「家を買ってからしばらく経つけど、外壁のリフォームはいつすればいいの?」
「外壁のヒビが気になる・・・今すぐリフォームするべき?」
「外壁リフォームの訪問営業マンが来たけど、うちの外壁大丈夫?」
このような不安やお悩みはありませんか?
外壁のリフォームは、新築後5年を目安に考えましょう。
これは、新築時の外壁によく使われる塗料の耐用年数が約5年だからです。
外壁の表面には、外壁材そのものを雨水や紫外線から守る塗料が塗られており、この塗料の耐久性が失われるタイミングで、再塗装のリフォームをする必要があります。
この塗料の劣化を見逃してしまうと、次第に外壁素材に雨水が侵入し、建物自体を腐らせ、住宅の寿命が一気に縮んでしまいます。
また、外壁リフォームが必要になる場合は、塗料の劣化だけでなく、例えば地震など外部から衝撃が加わり建物内部からひび割れが起こった場合などです。
この記事では、初めに「どんな外壁の状態の時にどんなリフォームが必要なのか」をお伝えし、それぞれのリフォーム費用やリフォーム事例、注意点など、外壁リフォームが初めての方でも全体感がつかめるよう、ノウハウをまとめました。
失敗も多いと言われる外壁リフォームを、事前に知識を身につけて、ご自身に最適なリフォームになるようにしましょう。
目次
1.外壁の状態に最適なリフォームを判断する
外壁リフォームが必要かどうかは、外壁の状態から判断することができます。
「今すぐリフォームが必要なのに放置してしまった」、逆に「訪問業者に言われて慌ててリフォームしたけど過剰なリフォームだった」ということがないよう、今の外壁の状態に最適なリフォームをすることが大切です。
ここでは、あなたの家の外壁の状態はどんなリフォームが必要なのか、それとも早急なリフォームは必要ないのかが分かります。
チェック①チョーキング
チョーキングとは、外壁にふれたときに白い粉がつく劣化状態のことです。
チョーキングは、表面の塗料が劣化して保護機能を失っている状態です。外壁のほとんどの面でチョーキング現象が確認できる場合は、ひび割れや膨れのサインがないか注意してみましょう。
チェック②クラック(ひび割れ)
外壁の表面に亀裂が走る劣化状態のことです。
クラックは、「ヘアークラック」や「チェッキング」と呼ばれる髪の毛程度の細さのひび割れと、「構造クラック」と呼ばれる0.3mm以上の太さのひび割れがあります。
ひび割れは水が侵入する原因なので、早めの対応が必須です。
特に0.3mm以上のクラックの場合、すぐに業者に相談しましょう。
サッシ周りやサイディングの釘周りに出やすいので注意して見てみてください。
チェック③剥がれ
外壁の塗装が剥がれて下塗りや下地が見える現象です。
多くの部位で剥がれが見つかった場合は、塗装が機能を果たしていないため、早めに外壁リフォームを検討しましょう。
チェック④浮き・膨れ
塗装が劣化して浮いたり膨れてしまう現象です。
ひび割れから水が侵入し膨らんでいる恐れがあるため、早急に対処する必要があります。
チェック⑤破損
外壁素材が破損している状態です。
他の劣化症状と違って表面的な問題ではなく、外壁素材がむきだしになっている危険な状態です。破損が見つかった場合は早急な補修が必要となるでしょう。
【リフォームの緊急性と最適なリフォーム方法が分かるチャート】
ひび割れが多数あり、部分補修では対応できないような場合は、カバー工法や張替えで対応する必要があります。
また、塗装が剥がれ下地まで傷んでしまっている場合も、カバー工法などで外壁を新しくする必要があります。
外壁工事について詳しくは「外壁工事リフォームの種類や相場、注意点、期間を解説!」で解説しています。
2.外壁リフォームの施工方法と費用相場
外壁の状態から、必要なリフォームが分かったところで、詳しくリフォーム方法や費用相場を見ていきましょう。
外壁リフォームの施工方法は主に以下の4種類です。
リフォーム方法 | 費用相場 |
---|---|
部分補修 | 1〜5万円/㎡または箇所 |
塗装 | 60万円〜180万円 |
カバー工法 | 130〜230万円 |
張り替え | 150万円〜400万円 |
リフォーム方法別に、外壁リフォームの費用相場を詳しく解説していきます。
2-1.部分補修|1㎡または1箇所あたり1〜5万円
劣化状態:
- 外壁の一部が破損
- シーリング(コーキング)のひび割れ、劣化
- モルタル外壁のひび割れ
- タイルの目地補修
このような場合は「部分補修」を行います。
部分補修の方法としては、シーリング(コーキング)の補修や、外壁のモルタル補修、サイディングの部分張り替えなどが当てはまります。
※シーリング(コーキング)とは、外壁のひび割れを補修したりサイディングの目地を埋めたりするゴム状の素材です。詳しくは「外壁で使うシーリングの役割と補修費用、交換時期の見極め方」で解説しています。
■部分補修の事例(15万円)
リフォーム前の悩み:サイディングの目地部分がひび割れ
