「築30年の中古物件をリフォームして住もうと思っているけれど、どんなリフォームをすべきか?」
「築30年経った物件のリフォームには、どれくらいの費用がかかりそうか?」
「古い家は建て替えすべき?リフォームすれば大丈夫?」
リフォームガイドに寄せられるこのようなお悩みにお応えして、築30年のリフォームではどれくらいの費用を見込めばいいのかを解説します。さらに建て替えとの違いや、リフォームと建て替えどちらを選ぶべきかなどもご説明します。
この記事を読めば、あなたがやろうとしている築30年の物件のリフォームにかかる費用の相場がわかります。さらに、建て替えとリフォームのどちらにするべきかの判断もできるようになります。
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目次
1.築30年の物件におすすめするのは、スケルトンリフォーム!
築30年の戸建てなら、内装や外装を解体し(スケルトン状態)、一から作り直すスケルトンリフォームがおすすめです。
この章では、築30年の戸建てにみられる課題と、その課題をスケルトンリフォームでどのように解決するかをご説明します。
1-1.築30年の戸建てが抱える5つの課題
築30年の一戸建てには、以下に挙げる5つの課題があります。
- 給排水管がサビつき、いつ漏水してもおかしくない
- 間取りが古臭く、現在の家族構成やライフスタイルに合っていない
- 経年劣化により、耐震性に問題がある可能性あり
- 物件によっては、断熱材が入っていない場合もあり
- 定期的に塗装をしていない場合、屋根・外壁などの外装がボロボロでいつ雨漏りしてもおかしくない
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/447(右上)/http://www.8044.co.jp/gallery/372(中)/https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=71(右下)
1-2.スケルトンリフォームで、築30年超の物件が抱える課題を全て解決!
内装や外装を一から作り直すスケルトンリフォームは、断熱性や耐震性の改修が可能です。上で述べた築30年の戸建てが抱える課題を全て解決し、将来にわたって安心して快適に暮らすことができます。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/381(外装・内装)
1-3.中途半端なリフォームをすると大変なことに!
大がかりな工事となるスケルトンリフォームでは、1,000万円以上かかることも珍しくありません。予算の都合から水回りの設備交換やクロスの張り替えなど、表面的な内装リフォームにとどめたいという方もいらっしゃいます。
ただしその場合、断熱性や耐震性などの面で思わぬトラブルが生じるおそれがあることも考慮すべきでしょう。
築30年以上の物件にリフォーム後も長期にわたって住み続けるのであれば、ローンを組んででもスケルトンリフォームをすべき、とリフォームガイドではおすすめしています。
スケルトンリフォームについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
>>スケルトンリフォームとは?費用・メリット・注意点など全解説
2.築30年戸建てのリフォーム費用相場
築30年前後経過した戸建てのリフォームにかかる費用は、スケルトンリフォームをするかどうかで費用が大きく変わります。
2-1.スケルトンリフォームした場合の費用相場は1,000万円~
築30年の戸建てをスケルトンリフォームする費用相場は、リフォームの範囲が内装のみか、内装・外装とも施工するかで費用が大きく異なります。
建坪別の費用相場をそれぞれの場合に分けてまとめると、以下の通りです。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/381(右)
費用相場が1,000~1,400万円と差が大きい理由はさまざまですが、大きく分けると3つの理由があります。
- もともとの家の劣化度合い
- 水回りなどの設備や建材のグレード
- 施工業者 ※一般的に地元の工務店は安く、大手リフォーム会社は高い
2-2.スケルトンリフォームをしない場合の費用相場は300万円~
予算の関係からスケルトンリフォームはせず、ユニットバスやキッチンなど水回り設備の入れ替えやクロスの張り替えといった内装リフォームにとどめるケースもよくあります。
その場合の費用相場は以下の通りです。
(将来のリスクも考えてどちらのリフォームをするか決めよう!)
