「外壁塗装に使う塗料は何がいいの?」
「内壁にはどんな塗料を選ぶべきか知りたい」
こんな悩みを抱えてはいませんか?
この記事では、外壁や内壁に使用する塗料の違いについて解説いたします。
具体的には、
- 外壁によく利用する塗料の種類
- 内壁によく利用する塗料の種類
- DIYと業者への依頼はどのくらいの価格差があるのか
について紹介いたします。
壁の塗装を安心して業者に依頼するために、塗料の種類を事前に確認しておきましょう。
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目次
1.外壁によく利用する塗料の種類
外壁塗装に利用する主な塗料は以下の4種類です。
30坪程度の住宅であれば外壁塗装にかかる費用は60万円〜120万円程度が目安となるでしょう。
全体費用の内訳としては、塗料で約2〜3割、人件費で約3〜4割、工事費用などで約3〜4割です。
1-1.ウレタン系塗料
耐用年数が6〜10年と短く、4種類の塗料のなかでは最も安いです。多くの住宅で外壁塗料に使用されていましたが、現在ではコストパフォーマンスに優れたシリコン系塗料を使う人が増えています。
1-2.シリコン系塗料
耐用年数が8〜15年でコストのバランスが優れている塗料です。シリコン系塗料は個人住宅の外壁塗装において主流となっている材料で、多くの塗装工事で利用しています。
外壁塗装の塗料に迷ったらシリコン系塗料を選べば間違いはありません。
1-3.ラジカル系塗料
耐用年数が12〜15年でとコストのバランスが最も優れている塗料です。登場して数年しか経っていない新しい塗料で、コストパフォーマンスが最も良く、住宅塗装での利用頻度が増えてきている材料です。
ただし、実績が乏しいため信頼性に疑問が残ります。ラジカル系塗料はあと10年ほど待って実績が確かなものになってから利用すると良いでしょう。
1-4.フッ素系塗料
東京スカイツリーや公共事業などで使用している高品質な塗料です。耐用年数15〜20年と長いためメンテナンス頻度を下げたい場合に使用します。
1-5.水性塗料と溶剤系塗料の違い
各塗料には「水性塗料」と「溶剤系塗料」があります。
ウレタン系塗料が水性だとか、フッ素塗料が溶剤系だという意味ではありません。ウレタン系塗料やフッ素系塗料の中でさらに水性と溶剤系に分かれるということです。
水性塗料と溶剤系塗料は互いにメリットとデメリットがあるためどちらが優れているとは一概に言えません。
それぞれ以下のような特徴があります。
1-5-1.水性塗料
水性塗料とは、水を主成分としている塗料です。
価格が安くて臭いが少ない代わりに、溶剤系より剥離しやすいという特徴があります。
溶剤系がアレルギーなどで体質的に受け付けないという人は水性塗料を選びましょう。
1-5-2.溶剤系塗料
シンナーなどの溶剤を主成分とした塗料です。水性よりは価格が高くて臭いがきついですが、剥離しにくく天候の影響も受けにくい塗料です。
ただし、溶剤は引火性ですので乾燥するまでは塗料自体が燃える危険性があります。
外壁のような過酷な環境に耐える必要がある場所で使用されています。
1-6.ツヤあり・ツヤ消し塗料の違い
他にも塗料には「ツヤ有り」「ツヤ消し」という分類があります。
ツヤ有り塗料は、新築のように見栄えが良くなりますが目立ちすぎるというデメリットがあります。
ツヤ消し塗料は、落ち着いた雰囲気が出ますが古ぼけて見えてしまうデメリットがあります。
すべての塗料に「ツヤ有り」と「ツヤ消し」が存在するわけではありません。また、塗装業者がツヤの度合いを変えているわけではありません。
ツヤについてはメーカーが塗料を作る段階で調整しています。「ツヤ有り」で依頼した場合、気が変わったからといって工事中に「ツヤ消し」へ変更することはできません。
ツヤ消し塗料には「3分ツヤ」「5分ツヤ」「7分ツヤ」といったようにツヤを残す量に応じていくつかの種類があります。
完全にツヤを消すと見栄えが悪くなります。ある程度はツヤを残した塗料を使うのが一般的です。
2.内壁によく利用する塗料
内壁は過酷な環境にさらされることがないため、外壁塗装とは異なる塗料を使うことが多いです。
