「外壁をリフォームしたいけれどどんな工事をすればいいの?」
こういった悩みを抱えている人は多いでしょう。この記事では、外壁リフォームをする際に必要な知識を紹介いたします。
具体的には、
- 外壁リフォームにはどんな工事方法があるのか
- リフォームで使う素材は何が良いのか
- 自分はどのリフォーム方法を選ぶべきか
について解説いたします。
読むことで、適切な外壁リフォーム手段を選べるようになるでしょう。
目次
1.外壁をリフォームする際の工事方法は3種類
外壁リフォームの工事方法は以下の3つです。
- 塗装リフォーム
- 重ね張りリフォーム
- 張り替えリフォーム
外壁が表面しか劣化していないのなら塗装でも十分でしょう。しかし、外壁素材が破損している場合や、デザインを素材から変えたい場合は重ね張りが必要なことがあります。外壁の内側が腐食などの劣化をしていたら、下地補修が必要なため張り替えリフォームしなくてはいけないかもしれません。
どの工事が必要なのかは素人では判断が難しいため、業者に確認してもらうのが確実です。
1-1.塗装リフォーム
外壁素材に塗装をするリフォーム方法です。
一般的なシリコン系塗料で塗装をした場合の耐用年数は10年程度です。
外壁の塗装リフォームにかかる費用は、一般的な30坪程度の住宅(外壁面積125㎡)だと70〜100万円程度が相場です。外壁と一緒に屋根工事を行う場合はさらに30〜40万円ほど増加します。上記はあくまで参考価格でしかありません。
外壁塗装には明確な相場がないため、塗料の種類や外壁面積、工事手法、業者の価格基準などによって価格は大きく変動します。
塗料によっては最大で20年近い耐用年数もありますが、工事費用が高額になります。
塗装リフォームの工事期間は12〜15日程度が必要です。
1-2.重ね張りリフォーム
現在の外壁の上からサイディング素材を張りつけるリフォーム方法です。
重ね張りリフォームでは壁の重さを考えなくてはいけないため使える材料が金属系サイディングに限られることが多いです。そのためデザイン性が悪くなりますので、自分好みの外壁にできない可能性があると理解しておきましょう。
外壁の重ね張りリフォームにかかる費用は、一般的な30坪程度の住宅(外壁面積125㎡)だと180〜240万円程度が相場です。
サイディング素材のメンテナンス時期は10年程度です。サイディング素材自体は20〜30年もちますが、表面の塗装が剥がれてくるため20年以内に補修が必要です。
重ね張りリフォームの工事期間は10〜14日程度が必要です。
1-3.張り替えリフォーム
既存の外壁を剥がしてからサイディングを張りなおすリフォームです。
重ね張りリフォームでは金属系サイディングしか利用できない場合がある一方で、張り替えリフォームでは価格が安い窯業系サイディングを使えます。窯業系サイディングを利用すれば、重ね張りリフォームと価格がほとんど変わらないこともあるでしょう。
外壁の張り替えリフォームにかかる費用は、一般的な30坪程度の住宅(外壁面積125㎡)だと200〜260万円程度が相場です。
新しく張り替える素材はサイディングですので、メンテナンス時期は10年程度です。
張り替えリフォームの工事期間は12〜17日程度が必要です。
2.外壁を重ね張り・張り替えでリフォームする際に知っておきたい素材の種類
塗装以外の外壁素材には以下があります。
基本的に下の項目ほど費用が高くなる傾向が強いでしょう。
2-1.サイディング外壁
日本の住宅の多くで利用されている外壁素材です。
安い価格で工事ができてデザイン性も高いため人気があります。
耐用年数は20〜30年程度ですが、10年ごとに塗装メンテナンスが必要です。
2-2.モルタル外壁
コンクリートのような無機質な壁がモルタルです。かつては多くの住宅で利用されていましたが、近年ではデザイン性が高くて価格も安いサイディングのほうが人気は高いです。
モルタル外壁には、以下のようなメリットがあります。
- 繋ぎ目が無い(サイディングでは繋ぎ目が目立つ)
- 職人の腕があれば高いデザイン性が実現する
- 質感が良い
耐用年数は30年以上ですが、サイディング同様に10年ごとに塗装メンテナンスが必要です。また、手作業による工事なので職人の腕によって耐用年数が変化するでしょう。
2-3.タイル外壁
タイル外壁はマンションに多く、住宅で使用されることは少ないです。7〜10年おきに目地補修をする必要はありますが、タイル自体は25〜30年程度はメンテナンスがいりません。
傷などもつきにくいため頑丈な素材ですが、サイディングやモルタルに比べて非常に高価です。サイディングやモルタルよりも初期費用が高く、個人住宅で使う人は多くありません。
3.外壁を塗装でリフォームする際に知っておきたい塗料の種類
住宅の外壁塗装で利用する塗料は主に4種類があります。
3-1.ウレタン系塗料
最も価格が安い塗料ですが、耐用年数が短いため近年では利用頻度が低下してきています。弾性があって密着性が高く、木部との相性が良いことから室内の木材塗装などでよく使用します。