「費用は極力抑えたいけど、本当にスケルトンリフォームをしなければいけないの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
築30年を超える戸建ては、配管が寿命を迎えており、いつ漏水してもおかしくない状況です。さらに、経年劣化で耐震性に問題がある戸建ても多く存在します。
ローンを組んででも1,000万円を超えるスケルトンリフォームをすべきかどうかは、まず、将来のリスクをどこまで受け入れられるか、で判断しましょう。
さらに、築30年の戸建てには小間切れの部屋が多く、現在の家族構成やライフスタイルに合わない間取りの物件も多く存在します。
築30年の戸建てが抱える課題を解決したいのであれば、ローンを組んででもスケルトンリフォームをするべきでしょう。
3.築30年の戸建てリフォーム事例と実際にかかった費用
この章では、築30年の戸建てリフォームの事例をかかった費用とあわせてご紹介します。施工事例を見て、どのようなリフォームがどれくらいの費用でできるのかを把握するのにお役立てください。
3-1.築30年戸建てのスケルトンリフォーム事例
■築30年65㎡のリフォーム事例(940万円)
- 内装のスケルトンリフォ―ムで大規模な間取り変更(LDK・水回りの配置変更)
- 水回り設備・階段の取り替え
- 耐震補強工事
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/380
■築30年140㎡のリフォーム事例(1,249万円)
- 大規模な間取り変更(リビング・和室をLDKに、壁付けキッチンを対面キッチンに)
- デッドスペースの活用(壁のへこみを収納スペースに)
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/826
■築30年230㎡二世帯住宅のリフォーム事例(3,800万円)
- 二世帯住宅リフォーム(2階の事務所スペースを親世帯住居に、3階の住居スペースを子世帯住居に)
- 採光性を改善した玄関リフォーム
出典:http://suikoubou.co.jp/works/home-renovation9780arkt
3-2.スケルトンリフォームをしない築30年戸建てのリフォーム事例
■築30年34㎡のリフォーム事例(470万円)
- LDKの大改修(壁付けキッチンから対面キッチンへ、クロス・床張り替え、廊下の一部をLDKに取り込み)
- 洗面台交換、在来浴室からユニットバスへのリフォーム
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/337
■築30年73.3㎡のリフォーム事例(467万円)
- 間取り変更(ダイニングキッチンと洋室の一体化、壁付けキッチンを対面式に)
- 和室を洋室に改築
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/447
■築27年91.86㎡のリフォーム事例(413万円)
- 外壁・屋根の塗装
- 水回り(キッチン・ユニットバス・トイレ・洗面台)の入替え
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/261
4.築30年では建て替えよりリフォームがよい2つの理由
「築30年の戸建てをリフォームする費用感はわかった。建て替えとリフォームならどちらがおすすめ?」と思った方も多いのではないでしょうか。
築30年の戸建てには、建て替えとリフォーム2つの選択肢がありますが、断然リフォームがおすすめです。
ここでは築30年の戸建てでなぜ建て替えよりもリフォームがおすすめなのか、その理由をご説明します。
4-1.費用が建て替えの3分の2程度に抑えられる!
築30年の戸建ては、1981年制定の新耐震基準の適用を受けており、柱や基礎の作りがしっかりしています。
そのため、スケルトンリフォームを行ったとしても基礎や柱の補強にかかる費用を抑えられます。建て替えの3分の2程度の費用で新築同然のリフォームができます。
さらに、建て替えでは住宅取得の申請手続きで司法書士に依頼する費用がかかりますが、リフォームならそれも不要です。
4-2.建て替えると床面積減少の可能性あり!再建築不可の場合も!
建て替えでは現行の建築基準法に合わせて設計する必要があり、その結果床面積が大幅に減少する可能性があります。
たとえば現行の建築基準法では、家の敷地が幅4m以上の道路に2m以上接しないと建てられないという「接道義務」があります。しかし、古い住宅地では幅が4mに満たない道路も多いのです。
4m未満の道路に接している戸建てを建て替える場合、道路中心線から2mまで敷地を後退させる必要があり、建築可能な面積が大幅に減ってしまいます。
一方、リフォームなら現行の建築基準法の適用を受けません。そのため、もともとの大きさを保った家づくりが可能になります。
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5.築30年でリフォームがおすすめされない場合は?