内壁塗装にかかる全体費用の目安は1部屋あたり5万円〜30万円ほどです。この価格差は使用する塗料・部屋の大きさ・塗替えタイミングによって変わってきます。内訳としては、塗料代で約3〜4割、人件費で約3〜4割、工事費用で約3割程度です。
塗り替えの目安としては10年程度で、塗料の剥がれや劣化が目立つようなら塗装を検討すると良いでしょう。
主に使う塗料は以下の3つです。
- エマルション系塗料
- 天然塗料
- ウレタン塗料
詳しく解説していきます。
2-1.エマルション系塗料
乳液を利用した塗料で、1㎡あたりの価格は700円〜1,200円程度です。クロスに塗るかモルタルに塗るか、天井に塗るか壁に塗るかといったように下地や塗る場所によって価格は大きく異なります。
8畳の部屋に塗ると仮定した場合の金額の一例を紹介します。
ほとんどが水性のため人体への影響が少なく、内壁塗装では頻繁に使用する塗料です。
特に何も指定しなければ業者はエマルション系塗料を選ぶ可能性が高いです。
2-2.天然塗料
天然素材を材料とした塗料です。模様がついた漆喰などで使われており、1㎡あたりの価格は2,000円前後です。
8畳の部屋に塗ると仮定した場合の金額の一例を紹介します。
漆喰の場合は材料自体が重いため、天井に塗るとしたら価格が高額になる可能性があります。
2-3.ウレタン塗料
内壁の場合はドアなどの鉄部や木材などによく利用する塗料です。壁に塗るということは少ないですが、内壁塗装にはドアなどもセットになることが多いので頻繁に利用します。
鉄部や木部は一式として計上されることが多いため、ウレタンに関する単価の目安は特にありません。ウレタン塗料はエマルション系塗料に比べて臭いがキツイものが多いです。
3.壁の塗替えは業者に依頼するのとDIYではどちらが良いのか
「外壁塗装や内壁塗装をDIYで行えば安くなるのでは?」と考える人は多いでしょう。
DIYで工事をすると本当に業者によりもお得になるのでしょうか。ここでは両者のメリットやデメリットを確認していきましょう。
DIYを行う場合、業者に依頼するよりも半額程度の価格で済むことが多いです。しかし、工期は3倍以上に伸びますので時間と体力が有り余っている人でなければ途中で挫折してしまいます。
他にも、DIYを行うと近隣住民とのトラブルが高確率で起こります。塗装業者は常に気を配っています。もし塗料が他の家に飛んでしまってもあなたが賠償責任を負うことはありません。
しかし、DIYでは塗料が他人の家に飛んでしまった場合、たとえ言いがかりに過ぎなかったとしても賠償責任を求められるでしょう。
最悪の場合は、DIYで時間と体力を浪費したにもかかわらず賠償額だけで業者に依頼する以上の費用がかかることもありえます。
また、DIYでは塗装が1年で剥がれてしまうことが珍しくありません。翌年に業者に依頼し直すということもありますので、よほどお金に困っているのでもないかぎりリスクが高いDIYは避けたほうが無難でしょう。
4.まとめ
外壁塗装の塗料としてはウレタン系、シリコン系、ラジカル系、フッ素系の4種類が主流です。
価格やコストパフォーマンス、品質に応じて好きな塗料を選びましょう。
一方で、内壁塗装の場合はエマルション系塗料か天然塗料から選ぶことが多いです。特に指定をしなければ一般的に使われているエマルション系塗料を業者が決めることもあるでしょう。室内の鉄部や木部についてはウレタン塗料がよく利用されています。
塗装を工事業者ではなくDIYで行う場合、価格は半額程度に収まることが多いでしょう。
ただしDIYで行う場合は工期が3倍以上に延びる上に毎日のように重労働をしなくてはいけません。
また、近隣住民の車や家に塗料が飛散した場合に賠償金を支払う必要が出てくることも珍しくありません。
素人が塗ったために塗装が1年で剥がれてしまい、結局は業者に依頼する人もいるでしょう。
DIYで節約したにもかかわらず最終的に業者以上に費用がかかる可能性は十分にあります。
リスクを避けたいのであれば素直に業者に依頼することが望ましいでしょう。
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