
水回りの老朽化が見え始め、どのタイミングでリフォームしたらよいか、費用がどのくらいかかるのか、お悩みではないでしょうか。
また、水回り設備は3点、4点とまとめてリフォームすると安くなる傾向にありますが、高額になるほど悩ましいのが業者選びです。信頼できる会社を探すのも簡単ではありません。
この記事では、水回りリフォームの費用相場を解説するとともに、工期や施工事例、業者の選び方についてもご紹介します。水回りリフォームでお悩みの方は、ぜひご覧ください。
目次
1.水回りリフォームのタイミングは15~25年
水回りリフォームのタイミングは15~20年が目安です。キッチン・浴室・トイレ・洗面台のいずれも、20年を超えると何らかの不具合が発生しやすくなります。
特に、水栓やガスコンロ、ウォシュレットなどの設備機器は、10~15年程度で不具合が出始めるケースが多く、交換が必要になります。設備機器を交換するタイミングで、リフォームを検討するご家庭も少なくありません。
また、劣化が見えにくい排水管にも注意が必要です。排水部分の劣化は漏水を引き起こすこともあり、戸建てであれば構造部の腐食、マンションであれば階下への漏水被害と大きなトラブルに発展することも。排水管の耐用年数から考えても、水回りリフォームは20年が大きな節目となります。
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2.水回りのリフォームにかかる費用相場
水回りを複数箇所(2点・3点・4点)リフォームする費用相場
水回りのセットリフォームの費用相場をグレード別にご紹介します。
ただし昨今は、いずれのメーカーでも価格改定が頻繁に行われています。相場が上がっている可能性もあることに注意しましょう。
※キッチンはI型へのリフォームを想定
※トイレは洋式トイレから洋式トイレへのリフォームを想定
※浴室はユニットバスからユニットバスへのリフォームを想定
2点セットリフォームの費用相場
2点セットリフォームの費用相場は、約25万円~330万円です。
組み合わせ | ローグレード | ミドルグレード | ハイグレード |
---|---|---|---|
キッチン・洗面所 | 約72~138万円 | 約93~179万円 | 約155~235万円 |
キッチン・浴室 | 約122~200万円 | 約150~250万円 | 約220~330万円 |
キッチン・トイレ | 約77~150万円 | 約105~205万円 | 約160~275万円 |
浴室・洗面所 | 約70~98万円 | 約83~109万円 | 約115~145万円 |
浴室・トイレ | 約75~110万円 | 約95~135万円 | 約120~185万円 |
洗面所・トイレ | 約25~48万円 | 約38~64万円 | 約55~90万円 |
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3点セットリフォームの費用相場
3点セットリフォームの費用相場は、約85万円~395万円です。
組み合わせ | ローグレード | ミドルグレード | ハイグレード |
---|---|---|---|
キッチン・洗面所・トイレ | 約87~168万円 | 約118~224万円 | 約185~300万円 |
キッチン・浴室・トイレ | 約137~230万円 | 約175~295万円 | 約250~395万円 |
キッチン・浴室・洗面所 | 約132~218万円 | 約175~269万円 | 約245~355万円 |
浴室・洗面所・トイレ | 約85~128万円 | 約108~154万円 | 約145~210万円 |
4点セットリフォームの費用相場
4点セットリフォームの費用相場は、約147万円~420万円です。
組み合わせ | ローグレード | ミドルグレード | ハイグレード |
---|---|---|---|
キッチン・浴室・洗面所・トイレ | 約147~248万円 | 約188~314万円 | 約275~420万円 |
▼水回りセットリフォームについてはこちらの記事もご覧ください。


