
「外壁塗装をする時期はどうやって知るの?」
「外壁の塗装に適した季節はいつ?」
外壁工事は滅多に行わないため、外壁塗装でこういった疑問を持っている人は多いでしょう。この記事では外壁塗装に適した時期や季節を紹介します。
自宅に塗装が必要かどうかを見分ける方法も解説するため、工事をするタイミングで迷うことがなくなるでしょう。


目次
1.外壁塗装が必要な時期は前回から10年後
外壁塗装をするのに適した時期は、前回のリフォームや新築から10年後が目安です。塗装のタイミングが判別できないという人は、10年たったかどうかで外壁塗装を検討するとよいでしょう。
1-1.なぜ塗装は10年後が適しているのか
今から10年前の外壁塗料で主流と考えるのが「ウレタン塗料」と「シリコン塗料」です。現在はシリコンとフッ素が主流ですが、当時は材料費が高かったためにグレードが低いウレタン塗料を主に使っていました。
ウレタン塗料の耐用年数は8〜10年で、シリコン塗料は10〜15年あります。両者の耐用年数に共通するのが10年のため、前回の外壁塗装から10年後が目安となるのです。
また、新築の外壁でも10年後が塗装の目安となります。一般的に塗装が必要な外壁はサイディングかモルタル素材です。
サイディングとは、板を組み合わせて作る外壁です。モルタルはセメントを原料とした材料です。どちらも表面には塗装がされており、10年程度で寿命を迎えることが多いのです。
1-2.塗料の耐用年数から最適な時期を見極めよう
前回のリフォームで利用した塗料が判明している場合は、材料の耐用年数から塗り替え時期を予測できます。
各塗料の耐用年数は以下のようになります。
- アクリル塗料 6〜8年
- ウレタン塗料 8〜10年
- シリコン塗料 10〜15年
- フッ素塗料 15〜20年
前回の塗装で使った見積書などがあれば確認しておくとよいでしょう。
2.外壁塗装の最適な時期を見極める方法
外壁塗装の目安は前回のリフォームや新築から10年後ですが、そもそも何の塗料を使ったかがわからないことは多いでしょう。前回の塗料がわからなければリフォームのタイミングは判別できないのでしょうか。そんなことはありません。
現在の外壁の劣化状況を確認すれば塗装が必要かどうかを判別できます。外壁の劣化を知る基準を詳しく解説していきましょう。
2-1.塗装が必要な外壁の劣化状況
外壁塗装が必要な劣化状況には以下があります。
症状 |
塗装の必要性 |
カビ・コケ・汚れの付着 |
見栄えの悪化が気にある場合は検討 |
チョーキング(白亜化) |
必要 |
ふくれ |
必要 |
割れ |
早急に必要 |
剥がれ |
早急に必要 |
以下では、それぞれの症状を詳しく解説していきます。
カビ・コケ・汚れの付着
外壁塗装で使う塗料はカビなどの栄養になります。このため塗装は年月が経過するとカビやコケが生え、汚れが付着するでしょう。
外壁を洗浄することで落とせることもありますが、跡が残りやすいため美観を気にする場合は塗り替えを検討しましょう。
カビやコケは放置しないかぎり塗装の機能を大きく低下させることはありません。そのため見た目の悪さを我慢できるのであれば外壁塗装をしなくてもよいでしょう。
チョーキング
外壁にさわったときに粉がつく現象で、白亜化とも呼ばれます。塗料の樹脂が劣化し、色を付けるための「顔料」という成分が粉末状になって露出したために起こります。
チョーキングが発生している場合、塗装の表面が劣化しているため外壁を保護する機能が徐々に失われています。外壁の多くの場所でチョーキング現象が見つかったら塗装が必要でしょう。
ふくれ
塗膜(塗装の膜)の内部が剥がれてふくらむ現象です。ふくらんだ塗膜のなかには空気や水が含まれており、放置すれば外側の塗装が剥がれてしまうでしょう。
ふくれが発生している状態だと塗装の役目をほとんど果たしていません。1箇所や2箇所なら致命的な問題はありませんが、外壁の多くの場所で発見した場合は塗り替えを行いましょう。
割れ
外壁の塗装にひび割れが発生する現象です。悪化すると外壁自体が割れてしまい、雨漏りの原因となるでしょう。
割れには塗装表面だけで起こる「チェッキング」と、下塗りや外壁素材まで貫通してしまう「クラッキング」があります。チェッキングの場合でも外壁にダメージが蓄積されますが、もしクラッキングが見つかった場合は早急に補修を行いましょう。
剥がれ
外壁の塗装が剥がれる劣化現象です。塗装が剥がれてしまうと紫外線や雨風から外壁を守る手段がなくなります。外壁は徐々に侵食されていき、最終的には外壁材が割れたり雨漏りの原因となったりするでしょう。
見栄えの悪さだけではなく外壁へのダメージが蓄積する劣化症状のため、剥がれが多数見つかった場合は塗り替えが必要です。
2-2.外壁塗装の時期を過ぎて放置すると起こる問題
外壁塗装が必要な時期を過ぎたまま劣化を放置すると以下の問題が発生します。
