
「外壁塗装に保証なんてあるの?」
「外壁塗装の保証に関するトラブルを知りたい」
あなたは、こう考えているかもしれません。この記事では、外壁塗装における保証の種類や期間などを紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
- 外壁塗装で受けられる保証の種類と期間
- 保証を受けられる主な症状
- 外壁塗装の保証で起こるトラブル例
- 保証で失敗しないための業者の選びかた
外壁塗装の保証制度について知っておくと、無用なトラブルや失敗を避けられるようになるでしょう。


1.外壁塗装で受けられる保証の種類と期間
外壁塗装で受けられる保証制度には3種類があります。
- 外壁塗装会社の自社保証
- 塗料メーカーの保証
- リフォーム瑕疵保険
それぞれメリットやデメリットがあるためチェックしておきましょう。
1-1.外壁塗装会社の自社保証
外壁塗装会社が自社で行っている保証制度です。
メリットは、塗料の種類を問わず保証制度が適用できることでしょう。
デメリットは、会社が倒産した場合に保証制度が無効となってしまうことと、実際に問題が起こった際に適用するのが難しいことです。
自社保証の場合、外壁が劣化して保証制度の適用条件だと思って尋ねてみたら、難癖をつけられて断られるといったトラブルが起こります。
保証期間は会社によって変わり、3年、5年、10年などがあります。
1-2.塗料メーカーの保証
塗料メーカーが行っている保証制度です。
メリットは、メーカー保証のため倒産の心配がほとんどないことと、保証制度が適用されやすいことです。
メーカーが責任を持っておこなうため、自社保証のように難癖をつけられて断られる心配がありません。
デメリットは以下の3つです。
- 特定の地域や塗料にしか適用できない
- マンションなどが多くて戸建て住宅ではほとんど適用されない
- メーカーが認定した業者に依頼しなくてはいけない
メーカーの多くは保証している地域や塗料を限定しています。適用条件はマンションでの施工が前提であることが多く、戸建て住宅ではほとんど利用できません。
メーカー保証の具体例としては、日本ペイント株式会社の「ダイヤモンドコート」があります。
ダイヤモンドコートの保証期間は3〜7年です。
対象地域は東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・群馬県・栃木県の全域と、茨城県南部、愛媛県中予地区と地域が限定されています。
このように、地域を関東や一部の地域に限定しているケースは珍しくありません。
保証期間は塗料によって変わり、1〜10年があります。
基本的には塗料の耐用年数が長いほど保証期間が長く、シリコン塗料で1〜5年、無機塗料で5〜10年程度が目安となるでしょう。
また、高価な塗料ほど保証期間が長い傾向にあります。
このほか、施工方法に問題があるといけないため、メーカーが保証しているのは基本的に認定施工店が施工した場合にかぎられます。
1-3.リフォーム瑕疵保険
「リフォーム瑕疵保険」とは、保険の登録業者に工事を依頼した場合に適用できる保証制度です。
リフォームした場所すべてが対象となる適用範囲が広いという特徴があります。
会社が倒産しても受けられるため、非常に信頼性が高い保険と言えるでしょう。
メリットは3つあります。
- 塗装したすべての部位が対象
- 工事を依頼した会社が倒産した後でも適用できる
- 塗料の種類を問わず保証制度が適用される
適用できる条件が緩いため利用者にメリットが多いといえるでしょう。
デメリットは、保証期間が短いことです。保証期間は1年しかありません。
それぞれの保証の期間やメリット、デメリットを以下でまとめました。参考にしてみましょう。
基本的には自社保証を利用します。
高額な塗料を使う場合はメーカー保証がある商品を探しましょう。短期間の保証でもいいから工事の欠陥すべてに対応してもらいたい場合はリフォーム瑕疵保険の利用を検討してください。
2.外壁塗装で保証制度が適用できる主な症状
外壁塗装で保証制度が適用できる症状には以下があります。
- 外壁や屋根の色あせ
- 外壁や屋根のチョーキング
- 外壁や屋根のひび割れ
- 外壁や屋根の塗装はがれ
- 付帯部の劣化
ただし、業者や制度によって適用できる条件は変わるため事前に契約を確認することを忘れないでください。
2-1.外壁や屋根の色あせ
外壁や屋根の色が塗り替え直後よりも薄くなっている、あせている状態が色あせです。
塗装の見た目以外に大きな問題はありませんが、放置すれば塗膜がはがれるケースもあります。
2-2.外壁や屋根のチョーキング
外壁や屋根の表面が粉っぽくなる症状です。