【お風呂】単体のリフォーム費用相場
お風呂単体のリフォーム費用相場は、約45万円~150万円が目安になります。
工事の内容 | 費用目安 |
---|---|
ユニットバスを新しいユニットバスに交換 | 60〜120万円 |
在来浴室からユニットバスにリフォーム | 70〜150万円 |
在来浴室のままリフォーム | 45万円〜(工事内容による) |
※在来浴室:古いタイル貼りのお風呂。浴室の形状に合わせて、壁・床をモルタルとタイルで仕上げる工法で造られる
※ユニットバス:メーカーで製造される規格サイズのある既製品。パーツを組み立てることで完成する
現状のお風呂が在来浴室の場合は、タイルの隙間から水が侵入しやすく、解体時に腐食が見られることも少なくありません。その場合には、傷んだ箇所の補修や下地調整が必要となり、相場よりも費用が高くなります。
ユニットバスを新しいユニットバスに交換する費用は、約60~120万円が目安になります。グレードによる違いは以下の表の通りです。
組み合わせ | ローグレード | ミドルグレード | ハイグレード |
---|---|---|---|
ユニットバスを新しいユニットバスに交換 | 60~80万円 | 70~90万円 | 90~120万円 |
画像出典元:(左)https://www.takara-standard.co.jp/product/system_bath/mina/(中)https://www.lixil.co.jp/lineup/bathroom/arise/(右)https://www.lixil.co.jp/lineup/bathroom/spage/
▼お風呂リフォームの費用について詳しくは、以下の記事をご覧ください。


【キッチン】単体のリフォーム費用相場
キッチン単体のリフォーム費用相場は、約62万円~400万円が目安です。
シンプル | スタンダード | ハイグレード | |
---|---|---|---|
I型キッチン | 62万円~120万円 | 80万円~160万円 | 130万円~210万円 |
L型キッチン | 72万円~130万円 | 150万円~210万円 | 150万円~270万円 |
対面型キッチン | 80万円~130万円 | 130万円~180万円 | 200万円~350万円 |
Ⅱ型(2列型)キッチン | – | 170万円~250万円 | 220万円~400万円 |
キッチンの移動 | 上記+20~150万円 |
費用はグレードやキッチンのレイアウトによって大きく変わります。
キッチンを移動するリフォーム費用は移動距離やレイアウトによって異なりますが、上記の費用に20~150万円程の費用をプラスして見込んでおきましょう。給排水管や排気ダクトの移設、既設キッチンを取り外した場所の原状回復工事などが必要となるためです。
▼キッチンリフォームの費用について詳しくは、以下の記事をご覧ください。


【洗面台】単体のリフォーム費用相場
洗面化粧台単体のリフォーム費用相場は、約9.5万円~26万円が目安です。ただし、ハイグレード仕様の場合は、30万円以上の費用がかかるケースもあります。
グレード | サイズ(幅) | 費用相場 |
---|---|---|
ローグレード | 50cm | 9.5~10万円 |
60cm | 10〜10.5万円 | |
75cm | 12〜17.5万円 | |
ミドルグレード | 60cm | 12.5~16.5万円 |
75cm | 13.5〜18.5万円 | |
ハイグレード | 75cm | 25〜万円 |
90cm | 26〜万円 |
洗面台交換の際は、クロスやクッションフロアの張り替えをすると、洗面所のイメージを一新できるのでおすすめです。収納が不足している場合は、ウォールキャビネットやトールキャビネットの設置を検討すると良いでしょう。
オプション内容 | 費用相場(商品代+工事費) |
---|---|
洗面所のクロス貼り替え | 3.0~5.0万円 |
洗面所の床張り替え※ | 2.0~4.0万円 |
洗面所の床補修+張り替え※ | 4.0~8.0万円 |
洗濯機パンの交換 | 2.0~3.5万円 |
トールキャビネット | 6.5~8.9万円 |
トール用ウォールキャビネット | 2.6~3.3万円 |
ウォールキャビネット | 3.2~4.1万円 |
鏡のくもり止めコーティング | 0.2~0.4万円 |
蛍光灯からLED照明へ | 1.4~1.6万円 |
※床材はクッションフロアを想定
▼洗面リフォームの費用について詳しくは、以下の記事をご覧ください。


