「自宅の外壁塗装をしたいけれど使う塗料や費用を知りたい」
「外壁塗装をするために注意点を知りたい」
自宅のリフォームの際にこういった悩みを抱えている人は多いでしょう。この記事では、読むだけで外壁塗装の費用や業者の選びかたがわかります。具体的な内容は以下となります。
- 外壁塗装が必要な時期の見極めかた
- 塗装リフォームに必要な費用相場
- 外壁塗装に使う塗料の種類
- 自分の家に適した色を見つける方法
- 外壁塗装の業者を探す際の注意点
上記を理解せずに外壁塗装をすると、トラブルを引き起こしたり余計な費用を支払ったりするでしょう。事前に知識を手に入れて悪徳業者にだまされないようにしましょう。
目次
1.外壁塗装が必要かどうかを見抜く方法
外壁塗装が必要な時期の目安は前回のリフォームから10年後です。ただし、年数はあくまで目安でしかありません。
最適な塗装時期を見抜くためには、外壁の劣化状況から判断してください。外壁の劣化状況のうち、塗装が必要な症状を解説します。
1−1.カビ・コケ・汚れの付着
外壁にカビやコケ、汚れが付いてしまうと見栄えが悪化します。カビやコケ、汚れは表面的な劣化のため塗装の耐久性にはほとんど影響がありません。
しかし、外壁の多くの箇所がカビやコケに侵食されていたとしたら、放置できる人は少ないでしょう。カビやコケ、汚れによる見栄えの悪化が気になる人は外壁塗装を検討してみましょう。
1−2.チョーキング(白亜化)
外壁に指でふれたときに白い粉が付く現象がチョーキングです。チョーキングは、塗料に含まれる樹脂成分が劣化して、色を付けるための「顔料」と呼ばれる粉が露出した状態です。
樹脂が劣化した塗料は耐久性が低下します。放置をすると素地の劣化を早め、外壁材の交換時期を短くしてしまいます。外壁の多くの場所でチョーキング現象が見つかったら塗装の目安だと考えましょう。
1−3.ふくれ
ふくれは、外壁の塗装が不自然にふくれあがる劣化現象です。ふくれた塗装の内部には空気や水が入り込みます。
放置すると塗装は剥がれて外壁素材や下塗りが露出してしまうでしょう。外壁の多くの場所でふくれが見つかった場合は塗装が必要です。
1−4.割れ
塗装がひび割れする劣化現象が「割れ」です。塗装の表面のみのひび割れが「チェッキング」、下塗りが露出するほど悪化した場合は「クラッキング」と呼びます。
「チェッキング」は放置するとクラッキングに移行する可能性があります。外壁の多くの場所でチェッキングが見つかった場合は塗装が必要でしょう。
「クラッキング」は塗料の寿命が限界に達していることを示しています。外壁素材まで割れている場合は早急に補修をしなければ雨漏りの可能性が高まるでしょう。
1−5.剥がれ
剥がれは、塗装が剥がれて下塗りや外壁素材が露出している現象です。下塗りには外壁を保護する役目はありません。
「剥がれ」が発生している部位の外壁は保護されずに劣化しやすくなり、雨漏りや割れの原因となります。外壁で多数の箇所に剥がれが見つかった場合は早急に塗装を行いましょう。
劣化状況別にまとめると以下のようになります。
外壁を確認して劣化が見つかったら対応を間違えないようにしましょう。
2.外壁塗装にかかる費用の相場
外壁塗装に必要な費用の相場は30坪程度の住宅で70〜100万円です。屋根塗装もセットで行う場合は100〜145万円程度でしょう。
上記は、一般的なシリコン塗料で塗装をした場合です。塗料の種類によって10万円程度の増減が発生します。
以下では、費用の内訳や、安くする対策を解説していきましょう。
2-1.費用の目安
30坪程度の住宅の場合、外壁塗装に必要な費用の内訳は以下のようになります。
- 足場 20〜27万円
- 養生 10〜13万円
- 外壁洗浄 2〜4万円
- 塗装 15〜40万円
- 付帯部塗装 5〜20万円
- 諸経費 工事価格の5〜15%
