外壁を吹き付け工法にするメリットとデメリットや費用を解説

外壁を吹き付け工法にするメリットとデメリットや費用を解説

外壁の「吹き付け工法」とは、エアガンやエアスプレーガンを使って塗料を噴射して塗装する工法です。
他には「手塗り工法」があります。

どちらも外壁の下地を問わずおこなえる塗装方法です。

この記事では、吹き付け工法を利用するメリットや種類を紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。

  • 吹き付け工法のメリットとデメリット
  • 外壁の吹き付け塗装の種類
  • 吹き付け工法にかかる費用相場
  • 外壁を吹き付けする場合の注意点

記事を読むことで「手塗り」と「吹き付け塗装」のどちらが自宅に適しているかがわかり、費用を抑えることが可能です。

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1.外壁を吹き付け工法で塗装するメリットとデメリット

外壁を吹き付け工法で塗装するメリットとデメリットを把握すれば、無駄な費用をかけず、美しい仕上がりにすることができます。
以下では「手塗り工法」と比べた場合の「吹き付け工法」のメリットとデメリットを紹介します。

1-1.外壁を吹き付けするメリット

外壁を吹き付け工法で塗装するメリットは以下の3つです。

  1. 仕上がりにムラが出にくい
  2. 広い面積ほど工期短縮につながる
  3. 狭い隙間でもムラができにくい

手塗りよりも仕上がりをキレイにしたい場合に向いています。

仕上がりにムラが出にくい

吹き付け塗装は手塗りに比べて仕上がりを均一に塗装しやすいメリットがあります。
ローラーやハケを使う「手塗り」だと、塗りムラが目立ってしまって美しくないと感じる人もいるでしょう。

ハケは塗った跡が特に目立つため、美しさを重視する場合は最適とは言えません。
「吹き付け塗装」なら一定の間隔で塗料が噴出されるため、塗りムラが残りにくいです。

広い面積ほど工期短縮につながる

吹き付け工法は一度に広範囲を塗装するため、細かい部分の塗装は苦手ですが広い面だとスムーズに作業ができます。手塗りに比べて塗る速度が早いため面積が広いほど効率的に作業ができ、工期短縮がしやすいでしょう。

平坦な外壁かつ塗装面積が大きい場合は吹き付け塗装が適しています。

狭い隙間でもムラができにくい

吹き付け工法では細かい塗料を吹き付けるため、腕が入らないほど狭い隙間でも塗装が可能です。

手塗りだとローラーが入らない隙間は細いハケを使います。
しかし、細いハケで狭い隙間を塗ると塗りムラができやすく作業性も悪いでしょう。

外壁とパイプの隙間のように、狭い場所が多い場合に吹き付け工法は役に立ちます。

1-2.外壁を吹き付けするデメリット

外壁を吹き付け工法にするデメリットは4つあります。

  1. 作業音がうるさい
  2. 徹底的な養生が必要なため塗装面積が小さいと工期が延びやすい
  3. 塗料の無駄が多い
  4. 高度な技術を持つ職人が必要

メリットだけで吹き付け工法を選ぶと思わぬ失敗を引き起こすため、デメリットも把握しておきましょう。

作業音がうるさい

吹き付け工法は手塗りに比べて音が非常にうるさいです。

騒音がする原因として以下の3つがあげられます。

  • 空気を送り出すコンプレッサーのエンジン音
  • ホースから高圧力で漏れる空気の音
  • エアガン・スプレーガンから塗料を噴射する際の音

作業中は常に騒音がするため、近所から冷たい視線を向けられるおそれがあるでしょう。
手塗り工法であれば騒音がするといった心配はありません。

徹底的な養生が必要なため塗装面積が小さいと工期が延びやすい

吹き付け工法は塗料が飛散しやすいため養生に時間がかかります。
勢いよく噴射する塗料が遠くまで飛びやすいため、周囲を完全に保護しなくてはいけません。

塗らない場所が多くて養生が増える場合や、塗装面積が少ないのであれば、手塗りよりも時間がかかるでしょう。

塗料の無駄が多い

吹き付け工法は、塗料が飛散するため材料が無駄になりやすいです。

均一に塗装するためには養生した部分にも塗料を塗らざるをえないため、手塗りに比べて材料を無駄にする割合が増えてしまい、下手な職人が施工すると材料費が高くなることもあります。

高度な技術を持つ職人が必要

吹き付け工法で均等に塗装する作業は非常に難易度が高く、熟練の職人でなければ失敗します。

このため、熟練の職人が必要で人件費が高額となるおそれがあります。
人件費を削ろうとして若手の職人に吹き付け工法を任せてしまうと、塗りムラや塗りそこねが出る可能性が高まるでしょう。

 