【トイレ】単体のリフォーム費用相場
トイレ単体のリフォーム費用相場は、約15万円~75万円が目安です。費用は、現状のトイレの形状や新しく設置するトイレの形状によって大きく異なります。
工事内容 | 費用目安 |
---|---|
タンク式トイレ(組み合わせトイレ)へ交換 +床クッションフロアの張り替え |
15~30万円 |
タンクレストイレへ交換 +床クッションフロアの張り替え |
25~45万円 |
収納付きトイレ(システムトイレ)へ交換+床クッションフロアの張り替え | 30~65万円 |
和式トイレから洋式トイレへのリフォーム | 35~75万円 |
手洗いカウンターの設置 | 上記に加えて5~20万円 |
▼トイレリフォームの費用について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。


3.水回りのリフォーム事例
水回りリフォームの3点セット・4点セットの費用を事例とともにご紹介します。
【築15年・戸建て】浴室・洗面所・トイレ(250万)
【築27年・マンション】浴室・洗面所・トイレ(155万)
【築25年・戸建て】キッチン・浴室・洗面所・トイレ(235万)
【築32年・戸建て】キッチン・浴室・洗面所・トイレ(429万)
【築24年・マンション】浴室・洗面所・トイレ・給湯器・配管更新(211万)
【築15年・戸建て】浴室・洗面所・トイレ(250万)
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浴室は壁がタイル調のユニットバスを、新素材の人造大理石を使ったシステムバスルームにリフォーム。節水型シャワーや、汚れを防ぐキレイ鏡など、省エネと清掃性に優れたものを採用しています。
洗面所は、奥にあった化粧洗面台を手前に移動。洗濯機置き場と収納を奥に配置しました。浴室のアクセントパネルと同じダークブラウンでシックに仕上げています。
トイレはタンクレスに変更し、洗浄便座の操作パネルも壁付きに。スッキリしたことでかなり広々とした印象になりました。床はフローリングから掃除しやすいクッションフロアに変更しています。
リフォーム内容 | ユニットバス/洗面/トイレ(洗面室・トイレの内装含む) |
---|---|
建物 | 木造/築15年 |
費用 | 250万円 |
工期 | 約7日 |
出典:https://www.yutoriform.com/products/water/bathroom/case/02/
【築27年・マンション】浴室・洗面所・トイレ(155万)
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寒さを感じやすい浴室は、暖かみを感じられるピンク系の色で統一。換気乾燥暖房機を取り付けたことにより、夏は涼風で涼しく、冬は暖房で暖かく、部屋干しやカビ対策もできるようになりました。
トイレも暖かな空間を意識して、ピンクのアクセントクロスを採用。
洗面所は収納力のあるTOTOのオクターブLiteを採用し、使い勝手が格段にアップ。床の張り替えや洗濯防水パン・洗濯水栓も交換しています
リフォーム内容 | 浴室、洗面所、トイレ(洗面室・トイレの内装含む) |
---|---|
建物 | マンション/築27年 |
費用 | 155万円 |
工期 | 4日間 |
【築25年・戸建て】キッチン・浴室・洗面所・トイレ(235万)
