30年以上の住宅でも、水まわりの交換から外装・構造の修繕、間取り変更を含むスケルトンリフォームまで、工事の範囲によって費用は429万〜1,929万円と幅があります。
実際の事例から、リフォームの規模や費用感を見てみましょう。
3つの事例の比較
| 事例1 | 事例2 | 事例3 | |
|---|---|---|---|
| 建物・築年数 | 戸建て/築32年 | 戸建て/築37年 | マンション/築30年 |
| きっかけ 希望 |
・水まわり設備の不具合 ・バリアフリーと省エネも考えたい |
・シロアリ被害の補修 ・断熱施工、バリアフリー化で将来に備えたい |
・間取りと水まわりの位置を変えたい ・和室の段差をなくしたい |
| 工事範囲 | ・水まわり設備交換 ・給湯設備の交換 ・段差解消 |
・基礎補強・防蟻 ・断熱窓 ・間取り変更 ・水まわり設備交換 ・屋根の重ね張り ・外壁塗装 |
・内部スケルトン ・間取り変更 ・水まわり設備交換 |
| 工期 | 1か月 | 4か月 | 1.5か月 |
| 費用 | 429万円 | 1,929万円 | 700万円 |
ここからは事例の詳細を解説しますので、水まわりのみのリフォームなら事例1、外装や構造までの修繕なら事例2、間取り変更を含む大幅改装なら事例3を参考にしてください。
5-1.事例1:築32年戸建て|バリアフリーや省エネを考えた水まわりのリフォーム
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築32年を迎え、水まわりに不具合が発生しはじめた戸建て住宅。キッチン、浴室、洗面室、トイレ、給湯設備を一新して、機能性や使い勝手を向上させました。
大きな間取り変更はしていませんが、柱を移動させることで一坪タイプの広々としたユニットバスを実現。トイレと廊下の段差解消も行い、バリアフリー化も実施しました。
| 築年数 | 32年 |
|---|---|
| 工事期間 | 1か月 |
| リフォーム費用 | 429万円 |
| リフォーム内容 | 水まわりの更新・バリアフリー化・内装工事・外装工事など |
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/473
5-2.事例2:築37年戸建て|断熱・バリアフリーのフルリフォーム
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築30年を超える戸建て住宅で実施したフルリフォームの事例です。1階のシロアリ被害に対し、基礎補強と防蟻消毒を実施。断熱性向上のため、浴室・洗面室に断熱窓と換気乾燥暖房機を設置したほか、床の張り替えや折れ戸の採用でバリアフリー化も実現しました。
2階は対面キッチンへの変更やパントリーの造作で収納力を向上。屋根は金属屋根の重ね張り、外壁は塗装で耐久性と美観を向上させ、将来を見据えた快適な住まいへと生まれ変わりました。
| 築年数 | 37年 |
|---|---|
| 工事期間 | 4か月 |
| リフォーム費用 | 1,929万円 |
| リフォーム内容 | 耐震補強・間取り変更・水まわりの更新・バリアフリー化・内装工事・外装工事など |
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/338
基礎補強やバリアフリー化は、補助金や介護保険の対象になる場合があります。
詳しくは「4.築30年リフォームの費用を抑える方法|補助金・減税・まとめて工事」をご覧ください。
5-3.事例3:築30年マンション|間取り変更と段差解消のスケルトンリフォーム
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間取りの変更と水まわりの更新を検討していた築30年のマンション。水まわりの位置も変更するため、スケルトンリフォームを実施しました。
キッチン・浴室・洗面化粧台・トイレの水まわり設備を一新。壁付けのキッチンを移動して、対面式キッチンへ。リビングの一角にある和室の段差解消も希望されていたため、和室をなくし、無駄がなく使いやすいLDKを実現しました。
| 築年数 | 30年 |
|---|---|
| 工事期間 | 1.5か月 |
| リフォーム費用 | 700万円 |
| リフォーム内容 | スケルトンリフォーム(間取り変更・水まわりの更新・バリアフリー化・内装工事など) |
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/154
築30年の家をスケルトンリフォームしたほかの事例や、間取り変更の事例は、以下の記事もあわせて参考にしてください。
築30年のリフォームは、住宅の状態や希望する暮らしによって必要な工事や費用が大きく変わります。
「自宅に合う工事内容を知りたい」という方は、リフォームガイドにご相談ください。
6.築30年の家をリフォームする際の業者選びのポイント!見積もりの比較方法
築30年のリフォームは、屋根・外壁・配管・耐震など工事の種類が多く、依頼先によって対応できる範囲も異なります。
また、床下や壁内などの見えない部分は、解体後に劣化が見つかることも少なくありません。
そのため、現地調査をしたうえで見積もりを作成する会社を選び、2〜3社で比較することが大切です。
6-1.築30年の家に向く依頼先|劣化診断から全体の改修まで任せられるリフォーム会社
屋根・配管・断熱など複数の工事をまとめて行うなら、現地調査から改修までを一括して対応できるリフォーム会社、または工務店への相談がおすすめです。
リフォームと建て替えで迷っている方は、両方に対応できる会社へ相談すると比較しやすくなります。
依頼先の比較
| リフォーム会社 | ハウスメーカー・工務店 | 専門業者(屋根・外壁・水まわりなど) | |
|---|---|---|---|
| 対応範囲 | 現地調査からスケルトンリフォームまで一括して対応できる | リフォームと建て替えのどちらにも対応できる | 専門とする工事のみ |
| 向いている人 | 複数箇所をまとめて工事したい | リフォームと建て替えで比較したい | 修繕箇所が1つに決まっている |
| 注意点 | 会社ごとに得意分野や対応工事規模が異なる | 提案が建て替え寄りになる可能性がある | 複数箇所を工事する場合は窓口が分かれる |
耐震補強を行う場合は、耐震診断士や建築士が在籍し、建設業許可を取得しているかも確認しましょう。
依頼先ごとの特徴は、以下の記事で詳しく解説しています。