足場を設置しなければ、ほとんどの業者は作業をしてくれません。職人の安全を確保するためと、作業を効率化するうえで足場は必要です。
養生とは、塗料が周囲に飛び散らないようシートやテープで塗らない場所を保護する作業です。
外壁洗浄は、壁の汚れを落として塗装の寿命(耐用年数)を最大限発揮させるために必要な作業です。
付帯部塗装とは、外壁の広い面以外の塗装を指します。例として、屋根の側面にある破風板(はふいた)や、雨を地面に逃がすための雨樋(あまとい)があります。
諸経費とは、ゴミの廃棄量や業者の利益、事務員の人件費などです。業者は利益がほとんどない工事は引き受けません。
あなたは「業者の利益である諸経費をできれば値引きしたい」と考えるでしょう。しかし、諸経費の交渉をするのなら工事を断られたり手抜き工事をされたりするリスクがあると覚悟しましょう。
2-2.費用を安くする方法
外壁塗装の費用を安くするには火災保険や補助金などを利用する手があります。保険や制度を利用して工事費用を節約できれば、より高いグレードの塗料を使った工事が可能となるでしょう。
火災保険を利用する
住宅の火災保険の適用条件には「風災」という条件があります。風災は、台風のような強風によって外壁が破損した場合に適用可能です。
災害によって外壁が破損した場合は火災保険の風災を適用できるかどうかを業者に確認しましょう。
火災保険を適用したい場合は、外壁が経年劣化以外で破損している必要があります。そのため塗装だけではなく補修工事も必要となるでしょう。
火災保険を適用したい場合は、保険に詳しい外壁業者に相談してください。 業者が詳しいかどうかの判別方法としては、過去に火災保険を適用した実績があるかどうかを確認するとよいでしょう。
保険の適用経験がない業者だと火災保険の手続きや工事の進めかたを知らないため、保険金が受け取れない可能性があります。
補助・助成金を利用する
自治体によっては外壁塗装に対して補助や助成金が受け取れるケースがあります。特に遮熱塗料を使った塗装なら適用される可能性は高まるでしょう。
自分が所属する自治体の補助や助成金の詳細は役所に問い合わせなくてはいけません。
例としては、東京都渋谷区には「住宅簡易改修工事費助成」という助成金制度があります。渋谷区に住民登録をしている個人が居住している渋谷区内の住宅でであれば助成金を受け取れます。
工事金額は税抜き5万円以上が条件で、外壁塗装でもお金がもらえます。助成金額は工事費用の20%で上限は10万円です。
補助や助成金を受ける際は、制度を利用したことがある実績豊富な業者に相談しましょう。「業者と契約する前に申請しなければ支援金は受け取れない」といった厳しい条件があるため、制度を知らない業者に依頼すると補助や助成金が受け取れません。
3.外壁塗装に使う塗料の種類
外壁塗装では主に4種類の塗料を使います。以下の特徴から、自宅に適した塗料を選択して無駄な費用を使わないようにしましょう。
3-1.ウレタン系塗料
主にポリウレタン樹脂を利用しており、一昔前までは主流となっていた塗料です。現在は価格に対して寿命が短いため外壁塗装で利用するケースは減ってきました。
メリットは価格が安い点です。外壁塗装で使う塗料としては最安値といえるでしょう。
デメリットは耐用年数が短い点です。6年〜10年で寿命となるため長期的に考えると費用が増します。
ウレタン系塗料は、今すぐ外壁塗装が必要だけれど、予算がほとんど確保できない人に向いているでしょう。
3-2.シリコン系塗料
日本の外壁塗装で最も多く使われている塗料です。耐用年数は10〜15年程度あります。
実績が豊富でコストパフォーマンスにも優れているため、塗料選びで迷った際にはシリコン系塗料を選びましょう。
メリットは実績が豊富でコストパフォーマンスが高い点です。外壁塗装業者でシリコン系塗料を塗装できない業者は無いといってよいでしょう。
デメリットはウレタン系塗料よりは高価格で、フッ素系塗料より低品質という点があげられます。