建替えに比べてメリットが多いスケルトンリフォームでも、避けた方がいい場合もあります。
ここでは、どのようなときはリフォームを避けた方がいいのか、次の2つのポイントをご説明します。
5-1.基礎や柱がボロボロで、建替えた方が安く済む場合
解体してみると白アリの食害で柱がボロボロだったり、そもそも基礎がない…というケースがあります。建物がこのような状態では、通常の補強では安全を確保できません。安全性を確保できるまで対策した結果、結局建て替えた方が安かった・・・ということもありえます。
ただし、築30年の戸建ては1981年に施行された新耐震基準に従って建設されており、リフォームに不向きなケースはかなり少ないと考えられます。
5-2. 2×4工法で間取り変更に制限がある場合
2×4(ツーバイフォー)工法やプレハブ工法と呼ばれる工法の戸建てには、抜けない壁や柱が多数あります。そのため、間取り変更に制限があります。
一方で、木造軸組立工法という工法で建設された戸建てでは、比較的自由に間取り変更ができます。
スケルトンリフォームでどこまで間取り変更が可能かは、建築士など専門家のいるリフォーム会社に確認してもらいましょう。
>>【完全解説】ツーバイフォー住宅のリフォーム
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6.築30年リフォームを行う場合のローンの組み方
築30年のリフォームでは費用が1,000万円を超えることも少なくないため、ローンを組む人も多いかと思います。
この章では、築30年のリフォームでローンを組む際に知っておくべきことをご説明します。
6-1.リフォームで利用できるローンは2種類
戸建てのリフォームに利用できるローンは、以下の2種類です。(※金利は2022年度4月時点の相場)
- リフォームローン(金利1.5~2.8%、無担保)
- 住宅ローン(金利0.4~1.4%、有担保)
工事費用が1,000万円を超える場合も多い築30年以上経過した物件のリフォームでは、住宅ローンをおすすめします。手続きが煩雑ではありますが、金利が低いので支払い総額が100万単位で変わってきます。
リフォームローン (担保なし) | 住宅ローン (担保あり) | |
---|---|---|
初期費用 | なしの場合が多い | 借り入れ金額の2.2%※2 |
金利相場 | 1.5~2.8% | 0.4~1.4% |
借入限度 | 500万or1000万が多い | 1億円が多い |
借入期限 | 最長5年or10年が多い | 最長35年が多い |
団体信用保険※1 | 原則なし | 原則あり |
手続き | ・簡単 ・審査短い(当日~2日) | ・煩雑 ・審査長い(4~7日) |
※1 契約者が死亡した時にローン残高を保険金で賄える保険
※2 事務手数料や保証料
6-2.金利や返済期間の違いによる支払額シミュレーション
金利や返済期間の違いは、毎月の支払額や支払利息に大きな影響を与えます。ここでは、それらを一覧表にまとめました。返済期限を決める上で是非とも参考にしてください。
6-3.ローン申請には見積もりが必要!早めに現地調査を依頼しよう!
ローンの申請の際にはリフォームの見積もり書が必要になります。業者の選定から見積もりを確定させるまでには、現地調査から最低1か月ほどかかるので注意が必要です。
とくに、中古一戸建ての購入に伴ってスケルトンリフォームをする場合は、物件の候補が決まったら早めに業者に現地調査を依頼しましょう。
リフォームローンの詳細は以下の記事でもまとめています。あわせてご確認ください。
7.築30年リフォームで使える減税制度
築30年のリフォームでは工事が大がかりで費用も高額になるため、減税制度や補助金制度を有効に活用しましょう。
7-1.築30年リフォームで使える減税制度はこれだ!
リフォームに利用できる減税制度はいくつかありますが、ここではその中でも対象範囲が広く、減税額が大きい所得税の減税についてまとめました。
出典:https://www.reform-guide.jp/topics/reform-genzei-2/
所得税のほか、リフォーム内容によっては固定資産税や贈与税でも減税措置を受けられる場合があります。
各種減税制度の詳細は以下の記事でも取り上げています。ぜひご一読ください。
7-2.築30年リフォームで使える補助金制度はこれだ!
減税制度と同様に、耐震、省エネ、バリアフリーのリフォームで国や自治体の補助金を利用できる場合があります。
また、耐震補強や断熱対策など家の長寿命化につながるリフォームで利用できる補助金制度もあります。リフォームをお考えの際は、一度リフォームの補助金制度も把握しておくことをおすすめします。こちらの記事にリフォームで使える補助金・助成金制度をまとめていますので参考にしてください。
8.まとめ
いかがだったでしょうか。
築30年前後の戸建ては、1981年の新耐震基準制定後に建設されています。もっと以前に建設された物件よりしっかりした造りの家が多く、適切なリフォームを行えば、長く住み続けることができます。
リフォームは建て替えと比べて費用が抑えられる点がメリットですが、新耐震基準制定後に建設された戸建てならとくにメリットが大きいといえるでしょう。
限られた予算内でみなさまが満足の行くリフォームができるよう、リフォームガイドも業者選びの面でご協力いたします。
▼中古住宅を購入してリフォームする場合、こちらに流れをまとめていますので参考にしてください。
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