「マンションをフルリフォームしたいけれど、費用が心配」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
この記事では、こうしたお悩みを持つ方に向けてマンションのフルリフォームにかかる費用相場を事例と合わせて解説します。
また、実際にマンションをフルリフォームするときに費用を抑える方法や注意点もご紹介するのでぜひ参考にしてください。
▼マンションの箇所別リフォームにかかる費用が知りたい方はこちら
目次
1.マンションのフルリフォームの費用相場
マンションのフルリフォームにかかる費用は、ご自身のやりたいリフォーム内容やリフォームをする場所によって異なります。
リフォームガイドで行った独自の調査では、実際にマンションのフルリフォームを行ったときにかかった費用は、数百万~1,000万近くとかなりの差があることがわかりました。(※下図参照)
これは、マンションのフルリフォームと一言で言ってもやりたいリフォームの内容や設備のグレードによってひとりひとりかかる費用が大きく変わるためです。
2.予算別でみるマンションのフルリフォーム
マンションのフルリフォームでは、「300万円以内」や「500万円以内」など、明確な予算感を持ってリフォームを検討される方も多くいらっしゃいます。
ここでは、予算別にできるマンションのフルリフォームの内容と費用相場を、以下の表にまとめました。
予算 | おすすめリフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|---|
300万円以内 | 水まわり中心のリフォーム ・全水まわり設備の交換 ・クロス張替え |
255~300万円 |
500万円以内 | 間取り変更を伴うリフォーム ・全水まわり設備の交換 ・クロス張替え ・フローリングへの張替え ・LDK中心に間取り変更 |
370~445万円 |
500万円以上 | スケルトンリフォーム ・内装をイチから作り直すリフォーム ・給排水管も新たに更新 |
650~1240万円 |
※3LDK70㎡の前提
※水まわりなどの設備についてはミドルグレードの前提
水回りの設備交換中心のリフォームなら、予算300万円でもそれなりのグレードの設備を入れることができます。
一方で、築40年など築年数の古い物件では、全面的なリフォームが必要になってきます。この場合は、新築同然に作り直すことができるスケルトンリフォームがおすすめで、費用は少なくとも650万円はかかります。
それでは、予算別にそれぞれのリフォーム内容の詳細を見ていきましょう。
2-1.【300万以内】水まわり中心のリフォーム
予算が300万円以内の場合は、水まわり設備の交換とクロスの張り替えが可能です。
以下は、この金額帯で行ったリフォームの事例です。水まわり設備4点の交換を行っています。
ただし、希望するグレードや仕様、オプションによって費用は大きく変動します。
また、キッチンやお風呂などの水回りの位置の変更を伴う場合は、配管工事や内装工事の費用が別途かかるので、こういったケースの場合は300万円では収まらなくなる可能性があります。
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2-2.【500万以内】間取り変更を伴うリフォーム
予算500万円以内の場合は、水まわり設備交換やクロス張り替えに加えて、和室から洋室へのリフォームや、壁付きキッチンから対面キッチンへの移動などのリフォームも可能になります。
以下は、この金額帯で行ったリフォームの事例です。水まわり設備の交換とクロスの張り替え、間取り変更で和室の撤去を行っています。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/350
予算が500万円以内まで増えると、300万円以内の時と比べてリフォームの自由度が高くなります。
物件の状態と希望のリフォームのバランスをみて、どこを重点的にリフォームするかを考えましょう。
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2-3.【500万以上】スケルトンリフォーム
500万円以上の予算が組める場合は、現在の内装を全て解体して一から作り直すスケルトンリフォームがおすすめです。
部屋全体の間取り変更もできるので、お家のイメージをガラッと変えることができます。
スケルトンリフォームは家の施工面積によって費用相場が変わりますので、施工面積ごとの費用相場は以下の表をご覧ください。
施工面積 | 費用相場 |
---|---|
50㎡ | 650~850万円 |
60㎡ | 750~990万円 |
70㎡ | 840~1120万円 |
80㎡ | 920~1240万円 |
※㎡単価約12.5~15万円で計算(費用提供:あなぶき興産|実際のマンションスケルトンリフォーム施工例より)
出典:https://www.reform-guide.jp/topics/mansion-renovation-hiyou/
他の2つと比べて費用はかなり上がりますが、リビングも水回りも全て刷新されると思えば、新築物件を購入するよりは安く感じられるのではないでしょうか。
以下は、約900万円で行ったリフォームの事例です。一度内装や設備をすべて解体することで希望の内装や間取りを実現しており、水回りの設備の交換はもちろん、洋室の分割や収納の新設で生活のしやすさを向上させています。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/5
またスケルトンリフォームでは、配管も新しいものに更新されるため、いつ漏水してもおかしくない築40年前後のマンションなどでおすすめです。
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3.マンションのフルリフォーム事例と実際にかかった費用
ここでは、マンションのフルリフォームの事例をいくつかご紹介します。
実際にかかった費用も公開するので、あなたがやりたいマンションのフルリフォームにかかる費用の相場感をつかむことができるでしょう。
3-1.極力費用を抑えた水まわり中心のフルリフォーム
■リフォーム費用
260万円
■リフォーム内容
- 水回り4点(ユニットバス、キッチン、トイレ、洗面台)の入れ替え
- 和室をウォークインクローゼットへ
- アクセントクロスを使っておしゃれ度アップ!
出典:http://www.daiken-rs.jp/syosai.php?cd=178
3-2.キッチンの移動など間取り変更を伴うフルリフォーム
■リフォーム費用
450万円
■リフォーム内容
- 水回りの全設備交換、キッチンは壁付きから対面へ
- クロスの張り替え
- カーペットからフローリングへの張り替え
- リビングの壁はエコカラット(インテリア壁材の一種)を張り付けておしゃれ度アップ!