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外壁サイディングをつなげる目地のひび割れを補修したリフォーム。外壁の繋ぎ目部分などの補修工事は、ひび割れの状態によりますが15万円~30万ほどで行うことができます。
外壁にタイルを使用している場合は、「外壁のタイルをメンテナンスする時期や費用、方法を紹介!」も参考にしてください。
2-2.塗装|60万円〜180万円
劣化状態:
- 塗装の剥がれや膨れが見られる
- 下地の軽度なひび割れ
- モルタル外壁のひび割れ
このような場合は全面塗装で対応します。
下地のひび割れにはシーリング補修やセメント処理を施して隙間を埋める必要があります。
また、目立ったひび割れなどがなくても、カビやコケによって見た目が悪くなっていて汚れが気になるのなら塗装するとよいでしょう。
塗装は、カバー工法や張り替えよりも費用が安いですが、下地のひび割れが深かったり外壁が破損していたりする場合は対処できません。その場合は、カバー工法や張り替えで修理しましょう。
■塗装の事例(130~150万円)
リフォーム前の悩み:外壁の汚れ、痛み
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汚れや痛みが気になってきた外壁と屋根を同時に塗装リフォーム。
外壁の塗装をするついでに色を変えておしゃれにしたい!という人は、こちらをご参考ください。
外壁種類 | 費用相場 |
---|---|
サイディング | 60万円〜120万円 |
モルタル | 60万円〜120万円 |
タイル | - |
ALC | 100~180万円 |
※足場仮設費用含む
※30坪の戸建ての場合
2-3.カバー工法|130〜230万円
劣化状態:
- 塗装では補修できない下地のひび割れ
- 外壁の軽度な破損
このような場合はカバー工法というリフォーム方法があります。
カバー工法は現在の外壁の上から新しい外壁材を重ね張りする工事方法です。
カバー工法は塗装よりも重度の劣化症状を補修でき、張り替えよりも価格が安いですが、外壁が内部からボロボロになっている場合は対処できません。劣化が重度の場合は張り替えを行いましょう。
■カバー工法と塗装を併用した事例(178万円)
リフォーム前の悩み:外壁が老朽化してきた
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出典:http://www.8044.co.jp/gallery/387
モルタル部分はサイディングを上張り、サイディング部分は塗装でリフォーム。
外壁種類 | 費用相場 |
---|---|
サイディング | 130〜230万円 |
モルタル | (サイディングにリフォーム)160万円〜270万円 |
タイル | (サイディングにリフォーム)160万円〜270万円 |
ALC | 130〜230万円 |
※足場仮設費用含む
※30坪の戸建ての場合
2-4.張り替え|150万円〜400万円
劣化状態:
- 外壁内部がボロボロの状態
- モルタル外壁からサイディングに変えたい
- 外壁デザインを大きく変えたい
このような場合は張り替えるリフォーム方法があります。
張り替えは、現在の外壁を解体してから新しい外壁材を取り付ける工事方法です。外壁の破損を含めたすべての劣化に対処可能です。
塗装やカバー工法では対処できない劣化状況や、外壁のデザインを大きく変えたい場合に行います。ただし、費用が他の工法よりも高いため、軽度の症状であれば塗装やカバー工法を選ぶとよいでしょう。
外壁の張り替え費用について詳しく知る
外壁をサイディングに張り替えるリフォームについてはこちら
■張り替えの事例(390万円)
リフォーム前の悩み:台風で外壁・板金・波板が破損
※横にスクロールできます
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=1605
台風で破損した外壁に加え、防水効果の弱まっている屋根もまとめで工事。耐久性や強度を重視し張り替え・塗装を施しました。
外壁種類 | 費用相場 |
---|---|
サイディング | 150万円〜250万円 |
モルタル | - |
タイル | 200~400万円 |
ALC | 200~300万円 |
※足場仮設費用含む
※30坪の戸建ての場合
外壁リフォームの事例をもっと見たい方は「外壁塗装・リフォームの基本がわかる最初に見るべき事例17選」をご覧下さい。
3.外壁材の種類とそれぞれの特徴、選び方を解説
日本の戸建て住宅における外壁材の8割を占めるのは窯業系サイディングで、サイディング全体では9割を占めます(日本サッシ協会調査/2021年3月版)。
モルタルからサイディングにリフォームするというケースも多く見られます。
しかし、サイディングでも「窯業(ようぎょう)系」や「金属系」など様々で、
- どこがどう違うの?
