外壁に使う断熱材の種類や費用、施工方法、注意点をチェック

「外壁に使う断熱材の種類を知りたい」
「外壁に行う断熱工法はなにがあるの?」
こういった疑問を持っている人は多いでしょう。

外壁に断熱材がなければ夏は暑く、冬は寒くなりすぎて快適な生活が送れなくなります。

この記事では、外壁に使う断熱材について以下の要素を紹介します。

  • 外壁に使う断熱材の種類
  • 外壁に行う断熱工法
  • 外壁の断熱工事の費用相場
  • 外壁に断熱材を施工する手順
  • 断熱工事をする際の注意点と業者の選びかた

外壁に使う断熱材の種類や工法を知り、自宅に最適な材料を選べば、外気温に左右されない快適な生活を送れるようになるでしょう。 


1.外壁の断熱材の種類や工法

外壁の断熱は、断熱工法と使う断熱材によって効果が変わります。以下では、断熱材の種類と、断熱工法の違いを解説していきます。

1-1.断熱材の種類

外壁で使う断熱材には主に4種類があります。

  1. 無機繊維
  2. 天然繊維
  3. 発泡プラスチック
  4. 断熱塗料

それぞれの特徴を詳しくチェックして、最適な材料を選びましょう。

無機繊維

無機質材を原料とした繊維素材です。ガラスを原料とした「グラスウール」が一般的で、他には岩石を使った「ロックウール」があります。

メリットは価格が安いうえに防音性と防火性に優れていることです。デメリットはホルムアルデヒドといった有毒物質が含まれていることでしょう。 

ホルムアルデヒドは微量のため有毒性は高くありませんが、シックハウス症候群が心配な人は無機繊維以外を選ぶとよいでしょう。

アレルギーの心配がない人なら、無機繊維はコストパフォーマンスに非常に優れ、安価で断熱工事ができる素材となります。

天然繊維

有機質材を原料とした繊維素材です。羊毛を原料とした「羊毛断熱材」や、新聞紙を使った「セルロースファイバー」が有名です。

メリットは有害物質を含まないことです。防音や吸湿性に優れている点も魅力でしょう。デメリットは無機繊維に比べて2〜4倍もの高価格であることです。また、防虫効果が低いという弱点があります。

無機繊維だとシックハウス症候群が心配という人は天然繊維を選ぶとよいでしょう。

発泡プラスチック

プラスチックを発泡させて独立した気泡を作り出した断熱材です。「硬質ウレタンフォーム」が一般的です。

メリットは湿気に強いこと、軽量で建物への負担が少ないことが挙げられます。デメリットは無機繊維に比べて2倍程度の価格となることでしょう。

建物の耐震性を下げたくない場合や、老朽化が進んでいる住宅の場合は、軽量な発泡プラスチックを利用するとよいでしょう。

断熱塗料

熱を遮断する「断熱効果」がある塗料の総称です。日進産業株式会社の「ガイナ」が有名です。

メリットは外壁の外側の補修と断熱が同時にできることです。他の素材では外壁の補修が断熱材だけではできません。

デメリットは他の断熱材よりも効果が極端に低いことです。他の断熱材に比べて厚みがないため、高い断熱性能は期待できません。

断熱塗装は、外壁の補修時期が近づいていて、断熱補修と一緒に済ませたい人に適しています。

1-2.外壁の断熱工法の違い

外壁の断熱工法には以下の3つがあります。

  1. 外断熱
  2. 内断熱
  3. 断熱塗装

それぞれのメリットとデメリットを紹介していきます。

外断熱

外断熱とはプラスチック系の断熱材を建物の外側から張り付ける工法です。メリットは隙間ができにくくて結露が起こりにくいことです。デメリットは費用が高額になることでしょう。断熱効果を重視する人に適しています。

初期価格は高額ですが、断熱効果による冷暖房の節電効果があるため長期的なメンテナンスコストは内断熱より安くなりやすいです。

内断熱

内断熱とは建物の内側から壁の中に断熱材を張りつけまたは吹付けする工法です。メリットは価格が安いことです。デメリットは隙間ができやすいため結露のおそれがあることでしょう。

価格の安さを重視する人に適しています。

断熱塗装

断熱塗装とは、外壁の上に断熱塗料を塗る工法です。メリットは外壁表面の補修も同時に行えることでしょう。デメリットは他の断熱工法に比べると断熱効果がほとんどないことです。

外壁の塗装メンテナンスを同時に行いたい人に適しています。

 


2.外壁に使う断熱材や工事の費用相場

以下では、外壁に使う断熱材や工事の費用相場を解説します。工法によって使う材料は自然と決まるケースが多いです。

2-1.外断熱の場合

外断熱で利用する断熱材は発泡プラスチックが一般的です。工事費は1平方メートルあたり8,000円〜3万円で、30坪の住宅だと家全体で100〜200万円はかかるでしょう。

また、外断熱の場合は同時に外壁材も交換するケースが多いため200万円を超えることも珍しくありません。耐用年数は材料によって異なりますが、20〜30年程度は断熱性を維持できるケースが多いです。

高断熱住宅は、一般住宅に比べて年間で10万円以上の費用が節約できるとも言われています。

年間で10万円の費用節約ができるのなら、20年で200万円分を回収できるため、断熱リフォームはメリットが大きいでしょう。

2-2.内断熱の場合

内断熱で利用する断熱材は無機繊維が一般的です。工事費は1平方メートルあたり4,000円〜2万円で、家全体だと50〜150万円程度が目安となるでしょう。

ただし、解体工事や窓の設置などが加わる場合は150万円を超える可能性があります。

2-3.断熱塗装の場合

断熱塗装で利用する材料は断熱塗料のみです。断熱塗装の場合は1平方メートルあたり3,000〜8,000円程度で施工が可能です。家の外壁全体で80〜120万円程度が目安となるでしょう。