他の塗料に比べて費用に対する耐久性が低いですので、予算が少ないという状況でもなければ利用することはあまり無いでしょう。
3-2.シリコン系塗料
日本の個人住宅で最も利用されている塗料です。信頼性が高く、コストパフォーマンスも良いので現在の主流となっています。シリコン系塗料には、雨やホコリなどの汚れを防ぐ性質があります。そのため、長い期間外壁を美しく保つことができるのです。
どの塗料を使おうかと迷ったらシリコン系塗料を選んでおけば間違いないでしょう。
3-3.ラジカル系塗料
21世紀になって登場した新しい塗料です。正確にはラジカル制御型塗料と呼ばれ、シリコン系塗料よりコストパフォーマンスが良いと考えられています。
ただし、新しすぎて耐用年数を超えた実例が無いため信頼性が低いことが難点でしょう。
3-4.フッ素系塗料
公共施設や東京スカイツリーでも利用されている高性能な塗料です。耐用年数が最も長く、メンテナンスの手間を省けるメリットがあります。
一方で、価格が高いためコストパフォーマンスは他の塗料に劣るでしょう。
費用がかかっても構わないからメンテナンスの手間を減らしたいという場合に適しています。
4.自宅に適したリフォーム工法や外壁素材を選ぶ方法
すべてを自分で決めようとしたり、完全に業者任せにしたりすれば不要な工事をする羽目になりかねません。
自宅に適したリフォーム方法を知るために以下のことを実践していきましょう。
4-1.何を最優先にするのかを決める
リフォームをする上で最も重視することは何でしょうか?
- 見た目が悪くなったので綺麗になれば何でも良い
- 最低限の補修だけで十分
- 価格が高くなってでもメンテナンス頻度を下げたい
目的によって適切なリフォーム方法は変わります。
優先順位を決めることで納得した工事をできるようになるでしょう。
4-2.最低限必要な工事方法を業者に判断してもらう
目的を決めたら、業者に自宅を調査してもらいます。
調査してもらう際には、
- 最低限必要なリフォーム方法
- 目的に適したリフォーム方法
の2つを算出してもらうと良いでしょう。
間違っても自分だけでリフォーム方法を判断してはいけません。
外壁の内部が劣化しているかどうかはプロでなければ判別が難しいです。
下地素材の補修が必要なのに塗装リフォームを選ぶと、数年で再メンテナンスが必要ということもありえます。
4-3.選んだ候補から望む素材や工法を決めて相見積もりをとる
業者に調査してもらってリフォーム方法や外壁素材の候補を選んだら相見積もりを取ります。相見積もりとは、2社以上から見積もりを取得することです。
リフォームには明確な価格基準がほとんどなく、1社だけの見積もりで工事を決めてしまうと無駄な費用を支払うことになりかねません。適切な工事をしてくれる業者を選ぶために、必ず2社以上から見積もりを取得して比較するようにしましょう。
業者を選ぶのなら地域に根ざした歴史のある会社が狙い目です。なぜなら、悪質な工事をしている会社は口コミで悪評が広がるため、同じ地域で長年続けることが難しいからです。
優良業者を簡単に探したいのならリフォームガイドを利用しても良いでしょう。リフォームガイドは審査に合格した業者のみを取り扱っていますので、適切な業者を見つけやすくなります。相見積もりをする際に1社ずつ電話で連絡するような手間も省けるでしょう。
5.まとめ
外壁リフォームには3種類の工法があり、塗装以外の外壁リフォーム素材も3種類あります。
自宅に適した工法を知りたい場合は、まずはリフォームの目的を最初に決めましょう。目的を決めたら家を業者に調査してもらいましょう。
「自分の住宅に最低限必要なリフォーム」と「目的に適したリフォーム」の2種類を業者に判断してもらい、好きなほうを選びましょう。
そしてリフォーム方法を決めたら、複数の業者に見積もりを依頼することで適切な価格を見抜くことができるようになりますので、このような手順で進めていくようにしましょう。
(外壁リフォームの関連記事)
外壁リフォームの全ノウハウまとめ
その他外壁リフォームに関連する記事
- 外壁を張り替えする人が読むべき費用や手順、メリットを解説
- 外壁で行うカバー工法の種類やメリット、費用を徹底解説!
- 外壁のひび割れ補修にかかる費用やDIYできるかをチェック
- 外壁をサイディングにリフォームするなら知っておくべき知識
- 外壁リフォームの業者選びで費用を節約する方法を徹底解説!
- 外壁工事で補助金・助成金を受け取る方法と注意点をチェック
- 外壁の補修時期や方法、費用、注意したいポイントを解説!
- 外壁をリフォームする時期は10年?依頼に最適な季節も紹介
- 外壁材やサイディングを扱う各メーカーの特徴や種類を解説!
- 外壁を塗り壁にするメリットとデメリット!種類や手順も解説
- 外壁や屋根における色選びで失敗しないための方法
外壁リフォームの費用と相場