
外壁や屋根を塗装する際に迷うのが色の組み合わせでしょう。
どんな色がおすすめでデザイン性が高くなるのかは実際に見てみなければわかりません。
この記事では、外壁や屋根塗装をする際に適した組み合わせの選びかた、人気の色の組み合わせ、失敗しないためのコツを紹介いたします。
外壁塗装は10年に1度しか行わない工事ですので損をしないようにチェックしておきましょう。
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1.まずは色の組み合わせの考え方を知ろう
失敗しないための最初の手順は、外壁塗装に適した色の組み合わせを知ることです。
どのような組み合わせや塗装の仕方が重要なのかを以下でまとめました。
1-1.目立たせたいのなら補色を利用する
補色の図の例(ただし外壁に使うマンセルカラーではありません)
補色とは、特定の色から見て正反対の色を指します。
外壁塗装では赤の補色なら緑、黄色の補色なら青紫が当てはまります。補色を並べると互いの色が引き立ちますので、住宅を目立たせたい場合に適しています。
落ち着いた住宅にしたいのなら補色とは逆に近い色同士を組み合わせると良いでしょう。
1-2.サイディングの切れ目で色分けする
サイディング外壁で作られた住宅の場合、色の境界線を目立たせないためにサイディングボードの切れ目で色分けをします。
他にも外壁の角や付帯部で色分けをすることで全体的にきれいに見えるでしょう。外壁で中途半端な位置から色分けをしてしまうと塗料の境界線が目立ってしまいますので気をつけましょう。
1-3.ベランダだけ違う色で塗る
サイディングの切れ目で色分けをすることと同じように、ベランダだけ別の色で塗ることがあります。
ベランダ部分だけ色を濃くすることで外壁のデザインが単調になることを避けられるでしょう。ベランダ部分が強調されるので見栄えが良くなります。
ただし、外壁全体に占めるベランダの面積や数によっては外壁全体のバランスが崩れて逆効果となる可能性があります。
ベランダを色分けしたほうが良いのかは事前に業者に確認しておきましょう。
1-4.外壁は薄い色で屋根は濃い色を選ぶ
外壁と屋根で異なる色を使うのが一般的です。基本的には外壁よりも屋根を濃い色にしましょう。屋根に特に適しているのは黒や灰色に近い色です。
屋根は外壁に比べて雨や紫外線などを受けやすく、塗装の劣化が早いです。薄い色で塗装してしまうと屋根が目立たなくなって外壁全体が単調な配色に見えてしまうでしょう。
屋根に使うのが濃い色だとしても、明るい色は極力避けましょう。赤や黄色だと黒や灰色に比べて劣化が目立ちやすくなります。
外壁は薄い色にすることが多いでしょうから屋根に濃い色を塗らなければデザイン性が低下しやすいでしょう。
2.人気のある色の組み合わせ
他の人がどんな色の組み合わせを選んでいるのかは気になりますよね。
外壁を2色にしたい人は「グレー」「ブラウン」「アイボリー」「ベージュ」の4色による組み合わせがおすすめです。落ち着いた雰囲気を出しながら失敗しない組み合わせが作れるでしょう。


3.【注意】やってはいけない色の組み合わせはどういったものか?