- 結局どれを選べばいいの?
という疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。
ここでは、それぞれの外壁材の特徴と、どの外壁材を選べばいいのかを解説します。
3-1.主な外壁材7種類の概要
外壁材は主に7種類があります。
- 窯業系サイディング
- 金属系サイディング
- 木質系サイディング
- 樹脂系サイディング
- モルタル
- タイル
- ALC
それぞれの特徴は以下のとおりです。
<外壁材7種類の特徴・費用・耐用年数>
※モルタル:既存のモルタル壁に塗り壁リフォームする場合
3-2.【選び方】一番重視する要素は何か?を考える
外壁材は、それぞれに特徴があり、すべて兼ね備えたものはありません。
「安さ」、「耐久性」、「デザイン性」など一番重視するものは何かを考えましょう。
- 安さ重視なら|窯業系サイディング・金属系サイディング
- 耐久性重視なら|樹脂系サイディング・タイル・ALC
- デザイン性重視なら|木質系サイディング・モルタル
- 耐震性重視なら|金属系サイディング
- メンテナンスの楽さ重視なら|樹脂系サイディング
それぞれの外壁材の詳しい特徴やメリット・デメリットについては「目的別で外壁材の選びかたを解説!種類や特徴、価格を知ろう」をお読みください。
また、外壁材選びの際に、どのメーカーの外壁材がいいのか気になる方も多いはずです。「外壁材やサイディングを扱う各メーカーの特徴や種類を解説!」で詳しく解説していますのでご参考ください。
4.外壁をおしゃれにリフォームする配色や材質|ビフォーアフター付き
せっかく外壁のリフォームをするのであれば、おしゃれな外壁にしたいですよね。
外壁をおしゃれにするポイントは、「色」と「材質」にあります。
施工事例も用いながら解説していきます。
ポイント①色のメリハリをつける
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濃い色を1階部分に塗装することで、どっしりとしたイメージに仕上がります。
出典:https://www.manaka-reform-chiba.com/works/paint/works-4/
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玄関側に濃い色を採用し、目を引く仕上がりになっています。
出典:https://www.manaka-reform-chiba.com/works/paint/works-12/
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ホワイトの清潔感とブラウンの温かみが調和し、植栽との相性も抜群です。
出典:https://tosou-kageura.com/works/32438/
塗装で2色を塗り分けたり、屋根と外壁で色を分ける際、互いの色を引き立たせるようにメリハリをつけるとオシャレに見えます。
色の配色に関しては、「外壁や屋根における色の組み合わせで失敗しないための方法」で詳しく解説しています。
ポイント②異なる材質の外壁材を取り入れる
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レンガ調の屋根材とアイボリーの塗装を実施。統一感があり優しい見た目に仕上がっています。
出典:https://tosou-kageura.com/works/28874/
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外壁の一部にタイルを使用し立体的な仕上がりを実現。遠くから見ても高級感のある見た面になりました。
出典:https://freshhouse.co.jp/case/8584/
外壁の一部にタイルやタイル調のサイディングを使うことで、一気にオシャレになります。
また、コテを使って仕上げる塗り壁は、味のある唯一無二の壁になり、デザイン性が非常に高いです。
人気の塗り壁材であるジョリパットを「外壁にジョリパットを使うメリットや費用、メンテナンス方法」で解説しています。
まだまだ外壁のイメージをみたい!という方は、ぜひ「あなたに合う外壁塗装の色が必ず見つかる!100事例と配色の原則!」で外壁リフォームのイメージを膨らませてみてください。
5.外壁リフォームをすべきタイミングと最適な季節
外壁リフォームをするタイミングと、1年の中で外壁リフォームに適した季節について解説します。
5-1.外壁リフォームをするタイミング
家の外壁は、新築から約5年経ったら一度点検をしてください。
