
「外壁のひび割れを発見した!直すのにいくら費用がかかるの?」とお考えのあなたにはこの記事が向いています。
外壁の補修にかかる費用は業者によって大きく異なるため悪質業者に騙されると20万円以上は損をするでしょう。
騙されないためには知識が必要です。
この記事ではひび割れ補修にかかる費用についてやDIYで直せるのか、見積もりのシミュレーション、業者に依頼する手順などを紹介いたします。
>>実際の見積もりから算出した外壁塗装・外壁リフォームの費用相場をチェック!
目次
1.まずは外壁のひび割れ補修に関する確認事項を知ろう
外壁のひび割れを補修する前に症状の度合いを確認しましょう。ひび割れは「クラック」と呼ばれますが、割れ目の幅や深さ、外壁素材が何かによって補修方法が変わることがあります。
外壁の種類 | 補修方法 |
---|---|
サイディング外壁 | 塗装、張り替え、重ね張り |
モルタル外壁 | 塗装、モルタル補修 |
どちらの外壁でも基本は塗装によって補修しますが、症状が重い場合はサイディングの張り替えや重ね張り、モルタルの塗り直しなどが必要です。
1-1.外壁のひび割れの症状と緊急度を確認しよう
クラックは幅によって大まかに2種類に分かれます。
症状 | 緊急性 | 目安 |
---|---|---|
ヘアークラック | 中 | 幅0.3mm以下 |
構造クラック | 高 | 幅0.4mm以下 |
ヘアークラックは軽度のひび割れです。軽度と言っても外壁が割れていることに変わりはありませんので放置してはいけません。補修しなければ雨の侵入を許してしまうでしょう。
構造クラックは重度のひび割れで、すぐに補修が必要な状況です。雨の他にも風や虫などが侵入するため外壁のみならず建物自体の劣化を招きます。
1-2.外壁のひび割れを放置することで起きてしまう実害
ヘアークラックを放置すると徐々に割れ目が広がって構造クラックへと移行します。
構造クラックになると外壁が内部まで亀裂が入り、雨や風が侵入します。
あまりにひどい場合は雨漏りや隙間風の原因にもなりますのでクラックは軽度であっても放置してはいけません。
他にも外壁塗装の耐用年数である10年程度が過ぎた段階で調査しておくと劣化が早い段階で見つかるため被害を最小限に留めることができるでしょう。
1-3.DIYで外壁のひび割れ補修を行うメリット/デメリット
クラックの補修をDIYで行うことができないかと考える人のためにメリットとデメリットを紹介しましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
100万円かかる工事であれば50万円程度で補修できることでしょう。外壁のひび割れ補修をDIYで行う唯一のメリットは、業者に依頼するよりも半額程度の費用ですみます。
一方でデメリットは以下の2つです。
- 時間と手間がかかる
- 1年で剥がれやすくなる
【デメリット1】時間と手間がかかる
業者が行えば2週間で終わる作業が、DIYでは3ヵ月かかります。業者は3人程度で行いますが、DIYだと1人ということが多いからです。慣れている職人と一般人では作業速度に2倍以上の差が生まれるでしょう。
また外壁の補修工事は非常に重労働で手間がかかる作業です。会社から帰ってきて毎日3時間の作業をしたとしても3ヵ月以上かかるため過労で倒れる危険性もあります。
【デメリット2】1年で剥がれやすくなる
クラックの補修はコーキングやモルタルで穴埋めした後に塗装することが多いです。重度のクラックの場合はV字カットと呼ばれる技法を施します。
見よう見まねであればコーキングやモルタルでの補修も可能でしょう。しかし塗装まで行うとなると成功する可能性は低いです。専門のノウハウがなければ乾燥時間や下地処理の方法が不十分となり、補修部分が1年で剥がれてしまうでしょう。
2.外壁のひび割れ補修にかかる費用
外壁のひび割れ補修にかかる費用は塗装の場合で60万円〜120万円程度です。
一般的な住宅で30坪〜40坪程度であれば屋根まで補修したとしてもこの範囲で収まることが多いでしょう。
科目 | 30坪(100㎡)の目安額 |
---|---|
塗料代 | 20~50万円 |
人件費+工事費 | 40~70万円 |
合計 | 60~120万円 |
工事内容 | 30坪(100㎡)の目安額 |
---|---|
足場 | 12~14万円 |
高圧洗浄 | 2~6万円 |
養生 | 5~8万円 |
素地補修(ひび割れ、削れなど) | 5~30万円 |
下塗り、中塗り、上塗り | 7~54万円 |
防水加工 | 36~42万円 |
ごみ処理など | 1~3万円 |
(※人件費+工事費内訳)
上記はあくまで一例です。複雑な構造の住宅や、使う塗料によって大きく差があります。
2-1.塗料の種類で費用が変わる。価格と特徴を確認しよう
外壁補修の費用に差が生まれる要因の1つが使う塗料の種類です。住宅塗装で使用する塗料には主に以下の5種類があります。
塗料名 | 30坪(100㎡)の目安額 | モルタル塗装費用の合計額 |
---|---|---|
アクリル系塗料 | 14~16万円 | 54~86万円 |
ウレタン系塗料 | 18~20万円 | 58~90万円 |
シリコン系塗料 | 25~35万円 | 65~105万円 |
ラジカル系塗料 | 28~38万円 | 68~108万円 |
フッ素系塗料 | 35~45万円 | 75~115万円 |
安さを重視するのか機能性を重視するのかで、選ぶ塗料は変わってきます。
アクリル系塗料の特徴
耐用年数は5〜7年。安いが耐用年数が短い。
ウレタン系塗料の特徴
耐用年数は6〜10年。シリコンよりコストパフォーマンスが悪い
シリコン系塗料の特徴
耐用年数は8〜15年。最も普及している塗料。
ラジカル系塗料の特徴
耐用年数は12〜15年。発売して間もないため信頼性に疑問がある。
フッ素系塗料の特徴
耐用年数は15〜20年。高価だが耐用年数が長い。
それぞれ一長一短ありますので、よく比較検討してみてください。
3.実際の見積もりをみてシュミレーションをしてみる
では、実際の見積もり額を算出する時にどのように計算されるのかを上の写真の住宅をイメージしてシミュレーションしてみましょう。
30坪で100㎡の住宅と想定しています。以下は屋根塗装も一緒に行った例です。
調整額とは、合計のキリが良くなるようにした値引き額のことでほとんどの業者が行っています。
この工事によって今後10〜15年は経年劣化による補修が必要なくなることでしょう。