2.外壁の吹き付け塗装の種類

外壁塗装における吹き付け工法にはさまざまなものがあります。

以下ではよく利用する吹き付け工法を4つ紹介します。

  1. 一般的な塗装仕上げ
  2. リシン仕上げ
  3. スタッコ仕上げ
  4. 吹き付けタイル仕上げ

それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説してきます。

2-1.一般的な塗装仕上げ

「シリコン塗料」や「フッ素塗料」といった一般的な塗料を吹き付けでおこなう工法です。
使う塗料や塗る回数はローラーやハケで塗る場合と同じです。

特殊な模様付けをおこなわないため、他の吹き付け仕上げよりも価格が安いメリットがあります。

一方で、他の吹き付け仕上げに比べてデザイン性が劣るデメリットがあります。仕上げをムラなくキレイにしたい人に向いています。

2-2.リシン仕上げ

塗料と骨材を混ぜ合わせた材料を吹き付ける工法です。
吹き付け工法としては低コストでありながらデザイン性を高められるメリットがあります。

一方で、汚れがつきやすくひび割れしやすいデメリットがあります。安い価格で外壁に凹凸をつけたい人に向いています。

2-3.スタッコ仕上げ

外壁にモルタルや合成樹脂を塗ったあと、セメントや塗料、骨材を吹き付ける工法です。
吹き付けした後にローラーで材料を押し付けて平坦な模様をつくる手法もあります。

厚みがあるため重厚感を得られる点がメリットです。一方で、汚れが付きやすいデメリットがあります。

一般的な塗装と同じくらいの価格で独特な模様付けをしたい人に向いています。

2-4.吹き付けタイル仕上げ

吹き付けタイル仕上げでは、下塗りの後に模様付けのための材料を吹き付けします。
その後に一般的な外壁塗装(中塗り・上塗り)をする工法です。

リシン仕上げやスタッコ仕上げは吹き付けをしたら完了なのに対して、吹き付けタイルは下塗り、模様付け、中塗り、上塗りといった4工程以上が必要です。模様付け以外の工程は、吹き付けをする必要がないため手塗りにすることも多いでしょう。

他の吹き付け仕上げと違って表面がなめらかなこと、ひび割れが目立ちにくいことがメリットです。

デメリットは、他の吹き付け仕上げよりも模様付け段階の難易度が高いことです。また、4工程以上が必要なため費用と時間がかかるのも難点でしょう。

費用がかかってもいいので他の仕上げ方法よりも凹凸をつけたい人に向いています。また、平らでデザイン性が低いモルタル外壁の場合に適しています。

 


3.外壁を吹き付け工法で塗装する費用相場

外壁を吹き付け工法で塗装する場合の費用相場は1平方メートルあたり2,000〜6,000円が目安です。30坪程度の住宅だと上記に足場費用などが加わるため、40〜70万円程度の工事費となるでしょう。

弾性機能がある吹き付けタイル仕上げといったように、高額な材料を使う場合は80万円程度かかる可能性もあります。

塗料の種類、工程の数によって価格は大きく変わります。
一般的には手塗りよりも吹き付け工法のほうが費用は安くなると考えられます。

ただし、工程数が多い吹き付け仕上げをしたり、住宅の面積が小さかったりする場合は手塗り工法よりも価格が高くなるでしょう。

1平方メートルあたりの単価相場としては以下を参考にしてください。

 


4.外壁を吹き付けする場合の注意点

外壁を吹き付け工法でおこなうときは3つの注意点があります。

  1. 吹き付け工法で価格が安くなるとは限らない
  2. 本当に吹き付け塗装が必要かを確認する
  3. 相見積もりをして技術力がある塗装会社を探す

上記を無視して工事をすすめると、思わぬ損害を受けて後悔するおそれがあります。

4-1.吹き付け工法で価格が安くなるとは限らない

インターネット上のサイトでは「手塗りよりも吹き付け工法のほうが安い」という話が多いです。しかし、住宅の面積が狭かったり周囲の住宅が近すぎたりすると、塗料の飛散のおそれがあるため業者が価格を高めに設定することもあるのです。

また、4〜5工程を必要とする「複層タイル仕上げ」の場合は工程数が多いといった理由で手塗りよりも費用が高くなります。「吹き付け工法は安い」と決めつけず、手塗りとの価格を比較して誤った工事手法を選ばないように気をつけましょう。

4-2.本当に吹き付け塗装が必要かを確認する

ほとんどの住宅は、吹き付けとローラー塗りのどちらでも塗装ができます。
しかし、あなたの住宅でどちらの費用が安いかは業者に確認しなければわからないでしょう。

メリットとデメリットを考慮して本当に吹き付け工法が必要かどうかを検討してください。

吹き付け工法は面積が広い外壁でこそ真価を発揮します。
30坪程度の個人住宅では手間のほうがかかってしまい費用が高額になる可能性があるでしょう。

・吹き付け塗装がよいケースは「仕上がりのデザイン性を重視する場合」
・ローラー塗装がよいケースは「ローラーにしたほうが価格が安くなる場合」

吹き付け工法とローラーのどちらがよいかは上記を参考にしてください。

4-3.相見積もりをして技術力がある塗装会社を探す

吹き付け工法には高度な技術をもつ職人が必要です。具体的には「塗装技能士」の国家資格を所持していることが望ましいでしょう。

複数の会社に見積もりを依頼して、職人が資格を持っているかどうかを尋ねてください。
「塗装技能士」の資格には原則として実務経験が必要なため、新人の職人では取得できません。

職人の8割以上が所持していれば、社員教育を徹底している優良業者だと考えられます。

 


5.まとめ

外壁の吹き付け工法には「仕上がりが美しくなる」というメリットがあります。
しかし、「騒音がする」「高度な技術をもつ職人が必要なため人件費がかかる」といったデメリットがあります。

また、吹き付け工法以外でデザイン性が高くなる方法として、職人が手作業で模様を作る「塗り壁」があります。

塗り壁のメリットやデメリットについては外壁を塗り壁にするメリットとデメリット!種類や手順も解説で詳しく紹介しているのでご覧ください。

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