
長く使用していて不具合や汚れ、嫌な臭いなどが気になってきた和式トイレのリフォームをお考えではありませんか?
しかし、リフォームを検討する中で「あまり費用をかけずに和式トイレをリフォームしたい」「和式から和式にする場合と和式から洋式にする場合の比較がしたい」と考えることもあるでしょう。
そこで今回は、3種類の和式トイレのリフォーム方法や費用・工期をご紹介します。
和式トイレと洋式トイレのメリット・デメリットも解説していますので、ご自身の予算にあったリフォーム方法を選択してください。
目次
1. 和式トイレと洋式トイレどっちがいい?
和式トイレをリフォームするに当たり、使い慣れた和式のままにするか、洋式トイレにするか悩む方もいるでしょう。
それぞれメリット・デメリットがあるので、目的や重視したい条件を考慮して、家族に合ったトイレの様式を決めることが大切です。
和式トイレと洋式トイレでは、それぞれ以下のメリット・デメリットがあります。
洋式トイレ | 和式トイレ | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①和式トイレのメリット・デメリット
和式トイレは便器が肌に触れることがないので衛生的です。しゃがんだ姿勢になるのでおなかに力を入れやすく、スムーズに排便できます。
掃除がしやすいことや、シンプルな形状で洋式トイレと比べると設置費用がかからない点もメリットです。
ただし、便座周辺が汚れやすく臭いが広がりやすいので、こまめな掃除や臭い対策は欠かせません。
また、排便する際にはしゃがまなくてはならず、足腰に負担がかかりやすいといえます。特に高齢の方や、妊娠されている方にとっては体への負担が大きくなるため、そういった場合は洋式トイレにリフォームするのが良いでしょう。
②洋式トイレのメリット・デメリット
洋式トイレは便座に座るため、和式トイレと比べて楽な姿勢で排便ができます。妊娠されている方や足腰の弱い高齢の方でも安心して使えるので、介護やバリアフリー化を目的にしている場合におすすめです。
また、暖房便座、温水洗浄便座、節電・節水機能、臭い・汚れの防止など、機能が充実した製品が豊富にあります。搭載する機能によって快適性や省エネ性を高められることも魅力です。
デメリットは、電気代がかかることと、施工費用が高くなりやすいことでしょう。暖房便座や温水洗浄便座の場合、便器を温めたり、シャワートイレを使ったりするために電気を使用します。
また、和式と洋式では構造に違いがあるので、和式の交換と比べて施工費用も高くなる傾向にあります。
2. 和式トイレのリフォームの方法と費用
和式トイレのリフォームでは、洋式トイレや新しい和式トイレに交換することになります。リフォーム方法によって費用は変わるため、しっかり比較しておきましょう。
ここでは、和式トイレの詳しいリフォーム方法や費用相場を紹介します。
①和式トイレをリフォームする方法
和式トイレのリフォームには、以下3つの方法があります。
各リフォーム方法の特徴は以下の通りです。
(1)和式トイレを洋式トイレにする
機能面や快適性を重視したい場合には、和式から洋式トイレにリフォームする方法がおすすめです。
洋式トイレに変更する場合、既存の便器を解体・処分し、配管工事や床・壁の下地工事、内装工事をした後、便器の取り付けが行われます。
必要に応じて床の段差の解消、給排水管の移設、コンセントの設置などの施工も必要です。
また洋式トイレは、組み合わせトイレ・一体型トイレ・タンクレストイレの3種類に分けられます。
それぞれ特徴や価格が異なるため、比較した上で自宅に合ったトイレのタイプを選びましょう。
例えば、省スペースで置けてすっきりした見た目が好みなら、タンクレストイレが適しています。
タンクレストイレは設置できないケースがある?