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浴室はタイル貼りの在来浴室からユニットバスへ変更。あわせて給湯器も交換し、追い焚きできるようになりました。
キッチンは、サイズはそのまま、収納や設備を充実。後付けタイプの食洗機をビルトインさせることでワークトップがスッキリしました。
洗面所は三面鏡タイプの化粧洗面台を採用。使いやすい引き出ししきキャビネットのほか、鏡の扉を開いた空間にも収納スペースがあります。
トイレはタンクとトイレ本体が一体になったタイプを採用。タンクと便器の間にすき間がないので汚れが入り込まず、掃除がしやすく清潔に使えるようになりました。
リフォーム内容 | キッチン、浴室、洗面室、トイレ |
---|---|
建物 | 戸建て/築25年 |
費用 | 235万円 |
工期 | 1か月 |
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/457
【築32年・戸建て】キッチン・浴室・洗面所・トイレ(429万)
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タイルが貼られた特殊な間取りの在来浴室は、柱を移動しユニットバスに変更。手すりを多めに設置して、安全性にも配慮しています。
キッチンの更新にともない、食洗機や浄水器をビルトイン。さらにコンロも安全なIHタイプに変更し、清掃性が向上しました。
化粧洗面台は、ホテル風のカウンタータイプを設置。高級感が出たうえに、使い勝手も向上しました。
トイレはバリアフリー化するために、床を改築して廊下との段差を解消。トイレ本体には節水性の高い機種を採用しています。
リフォーム内容 | キッチン、浴室、洗面室、トイレ、給湯器 |
---|---|
建物 | 戸建て/築32年 |
費用 | 429万円 |
工期 | 1か月 |
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/457
【築24年・マンション】浴室・洗面所・トイレ・給湯器・配管更新(211万)
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水回りの3点セットリフォームに加えて、給湯器の交換とキッチンの配管更新を行った事例です。
タイル貼りで目地にカビが生えやすかった在来浴室をユニットバスに変更。お手入れが簡単になりました。躯体のスペースに余裕があったため、浴室のサイズアップも実現しています。
洗面所は古くなった洗面台を交換し、クロスを貼り替え。壁埋め込み収納は既存の物を残し、表面にダイノックシートを貼ることで新品のような仕上がりになりました。
角張ったタンク式トイレから、丸くやわらかいフォルムのタンク式トイレに交換。温水洗浄便座を新たに取り付けました。クロスと床も張り替え、清潔で快適なトイレ環境に変わりました。
将来的なキッチンリフォームに備えて、キッチン配管を更新。配管を交換することで、キッチンリフォームまで漏水の心配をすることなく、安心してお使いいただけます。
リフォーム内容 | 浴室、トイレ、洗面所、給湯器、配管 |
---|---|
建物 | マンション/築24年 |
費用 | 211万円 |
工期 | 2週間 |
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/155
▼水回り3点セット・4点セットリフォームの事例をくわしく見る