6-2.契約前に確認する3点|現地調査の内容・補助金申請の対応・保証
リフォーム会社との契約前に必ず押さえておきたいのが、次の3つのポイントです。
契約前に確認する3点
| 確認すること | ポイント |
|---|---|
| 現地調査の内容 | ・床下・屋根裏などを確認しているか ・追加費用が発生する条件や金額を提示してくれるか |
| 補助金申請の対応 | 利用したい補助金の登録事業者か、申請実績があるか |
| 保証・アフターサポート | 保証期間と対象範囲が書面で明確になっているか |
契約時には、見積書との相違や支払い方法、クーリングオフの記載にも必ず目を通し、疑問点があればその場で確認しておきましょう。
会社選びの判断基準は、以下の記事でも詳しく解説しています。


6-3.見積もりは2〜3社で比べる|現地調査をしたリフォーム会社同士を比較しよう
見積もりは2〜3社に依頼し、必ず同じ条件で比較しましょう。
築30年の家は下地補修や配管更新の有無で金額が変わるため、現地調査をした会社同士で比べることが重要です。
その際には、次の部分を比較してみてください。
- 金額:総額と工事ごとの内訳
- 工事範囲:下地補修や配管更新などが含まれているか
- 保証:保証期間と対象範囲
見積もりは金額だけでなく、必要な工事が含まれているか、提案内容や保証内容、期間まで比較しましょう。
極端に安い見積もりは、必要な工事が含まれていなかったり、後から追加費用が発生したりする恐れがあります。


また、突然訪問してきて「屋根が傷んでいる」「無料で点検する」などと勧誘する業者には注意が必要です。どれだけ安い金額を提示されても、その場で契約しないように注意してください。
会社選びで不安に思うことがあったら、ぜひリフォームガイドにご相談ください。
希望する工事や予算をもとに、築古物件の実績が豊富な優良業者のみをご紹介いたします。
7.築30年のリフォームに関するよくある質問
築30年のリフォームについて、よくある質問をまとめました。
- 築30年でフルリフォームしたら何年住めますか?
- 築30年のリフォームで300万円はどこまでできますか?
- 築30年のリフォームに1,000万円はかけられますか?
- リフォーム済みの築30年中古住宅を買っても大丈夫ですか?
- 築30年のマンションのリフォーム費用はいくらですか?
ここでは、費用や工事内容、購入時の注意点など、リフォーム前に知っておきたい疑問を解消します。
7-1.築30年でフルリフォームしたら何年住めますか?
適切な修繕を行えば、リフォーム後30〜40年程度住み続けられる可能性があります。
ただし、実際に住める期間は建物の状態やメンテナンスによって変わります。
長く住み続けるためにも、リフォーム後も定期的に点検し、劣化した部分を早めに修繕しましょう。


7-2.築30年のリフォームで300万円はどこまでできますか?
水まわり3〜4点の交換のリフォームが中心になります。
費用は3点なら約85万〜395万円、4点なら約147万〜420万円が目安です。グレードを抑えれば300万円以内に収まるケースもあります。
ただし、屋根や外壁などの劣化や水漏れがみられる場合は、水まわりより先に修繕費を確保する必要があります。
自宅の状態に合わせて、予算配分を考えましょう。


7-3.築30年のリフォームに1,000万円はかけられますか?
1,000万円の予算があれば、内部スケルトンが視野に入ります。
費用は20坪なら750万〜1,150万円、30坪なら1,000万〜1,450万円が目安です。
実際に、築30年の住宅を940万円で内装のみスケルトンリフォームをした事例もあります。
希望する工事を伝えたうえで、リフォーム会社にどこまで実現できるか相談しましょう。


7-4.リフォーム済みの築30年中古住宅を買っても大丈夫ですか?
一概に「大丈夫」だと判断できません。
リフォーム済み物件でも、配管や構造などの見えない部分が修繕されていない可能性があるからです。
購入前にリフォーム履歴や工事範囲を確認し、必要に応じてホームインスペクションや耐震診断を検討しましょう。


7-5.築30年のマンションのリフォーム費用はいくらですか?
築30年のマンションは、フルリノベーションなら650万〜1,450万円(50〜100㎡)、部分リフォームなら150万円からが目安です。
ただし、戸建てとは違って窓や外壁などの共用部分は個人でリフォームできません。
水まわりの移動や床材なども管理規約によって制限される可能性があるため、工事前に管理規約や管理組合への確認が必要です。


8.まとめ
築30年の家は、建て替えが必要なほど傷んでいるケースは少なく、基本的にはリフォームで対応できます。
リフォームを検討するときは、次の4点を押さえておきましょう。
- 構造部分まで適切に修繕し、その後もメンテナンスを続ければ、リフォーム後30〜40年ほど住み続けられる
- 工事内容は「劣化を止める→快適にする→将来に備える」の順に考える
- 工事費だけでなく、予備費や仮住まい費用なども含めて予算を考える
- 見えない部分の劣化もあるため、現地調査を行ったうえで見積もりを出す会社を2〜3社で比較する
必要なリフォームの範囲は、建物の状態やこれまでのメンテナンスによって異なります。
まずは現地調査を受けて、自宅に必要な工事と費用を把握することからはじめましょう。
戸建てリフォーム全般の費用について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
築30年のマンションについて、リフォームの検討箇所や費用を知りたい方はこちらをご覧ください。


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