工事方法による価格の違いは以下を参考にしてください。

 


3.外壁に断熱材を施工する手順

以下では、外壁に断熱材を取り付ける手順を解説します。手順を知っておけば、業者の工事内容が的確かどうかを判断しやすくなり、見積もり段階で手抜き工事や施工ミスを防ぎやすくなるでしょう。 

3-1.外断熱の場合

おおよその流れは以下のようになります。

  1. 外装部の解体
  2. 構造用の合板を設置する
  3. 断熱材を釘で柱に仮どめする
  4. 継ぎ目に気密テープを貼る
  5. 透湿防水シートを施工する
  6. 胴縁を取り付ける
  7. 外壁材を取り付ける

外装部を一度解体し、構造用の合板を設置後に、断熱材を釘で柱に仮どめします。継ぎ目に気密テープを貼ってから透湿防水シートを施工していきます。胴縁と呼ばれる木材を取り付けたら、あとは外壁材を張って完了です。

解体作業があるため他の工事よりも費用が高額になりがちです。また、解体と同時に外壁の補修もおこなって新しい外装材に交換するケースも多いです。

3-2.内断熱の場合

内断熱は、他の工法に比べて非常に簡単です。以下の2つの手順でおこないます。

  1. 断熱材を柱の隙間に合わせてカットする
  2. 柱の間に隙間に断熱材を固定する

最初に、断熱材を柱の隙間に合わせてカットします。柱の間に隙間ができないように断熱材を固定したら完成です。ただ、施工する範囲が広いため全部終わるまでに1日以上はかかるでしょう。

また、吹付け工法の場合は専用機械を使って液状にした断熱材を塗布する作業があります。

3-3.断熱塗装の場合

断熱塗装の場合は以下のような工程を行います。

  1. 足場を設置する
  2. 高圧洗浄をする
  3. 下地補修
  4. 下塗り作業
  5. 仕上げ塗り作業(2回)
  6. 足場解体

家の周囲に足場を設置後、高圧洗浄機で外壁を洗浄します。洗浄後は下地補修と下塗りを行い、塗装がはがれないように対応します。

下塗り後は断熱塗料を2回塗装するのが一般的です。1回だけしか塗らないと耐久性が低いためすぐに剥がれてしまう危険性があります。2回の塗装後は足場を解体すれば工事完了です。

 


4.外壁に断熱材を使う際の注意点

外壁に断熱材を使う際は2つの注意点があります。以下のポイントを把握しなければ失敗する危険が高まります。事前にチェックしておきましょう。

4-1.工法よりも断熱材の厚さと性能が重要

どの工法を選ぶかよりも断熱材の厚さと性能が重要です。特に、断熱材は厚さで断熱性能が決まるため、厚ければ厚いほど効果が高いです。

もし快適に過ごしたいのであれば断熱材は厚めにしましょう。ただ、断熱材は厚くなるほど価格が高くなります。断熱性と価格どちらを重視するかは業者と相談しましょう。

発泡ウレタンなど、薄くても高性能な材料はあります。ただ、薄くて高性能な断熱材はそのぶん価格も高くなります。

4-2.外断熱は火災時に燃え広がる危険がある

外断熱は外側にあるだけではなく、燃えやすい素材が多いため建物が延焼しやすいと言われています。

窓まわりから炎症する可能性が高く、一部をロックウォール素材にするだけで対策になります。

外断熱にする場合は延焼対策も考えて、どの素材を使ったらよいかを業者に相談してみましょう。

 


5.外壁に断熱材を使う際の業者選びのポイント

外壁に断熱材を使う場合、業者選びが重要です。業者選びで最も重要なのが相見積もりでしょう。

複数の業者に見積もりを依頼することで問題がある業者を見抜きやすくなります。以下では、業者選びのチェックポイントを解説します。

5-1.見積書の商品名が具体的に記載されているか

相見積もりの際に商品名が具体的に表記されていない業者は危険です。優良な業者であれば商品名だけではなくメーカー名も記載しているでしょう。見積書の商品名の欄を欠かさずチェックしておきましょう。

5-2.見積書で20万円以上の値引きをしていないか

見積もりで20万円以上の値引きをしている業者は詐欺の可能性が高いです。なぜなら、リフォーム工事で20万円以上の利益を削ると業者には儲けがほとんどなくなるからです。

業者はあくまで利益のために工事をします。一般的な業者であれば10万円以内の値引きが妥当と考えて、高額な値引きをしている業者には依頼しないようにしましょう。

5-3.訪問営業でやってきた業者ではないか

唐突に家に訪問してきた営業マンは高確率で悪徳業者です。なぜなら、優良業者は訪問営業をしなくても仕事に困らないためです。もし営業をするとしても個人住宅ではなく企業相手にしたほうが効率的でしょう。

一般住宅に訪問営業をしている業者は問題があるケースが多いです。

 


6.まとめ

外壁の断熱は工法よりも断熱材の厚さを重視しましょう。断熱性能は厚さと気密性が重要です。

快適な住宅にしたいのなら断熱材の厚みを業者と相談し、自宅に最適な断熱工事をしましょう。

ただし、外壁の断熱材が優れていても、外壁材にひび割れがあれば断熱機能が低下する恐れがあります

外壁の補修については「外壁のひび割れ補修にかかる費用やDIYできるかをチェック」をチェックしてみましょう。

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