シリコン系塗料は「人気の塗料を選びたい」、「一般的に使われている材料を利用したい」という人に向いています。
3-3.ラジカル系塗料
2012年に登場したばかりの新しい外壁塗料です。シリコン系塗料より1割ほど価格が高いですが、耐用年数は3割近く延びるため非常にコストパフォーマンスが高いです
メリットはコストパフォーマンスの高さです。価格と耐用年数のバランスが最もよい塗料と考えられます。
デメリットは実績がほとんどないことです。ラジカル系塗料は耐用年数を実際に耐え抜いた実績がありません。
新しい塗料のため、使いかたのノウハウがなくて適切な工事ができない業者も多いでしょう。
ラジカル系塗料は、新しい塗料を試したい人に向いています。
3-4.フッ素系塗料
フッ素系塗料は高品質な外壁塗料です。最長で20年という長い寿命を誇るため、東京スカイツリーや公共施設で利用されています。
メリットは高品質で耐久性が高い点です。メンテナンスの手間が少なく、長いあいだ美観を維持できます。
デメリットは高価格な点です。シリコン系塗料と比べて3割程度も価格が高いため、資金に余裕がなければ手を出しにくい塗料といえるでしょう。
フッ素系塗料は、メンテナンスの手間を省きたい人や、高寿命な外壁塗料を探している人に適しています。
外壁塗装には上記4種類以外にも様々な分類があります。塗料について詳しく知りたい人は、「壁の塗り替えに使う塗料の特徴を知って効果的に工事しよう」もチェックしてみましょう。
4.自分の家に適した色を見つけるための注意点
外壁塗装をする際は色の選びかたで迷う人もいるでしょう。色選びには3つの注意点があります。
- 時間帯によって色の見えかたが変わる
- 周囲の色に大きく影響を受ける
- 面積によって色の見えかたが変わる
上記を把握しないまま依頼をすると、イメージとは異なる色の外壁になってしまい公開するでしょう。
4-1.時間帯によって色の見えかたが変わる
色は、光源によって見えかたが変わります。そもそも「色」とは、光源に含まれる特定の波長の光線を反射したものです。元となる光源が違えば見えかたが異なるのは当然といえるでしょう。
蛍光灯と太陽光の下では同じ色でも違うように見えます。同様に、朝日と夕日でも見えかたはかわるでしょう。
色のチェックは、朝日や夕日ではなく、1日で最も太陽が出ている昼間の時間帯に外で確認するとよいでしょう。
4-2.周囲の色に大きく影響を受ける
色は周囲の色彩によって見えかたが変わります。黒に囲まれた色は黒っぽく、白に囲まれた色は白っぽく見えます。
外壁塗装でも同様で、黒い色に囲まれた住宅は薄暗い色に見えやすいでしょう。また、周辺の景色が自然ばかりで緑に囲まれていれば、住宅の色も緑っぽくみえることでしょう。
自宅の色を選ぶ際には周辺の景色を考慮して決めましょう。
4-3.面積で色の見えかたは変わる
色は、塗った面積によって見えかたが変わります。1c㎡と1㎡では、より大きい面積のほうが明るい色に見えます。
住宅の外壁は100㎡を超えます。非常に面積が大きいため、色サンプルなどで確認したイメージより明るくなりやすいです。
色サンプルといった小さな素材でカラーを決める場合は、目にしたイメージよりも仕上りが明るくなると考えておきましょう。
色選びは見えかただけではなく、どの色を組み合わせるかも重要です。外壁塗装における色の組み合わせ方法を知りたい場合は「外壁や屋根における色の組み合わせで失敗しないための方法」をチェックしてみましょう。
5.外壁塗装業者を探す際の注意点
外壁塗装をする場合に最も注意するべきは業者選びです。どれほど優れた塗料を使っても、悪徳業者に依頼してしまうと1年で塗装が剥がれてしまいます。
ここでは、外壁塗装を依頼する際に注意する2つのポイントを紹介します。
5-1.相見積もりを行う
外壁塗装を業者に依頼する際は相見積もりが不可欠です。相見積もりとは、複数の業者に見積もりを依頼する手法を指します。