- ウォークインクローゼットへのリフォーム
出典:http://www.daiken-rs.jp/syosai.php?cd=198
3-3.間取りを一から設計するスケルトンリフォーム
■リフォーム費用
666万円
■間取り
64㎡(4LDK→2LDKへ)
■リフォーム内容
- 閉鎖的だったキッチンを大胆に対面式に移動し、子供の様子が常に見られるように!
- ベランダ側にLDKを配置することで奥まで光が届く設計
- 使いにくかった和室はすべて洋室に!
出典:http://suikoubou.co.jp/works/mansion-renovation9294adck
4.マンションのフルリフォーム費用を100万円以上抑える秘訣
これまで、マンションのフルリフォームにかかる費用をつかんでいただきました。
ここでは、今後のことも考えてリフォーム費用を少しでも抑えたいとお考えの方に、100万以上費用を抑えて満足できるマンションのフルリフォームを行う秘訣をご紹介します。
4-1.優先順位をつけてリフォームする範囲を絞る
マンションのフルリフォームでは「あそこもここも直したい」と欲が出てしまい、予算が膨らみがちです。大幅に予算をオーバーしないためにも、優先順位をつけてリフォーム範囲を絞ることが、費用を抑えるためには必要です。
とくに、クロスや床の張り替えなどは、施工面積に比例して費用がかかる傾向にあります。どうしても費用を抑えたいのであれば、暮らしに影響の大きい水まわりのリフォームを優先させ、クロスや床の張り替えなど見栄えを良くするためのリフォームは優先度を下げることも検討しましょう。
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4-2.メーカーにはこだわらない
マンションのフルリフォーム費用をなるべく安く抑えるためには「メーカーにこだわらないこと」も重要です。
リフォーム会社は、お風呂やキッチンなどの設備をTOTO、LIXIL、クリナップ、タカラスタンダードなど住宅設備メーカーから仕入れますが、仕入れの割引率はリフォーム会社によって違います。
リフォーム会社によって取り扱うメーカーが決まっていたり、複数のメーカーを取り扱っていても、施工実績に応じてその仕入れ割引率は異なるためです。
例えばLIXILを主に取り扱うリフォーム会社にTOTOの商品を入れてもらうように依頼すると、費用が割高になってしまいます。メーカーにこだわらなければ、そのリフォーム会社が得意とするメーカーの中で希望に沿う商品を提案してくれるため最安値でリフォームができるはずです。
以下は、あるリフォーム会社にLIXILとTOTOの両方で見積もりを出してもらった一例です。
4-3.補助金や減税制度を利用する
費用を抑える3つめの秘訣は、国や地方自治体の補助金や減税制度をうまく活用することです。
減税制度を上手に活用すると、実質10万円以上お得になることもあります。
この項では、マンションのフルリフォームに使える可能性のある減税や補助金制度をまとめています。
■マンションのフルリフォームで使える減税制度
リフォームで使える減税制度はいくつかあります。ここでは、その中でも減税の対象範囲が広く、減税額が大きい所得税の減税についてまとめました。
■住宅ローン減税
マンションリフォームを住宅ローンを組んで行う場合は、住宅ローン減税が適用になります。
減税額(控除される金額)は、年末時点におけるローン残債の0.7%です。残高の上限は2000万円ですので、年間最大14万円、10年間最大140万円が所得税から控除されます。
特に中古住宅を購入して同時にリフォームをする場合、住宅ローンを組まれる方が多いので、控除を受けられるように申告のタイミングや必要書類などをチェックしておきましょう。
■特定のリフォームに対する減税
下記のようなリフォームを行った場合も減税の対象となります。
- バリアフリーリフォーム
- 省エネリフォーム
- 三世代同居リフォーム
その他、固定資産税や贈与税の控除制度もあります。こちらの記事でマンションの減税について解説しています。
■マンションのフルリフォームで使える補助金制度
減税制度だけでなく補助金制度にも、耐震、省エネ、バリアフリーを対象としているものがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また、各地方自治体が独自にリフォームに関する補助金を用意している場合もあります。一般社団法人住宅リフォーム推進協議会のWebサイトでお住まいの自治体の補助金制度を確認できます。
4-4.地元の優良工務店に依頼する
費用を大きく下げる最後のコツは、地元の工務店に依頼することです。
大手・中規模のリフォーム会社では、下請けを使っている会社も多いです。そのため、マージン分の費用が上乗せされることになります。下請けを使わない地元の工務店なら、マージンの上乗せがない分、費用を抑えることができます。
たとえば、同じ物件、同じ条件で見積りを取ったところ、地元の工務店では300万円以上安くなりました。
一方で、地元の工務店は、業者によって提案力や施工品質の差が大きいため、どの業者に依頼すべきかの見極めが重要です。ご自身で見極めるのが難しいとお考えの方は紹介サイトなどを活用して慎重に検討しましょう。
5.まとめ
いかがだったでしょうか。マンションのフルリフォームでは、その内容によってリフォーム費用に大きなバラツキがあることがご理解いただけたのではないでしょうか。
スケルトンリフォームのような全面リフォームでは、費用が600万円を優に超え、場合によっては1000万円を超えることもあります。金額が大きいリフォームではとくに、依頼する業者によって100万円単位で費用が変わります。
費用を安く抑えたいなら、地元の小さな工務店に頼むほうがメリットがある一方で、業者によって品質や提案の差が大きいため、業者選びは慎重に行わなければなりません。
業者選びでお悩みの方は、リフォームガイドをぜひご活用ください。リフォーム業者選びのプロとして、皆さまのリフォームをお手伝いいたします。
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