「外壁塗装をDIYできるか知りたい」
「DIYのメリットやデメリットを把握したい」
こう考えている人は多いでしょう。この記事では、外壁塗装をDIYでおこなうメリットやデメリット、費用、工期などを紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
- 外壁塗装をDIYでおこなうメリットとデメリット
- DIYでおこなう場合の外壁塗装の費用
- DIYの場合の外壁塗装の工期
- 外壁塗装をDIYでおこなう手順
- 外壁塗装をDIYでおこなう場合の注意点
DIYのメリットとデメリットを把握しないまま工事をおこなうと、思わぬ費用がかかることもあるため注意してください。
目次
1.外壁塗装をDIYでおこなうメリットとデメリット
外壁塗装を行うメリットとデメリットを把握すれば、余計な費用や労力をかけなくてすみます。
DIYでは高確率で失敗する工事にも関わらず自分で塗装してしまうと、すぐに塗装がはがれてしまう危険性もあるでしょう。
適切な工事をするために外壁塗装におけるDIYのメリットとデメリットを把握しましょう。
1-1.外壁塗装をDIYでおこなうメリット
外壁塗装をDIYでおこなうメリットは以下の2つです。
- 人件費がかからない
- 好きなデザインで塗装ができる
以下ではそれぞれを具体的に解説していきましょう。
人件費がかからない
外壁塗装をDIYでおこなう最大のメリットは人件費が節約できることです。
具体的には、道具を揃える費用や材料費など、工事にかかる総額が業者の半額程度になります。
業者に依頼する場合は職人の人件費を毎日2〜3人分も支払わなくてはいけません。
人件費は外壁塗装の工事費全体の3〜4割程度を占めているため、DIYで工事をすれば大幅な費用節約となるでしょう。
ただし、足場の設置と解体はDIYではできません。
自宅の全面的な外壁塗装の場合は高所の作業のために足場が必要です。
安全性と作業効率を考えると、足場を使わない外壁塗装は現実的ではありません。
足場の設置は10〜20万円程度をかけて業者に依頼しなくてはいけないでしょう。
好きなデザインで塗装ができる
外壁塗装をDIYでおこなうもうひとつのメリットがデザインを自由にできる点です。
業者に依頼する場合、3色以上を使った外壁塗装は追加費用が必要で、細かいデザインまで指定すると高額な工事費となってしまいます。
DIYであれば自分で塗装をするため「窓の周りは3色で絵画のように塗装しよう」と考えても簡単に実践できます。
1-2.外壁塗装をDIYでおこなうデメリット
外壁塗装をDIYでおこなうデメリットは以下の4つです。
- 工期がかかる
- 手間がかかる
- 費用が業者よりも高くなるリスクがある
- トラブルが起こりやすい
費用が安くなればデメリットなんて気にならない人は多いですが、実はDIYのほうが業者よりも高額となるケースがあります。
DIYのデメリットを把握することでトラブルを事前に防げるようにしましょう。
工期がかかる
業者に外壁塗装を依頼すると2〜3週間で工事が完了します。
しかし、DIYで外壁塗装をした場合は3ヶ月〜半年程度の期間が必要です。
なぜDIYの期間が極端に長いかというと、技術力と人数が理由です。
業者に依頼する場合は高度な知識と技術を持った職人が2〜3人体制で作業をします。
しかし、DIYだと十分な技術がない人が1人で作業をすることが多いでしょう。
DIYだと作業がわからずに確認する時間や、失敗してやり直すことも多いため、工期は業者に依頼するより6倍以上も延びてしまうのです。
手間がかかる
あなたは、仕事が終わってから毎日2〜3時間の作業をする根気はありますか?