外壁塗装で失敗しやすい色の組み合わせがあります。
塗ってから気づいても手遅れですので事前に確認して失敗を避けましょう。
3-1.白と黒の組み合わせを選んでしまう
汚れが目立ちやすいため外壁を白や黒だけで塗るのはおすすめしません。また、白と黒の組み合わせだけで塗ってしまうと周囲から浮いた家になりやすいです。
ただし真っ白や真っ黒ではなく、白系や黒系の外壁なら問題ありません。白と黒を組み合わせたいのなら白系はアイボリーを使うなど色を少し変化させると良いでしょう。
3-2.赤と青のように劣化の仕方が異なる色を使ってしまう
塗装では色によって劣化する期間が異なります。赤色は色が落ちやすく青色は色落ちしにくいため、赤と青の2色で外壁を塗ってしまうと劣化具合に差が生まれやすくなるでしょう。
基本的に赤や黄色に近いほど色落ちがしやすく、白や黒に近いほど劣化が遅いです。これは紫外線による光の波長などが影響しています。
また、濃い色は劣化すると目立ちやすいです。黒系と白系のように濃淡の差が激しい組み合わせだと濃い色の劣化ばかりが目につくでしょう。
3-3.外壁の色を4色以上にしてしまう
外壁に使う色の種類は2色か3色が多いです。屋根を含めれば最大で4色となるでしょう。基本的には屋根を除いた外壁に塗る色は3色までにしておきましょう。
4色以上を塗ってしまうと各色が目立たなくなってしまい面白みがないデザインになりやすいです。
住宅が大きい場合は4色でも構わないかもしれませんが、失敗しないためにセンスが必要なのは間違いありません。
外壁だけで3色を超えると全体的にまとまりがありませんので、色の組み合わせによほどの自信がない限り4色以上を使うのは避けましょう。
4.外壁塗装の色の組み合わせで失敗しないためのコツ
外壁塗装の色の組み合わせで失敗しないためには工事業者の言葉に従うだけではいけません。
業者に色見本帳やシミュレーション画像を見せてもらったとしても、実際に仕上がる住宅はイメージと大きく異なります。
色の組み合わせで失敗しないために以下の3つのポイントは抑えておきましょう。
4-1.色見本で色の組み合わせを決めるときは面積効果も考慮する
色は面積によって見えかたが変わります。これを「面積効果」と呼びますが、知らなければ外壁塗装の色選びに失敗するでしょう。
色の組み合わせを業者と相談するときには、色見本帳か、サイディングなどに塗ったサンプルを見せてもらえるでしょう。
しかし外壁の1%にも満たない面積の色見本帳やサンプルでは、あなたの家に塗装した後のイメージを正確につかむことはできません。
面積のみならず色の組み合わせと比率によってもイメージは大きく変わります。小さな色見本やサンプルを信用しすぎないようにしましょう。
4-2.シミュレーション画像で色の組み合わせを試すなら注意が必要
実際の家をイメージしたシミュレーション画像なら信用できると思う人もいるでしょう。しかし、シミュレーション画像に使用される色は実際に外壁に塗る色とは見えかたが異なります。
データによって作り出された色ですので現実で使う塗料と同じ色にすることはできません。シミュレーション画像を利用するくらいなら現実で色が見られるサンプルで確認したほうが良いでしょう。
シミュレーション画像を使うタイミングとしては、どうしても色のイメージがわかない際の最終手段として考えてください。
4-3.色の組み合わせが決まったら似たような家を肉眼や写真で確認する
組み合わせる色が決まったら、同じ色を使っている家を探すのが最も確実です。しかし、全く同じ組み合わせの家などそうそう見つからないでしょう。
その場合は1色だけでも同じ色がある家を探します。サンプルやシミュレーション画像だけで判断するよりは現実的なイメージがつかめるでしょう。
同じ色の組み合わせの家が見つかれば劣化具合も確認できます。「この色は劣化すると意外と見栄えが悪くなる」と気づけば他の色を考えることもできるでしょう。
5.まとめ
外壁の色の組み合わせは3色までにとどめることが見栄えを良くする秘訣です。屋根も含めれば4色です。
それ以上の色を組み合わせてしまうと、互いの色が魅力を消し合ってしまい面白みのないデザインとなるでしょう。
色を組み合わせるときは劣化具合にも気をつけて下さい。濃い色は劣化が早く、薄い色ほど色落ちしない傾向があります。
外壁部分を濃い色と薄い色の2色で塗ってしまうと将来的に劣化の差が目立ってしまい後悔するでしょう。
色の組み合わせを選ぶのならシミュレーション画像や色のサンプルではなく、同じような色を使っている家を探す方法が確実です。
色のサンプルでは面積効果によってイメージと現実がかけ離れてしまいます。サンプルだけではなくシミュレーション画像でも現実に見えるイメージの色を作り出すことは困難です。
おすすめの組み合わせとしては、人気が高いベージュやアイボリーに近い色で外壁を、ブラウンやグレー系の濃い色で屋根を塗装するのが良いでしょう。
ベージュやアイボリーの外壁は汚れが目立ちにくいため、劣化してもデザイン性を損ねにくいメリットがあります。
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