これは、新築時の外壁によく使われる塗料の耐用年数が約5年だからです。
外壁の表面には、外壁材そのものを雨水や紫外線から守る塗料が塗られており、この塗料の耐久性が失われるタイミングで、再塗装のリフォームをする必要があります。
塗料の耐用年数は、塗料の種類によって違い、新築時は安価な塗料が使われることが多く、5年ほどで塗料の耐久性が失われてきます。
既に一回目の外壁塗装を済ませている場合は、前回使用した塗料の耐用年数を目安に、再塗装の時期の目安を立てましょう。
以下は塗料の種類別、耐用年数の一覧です。
また、塗料や外壁材の劣化スピードは、以下のような外的要因によっても変わります。
- 建物の日当たり
- 天候・気候
- 海の近くかどうか
- 施工技術
- 地震など自然災害
「耐用年数が何年だから、まだ大丈夫」と思うのではなく、定期的に外壁を観察し、ひび割れやチョーキング現象などがないかを確認することが大切です。
5-2.外壁リフォームに適切な季節
外壁塗装には「乾燥させる」という作業があり、工事に向いていない季節が存在します。
以下の条件を1つでも満たしている状況では塗装工事はしないほうが良いでしょう。
- 気温が5℃以下
- 湿度が85%以上
- 雨がわずかでも降っている
地域によって気候が異なりますので塗装に最適な季節は都市ごとに違います。
地域の特徴 | 最適な季節 | 避ける時期 |
---|---|---|
雪が降る | 夏 | 冬 |
梅雨がある | 春 | 梅雨の時期 |
台風が来る | 春 | 台風の時期 |
気温が35℃を超える | 春・秋 | 真夏 |
どの地域でも基本的に春が最適です。
しかし雪が降る地域の春は気温が低いですので5月か6月まで待ったほうが良いでしょう。
外壁リフォームの時期に関しては「外壁をリフォームする時期は10年?依頼に最適な季節も紹介」で詳しく解説しています。
6.外壁リフォームで失敗しない業者選び5つのポイント
外壁リフォームの業者選びで覚えておきたいポイントは5つあります。
- 相見積もりで適正価格や具体性をチェック
- 保証内容が充実しているかチェック
- 自社施工をしているかチェック
- 火災保険や補助金に詳しい業者かチェック
- 質問にわかりやすく親切に答えてくれるかチェック
建物を守る、一番重要な外壁や屋根ですが、残念ながら悪質な業者が多いのが事実です。
訪問営業の会社には依頼をしない、というのは意識をしていても、実際どんな会社に依頼をすればいいのか分からない方も多いでしょう。
業者選びの際に上記5つのポイントをチェックしてみましょう。
詳しくは「外壁リフォームの業者選びで費用を節約する方法を徹底解説!」で解説しています。
(補足)業者と契約後もコミュニケーションをしっかりとる
外壁リフォームにかかわらず、他のリフォームでも、業者とトラブルになる原因は「コミュニケーション不足」にあります。
例えば、
- 予想していたイメージと違った
- 業者に急に工事を延長すると言われ困った
- 口約束で言われたことが忘れられていた
などです。
これらは、施主と業者の間で思い込みや勘違いが発生してしまうことが原因です。
トラブルが起きないためにも、業者任せにせず、工事中は業者とコミュニケーションを取りながら皆さんも工事過程をこまめに確認しましょう。
詳しくは「リフォ―ムトラブルの真実に迫る!事例・予防法・対処法特集」で確認できます。
7.外壁リフォームにかかる期間
外壁リフォームの最中でも生活を送らなければいけません。
「外壁リフォームはどのくらいの日数かかるの?」というと、いずれの工事も約2週間です。
リフォーム方法 | 期間 |
---|---|
塗装 | 12~15日 |
カバー工法 | 10~14日 |
張り替え | 12~17日 |
それぞれのリフォームの工程も一緒に解説します。
■塗装:12〜15日
- 足場組み立て、ネット養生「1〜2日」
- 高圧洗浄、下地補修「1日」
- 下塗り、中塗り、上塗り「8〜10日」
- 小口処理「1日」
- 足場解体、清掃「1日」
■カバー工法:10〜14日
- 足場組み立て「1〜2日」
- 下地補修「2〜3日」
- 新材建込み「5〜7日」
- 金物類取り付け「1日」
- 足場解体、清掃「1日」
■張り替え:12〜17日
- 足場組み立て、解体「3〜5日」
- 下地補修「2〜3日」
- 新材建込み「5〜7日」
- 金物類取り付け「1日」
- 足場解体、清掃「1日」
(参考)外壁をリフォームする上で知っておきたい素材や工事の種類
(参考)外壁工事リフォームの種類や相場、注意点、期間を解説!