外壁塗装のDIYは土日だけの作業では半年かかっても終わりません。
仕事がある日に毎日2〜3時間、休日も6時間程度の作業を使って3ヶ月〜半年の工期がかかります。
必要な道具を調べるとか、購入する、毎日の作業前後に塗料の管理や準備をするなど業者に依頼する場合の10倍以上は手間がかかるでしょう。
それでいて、工事費用は半額程度にしかなりません。
作業を時給に換算すれば300円以下ということもあるでしょう。
最低時給を下回る金額しか節約できなくても根気よく毎日作業ができる人でなければDIYは向いていません。
費用が業者よりも高くなるリスクがある
外壁塗装をDIYする最大のメリットは費用が安くなることですが、場合によっては業者の方が安いケースがあります。
原因は外壁塗装の失敗です。
DIYでは十分な技術を持たない人が塗装をするため、塗膜がはがれやすくなります。
最悪の場合は1年とたたずに劣化してしまい、結局は業者に依頼することも珍しくありません。
最終的に業者に依頼してしまうと、DIYをおこなった分だけ費用が無駄になるでしょう。
トラブルが起こりやすい
DIYで外壁塗装をする最大のデメリットは近所トラブルが多いことです。
塗料は小さな飛沫になるため、風で簡単に飛んでしまいます。
隣人は、1滴でも隣家や車に塗料が付着すると損害賠償を請求してきます。付着した物の価格や数によりますが、高級な車や住宅の外壁に塗料が付いてしまうとDIYで安くした分の費用は簡単に失われてしまうでしょう。
近隣住宅のクレームや賠償のリスクをかかえても構わないという人でなければDIYの外壁塗装は向いていないでしょう。
1-3.外壁塗装のDIYはどんな人に向いている?
外壁塗装のDIYは足場の設置以外は全て自分でおこなうことができます。
足場の設置だけはプロでなければ道具と技術が手に入らないため、業者に依頼するしかありません。
では、外壁塗装のDIYはどんな人に適しているのでしょうか。
外壁塗装のDIYは以下の人に適しています。
- 工事費用を安くしたい人
- 外壁を自分でデザインしたい人
- 仕事が終わってから毎日2〜3時間の作業ができる人
- 近隣からのクレームに耐えられる人
- 失敗して業者に依頼するリスクを許容できる人
- 塗料が飛んでも賠償金を支払える人
すべての条件を満たしている人なら外壁塗装をDIYでおこなっても問題ありません。
2.DIYで外壁塗装をした場合にかかる費用や工期の目安
外壁塗装をDIYする場合、業者に依頼するよりも費用は半額程度、工期は6倍以上かかると想定したほうがよいでしょう。
以下では具体的な費用と工期を解説します。
2-1.費用
外壁塗装をDIYでおこなった場合にかかる費用は30〜50万円程度です。
道具を揃えるのに5万円、足場費用で10〜20万円、材料費で15〜25万円が目安となるでしょう。
住宅の外壁面積や使う塗料によって金額は変動しますが、一般的な20〜50坪程度の住宅でしたら上記が目安となるでしょう。
2-2.工期
外壁塗装をDIYでおこなう場合の工期は、30坪(塗装面積130㎡)の住宅を1人で作業する場合で3ヶ月〜半年が目安となります。
2人で作業をすれば1ヶ月半〜3ヶ月程度で可能となるでしょう。
DIYの場合、たとえ人数を増やしたとしても業者と同じように2〜3週間で工事をすることは困難です。
なぜなら、熟練の職人1人の作業量は、素人が2人いても補えないと考えられるからです。
3.外壁塗装をDIYでするために必要な手順
外壁塗装をDIYでおこなうために必要な手順は以下となります
- 道具を準備する
- 足場を組み立てる
- 養生する
- 下地処理をする
- 下塗りをする
- 中塗り・上塗りをする
- 付帯部を塗装する
- 足場を解体して清掃する
それぞれの工程を詳しく説明していきます。
3-1.道具を準備する
外壁塗装のDIYに必要な道具には以下があります。
- 洗浄用のホース、高圧洗浄機
- ハケ
- ローラーの柄
- ローラーの毛
- ローラーバケツ
- ローラーネット
- 軍手
- 汚れてもいい服
- 脚立
- マスキングテープ
- ガムテープ
- マスカー
- コーキング材
- コーキングガン
- ケレン用のかわすき
- 地面養生用のブルーシートやビニールシート
- 下塗り塗料
- 中塗りと上塗り用塗料
上記は大規模なホームセンターで用意できますので、道具を探す作業は難しいものではありません。
3-2.足場を組み立てる
足場の設置は高度な技術と器材が必要なため自力ではできません。
住宅の全面的な外壁塗装の場合は10〜20万円を支払って足場専門の業者に依頼しましょう。
足場専門の業者はインターネットや電話帳から探せば簡単に見つかります。
3-3.養生する
塗料で汚したくない部分をテープやシートで保護します。