4.水回りリフォームにかかる日数・期間
水回りリフォームにかかる日数は、以下が目安になります。
場所 | 期間 | |
---|---|---|
キッチン | 2~6日 | |
浴室 | ユニットバスからユニットバスにリフォーム | 3~4日 |
在来浴室からユニットバスにリフォーム | 4~7日 | |
在来浴室のままリフォーム | 3週間~1か月程度 | |
洗面所 | 半日~4日 | |
トイレ | 半日~3日 |
工期にどのくらいの日数を要するかは、現状の水回りの状態に左右されます。
例えば、古いタイル貼りのお風呂(在来浴室)は解体に時間がかかり、床に段差のある和式トイレは床を解体してつくり直さなくてはなりません。
詳細な工期については、現地調査を依頼した上で業者に確認してみましょう。
水回りリフォーム中の生活に関するQ&A
Q.住みながら工事はできる?
水回りのリフォームは、住みながら行うことができます。できるだけ普段通りに生活するためには、工事の詳細なスケジュールを把握することが大切です。
特に、水道・電気・ガスが使えなくなるタイミングに注意しましょう。
Q.工事中の生活はどうなるの?
工事中は、リフォームする設備の使用ができません。
キッチンであれば、お弁当やお惣菜を買ったり、カセットコンロで簡易的な調理を行ったりすることになります。洗い物が出ないように、紙皿や割り箸も準備しておきましょう。キッチンを使えない期間は、キッチンの交換工事であれば最短で2日程度です。
浴室の場合は、銭湯やスパの活用、親戚や友人宅のお風呂を借りるなどの方法を検討する必要があります。
トイレのリフォームは半日から1日で終わるケースが多く、コンビニや商業施設で済ませる方が多いようです。
5.水回りのリフォーム費用を安く抑える4つの方法
水回りのリフォームは、複数の設備をまとめてリフォームすることである程度費用を下げられますが、さらに費用を抑えるポイントとして4つの方法をご紹介します。
5-1.水回りリフォームが得意な業者を選ぶ
1つ目の方法は、水回り全般のリフォームが得意な業者や工務店を選ぶことです。
水回りリフォームの実績が多い業者は、水回り商品を大量に仕入れるため、メーカーから高い割引率で商品を仕入れられる傾向にあります。
5-2.同じメーカーで揃える
複数の水回り設備をリフォームする場合は、同じメーカーで揃えると費用を抑えられる可能性があります。業者が購入時に価格交渉をしやすくなるためです。
また、メーカーを揃えることで、水回り設備のデザインに統一感が生まれることも大きなメリットといえるでしょう。
5-3.メーカーにはこだわらない
メーカーに強いこだわりがなければ、メーカー選びを施工会社に一任することも費用を抑える上で効果的です。施工会社には普段から取引の多い得意先メーカーがあり、そのメーカーであれば仕入れ価格を抑えられる可能性があるためです。
5-4.補助金・助成金を利用する
水回りのリフォームは、国や自治体に補助金・助成金を申請できる場合があります。リフォームすることを決めたら、まずは補助金・助成金がないかを確認しましょう。
補助金には、主に以下の4つがあります。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、子育て世帯・若者夫婦世帯等の新築住宅の取得や住宅の省エネ改修を支援する制度です。リフォームは全世帯が対象となっています。
対象となる工事の一例は以下の通りです。
補助対象工事と補助額(キッチン・浴室で利用する場合)
<キッチン>
リフォームの内容 | 補助額 | |
---|---|---|
家事負担を減らせる設備の導入 | ビルトイン食洗機 | 25,000円/戸 |
掃除しやすいレンジフード | 13,000円/戸 | |
ビルトイン自動調理対応コンロ | 15,000円/戸 | |
キッチンセットの交換を含む対面キッチンへのリフォーム | 91,000円/戸 |
※「キッチンセットの交換を含む対面キッチンへのリフォーム」で補助金が交付される場合、「掃除しやすいレンジフード」及び「ビルトイン自動調理対応コンロ」の補助金は交付されません。
また、上記補助対象の工事だけで補助金申請をすることはできず、必須工事として断熱改修やエコ住宅設備の設置工事を行う必要があります。窓や玄関ドアの断熱化など、これを機に家の断熱性を高めるリフォームをしてみたい方におすすめです。
<浴室>
リフォームの内容 | 工事区分 | 補助額 |
---|---|---|
高断熱浴槽 | 必須工事 | 32,000円/戸 |
節湯水栓 | 必須工事 | 6,000円/台 |
浴室乾燥機 | 任意工事 | 23,000円/戸 |
手すりの設置 | 任意工事 | 6,000円/戸 |
段差解消 | 任意工事 | 7,000円/戸 |
廊下幅等の拡張 | 任意工事 | 28,000円/戸 |
キッチンと同様に、浴室も必須工事として高断熱浴槽や節湯水栓の設置が必要です。補助額の合計が5万円以上から申請が可能となります。