8.外壁リフォームの注意点
外壁リフォームをいざしよう!と思っても、実際に行うとなると不安に思うことがたくさんあると思います。例えば、
- 施工中は普通の生活ができるの?
- 施工中、何か気を付けることは?
などです。これらの疑問にお答えしていきます。
8-1.工事前に近所に挨拶する
外壁リフォームは、足場を組んだり洗浄を行う際などに騒音がでます。
塗装の場合は、塗料の臭いもあります。
事前に隣近所には工事内容、工事期間、工事時間を伝えておきましょう。
8-2.洗濯物が干せない
外壁リフォーム中は、外で洗濯物が干せなくなる場合があります。
塗装の場合、塗装箇所が物干し場から離れていても、塗装から出る臭いがついてしまうおそれがあるため、業者側が洗濯物を干さないようにと注意するケースも多いです。
8-3.窓を開けることができない
特に外壁塗装の場合、窓を開けることはあまりおすすめできません。
塗料の臭いが部屋の中に入り、臭いが部屋に充満する恐れがあるからです。
8-4.喘息持ちやお子さんのいる家庭ではアレルギー症対策を徹底
塗料によっては、喘息・頭痛・めまい・湿疹・のどの痛みなどのアレルギー症状を起こしてしまう可能性があります。
工事中や工事直後は防毒マスクを着用するか、住居を移すことが最も安心です。
ですが現実的に難しい場合が多いため、使用する塗料に気を遣いましょう。
詳しくは「外壁塗装で起こるアレルギー症状と対策、原因物質をチェック」でご確認ください。
8-5.防犯意識をいつもより高める
外壁リフォーム中は、職人がよく出入りするため、家の敷地内に見知らぬ人がいても気にかけなくなりがちです。
また、工事中は足場をかけるため、夜中に足場を上って室内を盗撮されたり、窓から侵入される危険性も高まります。
いつもより
・カーテンを閉める
・窓を施錠する
など防犯を意識しましょう。
他にも「外壁塗装では防犯が重要!足場や窓からの侵入を防ぐ対策を紹介」で詳しく解説しているので外壁塗装をする前に目を通しておきましょう。
9.外壁リフォームをお得にする4つのポイント
外壁リフォームは100万円規模の大規模工事のため、少しでもお得にリフォームしたいですよね。
ここでは外壁リフォームで活用できる保険、補助金、減税について解説します。
9-1.外壁と屋根を同時にリフォームする
外壁リフォームをする際、屋根のリフォームを同時に行うと、お得になる場合があります。
これは主に、外壁リフォームでも屋根リフォームでも必要な「足場の仮設費用」が、同時に行うことで1回分浮くからです。足場の仮設は、1回約15~20万円かかるため、屋根も傷んできている場合は一緒にリフォームしたほうが断然お得です。
ただし、注意点としては、「塗装」と屋根の張り替えや重ね張りなどの「屋根工事」は別物ということです。
外壁塗装の専門業者に、屋根工事を一緒に依頼しても、結局のところ屋根工事は外注することになります。塗装は専門でも外注先の屋根工事会社がいい業者とは限らないので、屋根も一緒にリフォームを検討されている場合は、業者選びを慎重に行いましょう。
9-2.保険が適用できるか確認する
外壁の工事で利用できる保険は「火災保険」と「地震保険」です。大規模な外壁工事であれば保険が適用できるケースもありますが、単純な塗装だと保険金は手に入れにくいでしょう。
保険の種類と適用できる範囲は以下のようになります。
ケース | 住宅火災保険 | 住宅総合保険 | 地震保険 |
---|---|---|---|
火災 | 〇 | 〇 | × |
落雷 | 〇 | 〇 | × |
破裂 | 〇 | 〇 | × |
爆発 | 〇 | 〇 | × |
風災 | 〇 | 〇 | × |
雪・ひょう | 〇 | 〇 | × |
水害 | × | 〇 | × |
水漏れ | × | 〇 | × |
暴行 | × | 〇 | × |
盗難 | × | 〇 | × |
物体の衝突 | × | 〇 | × |
地震 | × | × | 〇 |
■火災保険の適用例
外壁は、屋根に比べて火災保険の適用例が少ないです。
ひょうや雪、風などで外壁が崩れているケースであれば適用しやすいでしょう。
- 雪の重みによって雨樋が破損
雨樋(あまどい)とは、屋根から地面へ雨水を逃がすためのパイプです。雨樋が破損すると雨漏りを引き起こしかねません。
雪の重みや台風によって雨樋は壊れる場合があります。そういったケースであれば風災や雪災が適用されるでしょう。
- ひょうでサイディング外壁がへこんだ