養生が不十分だと隣家に塗料が飛びやすくなったり、想定外の場所を塗ってしまったりすることがあります。
また、ガムテープやマスキングテープの貼りかた次第で外壁塗装の仕上がりがかわるためキレイに貼りましょう。
3-4.下地処理をする
ホースや高圧洗浄機を使って外壁を洗浄します。
洗浄後は、かわすきを使ってケレン作業を行ないます。
ケレンとは、はがれかけている塗装を落として下塗りが付着しやすいようにする作業です。
3-5.下塗りをする
中塗りと上塗り塗料をはがれにくくするために下塗りをします。
下塗りには接着剤の役割があります。
下塗りをしないと塗装が短期間ではがれてしまうため、必ずおこないましょう。
3-6.中塗り・上塗りをする
仕上げ用の塗料を2回塗る作業です。
1回目を中塗り、2回目を上塗りと呼びます。
特に上塗りは外壁の見栄えを決める重要な作業のため塗りムラが無いように気をつけましょう。
3-7.付帯部を塗装する
付帯部とは、雨樋や軒天井といった外壁の細部をさします。
付帯部は外壁の他の部位よりも劣化しやすいため忘れずに塗装しましょう。
塗り忘れて劣化が進むと雨漏りの原因となります。
3-8.足場を解体して清掃する
塗装作業が完了したら最後に業者が足場を解体します。
足場を解体したら清掃をおこなって工事完了です。
DIYでは工事後に塗装がはがれることが多いため、使用した塗料や道具は保管しておきましょう。
保管場所は塗料によって悪臭を放つため住居から離れた場所に保管することをオススメします。
4.外壁塗装でDIYする際の注意点をチェックしよう
外壁塗装をDIYでおこなう際には2つの注意点があります。
守らないと費用や労力が無駄になるため事前にチェックしましょう。
4-1.外壁に塗装が本当に必要なのかを見きわめる
自宅の外壁に塗装が必要かどうかを見きわめなくてはいけません。
塗装が必要ないのに塗り替えをしたら費用が無駄になります。
塗装時期の見きわめかたは業者に調査してもらう方法が確実ですが、自分で工事をするDIYだと難しいでしょう。
自分でも見きわめられる外壁塗装の時期の目安は外壁をリフォームする時期は10年?依頼に最適な季節も紹介を確認してみてください。
4-2.近所トラブルを徹底的に防止する
外壁塗装のDIYで最も怖いのが近所トラブルです。
近所トラブルを回避するために以下の3つを守りましょう。
- 工事前に挨拶する
- 悪臭や騒音が発生する作業の日は事前に告知する
- 塗料が飛散しないよう徹底的に対策していることを説明する
工事前の挨拶をしなかったばかりにクレームが発生することは多いです。
事前の挨拶は必ずおこないましょう。
悪臭や騒音はあなただけではなく近隣にも影響を与えます。
塗装をする日や足場の設置・解体日は近隣住民に事前に告知しておきましょう。
近所の人は塗料の飛散を最も恐れます。
足場をメッシュシートで覆ったうえで、塗料の扱いにも気をつけるといった説明を事前に近隣住民にしておく必要があります。
5.業者に依頼したほうがDIYよりも安くなる場合とは
外壁塗装はDIYのほうが安くなると言われていますが、実際には業者に依頼したほうが工事費用を節約できるケースがあります。
5-1.補助金や助成金を利用する
外壁塗装では自治体の補助金や助成金を受けられるケースがあります。
補助金や助成金はDIYで工事をすると受けとることはできません。
例としては、リフォーム全般の改修工事に補助金を出している自治体なら、100万円の工事に対して10〜20万円程度の補助金や助成金が受け取れるでしょう。
業者に依頼して補助金や助成金を利用するとDIYよりも安くなるケースがあるため、詳しい情報は外壁工事で補助金・助成金を受け取る方法と注意点をチェックを確認してみましょう。
5-2.DIYで失敗したときに業者に依頼をする
DIYの作業は業者に比べて高確率で失敗します。
素人が塗装をするのだから短期間ではがれるのは当然です。
DIYで失敗した人は、工事の大変さから二度と自分でやろうとは思わないでしょう。
結局、業者に依頼をしてしまいます。
DIYに失敗すると自分で工事した費用が無駄になります。
確実性を求めるのなら、最初から業者に依頼したほうが安く済むでしょう。
6.まとめ
外壁塗装でDIYをするのはリスクが高いです。
費用が高くなったり、近隣住民とトラブルを引き起こしたりする危険があります。
また、DIYで外壁塗装を行うと多大な労力が必要となるでしょう。
確実性を求めるのなら最初から業者に依頼することをオススメします。
業者に依頼すれば、塗装がはがれたとしても補償してもらえるため、安心して暮らせるようになるでしょう。
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