相見積もりを行うと、1社だけでは見抜けなかった工事内容の不備や、費用の相場が判別しやすくなります。
相見積もりをする業者の候補はインターネットや電話帳から探しましょう。業者に1件ずつ連絡するのは手間ですが、外壁塗装を成功させるためには必要な作業です。
なお、1件ずつ連絡する手間をどうしても省きたい場合はリフォームガイドを利用する方法もあります。
リフォームガイドでは審査に通過した優良業者のみを紹介しており、あなたの自宅に適した会社を自動的に選んでくれます。
相見積もりの候補となる業者を探す手間と時間が省けるため、時間がないという場合はリフォームガイドの利用を検討しましょう。
(ご参考)リフォームガイドのご案内
ここでは、紹介サイトの一つである弊社リフォームガイドについてご紹介致します。リフォームガイドでは、皆さまのリフォ―ム内容や趣向に合わせてピッタリのリフォ―ム会社をまとめて紹介できます。
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5-2.悪徳業者に依頼しない
悪徳業者に依頼してしまうと、塗料がすぐに剥がれてしまったり相場の2倍の費用を請求されたりします。悪徳業者を見抜くためには以下の3つのポイントを意識しましょう。
訪問営業の会社には依頼しない
自宅に訪問営業にきた会社は悪徳業者の可能性が高いです。優良業者は仕事に困らないため個人住宅に訪問営業をする必要がないためです。
また、訪問営業をしている会社は営業マンの人件費が工事料金に上乗せされています。工事とは無関係な費用を支払わなくてはいけないため、あなたにはデメリットしかありません。
訪問営業の業者の手法としては、
「今ならキャンペーン中のためお安くしています」
「今すぐ塗装をしないと大変なことになります」
と言って工事を急かしてきます。
工事を急かされたとしても依頼するかどうかをその場で決めないで、「他の業者と比較してみます」と伝えましょう。
特定の地域で歴史のある会社を選ぶ
広範囲で仕事を受けている業者ではなく、あなたが所属する地域に特化した歴史のある業者を選びましょう。
特定の地域で営業をしている業者なら、その地域にしかない特性を把握しているため失敗する可能性が低いです。
また、20年以上の歴史がある業者ならリピーターがいて評判がよいと考えられるため、悪徳業者である可能性は低いでしょう。
自社施工をしている会社から選ぶ
自社で工事をしていない外壁塗装業者は珍しくありません。例としてはハウスメーカーや、ホームセンター、ゼネコンです。
これらの会社は下請け会社に工事を任せて仲介料を受け取っています。あなたが支払う工事費が仲介料のせいで高くなるため、費用を抑えたい人にとってはデメリットが大きいです。
自社施工をしている塗装専門店であれば仲介料がかからず費用を抑えられるでしょう。業者が自社施工をしているかどうかはホームページを確認してください。
ホームページに職人の画像が掲載されている会社なら自社で工事をしている可能性が高いです。
6.まとめ
外壁塗装が必要な時期の目安は、前回のリフォームから10年後です。ただし、年数よりも劣化状況で判断するとよいでしょう。
外壁塗装にかかる費用は30坪程度の住宅で70〜100万円程度です。塗料にはウレタン系、シリコン系、ラジカル系、フッ素系の4種類があり、こだわりがないのならシリコン系塗料を選べば間違いはありません。
外壁塗装業者を探す際は相見積もりが必須です。相見積もりを行えば相場を逸脱した高額な費用を請求されたり悪徳業者に騙されたりする危険性が低くなるでしょう。訪問営業はどのような営業をしてくるのか、それに対してどう答えたらいいのか、まで深堀することで被害を防ぐことができるかと思います
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