長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、既存住宅の長寿命化や省エネ化、子育て世帯向け改修などを支援する国の補助事業です。
耐震や断熱といった住宅性能の向上につながる工事を一緒に行うことで、水回りリフォームの一部が補助対象になる場合があります。
補助率は、補助対象リフォーム工事費合計の3分の1となっており、補助限度額は以下の通りです。
補助限度額
① 長期優良住宅(増改築)認定を取得しないものの、一定の性能向上が認められた場合
80万円/戸(130万円/戸)
② 長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合
160万円/戸(210万円/戸)
※( )内は、三世代同居対応改修工事を実施する場合、若者・子育て世帯又は既存住宅の購入者が改修工事を実施する場合の補助限度額です。


介護保険による住宅改修
介護やバリアフリー化を目的とするリフォームを行う場合は、介護保険による補助を受けることができます。
対象工事と補助額は以下の通りになります。
補助額と条件
<対象工事>
- 和式トイレから洋式トイレへのリフォーム
- 手すりの取り付け
- 段差解消 など
<補助額>
上限18万円
(支給限度額20万円のうち、1割から3割が自己負担となります)
<受け取れる条件>
- 在宅で生活されている要介護者(要支援1,2含む)
- 実際に居住している住宅での改修工事が対象


地方自治体独自の補助金・助成金
地方自治体が独自で実施している補助金・助成金制度もあります。自治体によって制度の有無や内容は異なるほか、年度ごとに内容が変わる場合もあるので、お住まいの自治体ホームページで最新情報をご確認ください。
(例)東京都足立区|住宅改良助成制度
東京都足立区の住宅改良助成制度は、戸建てとマンション専有部のリフォームで申請できる助成制度です。65歳未満の方だけの世帯を対象に助成を行っています(65歳以上の世帯の場合は「高齢者住宅改修事業」を推奨)。
助成対象工事費の合計、または実際の工事費の2割、いずれか安価な方の金額が支給されます(上限額は30万円)。
水回りリフォームの助成対象工事と助成費用は以下の通りです。
助成対象工事 | 助成費用 |
---|---|
浴室部分の段差解消工事 ※浅型浴槽への変更との併用は不可 |
14万円/箇所 |
浅型浴槽への変更 ※段差解消工事(浴室部分)との併用は不可 |
5万円/箇所 |
浴室暖房の設置 ※固定されているものに限る |
3万円/箇所 |
和式トイレから洋式トイレへの変更 | 8万円/箇所 ※据え置き型の場合は2万円/箇所 |
手すりの新設 | 3千円/m |
>>キッチンリフォームで使える補助金制度
>>浴室リフォームで使える補助金制度
>>洗面所リフォームで使える補助金制度
>>トイレリフォームで使える補助金制度
▼コストを抑えた水回りリフォームについては、以下の記事も参考にしてください。


6.水回りのリフォームにおける注意点・ポイント
水回りリフォームで後悔しないための注意点やポイントをご紹介します。
6-1.ショールームなどで実物を確認する
水回り商品は、メーカーやリフォーム会社のショールームで実物を確認することが可能です。カタログやWebサイトだけでは分からない手触りや質感、実際の色味などを確認しておきましょう。
6-2.マンションは事前に管理規約を確認
マンションのリフォームは、事前に管理規約を確認することが重要です。
水回りは専有部のため、基本的にリフォームすること自体に問題はありませんが、規約で禁止されている工事もあるためです。
例えば、キッチンや浴室など、水回りの位置変更を禁止しているマンションも少なくありません。配管の移設は、大きな音が響いたり、漏水事故が起きたり、住民間のトラブルを引き起こす可能性があるためです。希望する工事ができるか否かは確認しておきましょう。
▼マンションの水回りリフォームについてはこちらの記事も参考にしてください。


7.水回りのリフォームで失敗しない業者の選び方
水回りリフォームを行う業者はさまざまありますが、「自社施工」が可能なリフォーム会社や工務店がおすすめです。
自社施工は、社内の職人が工事を行います。外注委託によるマージンが発生しないため、費用を抑えることが可能です。
水回りリフォームで失敗しないためには、水回りが得意で自社施工ができるリフォーム会社を選ぶことがポイントになります。
お近くでお風呂リフォームが得意な会社をお探しいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
▼水回りが得意な業者を探す






8.まとめ
水回りリフォームは、複数箇所をまとめて工事する「セットリフォーム」で依頼すると、費用を抑えられます。また、メーカーや商品選びを業者に任せることで、さらにコストダウンできる可能性もあります。
水回りのリフォームは、水回りが得意で自社施工ができる業者を選ぶと安心です。費用や工期の面からも有利になるケースが多いでしょう。
リフォームガイドでは、水回りに特化した優良なリフォーム会社をご予算やご希望に合わせてご紹介いたします。相見積もりも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。