タンクレストイレは水道の水圧を利用して洗浄しているため、十分な水圧がない住宅では設置できないことがあります。
2階建ての住宅で問題になるケースは多くありませんが、高台の住宅や築年数が経過したマンションの高層階では、設置できるトイレの種類が限られることもあるでしょう。
自宅の水圧が設置条件にあっているか確認したい方は、リフォーム業者に相談してみましょう。
(2)和式トイレを新しい和式トイレにリフォームする
和式トイレから、新しい和式トイレにリフォームすることも可能です。
洋式トイレにリフォームする場合に比べて、費用を抑えられる方法ですが、床の補修や給排水管の改修費用は洋式トイレにリフォームする際と同様にかかります。
現状の和式トイレの衛生面に不満を感じている人や、費用を抑えてきれいな便器に取り換えたいときにおすすめです。
(3)和式トイレにかぶせる便座を使う
費用を抑えて和式トイレを洋式トイレ化したい場合、「かぶせる便座」を使う方法もあります。かぶせる便座は、ホームセンターや家電量販店、通販サイト、介護用品専門店などで購入が可能です。
狭いトイレでも手軽に洋式化でき、温水洗浄便座などの機能がある製品も存在します。
通常、洋式トイレへのリフォームは便座の撤去や床・壁・配管などの多くの工事を行うため、施工費用が高くなりがちです。
しかし、かぶせる便座は和式トイレを撤去せず上にかぶせるだけで施工が済むため、費用を抑えて洋式トイレのようにリフォームすることが可能です。
かぶせる便座で簡易的に便座を洋式化できれば、体に負担をかけることなくトイレを使用できるでしょう。
ただし、トイレ掃除がしにくいことをはじめ、商品によっては不安定でずれやすかったり、体重制限があったりするなどデメリットもある点にも注意してください。
あくまでも簡易的なリフォームですので、長く快適に使いたい場合は洋式トイレへのリフォームを検討しましょう。
②和式トイレのリフォームにかかる費用
和式トイレのリフォームには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
ここでは、リフォーム方法別に費用相場を紹介します。
方法 | 費用相場 | |
---|---|---|
和式から洋式 | 組み合わせトイレ | 35~48万円 |
一体型トイレ | 43~54万円 | |
タンクレストイレ | 48~59万円 | |
和式から和式 | 同サイズの便器 | 15~25万円 |
異なるサイズの便器 | 25~35万円 | |
和式トイレにかぶせる便器 | 3,000円~2万円 |
和式トイレから洋式トイレにする場合、便器の種類によって費用相場は異なります。一般的に、組み合わせトイレの費用は比較的安く、タンクレストイレは費用が高くなりやすいでしょう。
また、同じトイレのタイプでも商品ごとのグレードによって価格が変動し、グレードが高いトイレほど費用が高くなります。
新しい和式トイレへの交換では、サイズが既存と同じか、異なるかによって費用が変わります。サイズが同じであれば比較的安い費用でリフォームが可能ですが、サイズが異なると調整が必要になる分、費用は高くなります。
かぶせる便器は基本的に工事は不要で、かかるのは本体の購入代金のみです。デザインや機能性などによりますが、相場は3,000円~2万円が目安となります。
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トイレのバリアフリーリフォームにかかる費用
トイレのバリアフリーリフォームには、手すりの設置・段差の解消・引き戸への変更などが挙げられます。
これらをリフォームすることで、トイレ内での利便性が向上し、けがや事故のリスクを減らすことができます。
代表的なバリアフリーリフォームにかかる費用は、以下のとおりです。
工事内容 | 費用 |
---|---|
手すりの設置 | 2万円~ |
段差解消 | 2,000円~10万円 |
昇降便座の設置 | 10万円~ |
引き戸への変更 | 10~20万円 |
バリアフリーリフォームは介護される側だけでなく介護する側の負担を減らすことにもつながります。
将来の生活も見据えて、合わせてトイレのバリアフリー化を検討してみるのもよいでしょう。
3. 和式トイレリフォームの工期と工事中の対処法
リフォーム内容 | 工期目安 |
---|---|
和式トイレ→洋式トイレ | 2~3日 |
和式トイレ→和式トイレ | 3~6日 |
和式にする場合も洋式にする場合も、工事は少なくとも2日以上かかります。希望する工事の内容や配管の状態によっては1週間程度かかることもあるでしょう。
その間、自宅のトイレは使えないため、工事中のトイレをどうするか検討しておく必要があります。
よくある手段としては、近隣の公共施設や商業施設のトイレに行く、知人や親戚のトイレを使わせてもらうなどの方法があります。また、高齢の方や子どもがいる場合には、宿泊施設を予約しておくのもおすすめです。
工事が始まる前に、トイレが使えなくなる期間を把握して対処法を決めておきましょう。
4. 和式トイレをリフォームする際の注意点
和式トイレをリフォームする際に知っておくべき注意点には、以下の2つがあります。
- リフォームの目的や条件を明確にしておく
- トイレの広さを確認する
1つずつ、解説していきます。
①リフォームの目的や条件を明確にしておく
和式トイレをどのようにリフォームするのか、明確なイメージがない場合は、この問題点を改善したいという目的や、ここだけは譲れない条件などを明確にしておいた方が満足のいくリフォームができます。
また、予算もあらかじめ決めておくことで、業者からもらった提案と希望するリフォーム内容のズレを最小限に抑えることができるでしょう。
この2点は、リフォーム業者に相談するときに明確になっていた方がスムーズに話が進むのであらかじめ考えておいたほうが良いでしょう。
②トイレの広さを確認する
和式トイレを洋式トイレにリフォームをする際は、トイレの広さを確認しておくことも大切です。
なぜなら、洋式トイレにリフォームする場合、トイレ本体と足を置くためのスペースが必要になるからです。トイレの面積が狭いとドアや壁を取り壊さなくてはならず、それらの改修工事が必要になります。
今のトイレの広さから見て他にどんな工事が必要になるか、工事が始まる前に業者に確認しておきましょう。
5. まとめ
今回は和式トイレのリフォーム方法や費用相場、注意点などを紹介しました。古い和式トイレもリフォームすることで、美しく使いやすいトイレに変えることができます。
和式のままがよいのか、洋式に変えるべきかどうかは、何を目的としてリフォームしたいのかによって異なります。
本記事を読んで、自分が現状のトイレのどこに不便を感じていてどうしたいのか、予算はどのくらいかなどを整理しながら、状況に合わせたリフォームを検討してみましょう。