- 雨漏りが起こる
- 外壁材の寿命が縮んで工事費用が増える
外壁塗装を行わずに放置した場合、亀裂などから雨が侵入して雨漏りの原因となります。また、外壁を保護する塗装の役目が薄まるため、外壁材の寿命が縮むでしょう。
塗装をする外壁材には30年程度の寿命があります。しかし塗替えをしないで放置すれば15年や20年で限界が来るかもしれません。
また、外壁材が劣化しても放置すると建物全体が侵食されていきます。最終的には建物全体の建て直しが必要となるため、2,000万円以上の工事費用が必要となるでしょう。
一方で、塗装が必要な時期に外壁塗装を行えば工事費用は200万円以下で済みます。無駄な費用をかけないために、外壁の劣化を放置するのは避けたほうがよいでしょう。
3.外壁塗装に適した季節・適していない季節
外壁塗装には工事を避けるべき条件が存在します。
- 湿度85%以上
- 気温5℃以下
- 気温35℃以上
- 潮風による塩害
- 強風
- 結露が発生しやすい早朝・夜間の作業
上記の条件で工事を行った場合、乾燥不良を起こしたり塗料に汚れが付着して見栄えが悪くなったりするでしょう。
こういった悪条件を避けやすく、外壁塗装に適した季節が春です。一方で、避けたい季節としては寒冷地の冬や、台風が来る地域の秋、梅雨がある地域の夏があります。
以下では、季節ごとのメリットとデメリットを紹介していきます。
3-1.春に外壁塗装を行うメリットとデメリット
春のメリットは、他の季節に比べて温暖で、大雨や強風が少ないことです。このため最も外壁塗装に適していると考えられます。
しかし、北海道などの寒冷地だと気温が5℃以下になるため外壁塗装には向いていません。春でも最高気温が5℃を下回る地域は、外壁塗装は気温が高くなる5月中旬以降が望ましいでしょう。
他の地域であれば特にデメリットはありません。
3-2.夏に外壁塗装を行うメリットとデメリット
夏のメリットは、気温が高いことです。1年で最も気温が高いため塗料が乾燥しやすく、外壁塗装に適している日が多いです。
夏のデメリットは、梅雨があることです。多くの地域では夏に梅雨が来るため、その時期を避けなければ適切な外壁塗装はできないでしょう。
また、夏に35℃を超える地域では塗料に気泡が発生して見栄えが悪くなるケースがあります。特に金属系の屋根を塗装する際は、屋根材が高温となっているため気泡が発生しやすいです。
3-3.秋に外壁塗装を行うメリットとデメリット
秋のメリットは、春と同じく温暖であることです。このため、一部の時期を覗いて外壁塗装に適していると考えられます。
秋のデメリットは、台風があることです。大雨は塗料の乾燥不良を引き起こし、強風は足場の崩壊を招く危険性があるでしょう。
また、北海道などの寒冷地だと、台風の襲来は少ないですが10月の最低気温が5℃を下回るおそれがあります。秋は、春に比べて外壁塗装には適していない季節といえるでしょう。
3-4.冬に外壁塗装を行うメリットとデメリット
冬のメリットは、乾燥していることです。塗料が乾きやすいため、地域によっては冬が最適な塗装の季節と考えていることもあります(最低気温が5℃を下回らないエリア)
一方デメリットは、気温が低すぎることです。寒冷地では乾燥不良を起こすため原則として塗装ができません。なので多くの地域で外壁塗装に最適な季節とは言いにくいでしょう。
3-5.塗装が適していない時期でも工事をする方法
梅雨や台風といった雨が降る時期でも外壁塗装工事をする手段があります。それは、雨でも塗装できる塗料を使うことです。
現在、雨でも塗装できる塗料は関西ペイントの「アレスダイナミック」シリーズのみです。工事で「アレスダイナミック」シリーズを使えば雨の日でも塗装が可能となるでしょう。
ただし、塗料は契約直後に発注するのが基本のため、工事途中で雨が降ったからといって急に「アレスダイナミック」シリーズに変えることはできません。雨が降るかどうかわからない段階で塗料を購入する必要があるため、雨が降らなければ費用を1割ほど無駄に支払うだけとなってしまいます。
「アレスダイナミック」シリーズを選ぶ際は、費用が無駄になる覚悟をもって利用しましょう。


4.まとめ
外壁塗装をする時期の目安は、前回のリフォームや新築工事から10年です。ただし、外壁の劣化状況から判断したほうが塗装の寿命を判断しやすいでしょう。
工事に適した季節は春です。一方で、外壁塗装で避けるべき季節は、寒冷地だと冬、台風が来る地域だと秋、梅雨のある地域だと夏となるでしょう。
外壁を塗装する場合は屋根も同時に工事することで費用の節約ができます。屋根の塗装時期を知りたい人は屋根塗装が必要な時期は何年目?工事に適した季節も解説をチェックしてみましょう。
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