色を付けている「顔料」が、塗料の主材料である「樹脂」の劣化によってはがれおちることが原因です。
2-3.外壁や屋根のひび割れ
外壁や屋根にひび割れが入っている現象です。
塗装の表面だけが割れている場合は「チェッキング」、下塗りや下地まで割れている状態は「クラッキング」と一般的に呼ばれています。
2-4.外壁や屋根の塗装はがれ
外壁や屋根の塗装がはがれている状態です。
塗装をして3年以内に塗膜がはがれる場合は施工不良の可能性が高いため、保証制度を積極的に利用しましょう。
2-5.付帯部の劣化
付帯部とは、外壁や屋根における細部を指します。
例としては「破風板」「軒天井」「雨樋」「雨戸」などです。
自社保証の場合、付帯部まで制度の対象とするかは業者によって異なります。
メーカー保証やリフォーム瑕疵保険なら対応しているケースが多いでしょう。
3.外壁塗装の保証制度で起こるトラブル例
外壁塗装の保証制度を理解しておかないとさまざまなトラブルが発生します。
トラブルに遭遇しないためには保証制度の範囲を事前に確認しておく必要があるでしょう。
以下では保証制度で起こるトラブル例を解説します。
3-1.保証制度が使えると思っていたら対象外だった
保証制度の対象だと思っていたら対象外だったというトラブルは、特に自社保証で起こりやすいです。
付帯部のような細部だと対象外になりやすいため、契約内容を事前に確認することを忘れないでください。
自社保証の場合は多くの業者が付帯部を対象外としています。
3-2.外壁塗装の会社が倒産した
10年以上の長期的な自社保証をしている会社で起こりやすいトラブルです。
会社の創業年数が10年未満なのに、10年を超える保証をしている業者は高い確率で倒産します。
なぜなら、自社の創業年数以上に保証をする会社は悪徳業者である可能性が高いからです。
特に、20年や30年の保証をしている塗装業者がいたら注意してください。
最も耐用年数が長い塗料でも20〜25年のため、20年以上の保証制度を導入するのは現実的ではありません。
優良な企業であれば長くても10〜15年程度の保証制度にするでしょう。
3-3.「色あせ」の保証制度があると言われたのに対応してくれない
色あせの保証制度がある場合は注意が必要です。
色あせは主観による部分が大きいため、かなり劣化が進まないと対応してくれない可能性が高いです。
あなたが「これは色あせている」と感じたとしても業者がNOといえば対応してもらえないのです。
4.外壁塗装の保証制度で失敗しないための業者の選びかた
外壁塗装の保証制度で失敗しないためには業者選びが肝心です。
業者選びで成功するために以下の3つには気をつけましょう。
- 10年以上の塗膜保証をする塗装会社は要注意
- 創業10年以内の業者の保証は信用しない
- どこまで無償で保証してくれるか確認する
それぞれ具体的に解説していきます。
4-1.10年以上の塗膜保証をする塗装会社は要注意
一般的な塗料の耐用年数は10〜20年程度のため、10年以内に高確率で劣化が発生します。
10年も保証していたら問い合わせが殺到して業者は損をしやすいでしょう。
業者が損をしないよう、保証制度の多くは「自然災害は対象外」といった項目を設けています。悪徳業者の場合、軽度の劣化は「自然災害のため対象外」といって対処しないようにしていると考えられます。
10年以上の保証をしている業者があったなら、なぜそんなに長い期間の保証ができるのかを尋ねてみましょう。
具体性があり、納得できる理由であれば依頼を検討してみましょう。
4-2.創業10年以内の業者の保証は信用しない
創業10年以内の会社の自社保証は信用できません。
なぜなら、経営が軌道に乗っているとは言い切れず倒産する可能性が高いからです。
倒産する可能性が高いとわかっていて10年保証などをつけている業者もいます。
創業10年以内の業者は極力避けたほうがよいでしょう。
4-3.どこまで無償で保証してくれるか確認する
たとえ優秀な内容の保証制度だとしても補修が無料とはかぎりません。
有償で安く修理するタイプの保証制度もあるため、工事を依頼する前に料金の有無については確認しておきましょう。
5.まとめ
外壁塗装の保証制度には「自社保証」「メーカー保証」「リフォーム瑕疵保険」の3種類があります。
自社保証の会社の場合は倒産リスクに注意して契約しましょう。
リフォーム瑕疵保険であれば、保証期間は短いですが倒産リスクは回避できます。
また、外壁塗装ではなく屋根工事の場合は火災保険が適用できるケースがあります。詳しくは。屋根工事に保険が使える理由や適用条件、手続きをチェック!でご確認ください。
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