ひょうによる被害は直径5cm以上でなければ対象とならないことが多いです。もし大きなひょうが降ってきてサイディングやモルタル外壁をへこませたのなら、保険がおりる可能性があります。
■地震保険の適用例
地震保険の適用範囲としては以下があります。
- 地震の振動による被害
- 地震によって起こった津波の被害
- 噴火の被害
上記が原因で被害を受けた場合、建物の他に家財も補償内容に含まれます。また、地震による火災は地震保険でなくては補償されません。
外壁リフォームにおける保険の適用の注意点や保険金額、申請手順なども確認しておきましょう。
9-3.補助金や助成金が使えるか確認する
外壁リフォームで補助金や助成金が使える場合は、
- 断熱リフォーム
- 断熱塗料を使った外壁塗装
などの省エネリフォームです。
詳しくは「外壁工事で補助金・助成金を受け取る方法と注意点をチェック」で解説しています。
以下では2021年5月時点で使える補助金・助成金例を紹介します。
■次世代省エネ建材の実証支援事業
要件:
既存戸建住宅の外気に接する外壁全てを外張り断熱工法にて改修し、原則、全ての開口部を外窓の 設置又はカバー工法窓の取付にて改修すること。
① 補助率 補助対象経費の1/2以内とする。 ② 補助金の上限額 1住戸当たり300万円
■グリーン住宅ポイント
要件:
外壁、屋根・天井 または 床の断熱改修
①一戸あたりのポイント数
外壁の断熱:10万ポイント(部分断熱5万ポイント)
②補助金の上限額
一般世帯30万ポイント
若者・子育て世帯45万ポイント
■地方自治体独自の補助金制度
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイトでお住まいの自治体に外壁塗装に当てはまる補助金・助成金制度がないか調べてみましょう。
■東京都品川区の例|住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修)
要件
区内施工業者に発注して行う工事であること
対象工事
- 遮熱性塗装
助成金額
区民:工事費用(消費税抜き)の10%、上限20万円
マンション管理組合、賃貸住宅個人オーナー:(消費税抜き)の10%、上限100万円
その他の省エネ改修、バリアフリー改修、耐震改修も対象となる工事があります。
詳しい要件は品川区のHPをご覧ください。
■東京都渋谷区の例|住宅簡易改修工事費助成
要件
渋谷区が協定を結んだ区内施工業者(渋谷区協定業者)による住宅の簡易改修工事を行う場合であること
対象工事
- 屋根・外壁などの改修および模様替えを行う外装工事
助成金額
工事費用(消費税抜き)の20%、上限10万円
その他のリフォームも対象となる工事があります。
詳しい要件は渋谷区のHPをご覧ください。
9-4.減税制度が使えるか確認する
外壁工事で節税をする方法として「住宅ローン減税」があります。
住宅ローン減税とは、外壁工事の費用を10年以上の長期ローンにすることで翌年の所得税から工事料金の一部を翌年の所得税から減額できる制度です。
住宅ローン減税を適用するための条件は以下の7つです。
- 登記上の床面積が50㎡以上であること
- リフォームに際して10年以上のローンを組んでいること
- 建物の所有者であり居住していること
- 中古住宅の場合は耐震性能を満たしていること
- 合計所得金額が3,000万円以下であること
- 増改築等の場合は工事費が100万円以上であること
- 工事から半年以内に居住していること
詳しい条件の内容や申請手続きについては「外壁工事で減税が受けられる条件や金額・手続きを解説!」で解説しています。
10.まとめ
外壁リフォームについて、初めての方でも全体像が分かるように解説しました。
外壁リフォームは、100万円を超える大規模リフォームになることも多く、訪問営業の業者も多い業界のため、慎重な判断が必要になります。
外壁リフォームを失敗しない方法は、
- 予備知識をつける
- 相見積もりをして会社を最低2社は見る
- 少しでも疑問があったら業者に質問をぶつけてみる
という3つが基本です。
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外壁塗装
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- 外壁塗装が必要ない家の特徴と見分けかた、塗装の役割を解説
- 外壁をサイディングにリフォームするなら知っておくべき知識
- 外壁工事で補助金・助成金を受け取る方法と注意点をチェック
外壁リフォームの費用と相場